異世界少年~ロリエルフにTS♀して日本に転生! 言葉は分からないけど、過保護で美人なお姉さんに拾われて何とか生きています!

二宮EX

文字の大きさ
68 / 84

68話 魔界?

しおりを挟む
 


 ◆エルちゃん視点



「あおいねーたんに怒られちゃった.......悲しい」

 思わず泣いてしまいそうでした。確かにそうですよね.......あんな美味しい食べ物が無料で食べれる筈がありません。最初は炊き出しなのかと思ってました。

「―――――――――♪」
「よし、でも店員のお姉さんにありがとうと言えたから僕も少しは進歩してる筈。かえでねーたん達に家でもありがとうの重要性は教わってたし」

 今後は感謝の心を持って、行動する様に心掛けよう。僕は立派な大人になるのだ! かっこいい冒険者になる為には、沢山お勉強して学ばないと行けません!

「――――――?」
「にぎにぎ.......」
「―――――――――♡」

 思わずあおいねーたんの手をにぎにぎとしてしまいました。あおいねーたんは笑顔で僕の手をにぎにぎと握り返してくれました。女性の手は、何でこうも柔らかくて綺麗なのでしょうか? かえでねーたんもそうですが、手を繋いで居ると何故か僕の心の奥底がポカポカと温まるのです。

 手を繋ぎながら歩いていると何だか凄い所に来てしまいました。

「ファッ.......!? 何じゃあそこは!? 魔界か!?」
「―――――――――?」

 凄い騒音だ.......見た事の無い魔道具が沢山置いてある.......しかもデカい! 家でもあんなものは無かったぞ!?

「か、かえでねーたん! あおいねーたん! あそこは駄目ですよ! やばい.......絶対やばいよ!」

 僕の危機的警鐘がガンガンと鳴り響いています。あそこに行ったら最期かもしれません。あそこはきっと魔界の入口に通じているに違いありません!

「―――――――――♪」
「ま、待って! 心の準備がまだ.......」


 僕は問答無用で、お姉さんに抱かれながら魔界へと踏み込んでしまいました。




 ――――――――――――





「ファッ.......!? あ、あれは! おかちじゃないか!」

 しゅ.......しゅごいよ! ここは魔界じゃなくて楽園だったのか! かえでねーたんが指を指しながら、くれぇんげぇーむと言っております。この大きな魔道具の名前なのでしょうか? かなり精巧に作られており、ピカピカと音を立てながら光っています。その魔道具の中に僕の大好きなおかちが大量に入っているのですよ!

「おかちの双璧だ.......あっちにもこっちにも!」
「―――――――――♡」
「かえでねーたん! あれ僕がこないだ食べたおかちだよ! 沢山ありゅよ! しゅごいよ!」

 かえでねーたんはクスクスと笑いながら、僕を床に降ろしてくれました。僕は目の前のおかちに夢中になってしまいました。

「ぬっ? またしても透明な壁か.......何じゃこれ?」

 僕の目線の高さに2つのボタンがあります。⬅と⬆️のマークが書いてありますね。

「ふむふむ、これはこうして.......あれ、動かない」
「――――――♪」
「―――――――――♡」

 かえでねーたんとあおいねーたんが、僕を見ながら笑ってる。あの顔は何か企んでいる時の顔かこの後、僕をめちゃくちゃにしようとする時の顔ですね。最近かえでねーたんやあおいねーたんのスキンシップが激しくなって来ているような気がします。

「ん?」

 隣りの人が何やらボタンを押して動かす際に丸い硬貨を入れておりました。あれは、お金と言うやつですね。かえでねーたんから家で教わりました。お値段がいくらとか、計算は出来ませんけどあれは確か1万円玉というやつです。

「――――――♪」
「おお、かえでねーたんやるの?」

 でも、かえでねーたんがお金を入れたのは良いのですが、何故か前じゃなくて僕の方をじっーと見ながらウットリとしています。僕何もしてませんよ?

「あぁ! かえでねーたん」

 アームと言う2つ爪の奴が下がってしまいました。

「――――――!」
「んみゅ? あおいねーたんもやるの?」

 僕はお金が無いので見守るしかありません。神様お願いします! おかちが沢山取れますように!

「――――――。」
「ありゃ、これは中々難しいですね」

 ビクともしなかったです。この魔道具さんは、僕達に最高級のおかちを取らせないように意地悪してるに違いありません。

「魔道具さん、一本で良いのでおかち下さい!」
「――――――♪」
「な、何じゃ!? おまえ喋るんかい! インテリジェンスウエポンだったのか!?」

 何て言ってるのか分かりませんが、雰囲気で分かります。あれは僕を煽ってるに違いありません!

「ふ~ん、なら僕にも奥の手がありますよ?」

 下の穴から入っておかち沢山取っちゃうもんね! 泣いて後悔しても知りません!

「ふぇ?」
「――――――!」
「か、かえでねーたん! 僕に任せて下さい! 中に入っておかち沢山取ってくるからね!」
「―――――――――!!」
「んぅっ.......」

 ぐぬぬ.......かえでねーたんに怒られてしまいました.......成程、これで正々堂々と戦えと言うのですね。

 かえでねーたんがお金を魔道具の中に入れてくれました。今度は僕のターンです!

「えいっ!」

 ありゃ? 全然進まずに下降しちゃった.......

「――――――!」
「――――――――――――!?」

 わーい! 何だかよく分からないけど、おかちGETです!

「あれ? 何かおかちの壁が揺れてる!?」

 そして次の瞬間、おかちの壁が崩れたのです! 

「ふぁっ.......!?」

 周りを見てみると僕達の方へ視線が集まっています。やった本人の僕が一番困惑しています。適当に押したらおかちが沢山.......

「―――――――――!」
「――――――!?」

 んぅ? かえでねーたんの知り合いかな?

「―――――――――♪」
「あぅ.......」

 思わずかえでねーたんの後ろに隠れてしまいました。優しそうなお姉さんですが僕は知っています。見た目真面目そうな人でも中々にやばかったりと.......今までその前例が多々あった為、そのおかげで僕も警戒するようになりました。人は見た目だけで判断するのは難しいのです。

「エル.......ちゃ.......ん.......」
「ん? 何だこの子」

 黒髪の小さな女の子が、トコトコと僕の目の前まで歩み寄って来ました。まだ幼い幼女ですね。

「お、お嬢ちゃん.......どうしたのかな?」
「―――――――――!」

 この子あざといぞ!? 可愛い女の子じゃないか。ここは大人として、僕も冷静に対応してあげようではありませんか。小さな子は頭を撫でてあげれば喜ぶ筈です。あ、そうだ! このおかちもあげよう!

「お嬢ちゃん可愛い子だね~」
「はぅ.......!?」
「よしよし~♪ お兄さんがこのおかちをプレゼントしてあげよう♪」

 今の僕は幼女になってしまいましたが、中身は立派な大人です。ただ少し解せぬ所は、この子の方が僕より身長が少し高いと言う所ですかね。これでは大人としての威厳の欠片もありません。

「かえでねーたん!?」

 かえでねーたんの顔が飛んでも無いことになっています! あの顔は危ない.......いつものパターンだとこの後めちゃくちゃにされるやつです!

「―――――――――♡」
「はわっ.......!? こんな所で流石に不味いですよ!? 他の人が見てますよ!」

 んみゃああああああ.......!?
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!

くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作) 異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」

男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…

アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。 そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます

neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。 松田は新しい世界で会社員となり働くこととなる。 ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。 PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。 ↓ PS.投稿を再開します。ゆっくりな投稿頻度になってしまうかもですがあたたかく見守ってください。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

処理中です...