おそらく、僕だけ違うゲームをしている。

鵩 ジェフロイ

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番外編

小話:1周年記念イベント -前夜祭-

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「んっ……ふ、は、ぁ……」

 ────僕はバラムの首にしがみついて、お互いの唇を貪りあっている。
 たくましい腕に腰を抱えられていて両足は完全に地面から離れてしまっているので、その腕に身を任せるしかない。

 先ほどまで『シェイマスの仕立て屋』でいくつかの装いを着て試していたのだが、急にバラムに抱えられて僕たちの家へと運ばれてしまった。

 いやまぁ、盟友の絆効果でどうしてそうなったのかはなんとなく伝わってはくるのだが……。


「……なにがそんなに興奮したんだ?」


 ベッドにおろされたところでバラムにきいてみる。

「いや……よくわからねぇが……」

 バラム自身も困惑の表情を浮かべながら、視線が下へとおりて僕の足に向けられる。

 大きな手がシェイマスの店で着たままきてしまったトラウザーズの裾のなかに入ってきて、足をなでながら上へと裾をめくっていく。

「ん……」

 その官能的な感触に、背筋が震えた。

 めくられた裾の下には、すねくらいまでの丈のソックスと、それを吊るためのソックスガーターがある。

 そこに手を這わせながら、焼けつくような視線がそそがれた。

「はぁ……」

 深く熱い息を吐きながら、バラムが犬のように舌なめずりをする。性的に興奮しているときによくやる仕草だ。


 ……どうやら、このソックスガーターに興奮したらしい。


 確かに、バラムは僕がフォーマル系の服装やアイテムを身につけているのが好きなようなのでなんというか、『フェチ』的な琴線に触れたのだろう。

 しかしまぁ、バラムと触れあったり睦みあったりすることに否やはないので、別にいいかという気分だ。

 シェイマスのところの服は……あとで強めに秘技の〈汚れを濯ぐ〉をかけて返そう。

 僕が嫌がっていないのを察してか、バラムはベッドわきにひざまずくと僕のトラウザーズに手をかけて素早くとりさった。

 そうしてあらわになった僕のひざに、バラムがちゅっと軽く口づける。

 あいさつのようなそれを皮切りにひざやガーターベルトを装着している付近に熱い舌が執拗に這わされた。
 手は舐められていないほうのひざを、もう一方は太ももの内側をなでている。

「うぅんっ……」

 もうずいぶんといろいろと教えこまれた身体はその教えに忠実に、そのひとつひとつの刺激から快楽を拾っていった。

 太ももをなでている手が徐々に上へとのぼっていき……下着の上から僕の中心へと触れる。

「あっ! ふっ……ん……っ」

 直接的な刺激に身体がびくんと跳ね、反射的に足を閉じようとしてしまうが、それはバラムの手によって阻まれる。

 中心に触れたバラムの手が容赦なく蠢く。

「うぅっ、ふ……ぁ、あ……んん……」

 僕は胸元のシャツをにぎって、身をよじることしかできない。

 目を閉じて官能的な感覚を追っていると、シャツをにぎる手をそっとはずされる。目を開ければ、すぐ近くに目元を少し赤くした精悍な顔があった。

 はずされた手はバラムの首へと導かれていつものように、首に抱きつく格好になる。

「ツグハル……」
「んぅ……? バラ、ム……んんっ……」

 甘く、プレイヤー名ではない本当の自分の名前を呼ばれながら、唇が重ねられる。

 やさしい口づけに、すぐに身体も思考もとろけていった。




「あっ、あぁっ、んぅ……あぅ……」

 すっかりほぐされた身体をバラムの熱い欲望に貫かれて、揺さぶられるたびに鼻にかかった声をだすことしかできない。

 ……あと、普段あまりしない体勢で少しキツい。

 仰向けになった僕の片足がバラムの肩にかけられて、もう片方の足はひざを曲げてソックスガーターをバラムに見せつけるような格好になっている。

「はぁっ……ツグハル……」

 バラムは感じ入ったように恍惚とした声と表情をして、肩にかけているほうの僕の足をべろっと舐めた。

 ……本当に好きなんだな、ソックスガーター。

 それは、ともかく……。

「あぁっ……、ああっ! ……バラムッ、これ、ふか、い……」

 この体勢で突かれるといつもより深いところをトントンと刺激され続けられて、すぐに限界が近くなってきそうだった。

「はっ、久しぶりに“ここ”に入りてぇな」
「ひぅっ!」

 バラムが愉快そうに笑いながら腰を押しつけ、いきどまりをぐりぐりとされて、僕の身体はびくんっと大きく跳ねる。

 この奥は温泉に浸かってほぐれないとなかなかいかないのだが、この体勢だと確かにそこも入れてしまいそうだ。

 ……そもそも、そこを貫かれるともうなにがなんだかわからなくなってしまうので、あまり覚えていない。

 熱い大きな手が僕の腹の下あたりをゆったりとなでた。

「うぅん……」

 それだけでも気持ちがよくて、手に押しつけるように腰が動いてしまう。

「はぁ……やわらかくなってきた、なっ!」
「んぅぅ……ふ、うんっ!? は、んんっ……!」

 不意に、おかれた手にぐっと力が入れられたかと思えば────なかに入った熱い欲望が一気に奥へと侵入してきた。


 その衝撃に、視界が白くスパークする。


「……ぁ、あー……、ぁ、あぁ……?」

 頭から足の先までぶあつい膜に覆われたように感覚が遠くなるなかで、重くて甘い痺れだけをただ享受していた。

「く……はぁっ! ……ふ、イったのか」
「んっ! は、あっ……」

 僕の中心にバラムの手が添えられただけで、身体が勝手にびくびくと震える。
 よくわからないが、腹に濡れた感触があるような、ないような。

「とろけてんな」
「んんぅっ」

 頬に熱を感じる。手を伸ばされただけのわずかな動きの揺れだけでも気持ちよくなってしまう。

 ……しかし。

「……り、ない」
「あん?」

 うまく動かない身体の代わりに黒い根をだしてバラムの腰に巻きつける。口にも伸ばして“渇き”をわずかにうるおした。


 僕だけに吐きださせて、ずるい。早く、僕にもバラムの────。


「足り、ない……早く、バラムの精が欲し……ああぁぁっ!」

 最後までいうことは、バチュッと腰を打ちつけられた衝撃でできなかった。

「ぐぅ……はぁ、ああ。すぐに、やるよ」
「あ、あぁ、んんっ、ひっ、うっ、んんんっ!」

 ぐぽっ、ぐぽっと濡れた卑猥な音と、僕の口から絶え間なくあふれるあえぎ声をどこか遠くできく。

 にじむ視界の揺れがひときわ激しくなっていったとき、バラムがうめいた。

「くっ、イく……ツグハルッ、うっ……!」
「あぅ、バラム……っ、あぁぁ……っ!」

 貫かれた最奥に甘美な熱を感じてよろこびに全身が、心が震える。

 この熱をいつまでも感じていたくて、使えるすべてで目の前の愛しい存在にしがみついた。



 その後、ドロドロになった服やガーターベルトは〈汚れを濯ぐ〉できれいにはなったものの、聖属性やそのほかいろいろな効果がついてしまったのと、バラムが返したがらなかったので買い取ることになった。




 そんなこんなで過ごしているうちに、アルスト1周年記念イベントが始まる日がやってきた。



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