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エレベーター
しおりを挟む私は小学校6年の時に転校をして
今の長野県にやってきました。
でも、最初は中々友達が出来なくて
寂しかったけど、こんな私にも
声をかけてくれた優しい友達がいました。
あれから6年。大の親友。
その友達は怪談好きでした。
………………
「ねぇ、知ってる?エレベーターの話」
「エレベーターの話?何?」
「ふふふ、ビル14階建てのエレベーターに乗るの。そして14階に着いて、呪文を言うと
2度と帰ってこれなくなる話」
「あ~~あれね。でも14階のビルを探すのも大変じゃない?それに、呪文ってなんだよー」
「確かに…呪文って…何を言うんだろね」
その日、あけみはいつもより元気で
よく笑っていた。
怖い話が大好きなあけみはいつも怪談話をしていては楽しそうだった。
「じゃ、考えてみよっかっ?」
「えっ?」
「セリフは…いや、呪文は『私も一緒に行く…』とかかなあ?」
「もう!それ私の口癖でしょう?」
「そう、あけみの口癖」
「いじわるだなあ…それが呪文なわけないでしょ!」
「冗談、冗談~」
最近元気がなくて、心配していたから、あけみが笑っているのが本当に嬉しかった。
「あけみは…そのエレベーターに乗りたい?」
「……乗りたい。」
「えー!帰って来れなくなるんだよ!私にも会えないし、あけみの好きなアイスも食べれなくなるよー。」
私は少しおどけてみた。
「帰れなくなるって事は、あっちの世界に行くってことなのかな?」
「……うん、そうでしょ。エレベーターが異世界に繋がっているのはこの手の話じゃよくあるじゃない?」
あけみはもう何も言わなくなった。
少し言いすぎたみたいだ。
その日を最後にあけみと連絡がとれなくなった。
「あけみ…どこに行ったの?もしかしてエレベーターに乗って本当に…異世界に行っちゃったの?」
あけみが行方不明になってから三年が経とうとしていた。
私は社会人1年生。
あけみの事も日々の忙しさで時々忘れかけていた…
会社にもだいぶ慣れていた頃、ふと隣のマンションを見た。
わざわざマンションの階数なんか数えないけど、この時はふと何階建なんだろ?と
疑問に思い階数を数えていた。
「1階…2階…3階………14階。14階なんだあ。」
「14階だ!」
その瞬間、あけみの事を思い出した。
「あけみ…本当にあっちに行ったの?」
私は気がつくとそのマンションに向かっていた。
今まで、ありえない話だから誰にも言わなかったけど、あけみはあちらの世界に行ったんじゃないかとずっと思っていた。
一応、当時は行方不明という事になっていたが、あけみは目鼻立ちがはっきりした美人で男性からの告白がたえなかったから、みんな誰かと駆け落ちしたんだろっと思っていた。
ただ、私だけはそれはないと思っていた。
なぜならあけみは男性が少し苦手だったから。
エレベーターの14階ボタンを押した。
静かにエレベーターが動き出した。何となく不気味な音をたてながら。
14階に着いた。
「あけみ…いるのかなあ?
『私も一緒に行く…』」
あけみの口癖を言ってみた。
エレベーターのドアが開く。
表から見ると綺麗なマンションだと思っていたけど、14階の通路は薄暗くてとても
気持ち悪かった。
「私…何やってんだか。帰ろう!帰ろう!」
エレベーターが閉まりかけた時、ドアの隙間から手がにょっきと出てきたかと思うと
私の手を掴んだ。
「うわわあわあわあ」
私は叫んだ。
あれ?声が聞こえてくる。。あけみだ!
「私も一緒に行く…」
あけみの口癖がはっきりと聞こえてきた。
「あけみ…あけみなの?帰ろう?
みんな心配してたんだよ!」
「帰れ…ない…寂しい…帰りたい…」
「あけみ、じゃ、私も…」
その時、あけみがエレベーターにすっと入ってきて、背後にまわったかと思うと私の口元を手でふさいだ。
「ダメ」
「一緒にいたい!ずっとずっと会いたかった!ダメってなんでぇー?」
恐怖なんてなかった。
「一緒に行きたいよ…」
私は気がつくと、自分のマンション前で倒れていました。
あれは夢だったのか?
もし、あけみが私を止めなかったら、
今頃…どうなっていたかわかりません。
そう思うと急に恐怖が湧き上がってきました。
あけみは、私を守ってくれたのかも…しれないですね…
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