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1学期

プロローグ

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なんの変哲もない天井。

耳障りなアラーム。

年季の入った教材。

部屋のあちこちに捨てられたゴミ溜まり。

そして今年15歳ニートまっしぐらの俺、岡田大河おかだたいが

高校を半年で中退して、そこから俺は毎自堕落な生活を続けている。

勉強をする気にもなれず毎日何故生きているのだろうと思うが、死ぬ勇気もない。

何故高校を中退になったのか。それはい・じ・め・に遭っていたからだ。

そのせいでどんどん学校に行く勇気を無くし、今に至る。

いじめていた奴らを見返ふくしゅうしたい。

だがそう考える度いじめの日々を思い出し恐怖が襲ってくる。

この世は理不尽だが、その現実を受け入れるしかないのだ。



           変わりたい。



そうだ。変わるんだ―――。

自分の手で人生を。

そう意気込んだ俺は早速部屋を出る。

(いつまでも親に迷惑をかけられない…)

もうしばらく部屋を出ていなかったから俺は少し緊張してしまう。

ここで勇気を出さなくてどう変われるんだ。

そして俺はお父さんとお母さんの居るリビングへと足を踏み入れる。



「大河じゃないか。どうしたんだこんな遅くに…」



「何かあるなら大河、話してみなさい。」



急にリビングに入ってきて心配するお父さんと、相談に乗ろうとしてくれるお母さん。

俺は恵まれているんだな。

そう実感する。



「今まで、部屋に閉じこもっちゃってごめん、俺やっぱりこのままじゃ駄目だと思って。

変わりたいんだ… 学校に通わせてください!」



そう俺は言うと、お父さんとお母さんはしばらく黙ってからこう言った。



「お父さんとお母さんは今まで何もできなかった。せめて子供を手助けするのが親っていうものよ。」



「そうだぞ、大河。本当ならもっと早くいじめに気付ければ良かったんだ。せめて親として

お父さん達にもっと頼ってくれ」



「父さん…母さん…ありがとう…!」



―――春―――

俺は引っ越し、誰も俺を知らない高校へと編入した。

地頭は良いのでそこまで受験は苦労しなかった。

そして、俺は教室の扉の前に立つ。

(とうとう俺の人生が変わるんだ!)

胸の鼓動が高鳴る中扉を開ける。

そして俺は再会する。

―――小里川一笑おりかわちえと。―――

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