蒼い炎

海棠 楓

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幼なじみ

第12話

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 真司は戸惑いがちに、晃司を恐る恐る抱きしめた。ためらいがちにまわされた手には、次第に力がこもり、いつしか息もできないほど強く抱きしめていた。
 二人は真司の部屋のベッドに倒れこんだ。が、真司がもじもじして言った。
「俺、さ……女の子ともこういう経験ないから、その、どうしていいか……わかんなくて」
 晃司が呆れたようにため息を吐きながら言う。
「……あのなあ。そんなもん誰だって人に教えてもらうわけじゃねぇの。…… わがままだな。自分から欲しがったくせに」

 晃司はそう言うや、真司の顎を取り強引に口付けた。真司は初めての経験に恍惚としていると、晃司の顔はいきなり真司の下肢へと下っていった。
「ちょ、晃司?!」
 真司が戸惑っていられるのもほんの少しの間だった。真司はさっきの口付けの時とはまったく違う種類の恍惚を味わうことになってしまったからだ。
(何? これ……自分でやるのとぜんぜん違う……)
 すぐに真司はいつもの前兆を感じ取った。そのまま達してしまいたかったが、かろうじて晃司に言った。
「こ、晃司、もういいよ、でないと……」
 そう言った瞬間に真司はあっけなく到達してしまった。
 二人はしばらく見つめ合っていた。そして晃司は開口一番、
「……おえええええーっ! まっずぅ――!!!」
 叫びながら洗面台へと駆け込んだ。
 そんな晃司の行動に真司は少しショックを受けながらも、まだ先ほどの余韻に酔いしれていた。洗面台では晃司がそんなことおかまいなしに必死でうがいをしている。

 しばらくして晃司が戻ってきた。だいぶ落ち着きを取り戻した様子で、こう言った。
「――さて、と。交代だ」
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