とある朝から異能者になった話

いしだしょうへい

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山田、異能に目覚めた件。

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 東京都江戸川区葛西。

 東京といっても、ほぼ浦安市に占領されつつあるこの街が俺の根城だ。これと言って何もない街だが、俺は割と気に入ってる。

 家賃4万5000円のボロアパートを出ると、環七沿いを駅方面へ歩く。俺がバイトをしている駅前のスーパーは歩いて10分の距離だ。

「おはようございまーす」

 出勤し制服のエプロンに着替えながら、俺は店長に挨拶をした。

「山田くん、浮かない顔してるけど何かあったの?」

 キューピー人形を半世紀ほど老けさせたような容姿をしている店長が、心配そうな顔できいてきた。

「それが最悪なんすよ。朝からスマホがぶっ壊れちゃって」

「床に落っことして画面割っちゃったとか?」

「いやいや、それが突然爆発したんですよ!」

「え!?」

 店長は目を見開きながら俺を見つめた。

「爆発って何で!?」

「いや、それが俺にも分からないんスよ」

「そっか。そうしたらちゃんとお店に行った方がいいよ」

「ですよね。さて、それじゃ気分転換がてら飲料の品出しして来ますわ」

「お、よろしくー」

 こうして、いつもの日常が始まる。時給950円(バイト始めた頃より50円上がった)で、俺が俺と言う人間を得る時間だ。

 だが、俺はこの仕事にそれなりのプライドがある。葛西の人民達の生活はこの俺がまかなっていると過言では無いからだ。

 俺はそう思っている。
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