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34話 主人公の正義とその輝き
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突然現れた、乙女ゲームの主人公であるはずのミルフィ・クリミアさんが、何故か私を解放することを条件に王弟カネフォーラに戦いを挑んだのですが……。
彼女の挑発的な発言により事態は更に、予測できない方向に向かい始めている気がします。一体どうなるのでしょうか。
「お前に何がわかる?」
「ふふ、これでも私、結構知ってるのよ」
大男のカネフォーラと対峙しながら、ミルフィさんは不敵な笑みを浮かべます。
「確かあの日は兄王に呼び出されて、出向いた場所で罠に嵌められたのでしょう? 前触れもなく突然に」
「何が言いたい」
「信頼していた兄に裏切られるなんて、さぞショックだったでしょうね」
「……ああ、確かにそうだ。あの時のまだ未熟だった俺は、これ以上ないほど絶望したよ」
そう言い終わるや否や、カネフォーラは持っていた剣を振り上げて、ミルフィさんに切りかかりました。彼女は間一髪でそれを避けましたが、その一撃は随分と重かったらしく、彼が剣を振り下ろした床は、大きくえぐれて壊れてしまっていました。
「だからこそ、力を求めて強くなった。もう二度と押し付けられた理不尽に屈することがないようにな」
「……それは大したものね。その馬鹿力だけで終わらなければの話だけど」
「なに心配するな、すぐにその身をもって味合わせてやるさ」
「ふふ、残念だけど遠慮しておくわ~」
「まぁ、そういうな!!」
そう言ってまたミルフィさんに切りかかるカネフォーラ、ミルフィさんはするりとそれを躱しますが、今度は壁に斬撃の跡が残りました。
「ちょっと、流石に色々乱暴じゃないの!? 女の子にはもっと優しくしなさいよー!」
「狩りの対象の子ネズミは女性に該当せんのでな、扱いも相応になろう」
「待ってよ、こんな可愛い女の子に対してそれはないんじゃない!?」
「は、ここ最近で聞いた冗談の中では一番面白いな」
「失礼ね!!」
まるで軽口を叩くような会話の内容ですが、二人の雰囲気は終始緊迫しており。特にミルフィさんは常に真剣な眼差しでカネフォーラの出方を伺っています。
「そういえば、二十年前の例の事件の影響でアンタの部下も命を落としたらしいわね。状況説明のために残したはずの部下が、あの襲撃でアンタを守れなかったという虚偽の罪で処刑されたのだとか」
「…………そうだ」
ミルフィさんがその話をした瞬間、カネフォーラの纏う空気がゾワリとするほど重苦しくなったのを感じました。今までも空気がよかったわけではありませんが、今度のそれは恐ろしさは比べ物になりません。
「あの男はな。自分で刺客を差し向けたくせに、その刺客を防げなかったという罪で残った部下を殺した。それを見抜けなかった俺を含めて、とんだ茶番だとは思わないか?」
口調自体は静かなものの、そこからはヒシヒシと暗い怒りが溢れているのが分かります。
……ああ、そうか、この人は元々きっと部下を大切にできる人だったんだ。だからこそ、こんなのも怒っているのでしょう。その事態を引き起こした相手にも、そして防ぐことが出来なかった自分自身にも。
「ええ、とても酷い話だとは思うわ……恨みに思うのも無理がない程にね」
そしてそれは、ミルフィさんにも理解できるのでしょう。とても悲しげにカネフォーラの言葉に頷きます。
「だからこそ俺は、理不尽に命を落とした部下の無念を晴らすためにもこの国を手中に収めるつもりだ。兄王の首を部下の墓前に供えたうえでな」
……待って下さい、それではこれはまるで。
「ふーん、それじゃあアンタの一連の行動は、部下のための弔い合戦ってわけ?」
「そう取ってもらっても構わんよ」
カネフォーラは自分のためではなく、部下の弔いのためにクーデターを起こすつもりだった……その事実はあまりに重く、ずっしりと私の心にのしかかりました。
ですが、そんな私の心中とは関係なく、ふたりのやり取りは続きます。
「それはそれは、なんともご立派なものね。無関係な女の子を誘拐までして」
「ふっ王子の婚約者である以上、王家と無関係というのは無理があろう」
「だとしても、少なくともその子はアンタの復讐の対象ではないわ」
「そこは運が悪かったと諦めて貰うしかあるまい。本人に一切非がなくて善良であっても、人生には突然理不尽な出来事が起こりえる、たまたまそれが今日だっただけだ」
最後のカネフォーラの言葉は、一体誰に向けたものなのでしょうか。私にはもう分かりません。
「その理不尽を起そうとしている、張本人がよく言うわね」
「現実は子供に聞かせる寝物語ではないのだ、誰も取りこぼさず全員幸せになんて有り得ん。だから俺は自分の身のうちに入れた者のみを優先する」
「まぁ、その考えもその考えで一つ間違ってないけどもね……」
ミルフィさんはそこで一旦言葉を区切って、改めて決意のこもった鋭い眼差しでカネフォーラを見ながらいいます。
「だからといって、誰かを犠牲にしたり傷つけたりするなんて、私の正義が許さないわ!!」
なんて眩しい……ああ、これが正真正銘の主人公の姿なのですね。
私自身もセル様の件を変えられたこともあり、多少は誰かを救えたと勝手に思っていたのですが、本当のヒーローというものはこんなにも強く優しくて眩しい。
「ほぅ……だから貴様はわざわざ、助けに入ったのか」
「そうよ!! 酷い目に合いそうな誰かが目の前にいて、放っておくなんてできないわ」
「なるほど今の学園の生徒は、随分と素晴らしく生ぬるい教育を受けていると見える。ならば教えてやろう、この世は食うか食われるか、そして利用されるかするかだ」
そこでカネフォーラはニヤリと笑い、持っていた剣を構え直す。
「そして貴様は俺に歯向かった以上、食われる側だ」
「そんなのまだ全然分からないわ!!」
「希望的観測を持つのも結構だが、長生きしたいのであれば現実を見た方がいいぞ」
「アンタもあまり私を侮れないことね!」
「ふっ、それはどうもご忠告痛み入る」
それを皮切りに、二人は激しい攻撃の応酬を始めました。とは言っても、ほとんどの攻撃がカネフォーラによるもので、ミルフィさんはそれを避けるばかり。
ごくたまに魔法で攻撃をしてはいるものの、それはカネフォーラが軽く剣を振るだけで防がれてしまっています。
二人の間には明らかな実力差があり、ミルフィさんは圧倒的に不利な状況だと、この手の分野に詳しくない私にも分かるほどでした。
「ふむ、ここまで耐えるとは中々やるではないか。口だけではなかったようだな」
「はぁはぁ……息の一つも切らさずにそんなことを言うなんて、嫌味な奴男ね」
「なに、貴様の減らず口には負けるさ」
応酬の合間に、二人がそんな会話をしていたところ、どこか遠くから笛の音が聞こえてきました。カネフォーラはそれに怪訝そうな表情を浮かべますが、一方ミルフィさんは心当たりがあるのか、慌ててポケットを探ると、自身も笛を取り出して即座に吹きました。
もしかして同じ笛……?
「……その笛は一体なんだ」
「さぁね、当ててご覧なさいよ」
そんなミルフィさんの言葉にカネフォーラは、やや考えるような素振りを見せてから「……まさか」と呟きました。
「貴様、人を呼んだな」
カネフォーラがそういった直後、複数人が駆けてくるような足音が迫ってくるのが聞いて取れました。
「ご名答!!」
ミルフィさんはまだ息を切らしつつも、輝かんばかりの笑顔でそう答えます。
「なるほど、そうなると仕方あるまいな……残念ながら、貴様とのお遊びは終わりだ」
「逃げる気!?」
「もとより勝負の条件は一対一だったはずだ、問題はなかろう」
そう言いながらカネフォーラは、懐から何かを取り出し。今までは放っていた私の元まで歩み寄ると、もう片方の手で軽々と担ぎあげられてしまいました。
「ちょ、それって転移魔法符じゃないの!?」
「奥の手くらい、当然用意していると言うわけだ」
ミルフィさんの反応に、カネフォーラはくつくつと楽し気に笑う。
「そんなわけで失礼させて貰おう、もちろんこちらのご令嬢と一緒にな」
「待ちなさいカネフォーラ!!」
「多少は楽しめたぞ、正義の味方、せいぜい早死にしないように気をつけろよな」
「せめて、その子は置いていきなさいって!!」
そんなミルフィさんの叫び声を耳に残して、カネフォーラに担がれた私は知らない何処へと移動してしまったのでした。
彼女の挑発的な発言により事態は更に、予測できない方向に向かい始めている気がします。一体どうなるのでしょうか。
「お前に何がわかる?」
「ふふ、これでも私、結構知ってるのよ」
大男のカネフォーラと対峙しながら、ミルフィさんは不敵な笑みを浮かべます。
「確かあの日は兄王に呼び出されて、出向いた場所で罠に嵌められたのでしょう? 前触れもなく突然に」
「何が言いたい」
「信頼していた兄に裏切られるなんて、さぞショックだったでしょうね」
「……ああ、確かにそうだ。あの時のまだ未熟だった俺は、これ以上ないほど絶望したよ」
そう言い終わるや否や、カネフォーラは持っていた剣を振り上げて、ミルフィさんに切りかかりました。彼女は間一髪でそれを避けましたが、その一撃は随分と重かったらしく、彼が剣を振り下ろした床は、大きくえぐれて壊れてしまっていました。
「だからこそ、力を求めて強くなった。もう二度と押し付けられた理不尽に屈することがないようにな」
「……それは大したものね。その馬鹿力だけで終わらなければの話だけど」
「なに心配するな、すぐにその身をもって味合わせてやるさ」
「ふふ、残念だけど遠慮しておくわ~」
「まぁ、そういうな!!」
そう言ってまたミルフィさんに切りかかるカネフォーラ、ミルフィさんはするりとそれを躱しますが、今度は壁に斬撃の跡が残りました。
「ちょっと、流石に色々乱暴じゃないの!? 女の子にはもっと優しくしなさいよー!」
「狩りの対象の子ネズミは女性に該当せんのでな、扱いも相応になろう」
「待ってよ、こんな可愛い女の子に対してそれはないんじゃない!?」
「は、ここ最近で聞いた冗談の中では一番面白いな」
「失礼ね!!」
まるで軽口を叩くような会話の内容ですが、二人の雰囲気は終始緊迫しており。特にミルフィさんは常に真剣な眼差しでカネフォーラの出方を伺っています。
「そういえば、二十年前の例の事件の影響でアンタの部下も命を落としたらしいわね。状況説明のために残したはずの部下が、あの襲撃でアンタを守れなかったという虚偽の罪で処刑されたのだとか」
「…………そうだ」
ミルフィさんがその話をした瞬間、カネフォーラの纏う空気がゾワリとするほど重苦しくなったのを感じました。今までも空気がよかったわけではありませんが、今度のそれは恐ろしさは比べ物になりません。
「あの男はな。自分で刺客を差し向けたくせに、その刺客を防げなかったという罪で残った部下を殺した。それを見抜けなかった俺を含めて、とんだ茶番だとは思わないか?」
口調自体は静かなものの、そこからはヒシヒシと暗い怒りが溢れているのが分かります。
……ああ、そうか、この人は元々きっと部下を大切にできる人だったんだ。だからこそ、こんなのも怒っているのでしょう。その事態を引き起こした相手にも、そして防ぐことが出来なかった自分自身にも。
「ええ、とても酷い話だとは思うわ……恨みに思うのも無理がない程にね」
そしてそれは、ミルフィさんにも理解できるのでしょう。とても悲しげにカネフォーラの言葉に頷きます。
「だからこそ俺は、理不尽に命を落とした部下の無念を晴らすためにもこの国を手中に収めるつもりだ。兄王の首を部下の墓前に供えたうえでな」
……待って下さい、それではこれはまるで。
「ふーん、それじゃあアンタの一連の行動は、部下のための弔い合戦ってわけ?」
「そう取ってもらっても構わんよ」
カネフォーラは自分のためではなく、部下の弔いのためにクーデターを起こすつもりだった……その事実はあまりに重く、ずっしりと私の心にのしかかりました。
ですが、そんな私の心中とは関係なく、ふたりのやり取りは続きます。
「それはそれは、なんともご立派なものね。無関係な女の子を誘拐までして」
「ふっ王子の婚約者である以上、王家と無関係というのは無理があろう」
「だとしても、少なくともその子はアンタの復讐の対象ではないわ」
「そこは運が悪かったと諦めて貰うしかあるまい。本人に一切非がなくて善良であっても、人生には突然理不尽な出来事が起こりえる、たまたまそれが今日だっただけだ」
最後のカネフォーラの言葉は、一体誰に向けたものなのでしょうか。私にはもう分かりません。
「その理不尽を起そうとしている、張本人がよく言うわね」
「現実は子供に聞かせる寝物語ではないのだ、誰も取りこぼさず全員幸せになんて有り得ん。だから俺は自分の身のうちに入れた者のみを優先する」
「まぁ、その考えもその考えで一つ間違ってないけどもね……」
ミルフィさんはそこで一旦言葉を区切って、改めて決意のこもった鋭い眼差しでカネフォーラを見ながらいいます。
「だからといって、誰かを犠牲にしたり傷つけたりするなんて、私の正義が許さないわ!!」
なんて眩しい……ああ、これが正真正銘の主人公の姿なのですね。
私自身もセル様の件を変えられたこともあり、多少は誰かを救えたと勝手に思っていたのですが、本当のヒーローというものはこんなにも強く優しくて眩しい。
「ほぅ……だから貴様はわざわざ、助けに入ったのか」
「そうよ!! 酷い目に合いそうな誰かが目の前にいて、放っておくなんてできないわ」
「なるほど今の学園の生徒は、随分と素晴らしく生ぬるい教育を受けていると見える。ならば教えてやろう、この世は食うか食われるか、そして利用されるかするかだ」
そこでカネフォーラはニヤリと笑い、持っていた剣を構え直す。
「そして貴様は俺に歯向かった以上、食われる側だ」
「そんなのまだ全然分からないわ!!」
「希望的観測を持つのも結構だが、長生きしたいのであれば現実を見た方がいいぞ」
「アンタもあまり私を侮れないことね!」
「ふっ、それはどうもご忠告痛み入る」
それを皮切りに、二人は激しい攻撃の応酬を始めました。とは言っても、ほとんどの攻撃がカネフォーラによるもので、ミルフィさんはそれを避けるばかり。
ごくたまに魔法で攻撃をしてはいるものの、それはカネフォーラが軽く剣を振るだけで防がれてしまっています。
二人の間には明らかな実力差があり、ミルフィさんは圧倒的に不利な状況だと、この手の分野に詳しくない私にも分かるほどでした。
「ふむ、ここまで耐えるとは中々やるではないか。口だけではなかったようだな」
「はぁはぁ……息の一つも切らさずにそんなことを言うなんて、嫌味な奴男ね」
「なに、貴様の減らず口には負けるさ」
応酬の合間に、二人がそんな会話をしていたところ、どこか遠くから笛の音が聞こえてきました。カネフォーラはそれに怪訝そうな表情を浮かべますが、一方ミルフィさんは心当たりがあるのか、慌ててポケットを探ると、自身も笛を取り出して即座に吹きました。
もしかして同じ笛……?
「……その笛は一体なんだ」
「さぁね、当ててご覧なさいよ」
そんなミルフィさんの言葉にカネフォーラは、やや考えるような素振りを見せてから「……まさか」と呟きました。
「貴様、人を呼んだな」
カネフォーラがそういった直後、複数人が駆けてくるような足音が迫ってくるのが聞いて取れました。
「ご名答!!」
ミルフィさんはまだ息を切らしつつも、輝かんばかりの笑顔でそう答えます。
「なるほど、そうなると仕方あるまいな……残念ながら、貴様とのお遊びは終わりだ」
「逃げる気!?」
「もとより勝負の条件は一対一だったはずだ、問題はなかろう」
そう言いながらカネフォーラは、懐から何かを取り出し。今までは放っていた私の元まで歩み寄ると、もう片方の手で軽々と担ぎあげられてしまいました。
「ちょ、それって転移魔法符じゃないの!?」
「奥の手くらい、当然用意していると言うわけだ」
ミルフィさんの反応に、カネフォーラはくつくつと楽し気に笑う。
「そんなわけで失礼させて貰おう、もちろんこちらのご令嬢と一緒にな」
「待ちなさいカネフォーラ!!」
「多少は楽しめたぞ、正義の味方、せいぜい早死にしないように気をつけろよな」
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