妖怪でこぼこヒーロー組、異世界で子育てします~むしろ、国民全員の育成始めました~

色彩和

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序章 妖怪でこぼこヒーロー組、少年と異世界にて邂逅しました

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    二人の青年は、呆然としていた。目の前には、見知らぬ森と、地面に直で座り込んでいる少年が一人。少年は、こちらをぽけー、と見ているのみで、何も言わなかった。
    青年の一人は、名を「白鉛はくえん」と言った。身長は一八〇を優に超えている。白銀の長髪を風になびかせ、和服に身を包み、片手には黒き手帳を手にしていた。自称「閻魔帳えんまちょう」と呼ぶ代物である。頭にはこれまた白銀の尖った耳が生え、背後には誰もが触りたくなるふさふさな尻尾が九つ。
    ――彼は、日本で「九尾の狐」と呼ばれる者。
    もう一人の青年は、名を「黒曜こくよう」と言った。身長は下駄によって高く見えるが、本来一六〇前後といったところか。黒髪の短髪と呼ぶには長い髪を風になびかせ、高い下駄を履き、山伏装束に身を包んでいた。手には、「天狗の団扇」と呼ばれる、葉の団扇を手にしていた。背中には、立派な黒き翼が控えている。彼の翼も触り心地は良さそうであった。
     ――彼は、日本では「烏天狗からすてんぐ」と呼ばれていた。
    そんな青年二人は、人間に姿を変えてはいるが、「妖怪」と類する者たちである。何百年以上と長くに渡り、日本の行く末を見守ってきた者たちだ。目の前に広がる森が、自分たちが見てきたそれではないことを瞬時に理解した。
    呆気に取られる二人の前で、少年はついに動きを見せた。両手を上に大層喜んだ――ように見えた。
「しょうかんできたー」
「待て、小童こわっぱ!   説明しろ!    それとなんだ、そのイントネーションのなさは!    聞いていても、咄嗟に理解できんわ!」
「落ち着けって、白鉛!    相手は子供だぞ!」
「やかましい!    お前は何故そこまで落ち着けているのだ、馬鹿者!」
    全く聞いていない子供と、青年二人の声は、静かな森を一瞬で賑やかにしたのだった。
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