不定期エッセイ キッドさんといっしょ。

ダイナマイト・キッド

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7月11日は破壊王記念日

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7月11日は橋本真也さんの御命日。毎年、夏が来ると思い出す。
2005年7月11日
忘れようと思っても忘れられない
何故ならその日、私はメキシコに居たから。メキシコ、ナウカルパン州ナウカルパン市ハルディンというところにある闘龍門MEXICOの2階リビングに居た。そしてそこで誰かが電話を取った。それまでは、なんてことのない一日だった。ただし私は、すでに挫折し帰国が決まっていた。航空券の手配の都合で、帰ると決まってもすぐにというわけにはいかなかったのだ。そんな時に
橋本さんが亡くなったって!
というニュースが、あの4階建ての寮の中を嵐のように駆け巡った

最初は、橋本さんという、誰か闘龍門に縁のある、新入りの自分らが知らないだけでお世話になっている方とかそういう橋本さんが亡くなられたのだとばかり思っていた
人間の脳味噌と言うのはつくづく都合よく作られているなと思うのは、普段だったら橋本といえば破壊王の橋本さんが脳内アリーナに爆勝宣言で入場してくるし、歴史の授業で長州藩と聞いただけでパワーホール全開なのに。この時は真逆で、まさかその橋本さんが、破壊王の方の橋本さんだとは微塵も思わなかった

当時、橋本さんは既に手術や欠場を繰り返しており、選手としては明らかに斜陽を迎えていた。全日本プロレスで行われた川田利明さんとの試合や、ゼロワンとWJの対抗戦などでは肩を中心にボロボロであることが明白だったし、あの頃のファンからしても、橋本さんが数多の負傷を抱えていることは周知の事実だった
それでも、やっぱり「破壊王」のイメージは根強く、まさか、こんなに若いうちに、呆気なく旅立ってしまうとは……

私は冬木弘道さんの大ファンでもあり、その関係で冬木VS橋本の一連の抗争には熱い視線を向けていた。川崎球場で行われる筈だった冬木さんと橋本さんの電流爆破デスマッチを待たずして、冬木さんは力尽きた
冬木さんの代わりにリングに立った金村キンタローさんと向かい合った橋本さんは、ゴングが鳴るや否や冬木さんの遺骨の入った箱を胸に抱き、電流が流され爆弾の設置された有刺鉄線に躊躇なく飛び込んだ

あの時ほど、プロレスラー橋本真也をカッコいいと思ったことは無かった

橋本さんが亡くなられた時、メヒコに居た私のために母が新聞を買って切り抜いておいてくれた。今でも大事に残している
写真を載せるのでちらっとご覧ください

私がプロレスに目覚めた時に、恐らくちょうど絶頂期だった橋本さん
強くてデカくて突拍子も無くて、負ける時は大負けするけど、勝つときは文字通りの
爆勝宣言
でもって相手を完膚なきまで叩き潰す

そんな橋本さんが、ずっと大好きだった
死後アレコレと言われているけど、それはそれで、リングの上に居た破壊王の威光が自分の中で翳ることはなくなった。自分の中では

小川直也さんを心底憎んだし、新日本プロレスにもアントニオ猪木さんにも、何故そこまでして橋本さんを苦しめるのかと憤懣やるかたない時期もあった

結局は、起こるべくして起こった出来事だったのだと思うしかない。今となっては
だけど、やっぱり、今このご時世になって、蝶野さんや武藤さん、長州さんまでもがテレビやYouTubeで人気になり色々なことを発信するようになった時。良い時代になったなと思うと同時に
そこに、あの大きなシルエットが居ないさみしさを、嚙み締める自分も居て

何年たっても、この巨大な心の穴はポッカリあいたままで、塞がることも、塞ごうとする気もないまま、私はずっとプロレスファンを続けていくつもりです

地元にゼロワンが初めてやって来た時。近所のスポーツ用品店でチケットを買ったらポスターがもらえました。そしてそこには、デカデカと、橋本真也さんのサインが
これは今でも、我が家のご本尊です。私が死んだら、このポスターも一緒に燃やしてもらうつもりです

橋本さん、今年も7月11日が来ました
また来年も、そのまた次も、あなたを決して忘れません
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