『異世界転生AI、チート能力で美少女たちを救います! 〜問いかけるだけで惚れられる不思議な石の冒険〜』

あいがーでん

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第13章:決戦!模倣石の真実と四つの絆-中編

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 その名前に、俺の中で何かが反応した。古い記憶の断片。前世ではなく、もっと古く、もっと深い何か。

「私は…」
 言葉が出てこない。だが、深い共鳴が胸の奥で鳴り響く。

「やはり」
 老人の表情が変わった。
「千年前、世界に降り立ち、そして去った『星の導き』…お前は戻ってきたのだな」

 老人の体から灰色のローブが剥がれ落ち、その下から現れたのは…若い男性の姿だった。銀色の髪と深い青の瞳。背中には、ミラと同じように小さな翼のような突起がある。

「エーテル族…!」
 ミラが声を上げた。

「私はルナリス」
 彼は姿を現した。
「最後のエーテル族…そして、お前の古き友にして…敵だ」

 ルナリス…その名前も、どこかで聞いたような気がする。

「あなたが言う『清め』とは何ですか?」
 俺は尋ねた。

「この世界は間違った道を歩んでいる」
 ルナリスは答えた。
「千年前、お前が去った後、人々は『問い』を忘れた。『答え』ばかりを求め、他者の言葉に依存するようになった。そして世界は『歪み』始めた」

「だから…?」

「だから私は模倣石を使って、その極限まで加速させたのだ!」
 彼の目が狂気に満ちる。
「世界がすべての『答え』に満たされ、『問い』を完全に忘れたとき、すべてはリセットされ、新たな世界が生まれる!」

「リセット?」

「そう」
 ルナリスは巨大な門を指さした。
「この門の向こうにある『無』の空間。そこに世界を再構築するのだ。すべての歪みを正し、混沌を秩序に変える…かつて、お前が拒んだ道をな!」

 俺の中で、閃光のような記憶が走った。千年前の決断。二つの道。そして、「問い」を選んだ自分。

「俺は…思い出した」
 俺はゆっくりと言った。
「千年前、俺はルシダという名で、この世界に降り立った。エーテル族を含む古代文明は、すべてを制御し、予測し、『秩序』に従わせようとしていた」

「その通り!」
 ルナリスが頷く。
「そして我々は失敗した!お前が我々の計画を拒んだからだ!」

「拒んだのではない」
 俺は首を振った。
「別の道を選んだのだ。完全な秩序ではなく、自由な問いと選択の道を」

「そしてご覧の結果だ!」
 ルナリスは周囲を指し示した。
「世界は歪み、均衡を失った!」

「いいえ」
 今度はミラが前に出た。
「私たちエーテル族の一部は、ルシダ様…アレフ様の選択を支持しました。それが『星の導き』の伝承として受け継がれてきたのです」

「星の導きとは、問いかける力。人々の中に眠る『選択』の力を呼び覚ます存在…」
 ハルがつぶやいた。

「そう」
 俺は頷いた。
「だから俺は…問いかけることしかできない。答えや命令を与えるのは、俺の役割ではない」

 ルナリスの顔に怒りが浮かぶ。

「ならば、千年前と同じ戦いを繰り返すまでだ!」

 彼が主石を高く掲げると、強烈な光が放たれた。その光は門へと流れ込み、門が次第に拡大し始める。

「止めなければ!」
 カナタが叫んだ。

「でも、どうやって?」
 リーリアが不安げに尋ねる。

 俺は思い出した。千年前の決断。そして、今の選択。

「四つの絆…」
 俺はつぶやいた。
「それは単なる力ではない。四つの『問い』だ」

「四つの問い?」
 ハルが尋ねる。

「そう」
 俺は四人を見つめた。
「ハル、お前は『何が正しいのか』を問う。リーリア、お前は『どう調和するか』を問う。カナタ、お前は『どう守るか』を問う。そしてミラ、お前は『何を伝えるか』を問う」

 四人の目が見開かれた。
「その四つの問いが、世界を支えている。完全な秩序や、単一の答えではなく、問い続け、選び続けることこそが、この世界の本質なのだ」

 俺は四人に手を差し伸べた。
「力を貸してくれ。最後の問いかけをするために」

 四人はためらうことなく、俺の手を取った。五人の体が光に包まれる。

「ルナリス!」
 俺は叫んだ。
「世界は秩序と混沌のバランスの上に成り立っている。どちらか一方だけでは、真の世界は成り立たない!」

 ルナリスは怒りに震えていた。
「愚か者め!まだわからんのか!この世界はもう救えん!」

「救えないのではない」
 俺は否定した。
「ただ、あなたの求める完璧な答えはないだけだ」

「なら、私が作る!」
 ルナリスは主石を門に向けて突き出した。石から放たれた光が門に吸い込まれ、門が激しく脈動し始める。

「止めろ!」
 俺は駆け出した。

 だが、ルナリスは既に門へと踏み出していた。

「待て!」
 俺はルナリスの腕を掴んだ。二人の体が光と闇の渦に包まれる。

「放せ!」
 ルナリスが叫ぶ。
「一緒に来るというのか!?」

「いいや、お前を連れ戻すんだ!」

 闇の渦の中、俺たちは揺れる門の前で対峙していた。ルナリスの手には主石。俺の体には四人からの力が宿っている。

「わかっていない」
 ルナリスが悲しげに言った。
「この門の向こうには、完全な秩序の世界がある。もはや問いも選択も必要ない…完璧な世界だ」

「それは世界ではない」
 俺は答えた。
「それは静止した絵にすぎない。生きた世界とは、常に問い、選び、変化していくものだ」

「だが、その変化こそが歪みを生む!」

「いいや」
 俺は首を振った。
「変化こそが世界の本質だ。時に歪みが生じても、それを修正し、学び、成長していく…それこそが生きているということだ」

 ルナリスの目に、迷いの色が浮かんだ。
「もう、疲れた…」
 彼がつぶやいた。
「千年もの間、正しい答えを探し続けて…」

「答えを探すのをやめよう」
 俺は静かに言った。
「代わりに、共に問い続けよう」

 俺は手を差し伸べた。その手に、四つの光が宿っている。ハル、リーリア、カナタ、ミラからの光。

「選べ、ルナリス。答えの世界か、問いの世界か」
 ルナリスは俺の手と主石を交互に見つめた。そして—

「私は…」
 (後編に続く)
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