生きろ

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第1章 工場生産〜移民選抜

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第1章

彼が起動したとき、同じ部屋で三十七人が同時に目を開けた。
天井の照明は均一で、音はなく、空気は清潔すぎるほどだった。誰も声を出さなかったのは、出しても意味がないと、最初から知っていたからかもしれない。

番号が割り振られ、身体測定が行われ、食事が与えられた。
同じ工程が毎日繰り返された。違いがあるとすれば、いなくなる人間が少しずつ増えていくことだった。

理由は説明されない。
ある者は眠ったまま起きず、ある者は別の区画へ移され、それきり戻らなかった。残された者たちは、その事実を記録することもなく、ただ空いた寝台を使うよう指示されるだけだった。

彼は、自分が特別だとは思わなかった。
走るのが速いわけでも、理解が早いわけでもない。ただ、与えられた訓練をこなし、体調を崩すことが少なかった。それだけで、次の工程に進めた。

教育は簡潔だった。
生きること。
増えること。
それ以外の判断は必要ない。

それらは教えというより、環境そのものだった。空気のように、疑う対象にならなかった。

成長過程で、彼は何度か「選ばれる側」に回った。
整列の列が分かれ、名前ではなく番号が呼ばれ、右へ行くか左へ行くかを指示される。右に行った者が戻ってこないこともあったが、左に行った者も同様だった。

ある日、初めて屋外に出た。
空は本物だったが、広さは制限されていた。風は計算された強さで、日照は管理されていた。それでも、屋内とは違う匂いがした。

その日の終わり、彼は自分が「移動対象」であることを知った。
選抜理由は告げられない。
拒否の選択肢もない。

輸送区画には、見覚えのある顔がいくつかあった。以前同じ部屋で起動した者、訓練で隣に並んでいた者。数は多かったが、誰も多くを語らなかった。

船に乗り込む前、短い説明があった。
行き先。
戻らないこと。
補充がないこと。

質問は出なかった。
必要な情報は、それだけだった。

発進の衝撃は思ったより小さく、彼は拍子抜けした。
隣の座席の人間が、いつの間にかいなくなっていることに気づいたのは、しばらく経ってからだった。理由はわからないが、空いた座席はそのまま残された。

彼は、そこで初めて思った。
――減るのは、想定内なのだ。

それは不安ではなく、確認に近かった。
そしてその確認が取れたことで、彼は不思議なほど落ち着いた。

船は、前に進み続けていた。
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