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ここには居られないから
気配
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盛岡の駅まで歩くのは大変だった。足は痛いし人目は怖いし、見知った街なのに全く違う街みたいだった。駅について新幹線で仙台まで行こうかと思ったが、断念。乗ろうとしてSuicaを使えば魔女だということがバレる。
やはり夜を狙って飛んで進むしかない。
日中は盛岡に足止めだ。少し街を歩いてみる。喫茶店が多く、歩くとどこからか珈琲の香りのする街。どこかに入ろうかと思い橋を渡った。大きな橋だ。開運橋、縁起がいい。渡りきった途端である。下から吹き上げる風が髪を乱暴に旗めかせた。驚いて目を瞑り、うっすらと目を開けると。魔女が、飛んでいた。それもたくさんの魔女が。
理解出来ずぽかんと空を見上げていると、背後から肩を叩かれた。振り向くと背の高い綺麗なお姉さんが笑っていた。
「お嬢ちゃん盛岡初めて?」
「え…あ…いえ、初めてでは、ないですけど…」
緊張してどもってしまう。
「んー?」
目線をこちらに合わせてじっと見つめてきた。もしかして警察官なのだろうか。
「お嬢ちゃん魔女でしょう」
「…!いえ!違います!!!」
まずい。すぐに後ろを向いて走り出した。
「ちょっと待って!大丈夫だから!私も魔女だよ!」
立ち止まって振り返ると、走って追いかけてきてくれたのか、髪が崩れたお姉さんが、またにこやかに笑っていた。
「どうして…」
「魔女、こんなに沢山いるの珍しいかな?」
頷くとお姉さんはケタケタと笑いだした。
「そうだろうねぇ、他所から来た人は驚くよ。お嬢ちゃん、どこから来たの?」
「あの…もっと山の方から…」
「はっはっはっ…山の方、ねぇ…逃げてきたんだね」
「………」
ただ俯いてしまった。
「最近多いんだ、魔女狩りが始まってからね。ここは異界と近い場所だから、魔女の力が強まっててね。魔女の力で成り立ってるもんだから、追い出されたり捕まったりすることは無いよ。…今のところ、ね」
「ここは、安全なんですか…?」
お姉さんは力なく笑う。
「…他よりはってくらいさ」
やはり夜を狙って飛んで進むしかない。
日中は盛岡に足止めだ。少し街を歩いてみる。喫茶店が多く、歩くとどこからか珈琲の香りのする街。どこかに入ろうかと思い橋を渡った。大きな橋だ。開運橋、縁起がいい。渡りきった途端である。下から吹き上げる風が髪を乱暴に旗めかせた。驚いて目を瞑り、うっすらと目を開けると。魔女が、飛んでいた。それもたくさんの魔女が。
理解出来ずぽかんと空を見上げていると、背後から肩を叩かれた。振り向くと背の高い綺麗なお姉さんが笑っていた。
「お嬢ちゃん盛岡初めて?」
「え…あ…いえ、初めてでは、ないですけど…」
緊張してどもってしまう。
「んー?」
目線をこちらに合わせてじっと見つめてきた。もしかして警察官なのだろうか。
「お嬢ちゃん魔女でしょう」
「…!いえ!違います!!!」
まずい。すぐに後ろを向いて走り出した。
「ちょっと待って!大丈夫だから!私も魔女だよ!」
立ち止まって振り返ると、走って追いかけてきてくれたのか、髪が崩れたお姉さんが、またにこやかに笑っていた。
「どうして…」
「魔女、こんなに沢山いるの珍しいかな?」
頷くとお姉さんはケタケタと笑いだした。
「そうだろうねぇ、他所から来た人は驚くよ。お嬢ちゃん、どこから来たの?」
「あの…もっと山の方から…」
「はっはっはっ…山の方、ねぇ…逃げてきたんだね」
「………」
ただ俯いてしまった。
「最近多いんだ、魔女狩りが始まってからね。ここは異界と近い場所だから、魔女の力が強まっててね。魔女の力で成り立ってるもんだから、追い出されたり捕まったりすることは無いよ。…今のところ、ね」
「ここは、安全なんですか…?」
お姉さんは力なく笑う。
「…他よりはってくらいさ」
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