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第10話
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「二ノ宮?」
息を切らして森田君がやってきた。
肩で息をしながら、彼は言う。
「あれ?先輩と久野は?
って、二ノ宮泣いているの?え?何?」
あまりに、緊迫感のない森田君の登場に自然と笑みがこぼれた。
「森田君、私たち同時に失恋したみたいよ。」
「え?え?
うそ。え?どういうこと?
先輩と久野?
まじかよ~。」
森田君は大仰にがっくりと頭をかかえて地面にしゃがみこんでしまった。
「あーー。胸が苦しい。
俺も泣きそうだぁ~。」
私もつられてしゃがみこむ。
「あはは。泣いちゃいな~。
泣いちゃいなよ~。」
そういっている間にも私の目からはぽろぽろと涙がこぼれる。
明日には、きっとミキにも先輩にも会えるはずだと、自分にいい聞かせていた。
だけど、なぜだか心のどこかで、もう二人には二度と会えないことを知っていた。
「おっしゃーー。二ノ宮。こういう時は、好きなもの、おもいっきり食べよう!」
「あはは。どうせ、ラーメンとかいうんでしょう。
それじゃ、全然代わり映えしないと思うんだけど。」
「いや、違う。いつもは節約でラーメンの小だから。
今日はやけだ。こうなったら特大の大盛りを食べてやる!
ほら、もう泣くな!
いこうぜ!」
そう言って、森田君は立ち上がると手を差し出した。
私は、笑って森田君の手をとって立ち上がる。
いつのまにか雪が肩に、頭にふりつもっていた。
私は雪をはたきながら、空元気で言う。
「うし、行こう。
でも、ちょっと待って!」
私は手に残ったミキの置き土産をしっかりと握りなおし、なくさないように、大事にカバンの中にしまった。
息を切らして森田君がやってきた。
肩で息をしながら、彼は言う。
「あれ?先輩と久野は?
って、二ノ宮泣いているの?え?何?」
あまりに、緊迫感のない森田君の登場に自然と笑みがこぼれた。
「森田君、私たち同時に失恋したみたいよ。」
「え?え?
うそ。え?どういうこと?
先輩と久野?
まじかよ~。」
森田君は大仰にがっくりと頭をかかえて地面にしゃがみこんでしまった。
「あーー。胸が苦しい。
俺も泣きそうだぁ~。」
私もつられてしゃがみこむ。
「あはは。泣いちゃいな~。
泣いちゃいなよ~。」
そういっている間にも私の目からはぽろぽろと涙がこぼれる。
明日には、きっとミキにも先輩にも会えるはずだと、自分にいい聞かせていた。
だけど、なぜだか心のどこかで、もう二人には二度と会えないことを知っていた。
「おっしゃーー。二ノ宮。こういう時は、好きなもの、おもいっきり食べよう!」
「あはは。どうせ、ラーメンとかいうんでしょう。
それじゃ、全然代わり映えしないと思うんだけど。」
「いや、違う。いつもは節約でラーメンの小だから。
今日はやけだ。こうなったら特大の大盛りを食べてやる!
ほら、もう泣くな!
いこうぜ!」
そう言って、森田君は立ち上がると手を差し出した。
私は、笑って森田君の手をとって立ち上がる。
いつのまにか雪が肩に、頭にふりつもっていた。
私は雪をはたきながら、空元気で言う。
「うし、行こう。
でも、ちょっと待って!」
私は手に残ったミキの置き土産をしっかりと握りなおし、なくさないように、大事にカバンの中にしまった。
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