277 / 278
静夏僕生
しおりを挟む
静かな夏の朝。まだ僕は生きてる。
汗をかいて目を覚ます。明け方から今日も暑い。青く澄み渡った悪意が空一面を覆い尽くし、真っ赤に燃え上がる共犯者を待ってる。僕は道路を横切って、斜向かいの商店の軒先に佇む自販機の前に立つ。アプリにチャージしたはずの残高を確かめることすら何だか億劫で、まあいいやどうだって……と画面を見もせず〝タッチ!〟にかざした。
静かに僕を蝕む姿なき雪だるま。
土曜日の明け方。東京から帰ってきた夜行バスが静々と路面電車沿いの駅前大通を往く。乗降客も無いバス停に停まり、低く唸るような排気ガスのため息を吐いて再び走り出す。終点の停留所まであと少し。深緑と明るい黄緑のツートンカラーで彩られた車体が田んぼと野立て看板ばかりの県道に差し掛かり、やがて産業道路と古い入江の集落とを分かつ交差点をどちらにも進まずに左折してゆく。普段なら苛立ち、先を急ぐ自動車とトラックの群れが渋滞する往来も今日は静まり返っている。信号待ちの僕だけが大きく曲がって走り去るバスを見送っている。日が差し始めた。運転席は早くも熱を持ち始め、エアコンの風だけが冷たく他は蒸し暑い熱帯夜をそのまま閉じ込めたような匂いがしている。
静かに僕を蝕む姿なき雪だるま。
かつての海岸線と埋立地の工業団地を繋ぐ道路橋がカラフルなワイヤーのように幾つも交差し伸びている。間抜けな音を立てて底が抜けたように晴れ渡る青空と同じような色に塗り直されたばかりの橋を渡って南へ、南へ。片側5車線の湾岸道路は伽藍洞で、まっすぐ伸びた先で陽炎をまとった空気が溶けてアスファルトと空とを揺らめかせ、溶接しようとしている。その透明なアークに向かってアクセルを踏み込む。
黒いツルツルしたカウンターに白い小鉢が並び、柿の種とカラフルなフィルムで包装されたラムネ菓子が補充された。僕は黄色いフィルムに包まれたボタン電池みたいなそれをくるくると剥きとり、白いかたまりをひとつ口に放り込んだ。
さっきのハイボールが回ってきたけど、まだ元気だ。
隣の三人連れが歓声を上げた。30年ぐらい前のヒット曲をさっきから順繰りに歌っている。メガネ、ショートボブ、日焼けの取り合わせで、どうもショートボブとメガネの雰囲気がタダナラヌものを孕んでいそうだ。ショートボブがピチカート・ファイヴをブリブリした声で歌い終えてマイクを置いて、次は日焼けの番だ。「電光石火の銀の靴」が流れ始めた。
僕に小鉢のお菓子とグラスの氷を補充してくれた貴女が気遣うように潤んだ瞳を向ける。おかわり、お茶にしときます? という短いフレーズでさえ、少し酒焼けしつつも元の澄んだトーンが根底で響く美声が染みる。「じゃあ、烏龍茶で」と、僕。汗をかいたグラスをカランと振ってコースターの上に置く。空調が唸りを高めて冷たい風を掃出す。貴女は軽く首を傾げる。疑問じゃなく媚びじゃなく、その角度が可愛いというのを知っている。僕も貴女も、貴女の可愛いところを知っている。そして、もっと知りたいと僕は思っている。
日焼けの歌が終わった。正確には、途中で演奏がフェードアウトした。機械の中にそういうゲームが入っているらしく、カラオケスナックらしい遊び方だ。
そして次は、貴女の番だった。僕の知らない歌を入力して、僕の知らない歌が流れ始めて、僕の知らない顔をして、僕の知らない声になって、貴女が歌い始めた。
洋酒の瓶が並ぶ棚と、焼酎のボトルや流しに据え付けられた炭酸のサーバーがあるカウンターのあいだで、貴女は楽しそうにぴょん、ぴょんと体を左右に跳ねて揺らして微笑んで、僕の知らない振り付けで歌う。笑顔を絶やさないのではなく、歌っているだけで自然と笑顔になってしまう。きっと貴女はそういう人なんだと思う。周りも笑顔にするし、自分も気づけば笑っている。だから貴女は人気者だし、僕だけが日陰で苦虫を噛んでいる。日向に咲く花が風に揺れて歌う時、ダンゴムシの出る幕は無い。
静かに僕を蝕む姿なき雪だるま。
真夏。真昼。真っ直ぐなハイウェイ。遥か南を目指して伸びるアスファルトに揺らめく陽炎は昨日の悪夢。陸橋のアンダークロスが模ったいびつな四角形の空が青く深く笑う。僕はアクセルを踏み込む。君は助手席で微睡む。寝息が耳をくすぐる。鼓動が二つ重なる。その幻を噛みしめる。空っぽのシートに語りかける。
静かに僕を蝕む姿なき雪だるま。
大須観音の賑いが遠ざかりながら近づいてくる。近づけば近づくほど不鮮明になる雑踏のサウンドトラック。不意に合わさったチューニングが拾い上げる言葉の欠片。誰に向けて投げたかわからないような礫が全部、自分の頭めがけて飛んでくるような気がする昼下がり。フラスコの中で銀のあぶくが踊りながら弾けて、カルダモンとパンラズナとボムシェルの香りになって、立ち上る煙が天井で撹拌されて、僕は窓の外に浮かべた夢から目覚めて、ホースを口元に持ってきて深く吸い込んだ。大きな屋根とマンションの壁に描かれた文字が滲んでゆがむ。
静かな店の中でひとり。あぶくの消えるときがくることに怯えている。あの雑踏にまかれて日差しを浴びて、地下鉄に揺られて帰り道を辿る。ただそれだけのことが、こんなに寂しく辛い夏の日の午後。
誰も居なくなった家にひとり帰った。真昼の猛烈な熱気だけが僕を待っていた。それに抗う気力もなく玄関にへたり込んだ。声も顔も思い出も足音も消えた家の中は伽藍洞で、僕は帰り道すらも思い出せないまま震えていた。
身体にまとわりつく熱気と、シャツや下着に染み込んだ汗の冷たさが、ちぐはぐな心に明滅するわかりきっていた結末(こたえ)を浮き上がらせている。いつか来る日が来たんだ。わかっていたようで、いざ訪れると現実が重くのしかかり目を逸らすことも出来ないまま。
僕は明日も目を覚ますだろう。そして静かな朝を迎えて、まだ生きていることを悔やむだろう。喜ぶことや、安堵することや、生きようと思うことすら、今は考えたくもない。
それでも静かな夏の朝、まだ僕は生きようとする。
汗をかいて目を覚ます。明け方から今日も暑い。青く澄み渡った悪意が空一面を覆い尽くし、真っ赤に燃え上がる共犯者を待ってる。僕は道路を横切って、斜向かいの商店の軒先に佇む自販機の前に立つ。アプリにチャージしたはずの残高を確かめることすら何だか億劫で、まあいいやどうだって……と画面を見もせず〝タッチ!〟にかざした。
静かに僕を蝕む姿なき雪だるま。
土曜日の明け方。東京から帰ってきた夜行バスが静々と路面電車沿いの駅前大通を往く。乗降客も無いバス停に停まり、低く唸るような排気ガスのため息を吐いて再び走り出す。終点の停留所まであと少し。深緑と明るい黄緑のツートンカラーで彩られた車体が田んぼと野立て看板ばかりの県道に差し掛かり、やがて産業道路と古い入江の集落とを分かつ交差点をどちらにも進まずに左折してゆく。普段なら苛立ち、先を急ぐ自動車とトラックの群れが渋滞する往来も今日は静まり返っている。信号待ちの僕だけが大きく曲がって走り去るバスを見送っている。日が差し始めた。運転席は早くも熱を持ち始め、エアコンの風だけが冷たく他は蒸し暑い熱帯夜をそのまま閉じ込めたような匂いがしている。
静かに僕を蝕む姿なき雪だるま。
かつての海岸線と埋立地の工業団地を繋ぐ道路橋がカラフルなワイヤーのように幾つも交差し伸びている。間抜けな音を立てて底が抜けたように晴れ渡る青空と同じような色に塗り直されたばかりの橋を渡って南へ、南へ。片側5車線の湾岸道路は伽藍洞で、まっすぐ伸びた先で陽炎をまとった空気が溶けてアスファルトと空とを揺らめかせ、溶接しようとしている。その透明なアークに向かってアクセルを踏み込む。
黒いツルツルしたカウンターに白い小鉢が並び、柿の種とカラフルなフィルムで包装されたラムネ菓子が補充された。僕は黄色いフィルムに包まれたボタン電池みたいなそれをくるくると剥きとり、白いかたまりをひとつ口に放り込んだ。
さっきのハイボールが回ってきたけど、まだ元気だ。
隣の三人連れが歓声を上げた。30年ぐらい前のヒット曲をさっきから順繰りに歌っている。メガネ、ショートボブ、日焼けの取り合わせで、どうもショートボブとメガネの雰囲気がタダナラヌものを孕んでいそうだ。ショートボブがピチカート・ファイヴをブリブリした声で歌い終えてマイクを置いて、次は日焼けの番だ。「電光石火の銀の靴」が流れ始めた。
僕に小鉢のお菓子とグラスの氷を補充してくれた貴女が気遣うように潤んだ瞳を向ける。おかわり、お茶にしときます? という短いフレーズでさえ、少し酒焼けしつつも元の澄んだトーンが根底で響く美声が染みる。「じゃあ、烏龍茶で」と、僕。汗をかいたグラスをカランと振ってコースターの上に置く。空調が唸りを高めて冷たい風を掃出す。貴女は軽く首を傾げる。疑問じゃなく媚びじゃなく、その角度が可愛いというのを知っている。僕も貴女も、貴女の可愛いところを知っている。そして、もっと知りたいと僕は思っている。
日焼けの歌が終わった。正確には、途中で演奏がフェードアウトした。機械の中にそういうゲームが入っているらしく、カラオケスナックらしい遊び方だ。
そして次は、貴女の番だった。僕の知らない歌を入力して、僕の知らない歌が流れ始めて、僕の知らない顔をして、僕の知らない声になって、貴女が歌い始めた。
洋酒の瓶が並ぶ棚と、焼酎のボトルや流しに据え付けられた炭酸のサーバーがあるカウンターのあいだで、貴女は楽しそうにぴょん、ぴょんと体を左右に跳ねて揺らして微笑んで、僕の知らない振り付けで歌う。笑顔を絶やさないのではなく、歌っているだけで自然と笑顔になってしまう。きっと貴女はそういう人なんだと思う。周りも笑顔にするし、自分も気づけば笑っている。だから貴女は人気者だし、僕だけが日陰で苦虫を噛んでいる。日向に咲く花が風に揺れて歌う時、ダンゴムシの出る幕は無い。
静かに僕を蝕む姿なき雪だるま。
真夏。真昼。真っ直ぐなハイウェイ。遥か南を目指して伸びるアスファルトに揺らめく陽炎は昨日の悪夢。陸橋のアンダークロスが模ったいびつな四角形の空が青く深く笑う。僕はアクセルを踏み込む。君は助手席で微睡む。寝息が耳をくすぐる。鼓動が二つ重なる。その幻を噛みしめる。空っぽのシートに語りかける。
静かに僕を蝕む姿なき雪だるま。
大須観音の賑いが遠ざかりながら近づいてくる。近づけば近づくほど不鮮明になる雑踏のサウンドトラック。不意に合わさったチューニングが拾い上げる言葉の欠片。誰に向けて投げたかわからないような礫が全部、自分の頭めがけて飛んでくるような気がする昼下がり。フラスコの中で銀のあぶくが踊りながら弾けて、カルダモンとパンラズナとボムシェルの香りになって、立ち上る煙が天井で撹拌されて、僕は窓の外に浮かべた夢から目覚めて、ホースを口元に持ってきて深く吸い込んだ。大きな屋根とマンションの壁に描かれた文字が滲んでゆがむ。
静かな店の中でひとり。あぶくの消えるときがくることに怯えている。あの雑踏にまかれて日差しを浴びて、地下鉄に揺られて帰り道を辿る。ただそれだけのことが、こんなに寂しく辛い夏の日の午後。
誰も居なくなった家にひとり帰った。真昼の猛烈な熱気だけが僕を待っていた。それに抗う気力もなく玄関にへたり込んだ。声も顔も思い出も足音も消えた家の中は伽藍洞で、僕は帰り道すらも思い出せないまま震えていた。
身体にまとわりつく熱気と、シャツや下着に染み込んだ汗の冷たさが、ちぐはぐな心に明滅するわかりきっていた結末(こたえ)を浮き上がらせている。いつか来る日が来たんだ。わかっていたようで、いざ訪れると現実が重くのしかかり目を逸らすことも出来ないまま。
僕は明日も目を覚ますだろう。そして静かな朝を迎えて、まだ生きていることを悔やむだろう。喜ぶことや、安堵することや、生きようと思うことすら、今は考えたくもない。
それでも静かな夏の朝、まだ僕は生きようとする。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる