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酔っ払いながらのポチポチは辞めましょう。
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--はぁ。今日も疲れた。
ここ最近の激務で、連続出勤14日目が更新された。
労働基準法ではアウトだろう。アウトじゃなくても
「心身ともに、私が死ぬ…」
新卒で入社して、入社3年目。
普通よりもできてしまったからか、同期が辞めていって人員が足らなくなってしまったのか、激務の部署に去年異動した。
あまり乗り気ではなかったが、“長い物に巻かれる”ことが私の得意分野だったから、拒否することはなく、私は配属されることになった。
だって誰だって評価されたら嬉しいじゃん!
でもこの時の私には一言言ってやりたい。その評価を甘んじて受け入れるんじゃない、と。
…案の定、
「まじで激務じゃん。」
労働時間は、守る気がないのか、と言わんばかりの勤務時間で、朝、出社した時点でもう電話が鳴り響いてるんだもん。
鳴り響いてるということは電話をかけてきてる会社がいるってことで。
「お互い、大変だな」と多少の同情と仲間意識を抱きながら、デスクにつく。
と、同時に上司から「これ、今日中に。」と大量の仕事が。
ただでさえ、抱えている仕事が終わっていないにも関わらず、新たに舞い込んでくるので、デスクに乗っている大量の書類は積み上がったまま、減ったことがない。
あまりにも勤務時間が守られてないから、一度本来の勤務時間に出社してみれば、デスクにはこれまで見たことない量の書類と部署内からの嫌な視線。
正しいことをしたはずなのに、この会社のこの部署では間違ったことだったようで。
これもいろんなところでアウトなんだろうけど、流石に私もほんの興味でやってしまった手前、反省し、少しでもデスクの上の書類を減らさんと思い、仕事に取りかかった。もちろん、会社に対する不満なんて考える余裕ないよ。
あの日からは部署での正解通りに仕事してきたけれど、何も乗っていないデスクを見たのなんて、配属初日以来だよね。なんて笑えない冗談を自分の心の中でつぶやきながら、減ることのない仕事に取り掛かる毎日。
仕事があるだけ感謝しましょうってか?
そんな考えドブに捨てちまいな、と自分の働いてる姿を客観的に見てる私。
そろそろ思考もおかしくなってきちゃったかな。ま、そりゃそうだろうな。
そんなこんなで連続出勤が14日経過しました。
これまでも長い連勤はあったけど、今日、最長記録更新しました。パチパチ
明日は待ちに待ったお休みなのです。
普段お休みなんて、寝てるか、寝てるか、寝てるか、な私だけど、今回もきっとそうでしょう。
久しぶりに大好きなお酒にも手を出しちゃおうかな。
なんてったって、明日はお休みなんだから。
そんなこんなで、マイオアシス(自宅)に到着。
いやはや、こんなにも君(家)が恋しく思ったことないよ。
お酒には強いけど、急に寝ちゃう私だから、先にシャワーを浴びて、と。
さぁ、宴の始まりだ。
いつもならある程度の強さのお酒を飲むけど、今日はさすがにやばいかな。
久しぶりに飲むし、軽めにして、いけそうなら強いのも飲もうかな。
じゃあ、アテね。
今日は帰りのコンビニで買ってきた、「しみチョココーン」。
あの、チョコが染み込んだコーンスナック…?
100円であれが楽しめるなんて、って毎回つまらないことを考えながら、食べるの。
私は、お菓子でお酒が飲める人だから、いつもお酒と一緒にお菓子を買ってる。
大好きなチョコは外せないし、あとはしょっぱいもの。
オーザックとかあったら最高よね。
子供の頃はよく食べてたんだけど、いつしか食べなくなって。
でも最近見つけてね。
もうね、それしか食べないのよ。
延々と食べ続けるけど、1袋を限度にしないと翌日胃もたれするのよ。
だから、1袋だけ。
…飲み始めて3時間くらい?
「…眠たい。」
酔い始めると眠たくなるんだよなぁ
お気に入りの動画を見ながら、眠気を紛らわすためにSNS徘徊。
徘徊している手が、なぜか出会い系に行ってしまったのもきっとお酒のせいだ。
きっと連日の激務で溜まってたんだろう、そら人間だもの。
いろんな欲求はあるもので。その中に性欲が入っていたってなんらおかしいことではないもんね。
な~んて考えながらひたすら徘徊を続ける。
「ふ~ん。結構カッコ良さそう…」
ポチ、ポチ。 グビッ
「あ、家、近いな」
ポチ、ポチ。 グビグビッ
「へぇ~。」
ポチ、、、ポチ。 グビッ
あら、お酒がなくなっちゃった。新しいの出さなきゃな。
…あともうちょっとだけ徘徊してからでもいいかな。
と、思いながらいつしか微睡みながら、ポチ、ポチ。
「う~ん。」
激しい頭痛と共に私はいつもと違う香りに気づいて起きた。
「いい、香りがする…」
昨日は結局飲んで眠くなって寝たはずだし、アテが散らばってるはずだから、いつもアテの匂いで溢れているのに。
今日は、なんだか
「優しい香り…?なんで?」
気になってベッドから降りて、キッチンに向かう。
すると、
「あ、起きた?」
なんか、イケメンがいた。
…あれ?私部屋間違えたとかないよね?あきらか私の部屋だよね。
なんで知らない人が家にいるの?!
目を丸くさせてあきらかに動揺している私が見て取れたのか、イケメンが、
「あ、もしかして昨日のこと覚えてない?かなり酔ってたもんね。」
まったくもって覚えていない。
SNSをポチポチしていた覚えはあるけど、それからの記憶がない。
あれ?昨日の私、SNSで何見てた?
携帯を探す。
「携帯なら、充電しておいたよ。枕元にあるはずだよ。」
なんと。イケメンに全て見通されてしまっている。
だけど私にとって、そんなことは今気にするポイントではない。
一体昨日、私は何をしてしまったのか。
その究明を図りたい。
SNSの履歴を見てみる。
案の定、出会い系を見ていたようだ。
しかもその中で、一人の男性とマッチングしてやり取りをしている。
…これか。
「分かった?」
イケメンが問いかけていくる。
出会い系のプロフィールを見る限り、彼は大学生のようだ。
まじか、年下に手を出してしまったのか。
「大変申し訳ないことを…」
謝ろうとしたその瞬間。イケメンは、
「謝らないで!とりあえず、二日酔い、ひどいんじゃない?あったかいもの食べてゆっくりしようよ。」
イケメンは、顔だけでなく、内面までイケメンのようだ。
「はい、食べて」
イケメンはどうやら私のキッチンで、ご飯を作ってくれていたようで、お粥が出てきた。
しかも私の大好きな卵粥だ。私は普通のお粥が苦手だから、とてもありがたいけど。
「なぜ、卵粥?」
「昨日、話してたじゃん。あ、覚えてないか。」
昨日の私は、彼に心を開きまくっていたのか。
「食べながらでいいから昨日の話をしようか。覚えてないでしょ?」
…ありがたい。
「お願いします。」
---話を聞くと、夜も更けた頃に、出会い系のSNSに私から連絡があったらしい。
そもそもイケメンが出会い系に登録してるのも不思議に思い、聞いてみたら、友人に勝手に登録されたとのこと。
大変だな、イケメンは。
私の連絡はかなりしつこかったみたいで、強引に私の家に来させられたらしい。ごめん。
言われた住所に来てみれば、ベロベロに酔っ払っていた女が一人。
中身もイケメンな彼は、そんな私を見過ごすわけもなく、介抱してくれたようだ。
その中で、私の好みまで聞き出したらしい。というか、私が全て話したみたいだ。
話しながら、私は寝てしまったようで、その様子を見た彼は帰ろうとしたようだが、私が離さなかったみたいで仕方なく1泊し、なんと朝食まで作ってくれた、とのこと。
1から10までお世話になりっぱなしで、迷惑をかけまくってしまったようだ。
「なんと、お詫びすれば…」
顔面蒼白になる私。しかし彼は、違った印象を抱いた。
ー今までの女と違う、とー
彼ー渡邉翔ーの周りにはいつも女がいた。群がっているだけで、彼自身、女に興味があるわけではなく、むしろ苦手だった。しかし、彼の容姿があまりにも整っており、そんな彼を周りは一人にしてくれなかった。
男もそうだ。彼を使えば、女が必ずついてくるので、合コンには必ず彼を誘った。彼が嫌がっていたとしても、だ。
そんな学生生活をずっと続けてきて、彼は人間不信になっていた。
しかし、この人間不信は治すことはできないと思い、心開いて話せるなんて関係は望まなくなっていた。
そのひも強引に参加させられた合コンに来ていた。そんな時に、出会い系のSNSから変な連絡が入った。
送られてくる文章から、相手はかなり酔っ払っているか、頭がおかしい女だと分かったが、この嫌な合コンから離れたく、この誘いに乗った。
どっちにしろ合コンを出てしまえば良いことだし、SNSの女も軽くあしらえばいいだろうと安易に考えていた。
しかし、女の家に行ってみると、かなりヤバめな状態の女がいた。
もちろん、酔っ払っていることもそうだが、身体的に、あまりにも痩せすぎていた。
頬もこけて、栄養が足りていないことが明白だった。そんな身体に、お酒を入れていては、より身体を壊す一方だ。
翔は、そんな彼女を見て放っておけず、介抱することにした。
介抱の中で、彼女はたくさんのことを話してくれた。
仕事のこと、プライベートのこと、全部。
彼女はどうやらブラック企業に勤める社畜のようで、だからこそのあの体つきといえばわからなくもない話だった。
翔は、家事が得意で、料理も得意だった。人に食べてもらうことも好きだったが、周りの人間は、同じ言葉しか言わないし、なにより媚びてくるから、人に作ることをやめてしまったが、彼女に対しては、栄養のあるものを食べてほしいという気持ちが芽生えた。
だから、彼女のために卵粥を作った。人に作ったのは、かなり久しぶりだったが、体が自然に動いたのだ。
朝、起きてきた彼女は二日酔いが激しいと思っているようだが、実際は違う。
栄養が足りておらず、そこにアルコールが入ったのだから、体調を崩していたのだ。昨晩の話から、連休だと分かっていたので、この休み中になんとしても体調を戻さないと、体調を崩したまま、仕事を続け、いつか身体を壊してしまうと思った。
翔は、そんな彼女に心惹かれるようになり、尽くすようになる。
彼女は、そんな彼が毎回自分の家に来て、身の回りのことや、ご飯まで用意してくれることを不思議に思いながら、それでもこの関係が続くのであればという淡い期待に賭け、この生活を享受していくのだ。彼女自身、彼に惹かれているのだが、その気持ちの変化を彼女は気づけないままでいる。
この二人が想いを交わす日はいつになるのか、それは、誰にも分からない。
ここ最近の激務で、連続出勤14日目が更新された。
労働基準法ではアウトだろう。アウトじゃなくても
「心身ともに、私が死ぬ…」
新卒で入社して、入社3年目。
普通よりもできてしまったからか、同期が辞めていって人員が足らなくなってしまったのか、激務の部署に去年異動した。
あまり乗り気ではなかったが、“長い物に巻かれる”ことが私の得意分野だったから、拒否することはなく、私は配属されることになった。
だって誰だって評価されたら嬉しいじゃん!
でもこの時の私には一言言ってやりたい。その評価を甘んじて受け入れるんじゃない、と。
…案の定、
「まじで激務じゃん。」
労働時間は、守る気がないのか、と言わんばかりの勤務時間で、朝、出社した時点でもう電話が鳴り響いてるんだもん。
鳴り響いてるということは電話をかけてきてる会社がいるってことで。
「お互い、大変だな」と多少の同情と仲間意識を抱きながら、デスクにつく。
と、同時に上司から「これ、今日中に。」と大量の仕事が。
ただでさえ、抱えている仕事が終わっていないにも関わらず、新たに舞い込んでくるので、デスクに乗っている大量の書類は積み上がったまま、減ったことがない。
あまりにも勤務時間が守られてないから、一度本来の勤務時間に出社してみれば、デスクにはこれまで見たことない量の書類と部署内からの嫌な視線。
正しいことをしたはずなのに、この会社のこの部署では間違ったことだったようで。
これもいろんなところでアウトなんだろうけど、流石に私もほんの興味でやってしまった手前、反省し、少しでもデスクの上の書類を減らさんと思い、仕事に取りかかった。もちろん、会社に対する不満なんて考える余裕ないよ。
あの日からは部署での正解通りに仕事してきたけれど、何も乗っていないデスクを見たのなんて、配属初日以来だよね。なんて笑えない冗談を自分の心の中でつぶやきながら、減ることのない仕事に取り掛かる毎日。
仕事があるだけ感謝しましょうってか?
そんな考えドブに捨てちまいな、と自分の働いてる姿を客観的に見てる私。
そろそろ思考もおかしくなってきちゃったかな。ま、そりゃそうだろうな。
そんなこんなで連続出勤が14日経過しました。
これまでも長い連勤はあったけど、今日、最長記録更新しました。パチパチ
明日は待ちに待ったお休みなのです。
普段お休みなんて、寝てるか、寝てるか、寝てるか、な私だけど、今回もきっとそうでしょう。
久しぶりに大好きなお酒にも手を出しちゃおうかな。
なんてったって、明日はお休みなんだから。
そんなこんなで、マイオアシス(自宅)に到着。
いやはや、こんなにも君(家)が恋しく思ったことないよ。
お酒には強いけど、急に寝ちゃう私だから、先にシャワーを浴びて、と。
さぁ、宴の始まりだ。
いつもならある程度の強さのお酒を飲むけど、今日はさすがにやばいかな。
久しぶりに飲むし、軽めにして、いけそうなら強いのも飲もうかな。
じゃあ、アテね。
今日は帰りのコンビニで買ってきた、「しみチョココーン」。
あの、チョコが染み込んだコーンスナック…?
100円であれが楽しめるなんて、って毎回つまらないことを考えながら、食べるの。
私は、お菓子でお酒が飲める人だから、いつもお酒と一緒にお菓子を買ってる。
大好きなチョコは外せないし、あとはしょっぱいもの。
オーザックとかあったら最高よね。
子供の頃はよく食べてたんだけど、いつしか食べなくなって。
でも最近見つけてね。
もうね、それしか食べないのよ。
延々と食べ続けるけど、1袋を限度にしないと翌日胃もたれするのよ。
だから、1袋だけ。
…飲み始めて3時間くらい?
「…眠たい。」
酔い始めると眠たくなるんだよなぁ
お気に入りの動画を見ながら、眠気を紛らわすためにSNS徘徊。
徘徊している手が、なぜか出会い系に行ってしまったのもきっとお酒のせいだ。
きっと連日の激務で溜まってたんだろう、そら人間だもの。
いろんな欲求はあるもので。その中に性欲が入っていたってなんらおかしいことではないもんね。
な~んて考えながらひたすら徘徊を続ける。
「ふ~ん。結構カッコ良さそう…」
ポチ、ポチ。 グビッ
「あ、家、近いな」
ポチ、ポチ。 グビグビッ
「へぇ~。」
ポチ、、、ポチ。 グビッ
あら、お酒がなくなっちゃった。新しいの出さなきゃな。
…あともうちょっとだけ徘徊してからでもいいかな。
と、思いながらいつしか微睡みながら、ポチ、ポチ。
「う~ん。」
激しい頭痛と共に私はいつもと違う香りに気づいて起きた。
「いい、香りがする…」
昨日は結局飲んで眠くなって寝たはずだし、アテが散らばってるはずだから、いつもアテの匂いで溢れているのに。
今日は、なんだか
「優しい香り…?なんで?」
気になってベッドから降りて、キッチンに向かう。
すると、
「あ、起きた?」
なんか、イケメンがいた。
…あれ?私部屋間違えたとかないよね?あきらか私の部屋だよね。
なんで知らない人が家にいるの?!
目を丸くさせてあきらかに動揺している私が見て取れたのか、イケメンが、
「あ、もしかして昨日のこと覚えてない?かなり酔ってたもんね。」
まったくもって覚えていない。
SNSをポチポチしていた覚えはあるけど、それからの記憶がない。
あれ?昨日の私、SNSで何見てた?
携帯を探す。
「携帯なら、充電しておいたよ。枕元にあるはずだよ。」
なんと。イケメンに全て見通されてしまっている。
だけど私にとって、そんなことは今気にするポイントではない。
一体昨日、私は何をしてしまったのか。
その究明を図りたい。
SNSの履歴を見てみる。
案の定、出会い系を見ていたようだ。
しかもその中で、一人の男性とマッチングしてやり取りをしている。
…これか。
「分かった?」
イケメンが問いかけていくる。
出会い系のプロフィールを見る限り、彼は大学生のようだ。
まじか、年下に手を出してしまったのか。
「大変申し訳ないことを…」
謝ろうとしたその瞬間。イケメンは、
「謝らないで!とりあえず、二日酔い、ひどいんじゃない?あったかいもの食べてゆっくりしようよ。」
イケメンは、顔だけでなく、内面までイケメンのようだ。
「はい、食べて」
イケメンはどうやら私のキッチンで、ご飯を作ってくれていたようで、お粥が出てきた。
しかも私の大好きな卵粥だ。私は普通のお粥が苦手だから、とてもありがたいけど。
「なぜ、卵粥?」
「昨日、話してたじゃん。あ、覚えてないか。」
昨日の私は、彼に心を開きまくっていたのか。
「食べながらでいいから昨日の話をしようか。覚えてないでしょ?」
…ありがたい。
「お願いします。」
---話を聞くと、夜も更けた頃に、出会い系のSNSに私から連絡があったらしい。
そもそもイケメンが出会い系に登録してるのも不思議に思い、聞いてみたら、友人に勝手に登録されたとのこと。
大変だな、イケメンは。
私の連絡はかなりしつこかったみたいで、強引に私の家に来させられたらしい。ごめん。
言われた住所に来てみれば、ベロベロに酔っ払っていた女が一人。
中身もイケメンな彼は、そんな私を見過ごすわけもなく、介抱してくれたようだ。
その中で、私の好みまで聞き出したらしい。というか、私が全て話したみたいだ。
話しながら、私は寝てしまったようで、その様子を見た彼は帰ろうとしたようだが、私が離さなかったみたいで仕方なく1泊し、なんと朝食まで作ってくれた、とのこと。
1から10までお世話になりっぱなしで、迷惑をかけまくってしまったようだ。
「なんと、お詫びすれば…」
顔面蒼白になる私。しかし彼は、違った印象を抱いた。
ー今までの女と違う、とー
彼ー渡邉翔ーの周りにはいつも女がいた。群がっているだけで、彼自身、女に興味があるわけではなく、むしろ苦手だった。しかし、彼の容姿があまりにも整っており、そんな彼を周りは一人にしてくれなかった。
男もそうだ。彼を使えば、女が必ずついてくるので、合コンには必ず彼を誘った。彼が嫌がっていたとしても、だ。
そんな学生生活をずっと続けてきて、彼は人間不信になっていた。
しかし、この人間不信は治すことはできないと思い、心開いて話せるなんて関係は望まなくなっていた。
そのひも強引に参加させられた合コンに来ていた。そんな時に、出会い系のSNSから変な連絡が入った。
送られてくる文章から、相手はかなり酔っ払っているか、頭がおかしい女だと分かったが、この嫌な合コンから離れたく、この誘いに乗った。
どっちにしろ合コンを出てしまえば良いことだし、SNSの女も軽くあしらえばいいだろうと安易に考えていた。
しかし、女の家に行ってみると、かなりヤバめな状態の女がいた。
もちろん、酔っ払っていることもそうだが、身体的に、あまりにも痩せすぎていた。
頬もこけて、栄養が足りていないことが明白だった。そんな身体に、お酒を入れていては、より身体を壊す一方だ。
翔は、そんな彼女を見て放っておけず、介抱することにした。
介抱の中で、彼女はたくさんのことを話してくれた。
仕事のこと、プライベートのこと、全部。
彼女はどうやらブラック企業に勤める社畜のようで、だからこそのあの体つきといえばわからなくもない話だった。
翔は、家事が得意で、料理も得意だった。人に食べてもらうことも好きだったが、周りの人間は、同じ言葉しか言わないし、なにより媚びてくるから、人に作ることをやめてしまったが、彼女に対しては、栄養のあるものを食べてほしいという気持ちが芽生えた。
だから、彼女のために卵粥を作った。人に作ったのは、かなり久しぶりだったが、体が自然に動いたのだ。
朝、起きてきた彼女は二日酔いが激しいと思っているようだが、実際は違う。
栄養が足りておらず、そこにアルコールが入ったのだから、体調を崩していたのだ。昨晩の話から、連休だと分かっていたので、この休み中になんとしても体調を戻さないと、体調を崩したまま、仕事を続け、いつか身体を壊してしまうと思った。
翔は、そんな彼女に心惹かれるようになり、尽くすようになる。
彼女は、そんな彼が毎回自分の家に来て、身の回りのことや、ご飯まで用意してくれることを不思議に思いながら、それでもこの関係が続くのであればという淡い期待に賭け、この生活を享受していくのだ。彼女自身、彼に惹かれているのだが、その気持ちの変化を彼女は気づけないままでいる。
この二人が想いを交わす日はいつになるのか、それは、誰にも分からない。
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この作品は感想を受け付けておりません。
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