三味線声優 しゃみきちとももの物語

桃香

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26.新年

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「ももちゃんー!あけましておめでとうにゃ!」

「あけましておめでとう!たる!」

そうです。今日は2016年の1月1日です。
新しく年があけました。

実家に帰ってじゅんきーのお見舞いに行きたかったけど、
お正月は家族と過ごすから月をずらして帰ることにしました。
じゅんきーとはメールでやりとりしてるんだけど、
元気そうで嬉しい。

「そろそろ、ももちゃん。ライブに出るかにゃ?」

「そうだね。。魔物、最近来ないね。」

「うっうん。でも、ももちゃんはまだ黒石を一つしか貯めてないからにゃ。力がまだ弱い。早く集めなくちゃだにゃ。」

「うん。分かってる。」

「ライブやってもファンがいないから今は集められないよ。」

「。。。いちこちゃんは何してるにゃ?」

「いちこちゃんはライブに出たいーって言ってるけど、
特に話は進んでないよ。」

「そっかにゃ。今度練習の時に連れて来てにゃ。」

「いちこちゃんを?分かったけど、どうするつもり?」

「ちょっと試したいからにゃ。」

たるはそう言うと何かを包んだ紙袋を私に渡しました。
うわあ、、お年玉だーって思って開けたら、
一枚の紙が入ってました。

「何これ?」

「これは今年ももちゃんにやってもらいたい曲とか、
ライブの予定とか、、後は三味線の通知表!」

「そうなの?うっー。
このBって評価?」

「そうだにゃ!
まだまだだけど、これからの期待と練習成果を含めてだにゃ。」

「あっありがとう。」

「あー!にゃにゃにゃ
お年玉だと思ったんだにゃ!にゃにゃにゃ!」

「ちっ違うよー!」

たるはにゃにゃにゃって大笑い。
何だかなあ~って思うけど、、まあいいっか。。

「たる、あっちの世界は大丈夫?」

「今年頑張るよね?ももちゃん」

「頑張るよ!」

「良かったにゃ。あっちの世界の君はももちゃんが
不安がるようなエネルギーをどんどん送ってきてるにゃ。」

「えっ。。」

「ファンがいなくても頑張ってアルカンシエルカードの
黒印を貯めてにゃ。協力者であるファンはきっといるにゃ。
信じるにゃ!」

「分かった。」

「ももちゃんが楽しんで笑顔を見せると
向こうの世界の君も昔の事を思い出す。。
きっとだ、、にゃ。」


最近確かに、、不安な気持ちが過る事が多い。
元気になったりもするんだけど、不安な気持ちも拭う事が出来ない。これがあっちの世界の私が負のエネルギーを送っているのかな。。

「じゃーももちゃん、今日は新年最初の曲だから、
六段とソーラン節をおさらいして弾いてみてにゃ」

「わかりました!」

タンタンタン。。。

タンタ。。。


「イタッ!」

撥を離してしまいました。

「どうしたにゃ!?」

「たる、右手が痛いよ。。
撥も持てない。。」

「見せてにゃ。
ここを押すよ、痛いかにゃ?」

「痛い!
手首を回すと痛い!」

「あー。。練習しすぎて撥を持つ手に力が入っちゃったんだにゃ。これは腱鞘炎だにゃ。少し安静にしてようにゃ。」

そして、新年早々の練習は私の腱鞘炎のせいで
早く終わりました。

情け無いよ。せっかく三味線の練習も楽しくなって、
弾ける曲も増えてきたのに。。
けど、この痛さがひくまで待つしかないから。。
はぁ、、やる気を出したらいつもこう。

家までの帰り道ドボドボ帰っていたら、

「ももちゃんあけましておめでとう!」

そこにいちこちゃんがキムチを持って立っていました。

「いちこちゃん!あけましておめでとう!キムチを買いに行ってたの?」

「うん!納豆と混ぜると美味しいからね!それにしても、、
ももちゃん、何だかドボドボ歩いてたね?
三味線が重いの?」

「ううん。手が腱鞘炎になっちゃったね。三味線の練習1日お休みしなくちゃいけなくなって。。」

「それなら、お茶しない?」

「する!いちこちゃんに言う事もあるしね。」

という訳でいちこちゃんと近所のカフェに入り、
三味線の朝練に一緒に来てほしいと伝えた所、
快く承諾してくれました。

「ありがとう!いちこちゃん!」

「大丈夫だよ。三味線の練習してるももちゃんみたいし。」

「ありがとう!」

嬉しくていちこちゃんに握手したら、、

ピキー!!!

痛いー!腱鞘炎だったー!

「大丈夫?ももちゃん」

「大丈夫。ははは。忘れてた。
ジュース飲もう。」

「痛いー!」

「大丈夫!?ももちゃん、右手は痛いから左手を動かすそかないよー」

「そっそうだね、、ははは」

右手の腱鞘炎はグラスも持てないし、お箸を持つのも痛いし、
ドアノブも回せないし。。


うーん。。。痛いー!!!!
恐るべし、しゃみきちー三味線ー!!!!!






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