妖怪~化け猫〜

桃香

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1.ここはどこ?

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ある朝目覚めると、僕はダンボールの中に
兄弟らしき猫と一緒に何匹かいました。
小さくて可愛い。
僕が言うのもなんだけど、兄弟達は
真っ白で本当にキレイ。
早く素敵な飼い主さんに出会いたい。


『それにしても、、。
ここはどこなんだろにゃ?』


周りを見たら、空が赤黒い。。

『今、夕方なのかにゃ?』

下をみたら2メートル先には、川が流れている。

『危ないにゃー。』

目の前には川が流れていて、
はだけた着物を着たおばあさんらしき人がずっと洗濯してる。
うわあ。おばあさんだ。。
顔がやつれててしきりに穴だらけの汚い着物を洗濯している。

あのおばあさんには拾われたくないにゃ。
なんだかヤバイニオイがするにゃ。


そこに、可愛い女の子が僕達の前で止まりました。

『わあー。こんな可愛い女の子に飼われたいにゃ。』


…でも何だか頭からツノらしき物が生えてる。今の時代はツノが流行ってるのかな。

そこには川の橋がかかっていて、赤いキレイな橋だ。
近くには大きな木が一本。
その木は枯れていて、先程のおばあさんが、
穴あきの着物を木にかけている。

『悪趣味だにゃ。』

よく見ると立て札がある。

じっー。


じっー。


っ!!
にゃ、にゃ、にゃ!!

三途の川~だにゃー!!




『って、、三途の川って何だにゃ?』

ツノが生えてる女の子が言いました。

「生まれたばかりで死んじゃったね。」


にゃー!

死んでいたのかにゃー!!


「ここは?」

「三途の川だよ。私は鬼のミチだよ。
よろしくね」

隣にいた兄弟達を見たら、
どんどん薄くなって消えていく。

「みんなは?えっ?えっ?何で薄くなってるにゃ?」

「あー。みんな生き返ったんだね。
よかったね。」

「僕は?」

「君は、、
ダメだったみたいだね」

ミチは二コリと笑った。


「にゃー!!!!!!!」

悲鳴のようなにゃーを一発放った所で、

「君、君。
泣いても死んでいるんだから、とりあえず、、、あのおばあさんの所に行ってね」

そう言うと鬼娘は行きました。

あの、洗濯おばあさん、、。

.........................


「絶対~いやにゃー!!!!!」


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