空晴ラビット 1

やました

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第2章

第15話 パフェ

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「ここが人間界……!」

私の隣でキュトアちゃんは目を輝かせていた。
でも、私にとっての人間界とはまるで違っている。

「ミヨコちゃん、どう?懐かしいんじゃない?」

キュトアちゃんはニコニコしながら私にそう言った。

「え……っと、私の住んでた所とは少し…違うかな……?」

キュトアちゃんは、そうなの?とキョトンとした顔をした。

「ミヨコさん……、貴方人間界に来たことがあるの?」

マリアさんは驚いた顔をして私を見ていた。

「そう!ミヨコちゃん、人間界に住んでいたんだよ!すごいでしょ!」

キュトアちゃんがそう言うとマリアさんは少し固まって私を見ていた。

……ど、どうしたんだろう。

「どの辺に住んでいたの?」

住んでいた所……。私達親子は場所を転々としていたから正直分からなかった。

「えっと、本当に小さい頃だったから覚えてなくて……。」

私は答えるとマリアさんは、そう…。と答え、それ以上は何も聞いてこなかった。

「じゃあ、課題を始めましょうか。まずはその辺の喫茶店で人間と会話してみましょう。」

皆はドキドキしながらマリアさんに付いていった。
周りは人混み。注意しないとはぐれそう。

「す、凄い人混みね……ナル、手を繋ぎましょ。」

ナルちゃんはその小柄故に人混みで埋もれそうになっていた。サフィアちゃんはナルちゃんの手をひいて誘導する。

「さぁ、着いたわ。……人混みで既に体力使ったわね。」

マリアさんは私達を見てそう言った。
私達はついていくので精一杯だった為、既に息が上がっていた。

「人間界怖いね~こんなに沢山人がいるなんて!」

でも、キュトアちゃんはまだ元気そう。

「ここは人間界でも人口密度が高い都市だからね。さ、入るわよ。」

辿り着いた喫茶店は案外空いていたが、それなりに人が集まっていた。

こんなにお洒落な店初めて来た。
一番隅の席に皆で座ると、マリアさんはお店のメニューを取り出した。

「じゃあ、1人ずつ店員さんに注文を言ってみましょうか。他の店でも同じように店員さんと会話してもらうわ。それが今回の課題ね。」

……え、それだけ?
私は拍子抜けしてしまった。

「よ、よ~し。頑張るぞぉ、皆メニュー決まった?」

皆はうん、と答えると慣れていた私は私は店員さんを呼んだ。

「わわ、ミヨコちゃん凄いね……!」

キュトアちゃんが小声にそう言うと、店員さんが気づいてこっちへ駆け寄ってきた。

可愛いメイドさんのような服を着た店員さんは、ご注文をお願いしますとニコッと笑った。

皆緊張しながらも、注文内容を言っていく。

「…はぁ、緊張した!」

皆肩を撫で下ろした。

「でも、案外私達と変わらないかもね。人間って!」

キュトアちゃんがそう言うと、サフィアちゃんも頷いた。

「そうね、周りの人達の何気ない会話も私達とあまり変わらないわ。」

確かに変わらない。私が人間界にいたときも、何気なくそこに溶け込んでいて違和感すら感じなかった。お兄ちゃんと結界の中に来たときもそう……

「えぇ、人間界も結界の中も変わらないわ。だから、ほぼ人間である貴方達が安心して住める人間界にしようと、天界はあの学校を作ったのよ。」

そんな由来があったんだ。でも、人間界には沢山のノラが彷徨いている。

「でも、それにはまだまだ人間界には危険がいっぱいある。だから天界と魔獣族が協力して安全な人間界にしていきたいと思うの。」

するとわんこさんが再びマリアさんに抱きついた。

「私は最初からそのつもりだよ~!」

私も、そんな人間界にしていきたいな。
それは、皆も同じだった。

「私、アリアさんを誤解していたわ。私達魔獣族とはあまり関わりたくないのかと思っていたもの。」

サフィアちゃんがそう言うとマリアさんは、顔を赤くした。

「だ、だって人間ならまだしも魔獣族と話すなんて初めてだったし…。元々人付き合いが上手い方ではないから…。その、それは申し訳ないと思ってるわ。」

マリアさんにこんか可愛い1面があるなんて。
きっと天使も私達と変わらないのだ。
私はアリアさんともっと仲良くなりたいと思った。

「いーの!いーの!これから仲良くやっていこうよ!」

キュトアちゃんがそういうと、丁度皆が注文したパフェが運ばれてきた。
バナナに苺、チョコソースがたっぷりかかったパフェは、見るだけで心が踊る。

「わー!美味しそう!いっただっきまーす!!」

皆で食べるそのパフェは今まで食べた中でも最高に美味しいと思った。


16話につづく。







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