不定期エッセイ キッドさんといっしょ。

ダイナマイト・キッド

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棚橋弘至という太陽

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ツイッターで記事のリクエストを頂きました。ありがとうございます
 
その内容ですが、私から見た今の新日本プロレスと棚橋弘至選手について
とのことでした


さて新日本プロレスと棚橋弘至選手
今や一心同体、表裏一如となった一つのプロレス団体とプロレスラー
誰よりもプロレスを愛し、新日本プロレスを愛している棚橋弘至選手については近年の人気もあってご存じの方も多いかと思います。実際にプロレスよくわかんないけどなんか知ってる、という人のなかには、やはり棚橋弘至選手と真壁刀義選手が断トツの知名度を持っているように見受けられます。私の周囲では特に、武藤敬司さんや蝶野正洋さんに並ぶ勢いで
「あのほら、なんか居たねえあの人」
と来たら棚橋選手。あの人、の次にスイーツの、と来たら真壁選手ですが

私が中学生ぐらいの時に新日本プロレスに入門した棚橋選手。その時は一人のヤングライオン(新日本プロレスの若手選手の総称)で、まさか将来の新日本プロレスを背負って立つ逸材であるとは思いもよらず
同期の鈴木健三(KENSO)選手や先にデビューしていた真壁選手の方が注目されていました

おりしも新日本プロレスはこの時からゴタつきはじめ、決定したはずの試合が二転三転したりビッグマッチで不透明な決着が多発したり。挙句の果てには当時の大エースだった橋本真也さんは引退するしないの騒ぎののちに退団、武藤敬司さんも一部主力選手を率いて退団。リング内外が混沌を極め求心力を失った新日本プロレスはじりじりと沈んでいきました
私もテレビ放送や週刊誌でチェックはするものの、正直もう辟易していました。長州力さんも佐々木健介さんもいなくなり、総合格闘技ブームの向かい風に乗ってますます混迷を極める新日本プロレス
 
誰もが、もうこの団体は長くないんじゃないか、と思っていた時期でした
そんな時期に新日本プロレスで若手として過ごし、徐々に頭角を現してきたのが棚橋選手でした
気が付けばKENSO選手は退団し、リング上は総合格闘技っぽい動きやバックボーンが持てはやされ、その割には面白いのは相変わらず熱いプロレスをしていたジュニア戦線や魔界倶楽部といったちぐはぐな流れの中で少しずつですが支持を集めていきました
ご本人の著書
「棚橋弘至はなぜ新日本プロレスを変えることができたのか」
によれば当時は会場でも全く支持されず逆にブーイングや罵声を浴びる毎日だったとか。私も正直、この頃の棚橋選手はあまりチェックしていませんでした。単純に他の団体や選手が好きで、もう新日本プロレスはいいや、と思っていたからです。そのぐらい、当時の新日本プロレスは旧来の熱心なファンからも見放され、新規顧客の獲得もままならない状態だったのです

そんな冬の時代を通り越してもはや氷河期のピークを越えたところから、棚橋弘至という太陽が昇り始めます
いや、太陽はずっとそこにあったのですがそれを覆い隠していた分厚い雲が晴れていったというべきかもしれません
新日本プロレスは創始者にして当時は諸悪の根源とも見られていたアントニオ猪木さんの手を離れ、リング上の風景も変わりました
世間での総合格闘技の勢いと同じくして総合格闘技的なエッセンスは薄まり、派手ながら味のあるプロレスリングが戻ってきたのです
 
そんな中でも棚橋選手の人気、そして万能ぶりは大変貴重なものだったと思われます
誰とどんな試合になっても面白い、というのは数多のプロレスラーの中でもごく限られた選手しか持ちえない能力で、冬の時代とか暗黒期とか言われてもそこは新日本プロレス。国内外の様々な選手との試合を経て棚橋選手はこれを体得していました
同じく新日本プロレスに入団して這い上がってきた内藤哲也選手
闘龍門を経て新日本プロレスに再度入門しレインメーカーとして大ブレイクしたオカダ・カズチカ選手
先輩であり共に苦楽を共にした真壁刀義選手
ざっと上げてもこれだけのドラマがあるライバルがいて、さらにそこへ国内外から日夜新たな挑戦者が押し寄せてくる。面白くないわけがありません
今の棚橋選手には、その誰がかかってきても
「棚橋ならなんとかするだろう」
「棚橋が出てきたら面白いだろう」
「棚橋と戦ったらどうなるだろう」
とファンの関心を引き寄せる求心力が備わっています
そしてそれは、そんなライバルたちを呼び集めることが出来るようになった新日本プロレスの求心力でもあります

名前の売れた人物にいいようにお金を払っていた時期から、さらにその前の混乱期を見ていた身としては嬉しい限りです。もちろんこの間にもいい試合はありましたし、素晴らしい選手も沢山いました。細かいことは抜きにして、そんな群雄割拠の新日本プロレス、ひいては日本のマット界において
「棚橋弘至というプロレスラー」
は、唯一無二の存在になったのです
これはかつて棚橋選手が付き人だった武藤敬司さん、さらにその先輩の藤波辰爾さん、世界的にはリック・フレアーやハーリー・レイスといったアメリカンプロレスのド王道における名人のカタチでもあります
棚橋選手の場合は世界中を股にかけて活躍するのとはまた違って、日本にいながら各地に名前が知れ渡り向こうから挑戦者がやってくる
いわば世界的なご当地レスラー
日本という一つのテリトリーには、棚橋弘至というレスラーがいるぞ!
と。そこにいつどんな相手が来ても必ず高レベルの試合が出来る。それは当たり前のようでいてかなりの高等技術、全てのポテンシャルを超高レベルで持ちえていないと成し遂げられない名人芸なのです
 
テレビや各メディアへの露出はもちろん、長年の地道な営業、そして自身のブログや各種ツールでの発信と今現在も抜かりなく行う棚橋選手。前述の著書の中でも、こうした活動の継続こそが大切だと書いています。同じ情報でも見てない人が沢山いる、何度も何度も届くまで書くのだ、と
思えば当たり前の事なのですが、こと新日本プロレスの選手である棚橋選手が言うと説得力も違います。あれほどの選手でもそこまでしないとダメなんだ、そこにも努力と信念があるんだ、とメカラウロコでした。名人が名人としてあぐらをかいていられる時代ではありません
これからも棚橋選手が「棚橋弘至という男」である限り、きっと新しい戦いや魅力を見つけ出しては届けてくれると思います

そして2006年ぐらいの、あの時はすみませんでした!
という忸怩たる思いも忘れずに、これからも応援していきたいと思う次第です
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