5 / 5
5話 アリスちゃんの成長
しおりを挟む月日が経つのは本当に早いものですね。アリスちゃんと暮らし始めて約1年が経過しました。子育ての大変さや難しさを身に染みて実感しています。でも、まだまだこれからが本番です。赤ちゃんの頃も可愛かったのですが、最近ではその可愛さに更に磨きがかかったような気がします。アリスちゃんが喋る度に、私が心肺停止しそうなのですよ! もう、可愛い! 可愛いしゅぎる! 尊いが来たと思えば、また更に可愛いの暴力が津波のように押し寄せて来るのです!
「ままぁ! ぴったんこちよ!」
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛..............!!」
「主ぃ.......!? お気を確かに! はいこれ、エリクサーです! まだ傷は浅いですよ! これを飲んで精神を落ち着かせて下さい!」
「ごくごく.......ぷはぁっ.......!? 一瞬、天国のお母様がこちらに手を振ってるのが見えたわ.......ついに私にもお迎えが来たのかと思ったわ」
これは行けません.......最近アリスちゃんのおかげで、エリクサーの消費量が半端ないです! 私の心臓が持ちません! 一日にどれだけ三途の川を渡りかけたことやら.......
「んぅ? ふぇんねーたん?」
「お嬢様、落ち着いて下さい。もう僕達のライフはゼロなのです。ほら、あそこをご覧下さい、サラマンダーが気絶しています」
「さらねーたん、おひゆね?」
「いいえ、あれはお昼寝ではありません。お嬢様、気絶と言うのです。意味は気を失っていると言う意味です」
「きえちゅ?」
あかん。フェンリルのフェンちゃんもやられてしまいそうです。かつて敵無しと恐れられていたフェンリルですら、アリスちゃんの前では.......うちの子可愛いすぎぃ!(n回目)
「よし、落ち着いたわ.......今のうちにバフを掛けて置こう」
ミレーナは詠唱破棄を使って、瞬時にこの家全体に精神強化魔法を掛けた。
【精神強化・神々の祝福】
この魔法は精神干渉系統魔法の最上位に位置する魔法です。現在この魔法を使える者は、この大陸で私を含めて3人の大賢者しかおりません。
「主ぃ! 名案があります!」
「何ですか? フェンちゃん」
「お嬢様におしゃぶりを咥えさせてみたらどうでしょうか? 咥えてる間は喋れないので、こちらの精神が乱される事はないと思います」
「よし、それで行こう! アリスちゃん~おしゃぶりしましょうね~♪」
アリスちゃんがハイハイしながら私の元に笑顔でやって来ました。先程、精神強化魔法を掛けた筈なのに、胸が異様にドキドキします。ふぅ.......まずはこのおしゃぶりを咥えさせて、少しでも私達の精神を落ち着かせましょう。
「.......?」
「ふぉぉぉぉあああああああああぁぁぁ.......!?」
「主ぃ! これは.......まさかのおしゃぶりさせたら、逆にお嬢様の可愛さを更に引き立てる結果になるとは.......」
親は我が子が可愛いと良く言いますが、今ならその言葉が痛い程に分かります。アリスちゃんはまだまだ幼いですが、髪の毛も綺麗な金髪で、もしかしたら容姿は私に似るかもしれません。血の繋がりは無いですが、ハーフエルフで金髪の髪の色となると最早運命.......いいえ、これは必然だったのかもしれません!
「んにゅ.......まま、だいちゅき!」
「ディフ.......ディフフフ♡ ママもアリスちゃんの事、だぁい好きでちゅよぉ♡」
「んにゅ!」
おおっ!? これは、もしや!?
「アリスちゃん! ついに.......ついに立つ時が来たと言うの!?」
「お嬢様! 頑張って下さい! 主に掴まりながらそっと立つのですよ!」
あぁ、思わず手が出てしまいそうですが、これはアリスちゃんにとっての試練です。ぷるぷると震える足で私の身体に捕まりながら、立とうと頑張っているのです! フェンちゃんと私で応援しながら見守る事にしましょう。
「ぐぬぬ.......ままぁ、ふぇんねーたん!」
「あと少しですよ!」
「さあ、立つのよアリスちゃん! 大丈夫、貴方なら出来るわ! だって、私の娘ですもの!」
そして、アリスちゃんは覚束無いような足取りですが、一歩.......また一歩とよちよちと歩き始めたのです!
「ままぁ! おっきちたよ!」
「おお!! アリスちゃん! 凄いわ! やはりうちの子は天才よ!」
「主ぃ! 今日はお祝いですね! ちょっと! サラマンダーは何時まで寝てるのですか! お嬢様が立ったのですよ!?」
フェンちゃんが気絶しているサラちゃんの頬っぺたをぺちぺちと叩いて叩き起しました。
「はっ.......!? 女神様?」
「何、寝惚けてるのですか! てか、貴方本当に逝きそうになってるじゃないですか!」
私達3人は可愛いと尊い等と言った耐性が低いのかもしれません。でも、見てるこちらも物凄く嬉しいのですよ! こうしてアリスちゃんの成長を間近で見られて、少しずつ成長する姿を見ていると私もこの子のママとして、もっと頑張ろうと思うのです!
「なぬ!? お嬢が立ったのか!」
「さらねーたん、ありすしゅごい?」
「凄いですよ! 俺.......感動してまた気絶しそうだよ.......」
フェンちゃんやサラちゃんもアリスちゃんの事を本当の妹の様に接しています。家族構成で言ったら、私がママで、フェンちゃんにサラちゃんがアリスちゃんのお姉ちゃんと言った所でしょうか?
「ままぁ、なでなでちて!」
「アリスちゃん! ムギュっ♡ もう、好きなだけ撫で撫でしてあげまちゅよぉ♡ よしよし♡」
頭を撫でてあげるとアリスちゃんは、目を細めて気持ち良さそうにしています。私の身体に必死にしがみついてるのもまた更に可愛いです! 最近、可愛いと言う言葉しか最早出て来ません。きっと数年後には、語彙力を失った哀れなハイエルフが誕生してしまうかもしれませんね。
「アリスちゃんの髪の毛サラサラしてて綺麗だね♪」
「ままと同じ! きんぱちゅだお!」
「うふふ.......そうだね♪」
アリスちゃんは将来間違い無く美少女になるわね。パッチリとしたおめめにぷるんとした幼女特有の唇。アリスちゃんが成長して行くのが楽しみね♪ でも、アリスちゃんはハーフエルフの中でも血が濃い方ですね。耳を見れば大体分かります。
「あら? アリスちゃんお眠でちゅか? ママと少しお昼寝する?」
「ん.......」
「じゃあ、一緒にベッドへ行きましょうね~」
私がアリスちゃんを抱っこしてベッドへ向かうと、後ろから人化した姿のフェンちゃんやサラちゃんが笑顔で付いて来ました。実はこの2人も結構な甘えん坊さん何ですよ♪
「しょうがないから、俺も一緒に添い寝してやるぜ!」
「サラマンダーは、床で無様に這いつくばってれば良いのです。僕が主とお嬢様の隣りで寝るのですから」
「な!? フェンリル、てめぇ.......お前こそ床で寝てろ!」
「こらこら、2人とも喧嘩しないの! ベッドは狭いけど、私の上にアリスちゃんを乗せて寝れば、左右に2人とも入れるでしょ?」
川の字で女の子同士密着してお昼寝です♪ 狭いベッドの上では、必然的に肌を密着させる事となります。私は川の字の真ん中と言うVIP席ですね。何故なら、上からアリスちゃんと言う名の天使ちゃん、左右にはフェンちゃんやサラちゃんと言った、白銀の美少女と赤髪の美少女に挟まれて寝る事が出来るのですから♪
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる