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24話 夏だよ、遠征だよ、海中ダンジョンだよ!
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私は《ダンジョン攻略専攻チーム》の新人ミルフィ・クリミア、今はなんと遠征でいつもより遠くの王国北東部にある海中ダンジョンに来ています。
もう、これがすっごく楽しいの!!
この海中ダンジョンは、目の前を水の中みたいに魚や水生系のモンスターが泳ぐ。更にダンジョンの外壁がの外そのまま海になっていて、透けて見える海がなんとも美しい。
まずそれだけでも十分面白いのだが、このダンジョンの楽しみは見た目だけに留まらない。
「やったー、新しい海鮮焼きだー!!」
「ミルフィさん楽しそうだねー。でも目の前にいるのは、モンスターであって海鮮焼きではないよ?」
「いいのよジミー、これからどうせこれから海鮮焼きになるんだから」
「うーん、その発想はちょっと怖いかな」
そう、ここで倒したモンスターを食べるとメチャクチャ美味しいのだ!!
巨大なイカのタコのようなモンスターに、様々な魚系のモンスター、色々と試してみたが不味いものなど一つもなかった。
ここはまるで天国だわ……まぁ前世の記憶はあっても、天国に行った記憶なんてものは無いんだけど。
それはそれとして素晴らしい場所なのだ。
そもそも私が食べることの楽しさに目覚めたのは転生後。
ほとんどを病院で過ごした前世では、塩分控えめで栄養摂取的には良いのだろうけど、薄味で味気のない病院食ばかりで、美味しいものを食べる楽しみなんて知らなかったわけですよ。
「食べる前はちょっと嫌がってなかったっけ」
「んー、そんな時期もあったわねぇ」
確かに先輩に勧められて、最初にモンスターを口にするときには多少の抵抗はあった。だけど一度味を知ってしまった今では一切躊躇がない。
串刺して火で炙り焼きにし、ワイルドに塩コショウを振った、新鮮な海産物のなんて美味しいこと……!! モンスターだとか、もはやどうでもいい!!
多少雑で大雑把な調理に思えるかも知れないが、むしろそれがいい。
だってこんな雑で美味しいもの、病院食じゃ絶対食べられないもの。
海って最高、海産物万歳っっ!!
そんなことを考えてたら、目の前にいたモンスターは先輩たちによって無事に倒され、我々の素敵な食材(仮)へと変わっていた。
私はそれに近寄り先輩たちを手伝い、いそいそと捌くのを手伝う。
「あ、これとか綺麗に皮から身が取れたし、骨の部分も綺麗に別れた……もはや芸術的な出来じゃない?」
「楽しそうダネー」
「ジミーも横にいるのなら、せめて捌いた部位でも持っておいてよ。量が多くて結構かさばるから、手はいくらあっても足らないんだから」
「はいはい」
もうすぐ食べられるであろう海鮮焼きの味を想像してワクワクしながら、ジミーに切り出した具材をポンポン渡していく。
「うーん、これの他には油のよく乗ったお魚も食べたいかな、次で狩れればいいんだけども」
「《ダンジョン攻略専攻チーム》の遠征で攻略に来ていること忘れてない?」
「もちろん忘れてないわよ」
あまりに失礼で心外なことをいうジミーに反論するため、私は荷物からあるものを取り出す。
「だから、ほら。次の戦闘では先輩から勧められた投擲武器を試してみようと思っているんだから」
それは投擲武器、投げ斧である。これは消耗品のやや小型の斧で、名前の通り魔物に対して投げつけて使う武器なのだった。
「ふーん、そうなんだ」
「実はダンジョンに来る前に少しだけ投げる練習をしたのだけれど、コントロールが中々難しいのよね……思っていた部分から少しズレちゃうの」
「へぇ……」
ジミーは気のない返事をしつつも、私が手に持っている投げ斧をまじまじと眺めている。
「ミルフィさんって最初は乗り気じゃなくても、割と何でも試して見るよね」
「まぁ出来ることは一旦何でも試してみるのが、私の信条だからね」
「へぇー」
「だって何かやりたかったとしても出来ないことなんて、いくらでもあるじゃない?」
私はそう言いながら前世の記憶を思い出す。
病院の外へ行きたいと願いながら、行けずに終わってしまった前世の記憶。
色々なやりたいことを想像しながら生きて、普通の人だったら簡単に叶う些細なことさえ、叶わずに終わってしまった人生。
「だから出来るうちに、何でも試してみて、特にやりたいと思ったことは頑張ってやるのが間違いないと思うのよね」
「……ミルフィさんってさ、たまに意外と深いことを言うよね」
「たまにと意外とって何よ!!」
「褒めてるんだよ。なんかまるで、一回人生を経験してるみたいだよね」
「……まぁ毎日を生まれ変わるような意気込みで生きてるからね」
ジミーが急に確信めいたことを言ってきて、思わず視線を泳がしてしまう。
まさかとは思うけど、私が前世の記憶があると知ってるわけが……ないわよね?
「そっか凄いね~」
うん、大丈夫そう!!
なんかごく普通に馬鹿にされているっぽい感じがするもの。
「さてはアンタ、馬鹿にしてるわね」
「してない、してないミルフィさんはユニークだなぁとは思ってるけど」
「それを馬鹿にしてるって言うんじゃないの」
「本当に違うよ、だって僕ミルフィさんのそういう所が好きだからさ」
「は!?」
急にジミーが変なことを言い出すので、私は思わず口をぽかんと開けてしまった。
「一生懸命考えて、頑張って努力して、苦手なことや出来ないことにも挑戦しようとする。君のそういう所が好きなんだ」
「な、な、何より急にそんな風に褒めて……いや、そんな風にからかっても無駄よ、別に嬉しくないんだからね!!」
「そこは素直に喜んで欲しいところ、なんだけどな……」
危ない、またジミーのペースに乗せられるところだった。何か月か一緒に過ごしてきて分かってきたことだけど、コイツにはこういう部分があるのだ。警戒しすぎて過ぎることはないくらいの危険人物なんだから!!
「そして隙アリよ……!!水玉球!!」
ジミーが私との会話に気を取られているその瞬間。それを狙って私は魔法で超低威力の水玉球をサッと作り彼の顔目掛けて投げつける。
「おっと」
しかしジミーは、その超至近距離から放たれた水玉球を、僅かに身体を捻って易々と避けてしまった。
くっ、避けられた!!
「水を掛けて眼鏡外させよう作戦、またもや失敗…… !!」
「ねぇ、その作戦はもうやめない? 僕に不意打ちなんて成功しないよ」
「いや、まだ、まだ諦めないわ。ただ不意を付けてないだけの可能性があるもの……だから少なくともこの遠征中はやり通すからね!?」
「面倒くさいなぁ……言っておくけど、僕に不意なんて存在しないからね。本当に無駄だよ」
「いや、人間生きてる限りどこかに不意は生じるはずよ!!」
「はいはい、警告はしたから後はせいぜい頑張ってね」
ジミーは大きなため息と共に、何か小さな声でぼそりと呟いた。
「僕がしたかったのは、こういうのじゃないのにな……」
「え、何よ?」
「別に何でもないよ、ミルフィさんの執念深さに感心してただけ」
「執念深さって言い方は酷くない!?」
なんやかんや言いつつジミーと海鮮類を運びながら歩いていると、一部の最初から廃棄するために積まれた水生系のモンスターたちが目に入った。
「あれ……捨てちゃうよね」
「だね、まぁこれだけの量があれば十分すぎるくらいだからね」
「食べようと思えば食べられるのに、なんだか残念よね」
「んー、そんなに気に入ったのなら、アイテムボックスを融通してもらって多少持って帰ってもいいんじゃないかな」
「え、そんなことも出来るの?」
「出来るはずだよ。ダンジョン内の魔物を持ち帰るためのアイテムボックスって、かなり容量が大きいし、中の物の鮮度も保てるから食品の持ち運びに使うのもポピュラーなんだよね。ただ希少で使う人間が限られているから、あまり知られていないだろうけど」
「へぇ、やっぱりジミーって博識ねぇ」
「ふふふ、もっと誉めてくれてもいいんだよ。今回は特に持ち帰る予定の品もないだろうし、アイテムボックスが使いたいなら僕も一緒に頼んであげるよ」
「ありがとうジミー!!」
思いがけずいいことを聞いちゃったわね。
これで学園に戻ってからもしばらく海鮮を食べられるわ。
ん、学園って言えば……。
「そういえば、新学期になってからそんなにしないうちに学園祭があったわよね」
「あるね」
「学園祭って屋台とかが出たりするでしょ?」
「うん、まぁするね」
「私たち《ダンジョン攻略専攻チーム》って何か出すの?」
「特に予定はないはずだよ」
「じゃあ、出そうと思えば出店できたりする?」
「申請すれば、たぶんできると思うけども……」
そこまで口にしたジミーは、にやりと少し悪そうな顔で私のことをみる。
「で、一体何をしたいのかな?」
「なんだと思う?」
「詳しくは分からないけど、きっと面白いことでしょ」
なかなか分かってるじゃない。
これまでの付き合いで、お互いに察しが良くなってきたのかもしれないわね。
「ええ、私とってもいいことを思いついたの。だから協力してよ」
これを口にした私は、きっと彼と似たような顔をしていたことだろう。
「もちろん、だから早く詳しく聞かせてよ」
ああ、きっと学園祭も楽しくなるわね。
もう、これがすっごく楽しいの!!
この海中ダンジョンは、目の前を水の中みたいに魚や水生系のモンスターが泳ぐ。更にダンジョンの外壁がの外そのまま海になっていて、透けて見える海がなんとも美しい。
まずそれだけでも十分面白いのだが、このダンジョンの楽しみは見た目だけに留まらない。
「やったー、新しい海鮮焼きだー!!」
「ミルフィさん楽しそうだねー。でも目の前にいるのは、モンスターであって海鮮焼きではないよ?」
「いいのよジミー、これからどうせこれから海鮮焼きになるんだから」
「うーん、その発想はちょっと怖いかな」
そう、ここで倒したモンスターを食べるとメチャクチャ美味しいのだ!!
巨大なイカのタコのようなモンスターに、様々な魚系のモンスター、色々と試してみたが不味いものなど一つもなかった。
ここはまるで天国だわ……まぁ前世の記憶はあっても、天国に行った記憶なんてものは無いんだけど。
それはそれとして素晴らしい場所なのだ。
そもそも私が食べることの楽しさに目覚めたのは転生後。
ほとんどを病院で過ごした前世では、塩分控えめで栄養摂取的には良いのだろうけど、薄味で味気のない病院食ばかりで、美味しいものを食べる楽しみなんて知らなかったわけですよ。
「食べる前はちょっと嫌がってなかったっけ」
「んー、そんな時期もあったわねぇ」
確かに先輩に勧められて、最初にモンスターを口にするときには多少の抵抗はあった。だけど一度味を知ってしまった今では一切躊躇がない。
串刺して火で炙り焼きにし、ワイルドに塩コショウを振った、新鮮な海産物のなんて美味しいこと……!! モンスターだとか、もはやどうでもいい!!
多少雑で大雑把な調理に思えるかも知れないが、むしろそれがいい。
だってこんな雑で美味しいもの、病院食じゃ絶対食べられないもの。
海って最高、海産物万歳っっ!!
そんなことを考えてたら、目の前にいたモンスターは先輩たちによって無事に倒され、我々の素敵な食材(仮)へと変わっていた。
私はそれに近寄り先輩たちを手伝い、いそいそと捌くのを手伝う。
「あ、これとか綺麗に皮から身が取れたし、骨の部分も綺麗に別れた……もはや芸術的な出来じゃない?」
「楽しそうダネー」
「ジミーも横にいるのなら、せめて捌いた部位でも持っておいてよ。量が多くて結構かさばるから、手はいくらあっても足らないんだから」
「はいはい」
もうすぐ食べられるであろう海鮮焼きの味を想像してワクワクしながら、ジミーに切り出した具材をポンポン渡していく。
「うーん、これの他には油のよく乗ったお魚も食べたいかな、次で狩れればいいんだけども」
「《ダンジョン攻略専攻チーム》の遠征で攻略に来ていること忘れてない?」
「もちろん忘れてないわよ」
あまりに失礼で心外なことをいうジミーに反論するため、私は荷物からあるものを取り出す。
「だから、ほら。次の戦闘では先輩から勧められた投擲武器を試してみようと思っているんだから」
それは投擲武器、投げ斧である。これは消耗品のやや小型の斧で、名前の通り魔物に対して投げつけて使う武器なのだった。
「ふーん、そうなんだ」
「実はダンジョンに来る前に少しだけ投げる練習をしたのだけれど、コントロールが中々難しいのよね……思っていた部分から少しズレちゃうの」
「へぇ……」
ジミーは気のない返事をしつつも、私が手に持っている投げ斧をまじまじと眺めている。
「ミルフィさんって最初は乗り気じゃなくても、割と何でも試して見るよね」
「まぁ出来ることは一旦何でも試してみるのが、私の信条だからね」
「へぇー」
「だって何かやりたかったとしても出来ないことなんて、いくらでもあるじゃない?」
私はそう言いながら前世の記憶を思い出す。
病院の外へ行きたいと願いながら、行けずに終わってしまった前世の記憶。
色々なやりたいことを想像しながら生きて、普通の人だったら簡単に叶う些細なことさえ、叶わずに終わってしまった人生。
「だから出来るうちに、何でも試してみて、特にやりたいと思ったことは頑張ってやるのが間違いないと思うのよね」
「……ミルフィさんってさ、たまに意外と深いことを言うよね」
「たまにと意外とって何よ!!」
「褒めてるんだよ。なんかまるで、一回人生を経験してるみたいだよね」
「……まぁ毎日を生まれ変わるような意気込みで生きてるからね」
ジミーが急に確信めいたことを言ってきて、思わず視線を泳がしてしまう。
まさかとは思うけど、私が前世の記憶があると知ってるわけが……ないわよね?
「そっか凄いね~」
うん、大丈夫そう!!
なんかごく普通に馬鹿にされているっぽい感じがするもの。
「さてはアンタ、馬鹿にしてるわね」
「してない、してないミルフィさんはユニークだなぁとは思ってるけど」
「それを馬鹿にしてるって言うんじゃないの」
「本当に違うよ、だって僕ミルフィさんのそういう所が好きだからさ」
「は!?」
急にジミーが変なことを言い出すので、私は思わず口をぽかんと開けてしまった。
「一生懸命考えて、頑張って努力して、苦手なことや出来ないことにも挑戦しようとする。君のそういう所が好きなんだ」
「な、な、何より急にそんな風に褒めて……いや、そんな風にからかっても無駄よ、別に嬉しくないんだからね!!」
「そこは素直に喜んで欲しいところ、なんだけどな……」
危ない、またジミーのペースに乗せられるところだった。何か月か一緒に過ごしてきて分かってきたことだけど、コイツにはこういう部分があるのだ。警戒しすぎて過ぎることはないくらいの危険人物なんだから!!
「そして隙アリよ……!!水玉球!!」
ジミーが私との会話に気を取られているその瞬間。それを狙って私は魔法で超低威力の水玉球をサッと作り彼の顔目掛けて投げつける。
「おっと」
しかしジミーは、その超至近距離から放たれた水玉球を、僅かに身体を捻って易々と避けてしまった。
くっ、避けられた!!
「水を掛けて眼鏡外させよう作戦、またもや失敗…… !!」
「ねぇ、その作戦はもうやめない? 僕に不意打ちなんて成功しないよ」
「いや、まだ、まだ諦めないわ。ただ不意を付けてないだけの可能性があるもの……だから少なくともこの遠征中はやり通すからね!?」
「面倒くさいなぁ……言っておくけど、僕に不意なんて存在しないからね。本当に無駄だよ」
「いや、人間生きてる限りどこかに不意は生じるはずよ!!」
「はいはい、警告はしたから後はせいぜい頑張ってね」
ジミーは大きなため息と共に、何か小さな声でぼそりと呟いた。
「僕がしたかったのは、こういうのじゃないのにな……」
「え、何よ?」
「別に何でもないよ、ミルフィさんの執念深さに感心してただけ」
「執念深さって言い方は酷くない!?」
なんやかんや言いつつジミーと海鮮類を運びながら歩いていると、一部の最初から廃棄するために積まれた水生系のモンスターたちが目に入った。
「あれ……捨てちゃうよね」
「だね、まぁこれだけの量があれば十分すぎるくらいだからね」
「食べようと思えば食べられるのに、なんだか残念よね」
「んー、そんなに気に入ったのなら、アイテムボックスを融通してもらって多少持って帰ってもいいんじゃないかな」
「え、そんなことも出来るの?」
「出来るはずだよ。ダンジョン内の魔物を持ち帰るためのアイテムボックスって、かなり容量が大きいし、中の物の鮮度も保てるから食品の持ち運びに使うのもポピュラーなんだよね。ただ希少で使う人間が限られているから、あまり知られていないだろうけど」
「へぇ、やっぱりジミーって博識ねぇ」
「ふふふ、もっと誉めてくれてもいいんだよ。今回は特に持ち帰る予定の品もないだろうし、アイテムボックスが使いたいなら僕も一緒に頼んであげるよ」
「ありがとうジミー!!」
思いがけずいいことを聞いちゃったわね。
これで学園に戻ってからもしばらく海鮮を食べられるわ。
ん、学園って言えば……。
「そういえば、新学期になってからそんなにしないうちに学園祭があったわよね」
「あるね」
「学園祭って屋台とかが出たりするでしょ?」
「うん、まぁするね」
「私たち《ダンジョン攻略専攻チーム》って何か出すの?」
「特に予定はないはずだよ」
「じゃあ、出そうと思えば出店できたりする?」
「申請すれば、たぶんできると思うけども……」
そこまで口にしたジミーは、にやりと少し悪そうな顔で私のことをみる。
「で、一体何をしたいのかな?」
「なんだと思う?」
「詳しくは分からないけど、きっと面白いことでしょ」
なかなか分かってるじゃない。
これまでの付き合いで、お互いに察しが良くなってきたのかもしれないわね。
「ええ、私とってもいいことを思いついたの。だから協力してよ」
これを口にした私は、きっと彼と似たような顔をしていたことだろう。
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