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陽のあたる道

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冬の暗い曇り空を
見上げて泣いてた
握りしめた拳を
振り下ろすわけを
探して生きてた

血のにじんだ頬も
ひりついた感触も
いつも呆気なかった

冬の寒い風の中を
ひとりで歩いてた
蹴飛ばした石の
転がる先でさえも
解らず生きてた

流れてゆく涙も
噛みしめた苦みも
なにも残さなかった

積み重ねた痛みを
忘れるためにまた
傷つけて傷ついて
いつか抜け出して
陽のあたる道へ…

部屋の中も帰り道も
何処にも居場所なんて
振り上げた拳を
走り出した足を
止めるためのわけを
探して泣いてた
迷って生きてた

積み重ねた痛みを
忘れるためにまた
傷つけて傷ついて
いつか抜け出して
陽のあたる道へ…
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