生きろ

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第2章 惑星到達〜初期適応

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第2章

惑星の大気は、着陸前の解析では「問題なし」と分類されていた。
その言葉どおり、呼吸はできた。だが、胸の奥に残る違和感は消えなかった。

重力は地球よりわずかに軽く、歩くたびに身体が前へ出すぎた。数日もすれば慣れると告げられ、実際、多くの者は慣れた。慣れなかった者もいた。

彼らは、最初は自覚がなかった。
立ち上がる速度が遅れる。食事の量が減る。皮膚に細かな発疹が出る。誰も大事だとは思わなかった。

居住区の設営は順調だった。
資材は十分にあり、手順も明確だった。役割分担がなされ、彼も割り当てられた作業をこなした。効率は高く、進捗は予定を上回った。

それでも、夜になると人数が減っていた。
一人、また一人と、医療区画へ運ばれ、戻ってこない。死という言葉は使われなかったが、使わなくても状況は伝わった。

彼は、自分の身体をよく観察するようになった。
息切れはないか。関節に痛みはないか。排泄の状態は正常か。誰かに指示されたわけではない。自然に、そうしていた。

適応できるかどうかは、努力ではなかった。
同じ食事を摂り、同じ空気を吸い、同じ作業をしても、結果は分かれた。

子供が生まれ始めたのは、思っていたより早かった。
計画どおりではあったが、環境が安定していない中での出生は、数字以上の重みを持っていた。

生まれた子供の中にも、差はあった。
泣き声が弱い子、皮膚の色が薄い子、呼吸が安定しない子。医療区画は忙しくなり、静かになっていった。

彼は、ある子供を抱いたことがある。
軽く、温かく、少し震えていた。その子は翌日には記録から消えた。

集落の外に出る許可が出た頃には、最初の人数を正確に覚えている者はいなくなっていた。数は把握されていたが、顔と一致しなくなっていた。

それでも前進は続いた。
居住区は拡張され、畑が作られ、水の確保も安定した。成功と呼ばれる段階に入ったと判断された。

彼は、その評価に違和感を覚えたが、言葉にはしなかった。
成功とは、残った者のための言葉だと、なんとなく理解していた。

夜、惑星の空を見上げると、見慣れない星が並んでいた。
その光の下で、彼らは生き残り、生まれ、減り続けていた。

それが、この星の最初のリズムだった。
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