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見知らぬ土地で
第54話
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どういう展開か、真司は紫苑に晃司との事の顛末を話した。紫苑も犯す手を止めて聞き入っている。まんざら悪い奴でもないのかもしれない。
「……そりゃーおめぇ、その晃司ってヤツはお互いのためにそうしたに決まってんじゃんよ……ま、お前の一途さに逃げ腰になったってのもあるかもだけど」
紫苑は半ば呆れかえったように、当然だと言わんばかりに真司を責め立てた。
「それで俺、自殺図ってこんな身体に……」
「情けねぇなー。それに……その晃司ってヤツ、辛かったろーな……」
最後の台詞を言った時の紫苑は、普段と違う彼だった。どうしようもなく切なそうで、苦しそうだった。
「俺、晃司の気持ち痛ぇくらいわかるよ」
真司は気が狂いそうだった。初めてわかった、晃司の気持ち。自分だけが傷ついて、自分一人が被害者のように思っていた。晃司も真司と同様に、いや、もしかしたら真司以上に、傷ついて、苦しんでいたのだとしたら――。
「でも結局晃司の苦労は無意味だったんだな」
罪の意識に苛まれる真司の背後から、すっかりいつも通りになった紫苑が覆い被さってきた。
「……晃司に似た人ばかり好きになっちゃうんだ」
心の隙につけこむように、すっかりガードの弱くなった真司を、紫苑は好きなようにすることができた。
「俺を晃司と思ってヤれよ」
俯けだった真司を仰向けにし、再び愛撫を始めた。首筋を軽く通過されただけで、思わず声が漏れてしまう。
「あっ……」
顔を歪めて声を殺す真司を愉快そうに見ながら、それでも愛撫はやめずに言った。
「我慢すんなよ。いい声聞かせろよ、真司」
「紫苑さん……」
「ばかやろ、こんな時まで『さん』付けなくていんだよ」
紫苑の舌は、それ自体が別の生き物のように、自由自在に真司のあらゆる部分を這いまわった。
しかし、本人の性格よろしく、核心に触れそうになれば意地悪く離れて行く。
近付いて、期待させるだけさせておいて翻す。真司はこの交互に来る快感と苛立ちに、脳を掻き回された。
「しっ、紫苑っ」
耐え切れなくなって哀願する。そして紫苑はその要求を受け入れ、徐々に侵入して行った。
「晃司ともこうしてやったのか?」
真司を包み込むように固く抱きしめながら尋ねる。真司の顔には抵抗や躊躇の色などずっと前から微塵も無く、あるのは恍惚と満足だった。
「……紫苑のほうがスゴイよ、ああ、早くイカせて紫苑、こんなの初めてだよ」
そう言っている間にも次第に息が荒くなっていく。
「……言うなぁ。一緒にいこうぜ、真司」
「……そりゃーおめぇ、その晃司ってヤツはお互いのためにそうしたに決まってんじゃんよ……ま、お前の一途さに逃げ腰になったってのもあるかもだけど」
紫苑は半ば呆れかえったように、当然だと言わんばかりに真司を責め立てた。
「それで俺、自殺図ってこんな身体に……」
「情けねぇなー。それに……その晃司ってヤツ、辛かったろーな……」
最後の台詞を言った時の紫苑は、普段と違う彼だった。どうしようもなく切なそうで、苦しそうだった。
「俺、晃司の気持ち痛ぇくらいわかるよ」
真司は気が狂いそうだった。初めてわかった、晃司の気持ち。自分だけが傷ついて、自分一人が被害者のように思っていた。晃司も真司と同様に、いや、もしかしたら真司以上に、傷ついて、苦しんでいたのだとしたら――。
「でも結局晃司の苦労は無意味だったんだな」
罪の意識に苛まれる真司の背後から、すっかりいつも通りになった紫苑が覆い被さってきた。
「……晃司に似た人ばかり好きになっちゃうんだ」
心の隙につけこむように、すっかりガードの弱くなった真司を、紫苑は好きなようにすることができた。
「俺を晃司と思ってヤれよ」
俯けだった真司を仰向けにし、再び愛撫を始めた。首筋を軽く通過されただけで、思わず声が漏れてしまう。
「あっ……」
顔を歪めて声を殺す真司を愉快そうに見ながら、それでも愛撫はやめずに言った。
「我慢すんなよ。いい声聞かせろよ、真司」
「紫苑さん……」
「ばかやろ、こんな時まで『さん』付けなくていんだよ」
紫苑の舌は、それ自体が別の生き物のように、自由自在に真司のあらゆる部分を這いまわった。
しかし、本人の性格よろしく、核心に触れそうになれば意地悪く離れて行く。
近付いて、期待させるだけさせておいて翻す。真司はこの交互に来る快感と苛立ちに、脳を掻き回された。
「しっ、紫苑っ」
耐え切れなくなって哀願する。そして紫苑はその要求を受け入れ、徐々に侵入して行った。
「晃司ともこうしてやったのか?」
真司を包み込むように固く抱きしめながら尋ねる。真司の顔には抵抗や躊躇の色などずっと前から微塵も無く、あるのは恍惚と満足だった。
「……紫苑のほうがスゴイよ、ああ、早くイカせて紫苑、こんなの初めてだよ」
そう言っている間にも次第に息が荒くなっていく。
「……言うなぁ。一緒にいこうぜ、真司」
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