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本編
154:持ち込み不可
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それから、サバイバルイベントの方にエントリーしたり、追加の概要や注意事項のお知らせが来たりなどして、いよいよイベント当日。
僕達は借家の1階で思い思いにイベント開始時間を待っている。
イベントに参加するバラムとシルヴァと話し合いもしながら準備を進めていたので、準備万端だ。
ちなみに追加でお知らせがきたイベント概要によると、イベント期間はバトルロイヤルもサバイバルも最大6日間とのことだった。また、ワールドイベントと同様の時間加速が入る為、ゲーム内では6日間だが、現実時間では6時間ほどになる。イベント用の特殊な時間加速が入る都合上、途中参加が不可能な為、遅刻厳禁だ。
途中ログアウトは出来るが、その時点で一発リタイア扱いとなり再参加は不可となる。
どちらのルールも、2回LPが尽きてしまうと、リタイアとなり、イベント終了まで待機エリアに強制移動させられるとのこと。
そこでは、バトロワもサバイバルも観戦出来るとのことだった。……なんだか、早々に待機エリアに行ってしまうのも面白そうに思える。
サバイバルはこの6日間を生き残ることが出来ればよく、6日目はそれまでの進捗具合に則したクライマックスイベントが発生してイベント終了とのことだ。
つまり、プレイヤーは実質5日間思い思いに試行錯誤して生き残ればいいらしい。しかし、この概要によって『複数のクライマックスイベントが存在する』ということが匂わされてしまったので俄かにプレイヤーが騒ついていた……というのをシャケ茶漬け経由で聞いた。
まぁ、全員同時に参加するので、どんな分岐があってクライマックスがいくつ用意されているかなど知りようがないので、結局普通に楽しめばいいだろう。
それよりも僕や他のプレイヤーの頭を悩ませたのは、持ち込める装備やアイテムの制限についてだ。
装備は装備中の物については制限は無いが、予備や飛び道具のストックに制限がつくとのことだった。
また、アイテムも合計で15個まで持ち込みという。これは“合計”というのがミソで、通常のインベントリは重複アイテムは同一スロットに収まるが、イベント仕様では同じアイテムが2個あれば、そのまま2枠を使う、という仕様だ。
これは僕も掲示板を覗いてみたのだが、中々阿鼻叫喚だった。
矢を持ち運ぶ必要がある弓系職業や、MP回復アイテムが潤沢に必要な魔法系職業など、アイテム消費の激しい職業が何とか15個よりも多く持ち運ぶ方法は無いかと躍起になっていた。
結果的には、多少持ち込み量を増やすことは出来るようだった。ヒントはインベントリを持っていない住民にあり、住民が普通に使っている革袋などにアイテムをしまえば、その革袋で1個分のアイテムと見なされるようだ。
しかし、それにもシステム的に許容量が決められていて、詰め込めるだけOKといったお得なスーパーのようなことは出来ないみたいだったが。
まぁ、この辺りの縛りもイベントの内容やパーティプレイ推奨にかかってくるのだろう。僕達のパーティは検証野郎Z以外はあまり消耗品を必要としないスタイルなので、皆で何を持ち寄るか相談して手分けをすると、普通に十分なアイテムを持ち込めそうだった。
しかもこの15個の枠は、バラムやシルヴァにも適用されているので、僕達のパーティは全体の中でも持ち込みの枠に余裕がある方なのではないだろうか。
ちなみに、残念ながら鍋の蓋の従魔であるアルプは15個の枠は与えられないようだった。与えられる基準としては“インベントリが使えるか否か”が条件なのかもしれない。
…………ただ、それらのプレイヤー全体のお知らせとは別に、運営から僕へ向けた個別のメッセージも来ていて、内容を端的に言うと……「『底根の四つ葉壺』は持ち込み不可」というものだった。
まぁ「だろうな」という感想だった。
アイテムの持ち込み制限のあるイベントなことを考えれば、僕ならばほぼコスト無しで記録したアイテムを生成出来る壺など、チートアイテムに等しい。
ということで『底根の四つ葉壺』はイベント中は留守番が決定した。……一応、ただのアイテム扱いのはずなのだが、不服そうな雰囲気を感じるのは何故だろうか。……気のせいということにしよう。
ちなみにもう一つの壺である、ジャルグの金壺もほぼ同じ理由で留守番対象であることを検証野郎Zが教えてくれた。どうやら《財宝変換》というのが《底根変換》とほぼ同じ能力らしいことから、ジャルグは参加出来るが、金壺は持ち込み不可となっている。
ジャルグはそもそも参加意欲が低かった上に、金壺が持ち込めないと知り、不参加ということだった。検証野郎Zもジャルグの意志を尊重するとのことだ。
イベントは普段いるフィールドとは別の空間で行われるとのことだったが、こちらも追加で発表されたイベントのキービジュアルを見るに、鬱蒼としたジャングルのような場所が舞台のようだ。
全体のデザインも普段の西洋ファンタジーなものではなく、エキゾチックなものになっていて新鮮な印象だった。
さて。
「そろそろ、時間だろうか」
「ああ」
『クククッ、未知の体験はいつでも心躍るであるなぁ』
シルヴァがワクワクを押さえきれないという風にモゾモゾとしている。ちなみに今はスコップオウルに変身して僕の肩に乗っている。
突然、視界に影が落ちる。手で触ると、どうやらフードを被せられたようだ。
「ちゃんと被っとけ」
「そうだな。気をつけよう」
イベント空間には普通に敵性NPCがいる可能性が高いし、基本は他プレイヤーと協力するイベントとはいえ、PK嗜好のプレイヤーがいないとも限らない。
出来るだけの自衛はしなければ、と気を引き締め直す。
イベントへの参加は、ログインさえしていれば開始時間になったら自動でイベント空間へ転送される仕組みだ。
転送先で事前にエントリーしたパーティでまとめられるとのことで、あぬ丸達とはそこで合流する手筈になっている。
遅刻厳禁な仕様の為か、ゲーム内時間で半日ほど前から定期的に開始までの時を告げる全体アナウンスが流れている。
先ほど10秒前を告げるアナウンスが流れたので、そろそろだろう。
『イベント開始時刻になりました。これよりイベント空間への転送を開始します』
〈パーティ『チームびっくり箱』はサーバー09に振り分けられました〉
アナウンスの直後、視界が歪み、景色が変化していく。
……パーティ名は、まぁ、何も言うまい。色々案が出されて、一番マシなのがこれだった、とだけ言っておこう。
やがて変化が収まると、薄暗く小さなランプがいくつか吊るされているだけの、殺風景で広さだけはそこそこある板張りの空間にいた。ここが“イベント空間”とやらなのだろうか。
……殺風景過ぎる気がするが。
視線を巡らせると、バラムとシルヴァもちゃんと転送されてきているようだ。
「お、やっほー」
「ここがイベント空間……なのか?」
「ピキュゥ?」
「随分殺風景な空間ですね」
「どもっす! 兄貴! シルヴァパイセン!」
一緒に登録したパーティメンバーも続々目の前に現れる。これで僕達のパーティは誰も欠けることなくイベントに参加出来たことになる。
ちなみに、シルヴァに皆からどう呼ばれたいか聞いてみたところ、普通に名前が気に入っているとのことで、最近、ダンジョンで大々的に名乗ったらしい。
なので、あっという間にプレイヤーの間で名前が広まり今では『シルヴァ』でも全然通じる。
気づけば、少し間隔を開けた周囲にも他のプレイヤーが現れ始めていて、随分賑やかになってきていた。
ザワ……ザワ……
……なんか、視線を感じる。
「やっぱ目立つよねー」
「……僕達がか?」
「兄貴と検証野郎Zと大きいから鍋の蓋が、かな。シルヴァパイセンは今は目立たないし、トウノ君はフード被ってる時は分かりづらいし」
「シャケ茶漬けも顔は結構売れてんじゃーん」
「いや、この中だと俺埋もれてね?」
「まぁ……」
「そこは否定してくれよ……」
シャケ茶漬けが大げさに肩を落とす。
「それにしても、もうイベントは始まっているのだろうか……?」
「そうなんだよねぇ、舞台はジャングルだって聞いてたけどー」
ガコォンッ!!
「「「「「!?」」」」」
突然、大きな揺れが僕達を襲った。
僕達は借家の1階で思い思いにイベント開始時間を待っている。
イベントに参加するバラムとシルヴァと話し合いもしながら準備を進めていたので、準備万端だ。
ちなみに追加でお知らせがきたイベント概要によると、イベント期間はバトルロイヤルもサバイバルも最大6日間とのことだった。また、ワールドイベントと同様の時間加速が入る為、ゲーム内では6日間だが、現実時間では6時間ほどになる。イベント用の特殊な時間加速が入る都合上、途中参加が不可能な為、遅刻厳禁だ。
途中ログアウトは出来るが、その時点で一発リタイア扱いとなり再参加は不可となる。
どちらのルールも、2回LPが尽きてしまうと、リタイアとなり、イベント終了まで待機エリアに強制移動させられるとのこと。
そこでは、バトロワもサバイバルも観戦出来るとのことだった。……なんだか、早々に待機エリアに行ってしまうのも面白そうに思える。
サバイバルはこの6日間を生き残ることが出来ればよく、6日目はそれまでの進捗具合に則したクライマックスイベントが発生してイベント終了とのことだ。
つまり、プレイヤーは実質5日間思い思いに試行錯誤して生き残ればいいらしい。しかし、この概要によって『複数のクライマックスイベントが存在する』ということが匂わされてしまったので俄かにプレイヤーが騒ついていた……というのをシャケ茶漬け経由で聞いた。
まぁ、全員同時に参加するので、どんな分岐があってクライマックスがいくつ用意されているかなど知りようがないので、結局普通に楽しめばいいだろう。
それよりも僕や他のプレイヤーの頭を悩ませたのは、持ち込める装備やアイテムの制限についてだ。
装備は装備中の物については制限は無いが、予備や飛び道具のストックに制限がつくとのことだった。
また、アイテムも合計で15個まで持ち込みという。これは“合計”というのがミソで、通常のインベントリは重複アイテムは同一スロットに収まるが、イベント仕様では同じアイテムが2個あれば、そのまま2枠を使う、という仕様だ。
これは僕も掲示板を覗いてみたのだが、中々阿鼻叫喚だった。
矢を持ち運ぶ必要がある弓系職業や、MP回復アイテムが潤沢に必要な魔法系職業など、アイテム消費の激しい職業が何とか15個よりも多く持ち運ぶ方法は無いかと躍起になっていた。
結果的には、多少持ち込み量を増やすことは出来るようだった。ヒントはインベントリを持っていない住民にあり、住民が普通に使っている革袋などにアイテムをしまえば、その革袋で1個分のアイテムと見なされるようだ。
しかし、それにもシステム的に許容量が決められていて、詰め込めるだけOKといったお得なスーパーのようなことは出来ないみたいだったが。
まぁ、この辺りの縛りもイベントの内容やパーティプレイ推奨にかかってくるのだろう。僕達のパーティは検証野郎Z以外はあまり消耗品を必要としないスタイルなので、皆で何を持ち寄るか相談して手分けをすると、普通に十分なアイテムを持ち込めそうだった。
しかもこの15個の枠は、バラムやシルヴァにも適用されているので、僕達のパーティは全体の中でも持ち込みの枠に余裕がある方なのではないだろうか。
ちなみに、残念ながら鍋の蓋の従魔であるアルプは15個の枠は与えられないようだった。与えられる基準としては“インベントリが使えるか否か”が条件なのかもしれない。
…………ただ、それらのプレイヤー全体のお知らせとは別に、運営から僕へ向けた個別のメッセージも来ていて、内容を端的に言うと……「『底根の四つ葉壺』は持ち込み不可」というものだった。
まぁ「だろうな」という感想だった。
アイテムの持ち込み制限のあるイベントなことを考えれば、僕ならばほぼコスト無しで記録したアイテムを生成出来る壺など、チートアイテムに等しい。
ということで『底根の四つ葉壺』はイベント中は留守番が決定した。……一応、ただのアイテム扱いのはずなのだが、不服そうな雰囲気を感じるのは何故だろうか。……気のせいということにしよう。
ちなみにもう一つの壺である、ジャルグの金壺もほぼ同じ理由で留守番対象であることを検証野郎Zが教えてくれた。どうやら《財宝変換》というのが《底根変換》とほぼ同じ能力らしいことから、ジャルグは参加出来るが、金壺は持ち込み不可となっている。
ジャルグはそもそも参加意欲が低かった上に、金壺が持ち込めないと知り、不参加ということだった。検証野郎Zもジャルグの意志を尊重するとのことだ。
イベントは普段いるフィールドとは別の空間で行われるとのことだったが、こちらも追加で発表されたイベントのキービジュアルを見るに、鬱蒼としたジャングルのような場所が舞台のようだ。
全体のデザインも普段の西洋ファンタジーなものではなく、エキゾチックなものになっていて新鮮な印象だった。
さて。
「そろそろ、時間だろうか」
「ああ」
『クククッ、未知の体験はいつでも心躍るであるなぁ』
シルヴァがワクワクを押さえきれないという風にモゾモゾとしている。ちなみに今はスコップオウルに変身して僕の肩に乗っている。
突然、視界に影が落ちる。手で触ると、どうやらフードを被せられたようだ。
「ちゃんと被っとけ」
「そうだな。気をつけよう」
イベント空間には普通に敵性NPCがいる可能性が高いし、基本は他プレイヤーと協力するイベントとはいえ、PK嗜好のプレイヤーがいないとも限らない。
出来るだけの自衛はしなければ、と気を引き締め直す。
イベントへの参加は、ログインさえしていれば開始時間になったら自動でイベント空間へ転送される仕組みだ。
転送先で事前にエントリーしたパーティでまとめられるとのことで、あぬ丸達とはそこで合流する手筈になっている。
遅刻厳禁な仕様の為か、ゲーム内時間で半日ほど前から定期的に開始までの時を告げる全体アナウンスが流れている。
先ほど10秒前を告げるアナウンスが流れたので、そろそろだろう。
『イベント開始時刻になりました。これよりイベント空間への転送を開始します』
〈パーティ『チームびっくり箱』はサーバー09に振り分けられました〉
アナウンスの直後、視界が歪み、景色が変化していく。
……パーティ名は、まぁ、何も言うまい。色々案が出されて、一番マシなのがこれだった、とだけ言っておこう。
やがて変化が収まると、薄暗く小さなランプがいくつか吊るされているだけの、殺風景で広さだけはそこそこある板張りの空間にいた。ここが“イベント空間”とやらなのだろうか。
……殺風景過ぎる気がするが。
視線を巡らせると、バラムとシルヴァもちゃんと転送されてきているようだ。
「お、やっほー」
「ここがイベント空間……なのか?」
「ピキュゥ?」
「随分殺風景な空間ですね」
「どもっす! 兄貴! シルヴァパイセン!」
一緒に登録したパーティメンバーも続々目の前に現れる。これで僕達のパーティは誰も欠けることなくイベントに参加出来たことになる。
ちなみに、シルヴァに皆からどう呼ばれたいか聞いてみたところ、普通に名前が気に入っているとのことで、最近、ダンジョンで大々的に名乗ったらしい。
なので、あっという間にプレイヤーの間で名前が広まり今では『シルヴァ』でも全然通じる。
気づけば、少し間隔を開けた周囲にも他のプレイヤーが現れ始めていて、随分賑やかになってきていた。
ザワ……ザワ……
……なんか、視線を感じる。
「やっぱ目立つよねー」
「……僕達がか?」
「兄貴と検証野郎Zと大きいから鍋の蓋が、かな。シルヴァパイセンは今は目立たないし、トウノ君はフード被ってる時は分かりづらいし」
「シャケ茶漬けも顔は結構売れてんじゃーん」
「いや、この中だと俺埋もれてね?」
「まぁ……」
「そこは否定してくれよ……」
シャケ茶漬けが大げさに肩を落とす。
「それにしても、もうイベントは始まっているのだろうか……?」
「そうなんだよねぇ、舞台はジャングルだって聞いてたけどー」
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