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縮まっていく、ふたりの距離 - 1 ♥
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あのオスの実事件から数日後のこと。
講堂の片隅で、今日もふたりは元気に言い合いをしていた。
「ダーリールー!? ちょっとあなたね、いい加減にしなさいよ! あれが違うだのこれが違うだの、ねちねち口出しすることないでしょ!?」
「いい加減にしてほしいのは君の方だ! この程度の問題でうんうん唸ってたら本っっっ当に単位を落とすぞ!! 問題を解く式は先ほど教えてやったばかりだろうが。なのに、なぜそんなお粗末な解法になる!?」
「うるさいうるさいうるさぁい!! あんな呪文みたいに長ったらしい魔法式、覚えられる訳ないでしょ!? 大体ねえ、分量の計算なんかしなくたって、魔力でぎゅってしてばーんってしてどかん!ってしちゃえばそれで上手くいく話じゃない。わかる?」
「ちっとも分からん! 錬金術というのはな、魔力で全部どうにかできるほどいい加減な学問じゃないんだ! 君には繊細さというものがないのか!? 名家の専属錬金術士になりたいのなら、下らないことを言ってないできちんと勉学に取り組め! あっ、馬鹿。教科書を放り投げるな!」
ルクレーシャとダリル。限界まで顔を突き合わせながらわあわあ騒ぐ二人の優等生に、クラスメイトたちは生温かい視線を送った。
ルクレーシャは放課後、ダリルに勉強を教えてもらいながら必死に試験範囲の復習をしていた。成績優秀なダリルの指導はとても分かりやすいものだったが、座学が苦手なルクレーシャは彼の言っていることが殆ど分からず、早々に音を上げてしまったのだった。
「ううぅ……教科書を読むのって苦行以外の何物でもないわ! 一生懸命頑張っているのに、ねちねち嫌味を言われる私って本当に可哀想……! ああもうダメ、限界! こんな文字だらけのページを読んだってちっとも頭に入らない!」
「ほーう? この俺が分かりやすく、ゆっくりじっくり時間を割いて教えてやっているというのに、その軽い頭の中には少しも入っていないという訳か! ああ、嘆かわしい。魔力バカに勉強を教えるのは本当に骨が折れる」
「魔力バカですってぇ!? うっさいわよガリ勉! 大体、私が座学苦手なの知ってるでしょ!? ちょっとでも点数を良くしようと頑張ってるの! 馬鹿にしないで!」
「くくっ……。そうかそうか。ま、精々頑張りたまえ。やれるだけやってみるといいさ。君の小さな頭にいくら詰め込もうとも、どうせ試験は俺の勝ちだろうがな? 君の悪あがきが実を結ぶといいな、ル・ク・ス」
「ちょっと、何ニヤニヤしてるのよ。私を見下して楽しむのはやめなさいよ。あなたの上から目線の言い方が本っ当にムカつくわ! 座学は負けても、実技の方で勝ってやるんだからね! 覚えてなさいよ嫌味男!」
ルクレーシャがうんざりといった様子で頬を膨らませ、ダリルが彼女の頬をふにふにとつつく。ダリルの綻んだ顔を見て、クラスメイトたちはひそひそと囁きを交わした。
「……おい、見ろよ。レーシャにちょっかい出す時の顔がでろでろに蕩けてる」
「ああ。『愛しのルクス』に構ってもらえて嬉しいんだろ。レーシャに無視された時のあいつは見てられなかったけどよ、無事仲直りできたみたいで良かったぜ」
「いい加減告白すればいいのにな。レーシャだって別に満更じゃなさそうだしさ」
ほんのりと赤く染まったふたりの顔。腹黒男、がさつ女とお互いを罵り合っているのに、どこか楽しそうにも見える。甘酸っぱい雰囲気を漂わせる男女を、クラスメイトたちは遠くから見守った。
ダリルがルクレーシャの頬をむにむにと揉む。手の中で形を変える白い頬に、ダリルは眉を下げ破顔した。
「君の頬はもちもちしていて柔らかいな。まるでスライムみたいだ」
「ひょっと、ひゃめなひゃいよ。わたひのほっぺが伸びひゃう」
「ぷふっ……! 俺にされるがままだなあルクス。こうしてやれば、じゃじゃ馬女も少しは淑やかになるか?」
ダリルの大きな手がルクレーシャの頬を包み、優しくつついたり伸ばしたりする。舌っ足らずに喋るしかないルクレーシャは、意地悪そうな笑みを浮かべる男をきゅっと睨んだ。
ダリルの指の動きは止まらない。頬の線をつうっとなぞられた時、ルクレーシャの全身に強烈な刺激が走り抜ける。
「きゃうっ!?」
甲高い声を上げたルクレーシャは急いで口を塞いだ。頬から全身へ甘い快感が広がっていく。急速に込み上げてきた肉欲に、ルクレーシャはくたりとダリルの方にもたれかかった。
「あ、これ……! ちょ、ちょっとまずいかも! ダリル、私から離れて! オスの実のっ、発作、が来ちゃった……」
ルクレーシャは顔を真っ赤にしながらダリルを上目遣いで見上げた。
これはオスの実の魔力がもたらす催淫作用だ。しばらく肉棒に刺激を与えていないと、こうして激しい情欲が急に込み上げてきてしまう。
自分に寄り掛かる女の背を撫で、ダリルは小さな声で訊ねた。
「なんだルクス。ひとりで処理しなかったのか?」
「ふぅっ……うん……。じ、自分じゃうまく出来なくて……」
ルクレーシャの息は荒い。唇から甘やかな吐息を漏らす女に、ダリルは胸が大きく跳ねるのを感じた。
「くくっ、ふふふ……! そうか、やはりひとりでは難しかったか……! それはそうだよな! そうに決まっている! ふふ、どうやら君には補習を受けてもらう必要があるらしいな?」
ルクレーシャの桃色の瞳はしっとりと潤み、スカートから覗く太ももはほんのりと色づいている。性欲を露わにする女に、ダリルはたちまち浅ましい欲が込み上げてくるのを感じた。
ああ、花の妖精を愛でる時間がやってきた!
期待に唇が歪むのを抑えられない。ダリルは興奮の息を吐いた後、ルクレーシャの手をぎゅっと握った。
「全く君は仕方ないな! さ、ルクス。俺の部屋に行くぞ。じっくりたぁっぷり勉強を教えてやる。夜が更けるまでな……」
「う、うん」
上機嫌な男と、顔を真っ赤にしながらその後をついていく女。大人しくダリルに従うルクレーシャを見て、クラスメイトたちは彼女らしくないと首を傾げるのだった。
*
「まったく、君も難儀だな。オスの実のせいで定期的に発情するようになってしまったのだから」
「ん、ううっ……」
紅石英のシャンデリアが備え付けられた豪華な部屋。大人三人分ほどが寝転がれるくらいの大きなベッドの上で、湯上がりのルクレーシャは力なく震えていた。
「ふぇ……や、なによこの服……!」
ルクレーシャを包むバスローブは透けていて、彼女の白い肌や体の線をありのままダリルに伝えてしまう。そそり勃つ肉棒に強烈な視線を向けられ、ルクレーシャは上気した頬をなお赤く染めた。
「ダリル、これ恥ずかしいってば! 私の服に着替えさせて……!」
「駄目だ。君お気に入りのスカートがびしょびしょになってしまうだろ? その格好ならいくらでも潮を吹けるぞ」
縮こまるルクレーシャを見つめ、ダリルはにんまりと笑った。
「ルクスのためにわざわざそのバスローブを用意してやったんだぞ。俺に感謝するんだな!」
「感謝しろって言っても、こんなの、こんなのぉ……!」
ルクレーシャはぎゅっと袖を握り締めた。胸の飾りや陰毛までくっきりと透けてしまうバスローブ。こんなものを着せられた羞恥と屈辱に涙が出てしまう。
「こんなスケスケなバスローブ、一体どこで調達してきたのよ! 何もかも丸見えじゃない!」
「くく、聞いて驚け。俺が作ったんだ!」
「ダリルが!? さいってー、こんなえっちなバスローブを作るだなんて何考えてんのよ! うう、やっぱりあなたって変態だわ。むっつり! 痴漢! 変態錬金術士!」
「誰が変態錬金術士だ! ほら、ぎゃあぎゃあ騒いでないで。始めるぞ」
「ふぁうっ……!」
ルクレーシャの手首が掴まれ、優しく顔の横に押さえつけられる。自分に伸し掛かる男の顔を見上げ、彼女は大きな桃色の目を潤ませた。
(ぁ……。ダリルってば、怖い顔してる)
とろりと蕩けた切れ長の目に、熱っぽい吐息を漏らす半開きの唇。垂れ下がった前髪から除く黒曜石の瞳はぎらぎらと光っている。端正な顔に獣欲を滲ませる男に、ルクレーシャはとくとくと胸を跳ねさせた。
「何よ、はぁはぁして。ダリルってば興奮してるの?」
「ああ。これからたっぷり生意気女を虐めてやれると思うと嬉しくてな」
「……へんたい」
ルクレーシャの悪態にダリルは頬を緩ませた。意地悪な言葉を吐くのに、微笑みを湛えるその顔はとても優しい。まるで「君に触れられて嬉しい」と物語っているようだ。ライバルが浮かべるその表情に、ルクレーシャは嫌悪よりも喜びを覚えた。
(またダリルに虐められちゃう。泣いて謝っても許してもらえなくて、おちんちんをいっぱいしこしこされちゃうんだ……。うう、こんな意地悪男苦手なはずなのに。どうして胸がどきどきするの?)
甘やかな期待に息が荒くなる。やめてと懇願してもしつこく肉棒を扱かれ、何度も絶頂させられた記憶が蘇る。あの壮絶な快感を思い出すと秘部に熱が集まり、肉棒の先端からとろとろと愛液を溢してしまう。
(ダリルに触れられて嬉しいって思うのは、どうしてなの……?)
ルクレーシャは弱々しく目を伏せた。被虐的な彼女の表情に、ダリルが息を呑む。
「っ、ふ、ふふ……! 随分といじらしい顔をするじゃないか? じゃじゃ馬女が大人しく俺の言う事を聞いてくれるようになるとはな」
「……言う事を聞かないと輪っかをぶるぶるするんでしょ? さっきだって脅してきたじゃない」
ルクレーシャは自分の肉棒に取り付けられた銀の輪を悔しそうに見た。
雁首を柔らかく締め付ける銀の湿布。先走りの愛液を纏ってきらきらと光るそれは、ルクレーシャにとって奴隷の首輪のようなものだ。ダリルの言う事を聞かなければ、銀の輪が激しく振動して強制的に絶頂させられてしまう。
(うう、悔しい。このとんでもない輪っかのせいで私はダリルの言いなりよ!)
自分は敏感すぎる肉棒を人質に取られてしまった。ライバルに反抗して、無理やり潮を吹かせられるのは何としても避けたい……。
「ああ、君がつまらん男どもに笑顔を振り撒いていた時だったか?」
ダリルの目に暗いものが過ぎる。
彼は愛しの少女の手首をぐっと掴み、己の端正な顔を近づけた。
「あれは君が悪いんだぞ。俺が呼んでいるのに、そっぽを向いて他の男と話を続けようとするからだ! この俺を無視してつまらない馬の骨を優先するだと? そんなの許すわけないだろ!」
「べ、別に私が誰と話そうが関係ないじゃない!」
「いいや関係ある! いいか、俺と君は勝負の真っ最中なんだぞ。下らぬ男にうつつを抜かして、勝負を反故にされたらたまったものではない! 俺は全力の君を負かして、屈服させた末に俺の専属錬金術士にしてやるのだから。この俺と勝負している間は、他の男なんて見るな!」
耳たぶを唇で挟まれる。間近で感じるダリルの吐息に、ルクレーシャは顔を真っ赤にした。
「大体、君は本当に危機感がない。有象無象どもに脳天気な笑顔を振り撒いて本当に腹が立つ! だから、誰に従うべきなのか思い知らせてやろうとしたんだ。なあルクス。俺の言う事を聞かないとどうなるか分かるよな?」
「うっ、うぅ……!」
にやにやと笑う男が恨めしい。ルクレーシャは潤む目を一生懸命に吊り上げ、負け惜しみの言葉を吐いた。
「あなたって本当に意地悪ね! 嫌味、陰険、腹黒男! こんな輪っかさえなければ、絶対にあなたなんかに頼らないのに!」
「ふん、可愛くない奴め……。まあいい。君がどう思おうが、俺に身を委ねるしかないのだから」
ルクレーシャのバスローブに手が掛けられる。肩をびくりと震わせた女に、ダリルは少し胸がすくのを感じた。
「はははっ、その悔しそうな顔ぞくぞくする……! 可哀想になあルクス、ライバルに好き勝手されて。精々俺のことを考えて苛々すればいいさ」
この気持ちに応えてくれないのなら、せめて自分に翻弄されればいい。そんな切ない感情を抱きながら、ダリルは無理やり口角を上げた。
「大人しくしてろよ。今、疼きを鎮めてやるからな」
バスローブが開かれ、女の胸が暴かれていく。真白い乳房からぷっくりとした桃色の乳輪まで、全てがシャンデリアの光に照らし出される。初めて見るルクレーシャの胸に、ダリルはごくりと唾を飲み込んだ。
「こ、これが君のむね……!?」
「きゃあっ! ちょ、ちょっと、見ないで!」
焼け付くような視線にルクレーシャは身じろいだが、手首をがっちりと掴まれているせいでダリルから逃れることができない。弱々しく抵抗する女に、ダリルは頭がかっとなるような興奮を覚えた。
「はあっ、は、はあ……。これが、これがルクスの……! ああ……なるほどな。女の乳輪は男のものより大きくなると本で読んだが、確かにその通りらしい。ふむ、君の乳輪は少し盛り上がっているのだな? 髪と同じ桃色で、可愛らしく震えて……。ぐっ、こんなものを見せられたら正気じゃいられない! まるで俺に触ってほしいと言わんばかりに目立ってるじゃないか!」
「うぅ、人の胸をじろじろ見ないでよ変態! ねえっ、発作を鎮めるのに胸は関係ないでしょ!? こんなことしてないでさっさとあそこを触ってよ!」
「何を言う! 君は前戯というものを知らないのか!? いきなり強い刺激を与えたらオスの実の魔力が暴走してしまうかもしれないだろ、これは大切な準備段階なんだ!」
「そ、そうなの?」
「ああそうだ! まずは乳房全体に刺激を与えて魔力循環の様子を見る。君の粗末な肉棒を擦ってやるのはその後! いいか、俺ほど錬金術材料の薬効に詳しい奴はいないんだぞ。君は俺を信用して、ただその身を任せていればいいんだ! ルクス、繰り返し言うぞ。これは治療に必要なことなんだ!」
ダリルは力強く嘘を吐いた。ルクレーシャの胸に触りたいだけという動機を隠し、もっともらしい理由を言って彼女を無理やり納得させる。渋々頷いたルクレーシャに機嫌を良くしたダリルは、荒い息を吐きながら女の乳房に手を伸ばした。
「陰核を扱く前に、まずはここをしっかり可愛がってやろう。くくっ……前は服越しに揉むだけだったからな。今日は直接触ってやる」
胸の上にダリルの手が置かれる。彼はルクレーシャを怖がらせないように、ごく優しく乳房を撫でた。
「悪くない。柔らかくて、ふんわりしていて、真っ白で、それに……大きいじゃないか? いつも見ていたが気が付かなかった、君は案外着痩せするタイプだったんだな!」
「ど、どこ見てたのよぉ!? んんんっ、胸揉みながらにやにや笑わないでぇ! ふあっ、う、うう……やっ、触り方ねちっこい……!」
「すっ、すごい。指が沈んでいく。女の胸というものはこんなに軟らかいのか? なんて感触だ、スライムよりも軟らかいではないか! 俺を魅了するこの軟らかさ、これもオスの実の薬効によるものか……? ふむ、存分に調査しなければな」
「ちょっと馬鹿言わないで、私の胸は元々こんな感じよっ、んあっ……!」
ダリルの手がふにふにと女の胸を揉む。彼は手の中で形を変える軟い肉に夢中になった。顔を寄せ、ルクレーシャの豊かな乳房に頬をくっつける。顔を蕩けさせながら嬉しそうに頬ずりしてくる男を見下ろし、ルクレーシャは複雑な気持ちになった。
「……尊敬される優等生様が、まさかおっぱい大好き人間だなんて。あなたのこんな姿を見たらみんな泣いちゃうわよ?」
「言ってろ。大抵の男は女の胸が好きなんだよ」
ぷっくりと膨らんだ乳輪へ赤い舌が伸ばされる。ダリルはルクレーシャの顔を見上げながら、わざと音と立ててそれを吸った。
「ふあっ!? んっ、んんんぅ!」
ルクレーシャの乳首に電流のような刺激が走る。鋭くも水気に溢れた優しい快楽に、ルクレーシャは大きく肩を震わせた。
(やだっ、私のむね、ダリルに舐められてる……!)
「ん、まって……舐めるのだめっ、んふぅ……!」
男の舌がちろちろと動く度、とろりとした官能が広がっていく。肉棒を扱かれる時とは違った切ない快感に、ルクレーシャは唇を噛みながら色のある吐息を漏らした。
「ふぅっ、はあっ、んんっ……」
「こら、声を我慢するな。傷がついてしまうだろ」
ダリルの指がルクレーシャの唇をゆっくりとなぞる。ルクレーシャが僅かに口を開くと、ダリルはそっと指を中に入れ、ルクレーシャの薄い舌を撫でた。
「はあっ、あ……だ、りるぅ……」
無防備な舌を指でいじられると、そこからも鈍い快感が湧き上がる。胸も舌も、ダリルに触れられているところ全てが気持ちいい。ルクレーシャは目を細め、半開きの唇で懇願した。
「っ、ひゃめ……。ひた、なでないでよぉ……」
舌っ足らずな女の声に情欲をそそられる。ダリルは桃色の目を見つめながら微笑み、無意識のまま呟いた。
「かわいい」
「……ぇ?」
「俺に触れられている時の君は随分と可愛らしい顔をする。ああ、本当に可愛い。そんな顔をされたら、もっとしてやりたくなるじゃないか」
慈愛に満ちたダリルの声に、ルクレーシャの胸がとくりと跳ねる。
ダリルの「可愛い」という言葉に淫欲を刺激され、彼女は乳首から伝わる快感が一層深くなるのを感じた。
「かっ、可愛いだなんて。からかわないでよ……。いつも可愛げがない女だって罵ってくるじゃない……」
(ダリルの顔、すっごく優しい。どうしてそんな顔をするの? 意地悪なことばかり言ってくるくせに……。私のことが嫌なんじゃなかったの?)
目元を緩ませ、幸せそうに自分に触れる男からは好意のようなものを感じる。ダリルの笑みに、ルクレーシャは心がくすぐったくなるのを感じた。
「ルクス。声を出してくれ。俺は君の声が聞きたいんだ」
「うぅっ……恥ずかしいわ。こえ、いっぱい出ちゃうから……」
「恥ずかしくない。ここは俺と君しかいないんだ。な?」
「ん、っひゃ、うぅ……! あ、あぁ……あ、はあぁ……」
ダリルの指に舌を這わせながら、ルクレーシャは艶めかしい声を上げた。
乳首に唾液をまぶされながら丹念に舐められる。もう片方の胸の飾りを指で捏ねられ、そっと爪をひっかけられる。施される丁寧な愛撫に、女の体がどんどんと蕩けていく。
「あぁ……んっ……んあ、ダリル……だ、りるぅ……」
気持ちいいのにもどかしい。
もっと刺激が欲しくて、ルクレーシャはダリルの首に腕を回した。
講堂の片隅で、今日もふたりは元気に言い合いをしていた。
「ダーリールー!? ちょっとあなたね、いい加減にしなさいよ! あれが違うだのこれが違うだの、ねちねち口出しすることないでしょ!?」
「いい加減にしてほしいのは君の方だ! この程度の問題でうんうん唸ってたら本っっっ当に単位を落とすぞ!! 問題を解く式は先ほど教えてやったばかりだろうが。なのに、なぜそんなお粗末な解法になる!?」
「うるさいうるさいうるさぁい!! あんな呪文みたいに長ったらしい魔法式、覚えられる訳ないでしょ!? 大体ねえ、分量の計算なんかしなくたって、魔力でぎゅってしてばーんってしてどかん!ってしちゃえばそれで上手くいく話じゃない。わかる?」
「ちっとも分からん! 錬金術というのはな、魔力で全部どうにかできるほどいい加減な学問じゃないんだ! 君には繊細さというものがないのか!? 名家の専属錬金術士になりたいのなら、下らないことを言ってないできちんと勉学に取り組め! あっ、馬鹿。教科書を放り投げるな!」
ルクレーシャとダリル。限界まで顔を突き合わせながらわあわあ騒ぐ二人の優等生に、クラスメイトたちは生温かい視線を送った。
ルクレーシャは放課後、ダリルに勉強を教えてもらいながら必死に試験範囲の復習をしていた。成績優秀なダリルの指導はとても分かりやすいものだったが、座学が苦手なルクレーシャは彼の言っていることが殆ど分からず、早々に音を上げてしまったのだった。
「ううぅ……教科書を読むのって苦行以外の何物でもないわ! 一生懸命頑張っているのに、ねちねち嫌味を言われる私って本当に可哀想……! ああもうダメ、限界! こんな文字だらけのページを読んだってちっとも頭に入らない!」
「ほーう? この俺が分かりやすく、ゆっくりじっくり時間を割いて教えてやっているというのに、その軽い頭の中には少しも入っていないという訳か! ああ、嘆かわしい。魔力バカに勉強を教えるのは本当に骨が折れる」
「魔力バカですってぇ!? うっさいわよガリ勉! 大体、私が座学苦手なの知ってるでしょ!? ちょっとでも点数を良くしようと頑張ってるの! 馬鹿にしないで!」
「くくっ……。そうかそうか。ま、精々頑張りたまえ。やれるだけやってみるといいさ。君の小さな頭にいくら詰め込もうとも、どうせ試験は俺の勝ちだろうがな? 君の悪あがきが実を結ぶといいな、ル・ク・ス」
「ちょっと、何ニヤニヤしてるのよ。私を見下して楽しむのはやめなさいよ。あなたの上から目線の言い方が本っ当にムカつくわ! 座学は負けても、実技の方で勝ってやるんだからね! 覚えてなさいよ嫌味男!」
ルクレーシャがうんざりといった様子で頬を膨らませ、ダリルが彼女の頬をふにふにとつつく。ダリルの綻んだ顔を見て、クラスメイトたちはひそひそと囁きを交わした。
「……おい、見ろよ。レーシャにちょっかい出す時の顔がでろでろに蕩けてる」
「ああ。『愛しのルクス』に構ってもらえて嬉しいんだろ。レーシャに無視された時のあいつは見てられなかったけどよ、無事仲直りできたみたいで良かったぜ」
「いい加減告白すればいいのにな。レーシャだって別に満更じゃなさそうだしさ」
ほんのりと赤く染まったふたりの顔。腹黒男、がさつ女とお互いを罵り合っているのに、どこか楽しそうにも見える。甘酸っぱい雰囲気を漂わせる男女を、クラスメイトたちは遠くから見守った。
ダリルがルクレーシャの頬をむにむにと揉む。手の中で形を変える白い頬に、ダリルは眉を下げ破顔した。
「君の頬はもちもちしていて柔らかいな。まるでスライムみたいだ」
「ひょっと、ひゃめなひゃいよ。わたひのほっぺが伸びひゃう」
「ぷふっ……! 俺にされるがままだなあルクス。こうしてやれば、じゃじゃ馬女も少しは淑やかになるか?」
ダリルの大きな手がルクレーシャの頬を包み、優しくつついたり伸ばしたりする。舌っ足らずに喋るしかないルクレーシャは、意地悪そうな笑みを浮かべる男をきゅっと睨んだ。
ダリルの指の動きは止まらない。頬の線をつうっとなぞられた時、ルクレーシャの全身に強烈な刺激が走り抜ける。
「きゃうっ!?」
甲高い声を上げたルクレーシャは急いで口を塞いだ。頬から全身へ甘い快感が広がっていく。急速に込み上げてきた肉欲に、ルクレーシャはくたりとダリルの方にもたれかかった。
「あ、これ……! ちょ、ちょっとまずいかも! ダリル、私から離れて! オスの実のっ、発作、が来ちゃった……」
ルクレーシャは顔を真っ赤にしながらダリルを上目遣いで見上げた。
これはオスの実の魔力がもたらす催淫作用だ。しばらく肉棒に刺激を与えていないと、こうして激しい情欲が急に込み上げてきてしまう。
自分に寄り掛かる女の背を撫で、ダリルは小さな声で訊ねた。
「なんだルクス。ひとりで処理しなかったのか?」
「ふぅっ……うん……。じ、自分じゃうまく出来なくて……」
ルクレーシャの息は荒い。唇から甘やかな吐息を漏らす女に、ダリルは胸が大きく跳ねるのを感じた。
「くくっ、ふふふ……! そうか、やはりひとりでは難しかったか……! それはそうだよな! そうに決まっている! ふふ、どうやら君には補習を受けてもらう必要があるらしいな?」
ルクレーシャの桃色の瞳はしっとりと潤み、スカートから覗く太ももはほんのりと色づいている。性欲を露わにする女に、ダリルはたちまち浅ましい欲が込み上げてくるのを感じた。
ああ、花の妖精を愛でる時間がやってきた!
期待に唇が歪むのを抑えられない。ダリルは興奮の息を吐いた後、ルクレーシャの手をぎゅっと握った。
「全く君は仕方ないな! さ、ルクス。俺の部屋に行くぞ。じっくりたぁっぷり勉強を教えてやる。夜が更けるまでな……」
「う、うん」
上機嫌な男と、顔を真っ赤にしながらその後をついていく女。大人しくダリルに従うルクレーシャを見て、クラスメイトたちは彼女らしくないと首を傾げるのだった。
*
「まったく、君も難儀だな。オスの実のせいで定期的に発情するようになってしまったのだから」
「ん、ううっ……」
紅石英のシャンデリアが備え付けられた豪華な部屋。大人三人分ほどが寝転がれるくらいの大きなベッドの上で、湯上がりのルクレーシャは力なく震えていた。
「ふぇ……や、なによこの服……!」
ルクレーシャを包むバスローブは透けていて、彼女の白い肌や体の線をありのままダリルに伝えてしまう。そそり勃つ肉棒に強烈な視線を向けられ、ルクレーシャは上気した頬をなお赤く染めた。
「ダリル、これ恥ずかしいってば! 私の服に着替えさせて……!」
「駄目だ。君お気に入りのスカートがびしょびしょになってしまうだろ? その格好ならいくらでも潮を吹けるぞ」
縮こまるルクレーシャを見つめ、ダリルはにんまりと笑った。
「ルクスのためにわざわざそのバスローブを用意してやったんだぞ。俺に感謝するんだな!」
「感謝しろって言っても、こんなの、こんなのぉ……!」
ルクレーシャはぎゅっと袖を握り締めた。胸の飾りや陰毛までくっきりと透けてしまうバスローブ。こんなものを着せられた羞恥と屈辱に涙が出てしまう。
「こんなスケスケなバスローブ、一体どこで調達してきたのよ! 何もかも丸見えじゃない!」
「くく、聞いて驚け。俺が作ったんだ!」
「ダリルが!? さいってー、こんなえっちなバスローブを作るだなんて何考えてんのよ! うう、やっぱりあなたって変態だわ。むっつり! 痴漢! 変態錬金術士!」
「誰が変態錬金術士だ! ほら、ぎゃあぎゃあ騒いでないで。始めるぞ」
「ふぁうっ……!」
ルクレーシャの手首が掴まれ、優しく顔の横に押さえつけられる。自分に伸し掛かる男の顔を見上げ、彼女は大きな桃色の目を潤ませた。
(ぁ……。ダリルってば、怖い顔してる)
とろりと蕩けた切れ長の目に、熱っぽい吐息を漏らす半開きの唇。垂れ下がった前髪から除く黒曜石の瞳はぎらぎらと光っている。端正な顔に獣欲を滲ませる男に、ルクレーシャはとくとくと胸を跳ねさせた。
「何よ、はぁはぁして。ダリルってば興奮してるの?」
「ああ。これからたっぷり生意気女を虐めてやれると思うと嬉しくてな」
「……へんたい」
ルクレーシャの悪態にダリルは頬を緩ませた。意地悪な言葉を吐くのに、微笑みを湛えるその顔はとても優しい。まるで「君に触れられて嬉しい」と物語っているようだ。ライバルが浮かべるその表情に、ルクレーシャは嫌悪よりも喜びを覚えた。
(またダリルに虐められちゃう。泣いて謝っても許してもらえなくて、おちんちんをいっぱいしこしこされちゃうんだ……。うう、こんな意地悪男苦手なはずなのに。どうして胸がどきどきするの?)
甘やかな期待に息が荒くなる。やめてと懇願してもしつこく肉棒を扱かれ、何度も絶頂させられた記憶が蘇る。あの壮絶な快感を思い出すと秘部に熱が集まり、肉棒の先端からとろとろと愛液を溢してしまう。
(ダリルに触れられて嬉しいって思うのは、どうしてなの……?)
ルクレーシャは弱々しく目を伏せた。被虐的な彼女の表情に、ダリルが息を呑む。
「っ、ふ、ふふ……! 随分といじらしい顔をするじゃないか? じゃじゃ馬女が大人しく俺の言う事を聞いてくれるようになるとはな」
「……言う事を聞かないと輪っかをぶるぶるするんでしょ? さっきだって脅してきたじゃない」
ルクレーシャは自分の肉棒に取り付けられた銀の輪を悔しそうに見た。
雁首を柔らかく締め付ける銀の湿布。先走りの愛液を纏ってきらきらと光るそれは、ルクレーシャにとって奴隷の首輪のようなものだ。ダリルの言う事を聞かなければ、銀の輪が激しく振動して強制的に絶頂させられてしまう。
(うう、悔しい。このとんでもない輪っかのせいで私はダリルの言いなりよ!)
自分は敏感すぎる肉棒を人質に取られてしまった。ライバルに反抗して、無理やり潮を吹かせられるのは何としても避けたい……。
「ああ、君がつまらん男どもに笑顔を振り撒いていた時だったか?」
ダリルの目に暗いものが過ぎる。
彼は愛しの少女の手首をぐっと掴み、己の端正な顔を近づけた。
「あれは君が悪いんだぞ。俺が呼んでいるのに、そっぽを向いて他の男と話を続けようとするからだ! この俺を無視してつまらない馬の骨を優先するだと? そんなの許すわけないだろ!」
「べ、別に私が誰と話そうが関係ないじゃない!」
「いいや関係ある! いいか、俺と君は勝負の真っ最中なんだぞ。下らぬ男にうつつを抜かして、勝負を反故にされたらたまったものではない! 俺は全力の君を負かして、屈服させた末に俺の専属錬金術士にしてやるのだから。この俺と勝負している間は、他の男なんて見るな!」
耳たぶを唇で挟まれる。間近で感じるダリルの吐息に、ルクレーシャは顔を真っ赤にした。
「大体、君は本当に危機感がない。有象無象どもに脳天気な笑顔を振り撒いて本当に腹が立つ! だから、誰に従うべきなのか思い知らせてやろうとしたんだ。なあルクス。俺の言う事を聞かないとどうなるか分かるよな?」
「うっ、うぅ……!」
にやにやと笑う男が恨めしい。ルクレーシャは潤む目を一生懸命に吊り上げ、負け惜しみの言葉を吐いた。
「あなたって本当に意地悪ね! 嫌味、陰険、腹黒男! こんな輪っかさえなければ、絶対にあなたなんかに頼らないのに!」
「ふん、可愛くない奴め……。まあいい。君がどう思おうが、俺に身を委ねるしかないのだから」
ルクレーシャのバスローブに手が掛けられる。肩をびくりと震わせた女に、ダリルは少し胸がすくのを感じた。
「はははっ、その悔しそうな顔ぞくぞくする……! 可哀想になあルクス、ライバルに好き勝手されて。精々俺のことを考えて苛々すればいいさ」
この気持ちに応えてくれないのなら、せめて自分に翻弄されればいい。そんな切ない感情を抱きながら、ダリルは無理やり口角を上げた。
「大人しくしてろよ。今、疼きを鎮めてやるからな」
バスローブが開かれ、女の胸が暴かれていく。真白い乳房からぷっくりとした桃色の乳輪まで、全てがシャンデリアの光に照らし出される。初めて見るルクレーシャの胸に、ダリルはごくりと唾を飲み込んだ。
「こ、これが君のむね……!?」
「きゃあっ! ちょ、ちょっと、見ないで!」
焼け付くような視線にルクレーシャは身じろいだが、手首をがっちりと掴まれているせいでダリルから逃れることができない。弱々しく抵抗する女に、ダリルは頭がかっとなるような興奮を覚えた。
「はあっ、は、はあ……。これが、これがルクスの……! ああ……なるほどな。女の乳輪は男のものより大きくなると本で読んだが、確かにその通りらしい。ふむ、君の乳輪は少し盛り上がっているのだな? 髪と同じ桃色で、可愛らしく震えて……。ぐっ、こんなものを見せられたら正気じゃいられない! まるで俺に触ってほしいと言わんばかりに目立ってるじゃないか!」
「うぅ、人の胸をじろじろ見ないでよ変態! ねえっ、発作を鎮めるのに胸は関係ないでしょ!? こんなことしてないでさっさとあそこを触ってよ!」
「何を言う! 君は前戯というものを知らないのか!? いきなり強い刺激を与えたらオスの実の魔力が暴走してしまうかもしれないだろ、これは大切な準備段階なんだ!」
「そ、そうなの?」
「ああそうだ! まずは乳房全体に刺激を与えて魔力循環の様子を見る。君の粗末な肉棒を擦ってやるのはその後! いいか、俺ほど錬金術材料の薬効に詳しい奴はいないんだぞ。君は俺を信用して、ただその身を任せていればいいんだ! ルクス、繰り返し言うぞ。これは治療に必要なことなんだ!」
ダリルは力強く嘘を吐いた。ルクレーシャの胸に触りたいだけという動機を隠し、もっともらしい理由を言って彼女を無理やり納得させる。渋々頷いたルクレーシャに機嫌を良くしたダリルは、荒い息を吐きながら女の乳房に手を伸ばした。
「陰核を扱く前に、まずはここをしっかり可愛がってやろう。くくっ……前は服越しに揉むだけだったからな。今日は直接触ってやる」
胸の上にダリルの手が置かれる。彼はルクレーシャを怖がらせないように、ごく優しく乳房を撫でた。
「悪くない。柔らかくて、ふんわりしていて、真っ白で、それに……大きいじゃないか? いつも見ていたが気が付かなかった、君は案外着痩せするタイプだったんだな!」
「ど、どこ見てたのよぉ!? んんんっ、胸揉みながらにやにや笑わないでぇ! ふあっ、う、うう……やっ、触り方ねちっこい……!」
「すっ、すごい。指が沈んでいく。女の胸というものはこんなに軟らかいのか? なんて感触だ、スライムよりも軟らかいではないか! 俺を魅了するこの軟らかさ、これもオスの実の薬効によるものか……? ふむ、存分に調査しなければな」
「ちょっと馬鹿言わないで、私の胸は元々こんな感じよっ、んあっ……!」
ダリルの手がふにふにと女の胸を揉む。彼は手の中で形を変える軟い肉に夢中になった。顔を寄せ、ルクレーシャの豊かな乳房に頬をくっつける。顔を蕩けさせながら嬉しそうに頬ずりしてくる男を見下ろし、ルクレーシャは複雑な気持ちになった。
「……尊敬される優等生様が、まさかおっぱい大好き人間だなんて。あなたのこんな姿を見たらみんな泣いちゃうわよ?」
「言ってろ。大抵の男は女の胸が好きなんだよ」
ぷっくりと膨らんだ乳輪へ赤い舌が伸ばされる。ダリルはルクレーシャの顔を見上げながら、わざと音と立ててそれを吸った。
「ふあっ!? んっ、んんんぅ!」
ルクレーシャの乳首に電流のような刺激が走る。鋭くも水気に溢れた優しい快楽に、ルクレーシャは大きく肩を震わせた。
(やだっ、私のむね、ダリルに舐められてる……!)
「ん、まって……舐めるのだめっ、んふぅ……!」
男の舌がちろちろと動く度、とろりとした官能が広がっていく。肉棒を扱かれる時とは違った切ない快感に、ルクレーシャは唇を噛みながら色のある吐息を漏らした。
「ふぅっ、はあっ、んんっ……」
「こら、声を我慢するな。傷がついてしまうだろ」
ダリルの指がルクレーシャの唇をゆっくりとなぞる。ルクレーシャが僅かに口を開くと、ダリルはそっと指を中に入れ、ルクレーシャの薄い舌を撫でた。
「はあっ、あ……だ、りるぅ……」
無防備な舌を指でいじられると、そこからも鈍い快感が湧き上がる。胸も舌も、ダリルに触れられているところ全てが気持ちいい。ルクレーシャは目を細め、半開きの唇で懇願した。
「っ、ひゃめ……。ひた、なでないでよぉ……」
舌っ足らずな女の声に情欲をそそられる。ダリルは桃色の目を見つめながら微笑み、無意識のまま呟いた。
「かわいい」
「……ぇ?」
「俺に触れられている時の君は随分と可愛らしい顔をする。ああ、本当に可愛い。そんな顔をされたら、もっとしてやりたくなるじゃないか」
慈愛に満ちたダリルの声に、ルクレーシャの胸がとくりと跳ねる。
ダリルの「可愛い」という言葉に淫欲を刺激され、彼女は乳首から伝わる快感が一層深くなるのを感じた。
「かっ、可愛いだなんて。からかわないでよ……。いつも可愛げがない女だって罵ってくるじゃない……」
(ダリルの顔、すっごく優しい。どうしてそんな顔をするの? 意地悪なことばかり言ってくるくせに……。私のことが嫌なんじゃなかったの?)
目元を緩ませ、幸せそうに自分に触れる男からは好意のようなものを感じる。ダリルの笑みに、ルクレーシャは心がくすぐったくなるのを感じた。
「ルクス。声を出してくれ。俺は君の声が聞きたいんだ」
「うぅっ……恥ずかしいわ。こえ、いっぱい出ちゃうから……」
「恥ずかしくない。ここは俺と君しかいないんだ。な?」
「ん、っひゃ、うぅ……! あ、あぁ……あ、はあぁ……」
ダリルの指に舌を這わせながら、ルクレーシャは艶めかしい声を上げた。
乳首に唾液をまぶされながら丹念に舐められる。もう片方の胸の飾りを指で捏ねられ、そっと爪をひっかけられる。施される丁寧な愛撫に、女の体がどんどんと蕩けていく。
「あぁ……んっ……んあ、ダリル……だ、りるぅ……」
気持ちいいのにもどかしい。
もっと刺激が欲しくて、ルクレーシャはダリルの首に腕を回した。
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