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出会い
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ザー…
ザー…
ザー…ザー…
雨が降る。梅雨の時期には長く雨が降る。
今の雨は当たると酸性が強すぎて当たるだけで皮膚が負けてしまう…一歩も外に出られない時期……本当につまらない…。
「早く雨止まないかな…こんな天気だと学校にも行けないよ…。お母さんどうにかならない⁇。」
お母さん
「雨は気まぐれだからねぇ。昔は普通に外に出られたんだけど、今の雨は皮膚に当たるだけで皮膚が負けてしまうからね…。」
大雨雫
「入学して2ヶ月も経つけど、梅雨に入ってから同じクラスの友達に会えてないよ。」
お母さん
「リモートで会ってるから、いいじゃん。」
大雨雫
『私の一回しかない高校生時代。もっと楽しいことしたいのに…。雨が降るだけで外に出られないつまらなさ。何かしたい。」
「せっかく高校生になったんだから雨でも学校に行きたいな…。」
ふと、窓の外を見てシンシンと雨が降っているのを見てしまう…。
お母さん
「冷蔵庫に何もないからちょっと遠いけど、スーパーに行って夕飯買ってくるね。」
「絶対に家から出ないでね。ちゃんとお留守番してるんだよ。」
私
「はーい…。」
もうそう答えるしかなかった…
生きがいのない、せっかくの高校生活…縛られた生活…何が楽しいんだろ…。
テレビを見ると晴れの地域では楽しそうに会話をしてる学生…いいな~…。
はぁ~…
ため息しか出てこない…
……あれ⁇ちょっと雨が止んできた…。
ちょっとだけ、外に出たい。家にずっといるのは嫌だ‼︎。これは私の人生だ。家にずっといるくらいなら…
私は鍵もせず、家をすぐに飛び出した。
梅雨景色の世界…いつ雨が降ってもおかしくない雲、黒い雲…雲の色が白以外にあることに驚きを隠せず、表情が無意識に笑顔になっていた。
雨の降った後の地面の濡れた感じ…この梅雨の時期にしか感じられない感覚を忘れないように身体全身で感じたかった…。しかし、
ポツ…ポツ……ポツ…ポツ…
雨がすぐに降ってきた。
やばい‼︎雨に当たっちゃう…急いで家に帰らないと…。……いや、雨宿りしてこの風景をずっと眺めていたい…家に帰ったらずっと家にいなきゃいけないから少しでも長くこの景色を見ていたい…。
『すいません…ここで少し雨宿りさせてください…。』
どんな店かも分からないけど、雨宿りさせてもらうことにした。
カラン
「お客さん⁇。早く入りなよ。」
私は何か分からない店に入らなきゃ行けない展開になりました…。どうしよ…。どうしよう…誰か…誰か…。
店員A
「お客さま一名入りまーす。」
店員B、C、D
「「「いらっしゃいませー。」」」
店長
「あれ?小さいお客さんだね。どうしたの⁇…迷子かな?…。お兄さんが優しく教えてあげるよ。」
どうしよう…どうしよう…本当…誰か…助けて‼︎怖い…怖いよ…。
カラン
……
店員
「いらっしゃいま……。」
オーナー
「なぁ…。」
店員
「は、はい。」
オーナー
「これ…どういう状況だ…。」
店長
「どういう状況かっていうのは…。」
オーナー
「高校生相手に何してんだって聞いてんだよ。あぁ‼︎。」
ガシャん‼︎
と、店の中にある1つのテーブルが壁に飛ばされました…。
オーナー
「本当は、ここの店は高校生入っちゃいけないけど、どんな人でもウチに入ったらひとまず全員が客のように席に案内して事情を聞くって入社面接の時に言ったよな。忘れたか?」
店長
「い、いえ…そんなことは…。この子が勝手に…。」
バン‼︎
と店に銃声が響いた…。
オーナー
「責任の意識がない奴はウチにはいらねぇんだよ。お前らはクビな。つーかちょうどな、警察がそこにいたから見てただけで何もしなかったってことで捕まってこい。」
店員A
「え…あの…。」
オーナー
「現場を見てたのに助けもしねぇで何をしてたんだ⁇。死か捕まってやり直すかどっちがいい⁇。」
店員A B C 「人生やり直します。」
バタン(ドアの閉じる音。)
大雨雫
「えっと…。この人、大丈夫ですか?」
撃たれた人(店員A)
「いやー、ペイント弾でも痛いですね~。みんな自首しに行きました⁇。まぁ、詳しく調べられたら過去の過ちも発覚して普通に捕まるだろうなぁ。良かったです。」
オーナー
「いや、俺は大丈夫だけど腹大丈夫か⁇。心臓とか肺とか臓器に当たらないように打ったつもりだが…。」
撃たれた人店員(A)
「全然大丈夫ですよ。何があってもいいように鍛えてますから。それに今日はプロテクターつけてますから。でも、これであの子たちも変わりますかね⁇。」
オーナー
「まぁ、俺らにできることは罪を認めさせるきっかけを与えることしかできないからな…今まで雇ってきたけど、考え方を変えることはできなかった。あとはもう…プロに任せるしかない。」
撃たれた人(店員A)
「俺らはできることをしましたもんね。ここから立ち去るように誘導することと、今、
速報でテレビでやってるけど、罪を自ら認めさせることができたからいいっすよね…。」
オーナー
「俺らはよくやった。」
撃たれた人(店員A)
「急に巻き込んじゃってごめんね。怖かったでしょ。ジュースでも飲む⁇。」
大雨雫
「…………。」
「……え?…。」
「まだ納得ができてないんだけど、何が起こったの⁇。」
オーナー
「ウチらは普通のバーだったんだけど、営業してるのが深夜の時間帯ってことで普通のバーだったのに悪い人が集まるようになって警察に頼んで一芝居組んだ訳。」
「俺がオーナーで、こいつが俺の弟の雄也だ。雄也の作るウォッカは美味しいぞ。」
大雨雫
「私、高校生です…。」
オーナー
「俺の時代は高校生から飲んでたけど、雄也はどうだった⁇いつから飲んでる⁇。」
雄也
「俺も高校生から飲んでるよ。オーナーの付き添いで高校生の時に飲んだ味が忘れられなくてその時から飲んでますよ。」
大雨雫
「みんな高校生の時から飲むのが普通なんですか⁇。」
オーナー
「あと、俺と雄也は男だからな…。カッコつけたい時期でもあるんだよ。」
大雨雫
「美味しいですか?…。」
雄也
「美味しいけど、オススメはしない。成長が止まったり、身体に異変が起こる可能性があるから。やめておいた方がいい。というか今の時代って厳しく禁止されてなかった⁇。」
雄也
「と、いうか家を出てきたって言うけど大丈夫なの?。」
大雨雫
「ちょっと電話貸してくれる⁇。」
雄也
「どうぞ。」
プルル…プルル…
大雨雫
「私、駆け落ちしました。私は高校生活を家で過ごすよりも大切なものを見つけられた気がするからこのチャンスを逃したくない。だから、駆け落ちを許してください。」
ツー…ツー…
雄也
「よかったの?愛情あるお母さんじゃない⁇。」
大雨雫
「私は一度しかない高校生活をもっと楽しみたいから大丈夫。」
「そろそろ、私も高校生だし、自立しないといけないと思うんだよ。それに、せっかく私が変わるチャンスなんだ。あの時、私を店に引っ張ってくれてありがとうございます。」
雄也
「急に引っ張って巻き込んでしまってごめんね。」
「駆け落ちといっても高校生でしょ。誰と駆け落ちする予定なの?」
大雨雫
「あなたと駆け落ちしたい。」
ガシャーン
オーナー
「雄也良かったじゃん。告白されるの11回目か⁇語呂的にいい関係に慣れるかもよ。」
雄也
「嬉しいけど、高校生に手を出す大学生ってダメでしょ。」
大雨雫
「それが許されるのが駆け落ちじゃないの⁇。」
雄也
「それに、駆け落ちするよりも学校に通っていい出会いをして恋人から始めて結婚した方がいいと思うけど…。」
オーナー
「雄也は運命は信じない派か?…時には勢いも必要だと思うぞ。」
雄也
「今じゃないと思います。それに、詐欺の可能性だってあるし…。」
オーナー
「美人局ってやつか⁇たとえ偽物だとしても
雄也を愛してくれるんだろ。俺は雄也の笑顔が見れるようになるだけで嬉しいけどな。」
大雨雫
「あ、あの…駆け落ち…。」
オーナー
「よし分かった。ちょっと待て。」
プルル…プルル
「あぁ、俺だ。2号店の店長の件、受けることにするよ。本店は雄也に任せる。………1人で大丈夫かって⁇。」
「目の前で雄也がプロポーズされてな。この店を譲ることにした。」
「………。
………
……。」
オーナー
「許可が取れたからこの店は雄也のものだ。自由に使っていいぞ。」
雄也
「急な話しだね。」
オーナー
「実はかなり前から2号店を検討しないかって話しがあって先延ばしにさせてもらっていたんだ。ちょうどいい機会だからやろうと思って…。」
「だから雄也との駆け落ち先はこのお店にしたらどう?」
雄也
「オーナーいいのか…。」
オーナー
「やっと、雄也に恩が返せるんだ。雄也がここに入ってくれたから赤字を回避するきっかけになった。」
「だから、これからは自由にこの子と幸せに暮らしてくれ。俺はお酒の美味しさを広めるという俺にできることをする。雄也は雄也にできることをすればいい。」
「俺の幸せは雄也のおかげで叶えることができた。今度は自分の幸せを願ってもいいと思うぞ。今まで本当にありがとう。」
そう言ってオーナーは店を出て2人だけの家になった。
そして、奇跡的な出会いをして生まれたのが私、大雨こころ(ひさめこころ)です。
大雨こころ
「だから先生。私の将来は駆け落ちしたいです。進路表の提出はこれしか考えられないです。」
担任の先生
「駆け落ちしたい相手でもいるの?こころって彼氏いたことあるの?」
大雨こころ
「いたことも告白したこともない。」
担任の先生
「告白は全て断ってるんだってね。人を信用できないと、この進路表は嘘だと思われるよ。駆け落ちするってことは恋愛以上に決意が必要だし、リスクも負うからこころちゃんの進路表は受け取れないな…。」
大雨こころ
「じゃあ、駆け落ちをする人を探す旅に出て行ってもいいですか⁇。」
担任の先生
「そう言って、こころの母の真似をしたいだけでしょ。」
大雨こころ
「ギク‼︎……ち、違いますよ~…。」
担任の先生
「全否定をする訳ではないけど、こころの母はいい出会いだったからハッピーエンドになったけど、こころが同じことをしていい人と巡り会える訳ではない…。それだけは知っておいて欲しい…。」
「そうだ‼︎明日から試験休みで5日間休みだよね。」
「隣の駅で祭りがあるから参加してみるのはどう⁇。いい出会いがあるかもしれないよ。出会いがなければ運命的な出逢いもできないから参加してみたら⁇。」
大雨こころ
「単にナンパされて来いと⁇。」
担任の先生
「ナンパされる。じゃなくていい人を見つけて声をかけてみたらどう?今まで自分から動かなかったけど、先生との会話を機に自分から探してはどうかなって思って…。」
「いい人じゃなかった時が怖いけど、こころは目利きというかちゃんと人をみる目はあると思うから。自分に合った人を見つけられると思うよ。それに、色んな人に会うことで自分が好きなタイプの人とか知る機会になるだろうし。」
大雨こころ
「先生って何か詳しいですね…。」
担任の先生
「全く詳しくないよ。まぁ、でも俺の嫁さんとの出会いは5回目の合コンで始めて会って気があって結婚したからな…。」
大雨こころ
「やっぱり出会いって求めないとダメなんでしょうか…。」
担任の先生
「ダメってことない。けど、出会いがなければ恋愛に繋がることもこころがしたいと思っている駆け落ちするパートナーも会えないよ。」
「けど、こころは若いから騙されることだってある。本当、いい人に会えるかどうか運だと思うから出会った人を信じすぎないように気をつけてね。」
大雨こころ
「だから、運命の出会いとか奇跡とかいうんですか⁇。」
担任の先生
「そうだよ。今の人口は世界を含めると1億くらいだけど、もっと昔なんかは4億以上の人がいたらしいからいい人に出会えたら本当に運命って言ったらしいよ。」
大雨こころ
「私、その祭りに参加したいです。どんな祭りですか?」
担任の先生
「屋台が多く出て、楽しいことがいっぱいできるよ。確か花火も打ち上げられるんじゃなかったっけ⁇.」
大雨こころ
「先生ありがとうございます。私、勉強するために行ってきます。」
担任の先生
「頑張れ‼︎。」
大雨こころ
『私の担任の先生は優しい人です。私のことを心身に考えてくれて誇れる先生です。そうだよな…駆け落ちも同じ考えの人で、しかも私のことを好きでいてくれる人じゃないとできない…。』
私は改めてお母さんや担任の先生の奇跡を凄いと思った。
大雨こころ
『先生が教えてくれたけど、私は母とは違う。私は母のように口がうまい訳でも身長が高い訳ではない…。私の持ってる武器は……髪が白くてサラサラで綺麗なことぐらいしかないな………あ、やば、泣きたい……。」
「私のいいところ見つけられない…先生…どうしよう…。」
担任の先生
「君のいいところは優しい、笑顔が可愛い、声が綺麗。とか多くあると思うけど…。」
大雨こころ
「先生、それは誰でも当てはまる褒め言葉です。」
担任の先生
「それ以上の褒め言葉は俺ではなくこころが好きになった人に初めて言ってもらうのがいいと思うんだ。」
「軽い言葉は誰でも言える。それ以上の言葉を言えるかどうかで愛情の重みが分かると思うんだ。俺の考えだがな。」
「告白だってそう。こころが言う場合で考えるけど、【好きです。付き合ってください】って言うよりも、【一緒に帰る時には必ず道路側を歩いてくれるところとか私が勉強で分からなそうにしてる時には必ず声をかけてくれるとか優しくて大好きです。もうあなたしか考えられないです。結婚を前提に私と付き合ってください。お願いします。】って言った方が気持ちを伝えられそうでしょ。」
「だから俺は抽象的なことしか言わない。重い言葉を言うのは奥さんにだけって決めてるから。俺は言わない。こころが好きになった人から言われることを望むよ。」
大雨こころ
「先生、ありがとうございます。未来を考えると楽しくなりますね。明日から頑張ってきます。」
「それに、先生と話すことで私のしたいことがはっきりしました。ありがとうございます。」
「進路希望調査票の提出は来週でいいですか⁇。」
担任の先生
「ここで来週にしたら、駆け落ちが上手くできないでしょ。話しは合わせておくから頑張りな。」
「こころの夢が叶うといいね。」
大雨こころ
「はい。」
私は白紙の進路調査票を持って職員室を出た
明日は隣の駅の祭り…お母さんみたいに私の運命の人に出会いたいです。
どうか、私の願いが叶いますように
ザー…
ザー…ザー…
雨が降る。梅雨の時期には長く雨が降る。
今の雨は当たると酸性が強すぎて当たるだけで皮膚が負けてしまう…一歩も外に出られない時期……本当につまらない…。
「早く雨止まないかな…こんな天気だと学校にも行けないよ…。お母さんどうにかならない⁇。」
お母さん
「雨は気まぐれだからねぇ。昔は普通に外に出られたんだけど、今の雨は皮膚に当たるだけで皮膚が負けてしまうからね…。」
大雨雫
「入学して2ヶ月も経つけど、梅雨に入ってから同じクラスの友達に会えてないよ。」
お母さん
「リモートで会ってるから、いいじゃん。」
大雨雫
『私の一回しかない高校生時代。もっと楽しいことしたいのに…。雨が降るだけで外に出られないつまらなさ。何かしたい。」
「せっかく高校生になったんだから雨でも学校に行きたいな…。」
ふと、窓の外を見てシンシンと雨が降っているのを見てしまう…。
お母さん
「冷蔵庫に何もないからちょっと遠いけど、スーパーに行って夕飯買ってくるね。」
「絶対に家から出ないでね。ちゃんとお留守番してるんだよ。」
私
「はーい…。」
もうそう答えるしかなかった…
生きがいのない、せっかくの高校生活…縛られた生活…何が楽しいんだろ…。
テレビを見ると晴れの地域では楽しそうに会話をしてる学生…いいな~…。
はぁ~…
ため息しか出てこない…
……あれ⁇ちょっと雨が止んできた…。
ちょっとだけ、外に出たい。家にずっといるのは嫌だ‼︎。これは私の人生だ。家にずっといるくらいなら…
私は鍵もせず、家をすぐに飛び出した。
梅雨景色の世界…いつ雨が降ってもおかしくない雲、黒い雲…雲の色が白以外にあることに驚きを隠せず、表情が無意識に笑顔になっていた。
雨の降った後の地面の濡れた感じ…この梅雨の時期にしか感じられない感覚を忘れないように身体全身で感じたかった…。しかし、
ポツ…ポツ……ポツ…ポツ…
雨がすぐに降ってきた。
やばい‼︎雨に当たっちゃう…急いで家に帰らないと…。……いや、雨宿りしてこの風景をずっと眺めていたい…家に帰ったらずっと家にいなきゃいけないから少しでも長くこの景色を見ていたい…。
『すいません…ここで少し雨宿りさせてください…。』
どんな店かも分からないけど、雨宿りさせてもらうことにした。
カラン
「お客さん⁇。早く入りなよ。」
私は何か分からない店に入らなきゃ行けない展開になりました…。どうしよ…。どうしよう…誰か…誰か…。
店員A
「お客さま一名入りまーす。」
店員B、C、D
「「「いらっしゃいませー。」」」
店長
「あれ?小さいお客さんだね。どうしたの⁇…迷子かな?…。お兄さんが優しく教えてあげるよ。」
どうしよう…どうしよう…本当…誰か…助けて‼︎怖い…怖いよ…。
カラン
……
店員
「いらっしゃいま……。」
オーナー
「なぁ…。」
店員
「は、はい。」
オーナー
「これ…どういう状況だ…。」
店長
「どういう状況かっていうのは…。」
オーナー
「高校生相手に何してんだって聞いてんだよ。あぁ‼︎。」
ガシャん‼︎
と、店の中にある1つのテーブルが壁に飛ばされました…。
オーナー
「本当は、ここの店は高校生入っちゃいけないけど、どんな人でもウチに入ったらひとまず全員が客のように席に案内して事情を聞くって入社面接の時に言ったよな。忘れたか?」
店長
「い、いえ…そんなことは…。この子が勝手に…。」
バン‼︎
と店に銃声が響いた…。
オーナー
「責任の意識がない奴はウチにはいらねぇんだよ。お前らはクビな。つーかちょうどな、警察がそこにいたから見てただけで何もしなかったってことで捕まってこい。」
店員A
「え…あの…。」
オーナー
「現場を見てたのに助けもしねぇで何をしてたんだ⁇。死か捕まってやり直すかどっちがいい⁇。」
店員A B C 「人生やり直します。」
バタン(ドアの閉じる音。)
大雨雫
「えっと…。この人、大丈夫ですか?」
撃たれた人(店員A)
「いやー、ペイント弾でも痛いですね~。みんな自首しに行きました⁇。まぁ、詳しく調べられたら過去の過ちも発覚して普通に捕まるだろうなぁ。良かったです。」
オーナー
「いや、俺は大丈夫だけど腹大丈夫か⁇。心臓とか肺とか臓器に当たらないように打ったつもりだが…。」
撃たれた人店員(A)
「全然大丈夫ですよ。何があってもいいように鍛えてますから。それに今日はプロテクターつけてますから。でも、これであの子たちも変わりますかね⁇。」
オーナー
「まぁ、俺らにできることは罪を認めさせるきっかけを与えることしかできないからな…今まで雇ってきたけど、考え方を変えることはできなかった。あとはもう…プロに任せるしかない。」
撃たれた人(店員A)
「俺らはできることをしましたもんね。ここから立ち去るように誘導することと、今、
速報でテレビでやってるけど、罪を自ら認めさせることができたからいいっすよね…。」
オーナー
「俺らはよくやった。」
撃たれた人(店員A)
「急に巻き込んじゃってごめんね。怖かったでしょ。ジュースでも飲む⁇。」
大雨雫
「…………。」
「……え?…。」
「まだ納得ができてないんだけど、何が起こったの⁇。」
オーナー
「ウチらは普通のバーだったんだけど、営業してるのが深夜の時間帯ってことで普通のバーだったのに悪い人が集まるようになって警察に頼んで一芝居組んだ訳。」
「俺がオーナーで、こいつが俺の弟の雄也だ。雄也の作るウォッカは美味しいぞ。」
大雨雫
「私、高校生です…。」
オーナー
「俺の時代は高校生から飲んでたけど、雄也はどうだった⁇いつから飲んでる⁇。」
雄也
「俺も高校生から飲んでるよ。オーナーの付き添いで高校生の時に飲んだ味が忘れられなくてその時から飲んでますよ。」
大雨雫
「みんな高校生の時から飲むのが普通なんですか⁇。」
オーナー
「あと、俺と雄也は男だからな…。カッコつけたい時期でもあるんだよ。」
大雨雫
「美味しいですか?…。」
雄也
「美味しいけど、オススメはしない。成長が止まったり、身体に異変が起こる可能性があるから。やめておいた方がいい。というか今の時代って厳しく禁止されてなかった⁇。」
雄也
「と、いうか家を出てきたって言うけど大丈夫なの?。」
大雨雫
「ちょっと電話貸してくれる⁇。」
雄也
「どうぞ。」
プルル…プルル…
大雨雫
「私、駆け落ちしました。私は高校生活を家で過ごすよりも大切なものを見つけられた気がするからこのチャンスを逃したくない。だから、駆け落ちを許してください。」
ツー…ツー…
雄也
「よかったの?愛情あるお母さんじゃない⁇。」
大雨雫
「私は一度しかない高校生活をもっと楽しみたいから大丈夫。」
「そろそろ、私も高校生だし、自立しないといけないと思うんだよ。それに、せっかく私が変わるチャンスなんだ。あの時、私を店に引っ張ってくれてありがとうございます。」
雄也
「急に引っ張って巻き込んでしまってごめんね。」
「駆け落ちといっても高校生でしょ。誰と駆け落ちする予定なの?」
大雨雫
「あなたと駆け落ちしたい。」
ガシャーン
オーナー
「雄也良かったじゃん。告白されるの11回目か⁇語呂的にいい関係に慣れるかもよ。」
雄也
「嬉しいけど、高校生に手を出す大学生ってダメでしょ。」
大雨雫
「それが許されるのが駆け落ちじゃないの⁇。」
雄也
「それに、駆け落ちするよりも学校に通っていい出会いをして恋人から始めて結婚した方がいいと思うけど…。」
オーナー
「雄也は運命は信じない派か?…時には勢いも必要だと思うぞ。」
雄也
「今じゃないと思います。それに、詐欺の可能性だってあるし…。」
オーナー
「美人局ってやつか⁇たとえ偽物だとしても
雄也を愛してくれるんだろ。俺は雄也の笑顔が見れるようになるだけで嬉しいけどな。」
大雨雫
「あ、あの…駆け落ち…。」
オーナー
「よし分かった。ちょっと待て。」
プルル…プルル
「あぁ、俺だ。2号店の店長の件、受けることにするよ。本店は雄也に任せる。………1人で大丈夫かって⁇。」
「目の前で雄也がプロポーズされてな。この店を譲ることにした。」
「………。
………
……。」
オーナー
「許可が取れたからこの店は雄也のものだ。自由に使っていいぞ。」
雄也
「急な話しだね。」
オーナー
「実はかなり前から2号店を検討しないかって話しがあって先延ばしにさせてもらっていたんだ。ちょうどいい機会だからやろうと思って…。」
「だから雄也との駆け落ち先はこのお店にしたらどう?」
雄也
「オーナーいいのか…。」
オーナー
「やっと、雄也に恩が返せるんだ。雄也がここに入ってくれたから赤字を回避するきっかけになった。」
「だから、これからは自由にこの子と幸せに暮らしてくれ。俺はお酒の美味しさを広めるという俺にできることをする。雄也は雄也にできることをすればいい。」
「俺の幸せは雄也のおかげで叶えることができた。今度は自分の幸せを願ってもいいと思うぞ。今まで本当にありがとう。」
そう言ってオーナーは店を出て2人だけの家になった。
そして、奇跡的な出会いをして生まれたのが私、大雨こころ(ひさめこころ)です。
大雨こころ
「だから先生。私の将来は駆け落ちしたいです。進路表の提出はこれしか考えられないです。」
担任の先生
「駆け落ちしたい相手でもいるの?こころって彼氏いたことあるの?」
大雨こころ
「いたことも告白したこともない。」
担任の先生
「告白は全て断ってるんだってね。人を信用できないと、この進路表は嘘だと思われるよ。駆け落ちするってことは恋愛以上に決意が必要だし、リスクも負うからこころちゃんの進路表は受け取れないな…。」
大雨こころ
「じゃあ、駆け落ちをする人を探す旅に出て行ってもいいですか⁇。」
担任の先生
「そう言って、こころの母の真似をしたいだけでしょ。」
大雨こころ
「ギク‼︎……ち、違いますよ~…。」
担任の先生
「全否定をする訳ではないけど、こころの母はいい出会いだったからハッピーエンドになったけど、こころが同じことをしていい人と巡り会える訳ではない…。それだけは知っておいて欲しい…。」
「そうだ‼︎明日から試験休みで5日間休みだよね。」
「隣の駅で祭りがあるから参加してみるのはどう⁇。いい出会いがあるかもしれないよ。出会いがなければ運命的な出逢いもできないから参加してみたら⁇。」
大雨こころ
「単にナンパされて来いと⁇。」
担任の先生
「ナンパされる。じゃなくていい人を見つけて声をかけてみたらどう?今まで自分から動かなかったけど、先生との会話を機に自分から探してはどうかなって思って…。」
「いい人じゃなかった時が怖いけど、こころは目利きというかちゃんと人をみる目はあると思うから。自分に合った人を見つけられると思うよ。それに、色んな人に会うことで自分が好きなタイプの人とか知る機会になるだろうし。」
大雨こころ
「先生って何か詳しいですね…。」
担任の先生
「全く詳しくないよ。まぁ、でも俺の嫁さんとの出会いは5回目の合コンで始めて会って気があって結婚したからな…。」
大雨こころ
「やっぱり出会いって求めないとダメなんでしょうか…。」
担任の先生
「ダメってことない。けど、出会いがなければ恋愛に繋がることもこころがしたいと思っている駆け落ちするパートナーも会えないよ。」
「けど、こころは若いから騙されることだってある。本当、いい人に会えるかどうか運だと思うから出会った人を信じすぎないように気をつけてね。」
大雨こころ
「だから、運命の出会いとか奇跡とかいうんですか⁇。」
担任の先生
「そうだよ。今の人口は世界を含めると1億くらいだけど、もっと昔なんかは4億以上の人がいたらしいからいい人に出会えたら本当に運命って言ったらしいよ。」
大雨こころ
「私、その祭りに参加したいです。どんな祭りですか?」
担任の先生
「屋台が多く出て、楽しいことがいっぱいできるよ。確か花火も打ち上げられるんじゃなかったっけ⁇.」
大雨こころ
「先生ありがとうございます。私、勉強するために行ってきます。」
担任の先生
「頑張れ‼︎。」
大雨こころ
『私の担任の先生は優しい人です。私のことを心身に考えてくれて誇れる先生です。そうだよな…駆け落ちも同じ考えの人で、しかも私のことを好きでいてくれる人じゃないとできない…。』
私は改めてお母さんや担任の先生の奇跡を凄いと思った。
大雨こころ
『先生が教えてくれたけど、私は母とは違う。私は母のように口がうまい訳でも身長が高い訳ではない…。私の持ってる武器は……髪が白くてサラサラで綺麗なことぐらいしかないな………あ、やば、泣きたい……。」
「私のいいところ見つけられない…先生…どうしよう…。」
担任の先生
「君のいいところは優しい、笑顔が可愛い、声が綺麗。とか多くあると思うけど…。」
大雨こころ
「先生、それは誰でも当てはまる褒め言葉です。」
担任の先生
「それ以上の褒め言葉は俺ではなくこころが好きになった人に初めて言ってもらうのがいいと思うんだ。」
「軽い言葉は誰でも言える。それ以上の言葉を言えるかどうかで愛情の重みが分かると思うんだ。俺の考えだがな。」
「告白だってそう。こころが言う場合で考えるけど、【好きです。付き合ってください】って言うよりも、【一緒に帰る時には必ず道路側を歩いてくれるところとか私が勉強で分からなそうにしてる時には必ず声をかけてくれるとか優しくて大好きです。もうあなたしか考えられないです。結婚を前提に私と付き合ってください。お願いします。】って言った方が気持ちを伝えられそうでしょ。」
「だから俺は抽象的なことしか言わない。重い言葉を言うのは奥さんにだけって決めてるから。俺は言わない。こころが好きになった人から言われることを望むよ。」
大雨こころ
「先生、ありがとうございます。未来を考えると楽しくなりますね。明日から頑張ってきます。」
「それに、先生と話すことで私のしたいことがはっきりしました。ありがとうございます。」
「進路希望調査票の提出は来週でいいですか⁇。」
担任の先生
「ここで来週にしたら、駆け落ちが上手くできないでしょ。話しは合わせておくから頑張りな。」
「こころの夢が叶うといいね。」
大雨こころ
「はい。」
私は白紙の進路調査票を持って職員室を出た
明日は隣の駅の祭り…お母さんみたいに私の運命の人に出会いたいです。
どうか、私の願いが叶いますように
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「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
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