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Bashooon

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狡助が起きたのは真っ白なベットの上だった。
ドクンッと狡助の心臓が一度大きく鼓動する。白いベットを見るとよく昔のことを少しフラッシュバックする。
ベットに固定され腕には点滴を打ち込まれ体にはメスを入れられ心身ともに弄られた少し昔の出来事を。
少し混乱したが雅人に気絶させられたのを思い出す。
あの野郎絶対やり返してやる、と心に誓い頭の側にあった短刀を右手で構えながらベットから起き上がってカーテンの外の様子を確認しようとした時カーテンとカーテンの間を切って高等科の制服を着た長い黒髪の女子が入ってくる。
狡助にはよく見覚えがある人。
御神楽 結衣、自分の務め先の社長でこの学校の生徒会長。
「狡、起きましたか?」と綺麗で芯がある声で話しかけてくる。
「結衣さん、なんでここに?」狡助が驚く。
「なんでって、面白いこと聞くわね。理由は私達の学校だからよ。」
と少し笑って答えながら近くにあった椅子に座る。
「ということはここは保健室ですか?」馬鹿らしい事を思い出してしまったと少し恥ずかしくなる。
結衣がそれを察し「違うところに寝かせてたほうが良かったかしら。」ときずかってくれる。
「いや、ここに寝かせてもらっただけでもありがたいです。」
狡助はこの優しさを守るために結衣の下で働くと決めている。結衣の優しさを守る事で自分の過去の過ちを拭い去る事が出来ると信じて。
唐突に狡助には疑問が浮かんだ。
「結衣さん、そういえば今、何時ですか?」
「今?昼の1時だけど。」
「朝から今までずっと看病してくれてたんですか?」と結衣が心配になる。御神楽結衣は平気で他人のために4時間5時間を消費するような人間だという事を狡助は知っている。
「いや、違うわよ。4時間目が終わってすぐに雅人に教えられたの。」
雅人も結衣の性格を知っているためわざと時間の長い昼休み時間に教えたのだろうと狡助は理解した。
そこでまた疑問が浮かび結衣に質問する。
「そういえば、なんでこの学園に雅人がいるんですか?」と結衣を回答に使うのを申し訳なく思いこれで最後の質問だと心に誓う。
「なんでってこの学校で働いてるからよ。」と平然と返す。
結衣が付け加えて「雅人だけじゃないのよ、エヴァだって働いてるわよ。」
「え?」と驚く。
「えっと、たしか雅人が高等科の警備員さんでエヴァは小学科で英語の先生してるわよ」
あいつらこっち以外で働いてたのかよと狡助が衝撃を受ける。
といきなり予鈴のチャイムが鳴る。
「と、私は授業だから行くわね。」
と椅子から立ち上がる。
「狡も体調が優れなかったらもうちょっと休んでなさい。」とさらにきずかってくれる。
「いや、教室に行かせてもらいますよ。」と意地を張る。
すると結衣が「そう言うと思ったわ。」とさっきの狡助の発言を見越したように続ける「もう、担任先生には説明しといたから。」と狡助が結衣の準備の周到さに驚く。まぁいつもの事なのだがという感じもある。
「ありがとうございます。」と結衣と結衣の優しさにお礼を言う。
「それじゃあ、また。」と結衣が小走りで保健室をでていった。
狡助もクラスの教室まではそう遠くないと思うので。「よし、行きますかっ!」と気合を入れ、保健室を出ていった。

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