74 / 154
8章
72話「運命の神との対話」
しおりを挟む
ルーディスがアルガスト大陸に降臨して数日が経過した頃に、アルスとハルト、ディーリとリリスがエテルナとリルーズに呼ばれて部屋に赴く。その部屋にルーディスがいるのは4人は理解していたが、別に緊張をする事もなく通常時と同じ状態で部屋に訪れる。
リルーズが4人を出迎えるとアルスは部屋の中から感じる神気の強さと大きさに瞳を見開く。まるで、産まれ立ての神々が力を垂れ流しにしているかの様な神気の強さだと感じたからだ。
ハルトやディーリ、リリスも感じ取れているのか少し驚きを見せている。部屋の中に案内された4人はエテルナの待つ部屋の中で窓辺に据わっている青年に気付いて視線を集中させた。
「皆様、今日はお休みの所ご来訪してもらいありがとうございます」
「いえいえ、それであちらの方が?」
「間違いなく人間じゃない美しさを持っているわよね」
「姿は人間と変わらないのが救いではありますが」
「ルーディス神様かい? ようやくお目覚めのご様子で」
『……お前達は、運命の子達か』
「「「運命の子達?」」」
「それは……神々の計画に反対している人間だって意味か?」
『そう思うのであればそう受け取ってくれていい。私がルーディス……アルガスト大陸の4神の内の1神で長神だ』
青年の姿をしているルーディスとアルスは真っ向から向き合ったが、別に喧嘩をする為に向き合っているのではない。アルスにはルーディスの真意を知る権利があるとエテルナとリルーズから聞いていたのである。
神々の選んだ人間「守護者」の1人であるアルスには、神々の真意は知らないといけない事実でもあるが、それを知る為にもルーディスに話を聞かねばならない事は明白だと言える。そして、ルーディスもまたアルスが宿している光の力について感じる部分があるのだろう、アルスを見据えてからは表情に変化があった。
『お前……「守護者」か』
「そうだ。それも結構力を受け入れている方の「守護者」になっている。教えてくれ……神々は「守護者」を何の為に選ぶ? 何の為に「守護者」となった俺に道はあるのか?」
『神々が「守護者」を選ぶのは……自分達の余り過ぎた力を「守護者」を通してこのアルガスト大陸に流し込む為。そして、「守護者」をしているお前がその呪縛から解き放たれなければいずれその身は神々の力に耐え切れず朽ちるぞ』
「そんな……! アルスは神々に選ばれた「守護者」なのに、朽ちるなんて酷過ぎるわ!」
ディーリの言葉にハルトとリリスも頷くが、本人であるアルスは納得出来ているのか腕を組んで考え込んでいる。だが、暫くしてアルスはルーディスの瞳を見つめて1つの仮説を話し始める。
「ルーディス神、あんたなら分かるんじゃないか? 神々と精霊王達が何を目的に力を高めていたのかを。俺はその力は全てルーディス神、あんたの復活に必要だと思っていたんだが?」
『……。仮にそうだとして、何か答えがあるのか?』
「この答えが当たりなら、精霊王達はどうしてあんたを復活させようとした? 俺達にはその部分の答えは見えていないんだよ。教えてもらえるか?」
『教えるも何も……精霊王達は私を復活させて止めさせようとしているのだろう。神々の暴虐な計画を、楽園を生み出そうとしているアルドゥラ達を止めろと願っていたのだろうと思うが……』
「その計画ってなんだ? 楽園ってなんだよ。神々が一体何をしようとしているのか教えてくれ!」
アルスの言葉にルーディスは少し考える。今話したとしてもアルスやその仲間達にとっては無関係に近いと言ってもいい立ち位置ではある。
そして、その真実を知った上でこの人間達は神々をどう見るだろうかとはルーディスには分からない。だが、エテルナはそんなルーディスに寄り添ってそっと見つめると優しく告げてくる。
「ルーディス様、アルス様達は神々がまた生存戦争の様な戦争を人間達を始めとする種達にさせるのでは? と危惧されておいでなのです。当然、私も。ですので、お知りになっている事をお話してはもらえませんか?」
「俺達は神々の計画を知って、それを知った上で自分達の立ち回りを考えるつもりだ。でも、その計画について知る為にはルーディス神の、あんたの話を聞く必要があるんだよ」
『……ならば話す。神々、もといアルドゥラがメインになって進めている計画がある。それは……神々が選んだ種だけを生き残らせて、神々と共に新世界を開拓すると言う「楽園」計画が未だに動いているのだろう』
「その選ばれなかった種はどうなるのですか? まさかとは思いますけれど……」
『生き絶やすだろうな。そして、自分達の事を信仰して止まない種と共に新世界で楽園を築き上げていくつもりだ。だが、私はそれを許せなかった……正確には受け入れれなかったと言うべきか……だから堕とされたのだがな』
ルーディスの伝える楽園についての計画を聞いたアルスは、瞳にしっかりとした決意を宿らせていた。それはアルスだけではない、ハルトやディーリ、リリスにも同じ様に決意が宿っているのが分かる。
エテルナもその楽園計画を聞いて正直な所で言えば、ルーディス以外の神で信頼を置けるのは母神のアデリス神くらいだと考えている。ルーディスはアルス達を見つめて少し考えながら問い掛ける、自分の話でどう思ったのだろうかと。
『お前達はこの計画をどう思う? やはり神々の暴挙だと言うか?」
「当たり前の事を聞かないで。神々の身勝手さに腹が立つわ」
「いくら神々だからと言ってしていい事としてはいけない事はあると思います。その線引きをアルドゥラ神達はされておいででない」
「僕達は今を生きている。その生きている者達の命を見捨てて、自分達の都合のいい者達だけを救って新世界に連れて行くなんて、それはあまり喜ばしい行動ではありません」
「つまり、俺達はそんな計画を認めたりしない。潰すと決めた、今決めた。真面目に潰す」
アルスが怒りも露わにして右手を握り拳にしてから告げると、ハルトとディーリとリリスも同じ様に力一杯の握り拳を作る。これが生き残りたいとの強い意思を持つ種族の証拠だとルーディスは思った。
全ては神々への怒りだけではないのをルーディスはちゃんと感じ取れていた。そして、同時にアルスの中にある神々の力をどうにかする事も考えておく。
リルーズが全員分のお茶を用意し終わると、エテルナがルーディスにカップを差し出す。それを受け取りルーディスは温かい紅茶を飲みながら冷静さを維持する。
「とりあえず、分かったのは……神々は自分達の選んだ種だけを連れて新世界を作ろうとしている事。その新世界で選んだ種と共に楽園を作ろうとしようとしている……って事よね」
「それが未だにアルドゥラ神の指揮下の元で動いているとの事。それを阻止しなくてはなりませんね」
「そして、僕達はその計画に反乱する者達として神々と戦う事になるって事にも繋がる」
「いいさ。俺達が立ち上がって戦う事も意味のある事だと思うしよ。それに……俺達が立ち上がる事で他の種達を守れる事に繋がるのであれば、立ち上がる意味もあるんだ」
「皆様のご決断を私は心より応援したいなと思います。ルーディス様の巫女として生きる以上、他の神々とは相対する事も考えておりました。どの様な結果になるとしても、私も戦います」
『エテルナ……。何故、お前達はそこまで生きる事に執着出来るのだ? 天上界にいた頃から人間や他の種達は生きる事に命を燃やしているのを見てきた。死は誰にでも平等に訪れると言うのに』
ルーディスは自分の中にある疑問をアルス達に問い掛ける。その質問にはエテルナもしっかりと答える為に言葉を考える。
だが、アルスは至極簡単に答えを話す。アルスだからこそ、その答えが出せているのだろうともハルトはその時に感じていたが。
「俺は生きる為になら手段を選ばないけれども、死ぬ時は自分の意思で死にたい。誰かの為に生きて、誰かの為に死ぬなんて俺は器用じゃないから出来ない。でも、自分の為に生きて、自分の為に死ぬのは不器用でも出来るからさ」
「そうだね。僕達は誰かの為に生きる事は不器用でも、それでも自分の為になら生きれるし、死ぬのも自分の為なら簡単に死ねちゃうし。それは生きる中で当たり前の事なんじゃないかな」
『当たり前の事……それが生きる、という行動に繋がるという事か。本当にその行動をする者達を私は美しいとさえ思ってしまう。天上界の時にはその美しさに惹かれていたがな』
「私達、生ある者達は今を生きる事に全力で命を燃やします。そして、同時にその生きている人生を後悔のない人生にする為に、突き進んでいくのです」
エテルナはそう言って自分の胸の前で両手を組んで祈りを捧げる姿を取る。そして、その姿による祈りは全てルーディスへと捧げられているのだ。
ルーディスはアルス達の言葉に何かを考える様に瞳を紅茶が入っているカップに向ける。そのカップ内の紅茶にはルーディスの見つめている表情が浮かんでいるのが視界に入る。
このまま行けば、アルス達は神々との戦いを始める為に色々と準備をし始めるだろうと言う事は理解出来ている。そして、その中に愛するエテルナも恐らく混ざっている事は言うまでもないだろう。
ハルトはアルスの隣でアルスの横顔を見つめながら何かを考えている。アルスの気持ちは分かるのだから不安になる必要はない筈なのに……ハルトは何故か不安を覚えていた。
「アルス……」
「ん? どうしたハルト?」
「……やっぱりいい。なんでもない」
「??、変なの」
アルスの事が分からない、そう言えたらハルトはこんなにも不安になる必要はないのだろうと思ってしまう。だが、アルスの考えが分からないのだ。
それが何を意味するかはハルトには分からない訳ではなかった。だが、ちゃんと話をすれば解決出来る、そう信じて今は黙っておこうと考えていたハルト。
だが、それが後々になってアルスとハルトの関係性を微妙に変えて行く事になるとはまだこの時点ではハルトには分からない事であった。そう、徐々に運命の流転は始まり出しているのである――――。
リルーズが4人を出迎えるとアルスは部屋の中から感じる神気の強さと大きさに瞳を見開く。まるで、産まれ立ての神々が力を垂れ流しにしているかの様な神気の強さだと感じたからだ。
ハルトやディーリ、リリスも感じ取れているのか少し驚きを見せている。部屋の中に案内された4人はエテルナの待つ部屋の中で窓辺に据わっている青年に気付いて視線を集中させた。
「皆様、今日はお休みの所ご来訪してもらいありがとうございます」
「いえいえ、それであちらの方が?」
「間違いなく人間じゃない美しさを持っているわよね」
「姿は人間と変わらないのが救いではありますが」
「ルーディス神様かい? ようやくお目覚めのご様子で」
『……お前達は、運命の子達か』
「「「運命の子達?」」」
「それは……神々の計画に反対している人間だって意味か?」
『そう思うのであればそう受け取ってくれていい。私がルーディス……アルガスト大陸の4神の内の1神で長神だ』
青年の姿をしているルーディスとアルスは真っ向から向き合ったが、別に喧嘩をする為に向き合っているのではない。アルスにはルーディスの真意を知る権利があるとエテルナとリルーズから聞いていたのである。
神々の選んだ人間「守護者」の1人であるアルスには、神々の真意は知らないといけない事実でもあるが、それを知る為にもルーディスに話を聞かねばならない事は明白だと言える。そして、ルーディスもまたアルスが宿している光の力について感じる部分があるのだろう、アルスを見据えてからは表情に変化があった。
『お前……「守護者」か』
「そうだ。それも結構力を受け入れている方の「守護者」になっている。教えてくれ……神々は「守護者」を何の為に選ぶ? 何の為に「守護者」となった俺に道はあるのか?」
『神々が「守護者」を選ぶのは……自分達の余り過ぎた力を「守護者」を通してこのアルガスト大陸に流し込む為。そして、「守護者」をしているお前がその呪縛から解き放たれなければいずれその身は神々の力に耐え切れず朽ちるぞ』
「そんな……! アルスは神々に選ばれた「守護者」なのに、朽ちるなんて酷過ぎるわ!」
ディーリの言葉にハルトとリリスも頷くが、本人であるアルスは納得出来ているのか腕を組んで考え込んでいる。だが、暫くしてアルスはルーディスの瞳を見つめて1つの仮説を話し始める。
「ルーディス神、あんたなら分かるんじゃないか? 神々と精霊王達が何を目的に力を高めていたのかを。俺はその力は全てルーディス神、あんたの復活に必要だと思っていたんだが?」
『……。仮にそうだとして、何か答えがあるのか?』
「この答えが当たりなら、精霊王達はどうしてあんたを復活させようとした? 俺達にはその部分の答えは見えていないんだよ。教えてもらえるか?」
『教えるも何も……精霊王達は私を復活させて止めさせようとしているのだろう。神々の暴虐な計画を、楽園を生み出そうとしているアルドゥラ達を止めろと願っていたのだろうと思うが……』
「その計画ってなんだ? 楽園ってなんだよ。神々が一体何をしようとしているのか教えてくれ!」
アルスの言葉にルーディスは少し考える。今話したとしてもアルスやその仲間達にとっては無関係に近いと言ってもいい立ち位置ではある。
そして、その真実を知った上でこの人間達は神々をどう見るだろうかとはルーディスには分からない。だが、エテルナはそんなルーディスに寄り添ってそっと見つめると優しく告げてくる。
「ルーディス様、アルス様達は神々がまた生存戦争の様な戦争を人間達を始めとする種達にさせるのでは? と危惧されておいでなのです。当然、私も。ですので、お知りになっている事をお話してはもらえませんか?」
「俺達は神々の計画を知って、それを知った上で自分達の立ち回りを考えるつもりだ。でも、その計画について知る為にはルーディス神の、あんたの話を聞く必要があるんだよ」
『……ならば話す。神々、もといアルドゥラがメインになって進めている計画がある。それは……神々が選んだ種だけを生き残らせて、神々と共に新世界を開拓すると言う「楽園」計画が未だに動いているのだろう』
「その選ばれなかった種はどうなるのですか? まさかとは思いますけれど……」
『生き絶やすだろうな。そして、自分達の事を信仰して止まない種と共に新世界で楽園を築き上げていくつもりだ。だが、私はそれを許せなかった……正確には受け入れれなかったと言うべきか……だから堕とされたのだがな』
ルーディスの伝える楽園についての計画を聞いたアルスは、瞳にしっかりとした決意を宿らせていた。それはアルスだけではない、ハルトやディーリ、リリスにも同じ様に決意が宿っているのが分かる。
エテルナもその楽園計画を聞いて正直な所で言えば、ルーディス以外の神で信頼を置けるのは母神のアデリス神くらいだと考えている。ルーディスはアルス達を見つめて少し考えながら問い掛ける、自分の話でどう思ったのだろうかと。
『お前達はこの計画をどう思う? やはり神々の暴挙だと言うか?」
「当たり前の事を聞かないで。神々の身勝手さに腹が立つわ」
「いくら神々だからと言ってしていい事としてはいけない事はあると思います。その線引きをアルドゥラ神達はされておいででない」
「僕達は今を生きている。その生きている者達の命を見捨てて、自分達の都合のいい者達だけを救って新世界に連れて行くなんて、それはあまり喜ばしい行動ではありません」
「つまり、俺達はそんな計画を認めたりしない。潰すと決めた、今決めた。真面目に潰す」
アルスが怒りも露わにして右手を握り拳にしてから告げると、ハルトとディーリとリリスも同じ様に力一杯の握り拳を作る。これが生き残りたいとの強い意思を持つ種族の証拠だとルーディスは思った。
全ては神々への怒りだけではないのをルーディスはちゃんと感じ取れていた。そして、同時にアルスの中にある神々の力をどうにかする事も考えておく。
リルーズが全員分のお茶を用意し終わると、エテルナがルーディスにカップを差し出す。それを受け取りルーディスは温かい紅茶を飲みながら冷静さを維持する。
「とりあえず、分かったのは……神々は自分達の選んだ種だけを連れて新世界を作ろうとしている事。その新世界で選んだ種と共に楽園を作ろうとしようとしている……って事よね」
「それが未だにアルドゥラ神の指揮下の元で動いているとの事。それを阻止しなくてはなりませんね」
「そして、僕達はその計画に反乱する者達として神々と戦う事になるって事にも繋がる」
「いいさ。俺達が立ち上がって戦う事も意味のある事だと思うしよ。それに……俺達が立ち上がる事で他の種達を守れる事に繋がるのであれば、立ち上がる意味もあるんだ」
「皆様のご決断を私は心より応援したいなと思います。ルーディス様の巫女として生きる以上、他の神々とは相対する事も考えておりました。どの様な結果になるとしても、私も戦います」
『エテルナ……。何故、お前達はそこまで生きる事に執着出来るのだ? 天上界にいた頃から人間や他の種達は生きる事に命を燃やしているのを見てきた。死は誰にでも平等に訪れると言うのに』
ルーディスは自分の中にある疑問をアルス達に問い掛ける。その質問にはエテルナもしっかりと答える為に言葉を考える。
だが、アルスは至極簡単に答えを話す。アルスだからこそ、その答えが出せているのだろうともハルトはその時に感じていたが。
「俺は生きる為になら手段を選ばないけれども、死ぬ時は自分の意思で死にたい。誰かの為に生きて、誰かの為に死ぬなんて俺は器用じゃないから出来ない。でも、自分の為に生きて、自分の為に死ぬのは不器用でも出来るからさ」
「そうだね。僕達は誰かの為に生きる事は不器用でも、それでも自分の為になら生きれるし、死ぬのも自分の為なら簡単に死ねちゃうし。それは生きる中で当たり前の事なんじゃないかな」
『当たり前の事……それが生きる、という行動に繋がるという事か。本当にその行動をする者達を私は美しいとさえ思ってしまう。天上界の時にはその美しさに惹かれていたがな』
「私達、生ある者達は今を生きる事に全力で命を燃やします。そして、同時にその生きている人生を後悔のない人生にする為に、突き進んでいくのです」
エテルナはそう言って自分の胸の前で両手を組んで祈りを捧げる姿を取る。そして、その姿による祈りは全てルーディスへと捧げられているのだ。
ルーディスはアルス達の言葉に何かを考える様に瞳を紅茶が入っているカップに向ける。そのカップ内の紅茶にはルーディスの見つめている表情が浮かんでいるのが視界に入る。
このまま行けば、アルス達は神々との戦いを始める為に色々と準備をし始めるだろうと言う事は理解出来ている。そして、その中に愛するエテルナも恐らく混ざっている事は言うまでもないだろう。
ハルトはアルスの隣でアルスの横顔を見つめながら何かを考えている。アルスの気持ちは分かるのだから不安になる必要はない筈なのに……ハルトは何故か不安を覚えていた。
「アルス……」
「ん? どうしたハルト?」
「……やっぱりいい。なんでもない」
「??、変なの」
アルスの事が分からない、そう言えたらハルトはこんなにも不安になる必要はないのだろうと思ってしまう。だが、アルスの考えが分からないのだ。
それが何を意味するかはハルトには分からない訳ではなかった。だが、ちゃんと話をすれば解決出来る、そう信じて今は黙っておこうと考えていたハルト。
だが、それが後々になってアルスとハルトの関係性を微妙に変えて行く事になるとはまだこの時点ではハルトには分からない事であった。そう、徐々に運命の流転は始まり出しているのである――――。
0
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
祖国に棄てられた少年は賢者に愛される
結衣可
BL
祖国に棄てられた少年――ユリアン。
彼は王家の反逆を疑われ、追放された身だと信じていた。
その真実は、前王の庶子。王位継承権を持ち、権力争いの渦中で邪魔者として葬られようとしていたのだった。
絶望の中、彼を救ったのは、森に隠棲する冷徹な賢者ヴァルター。
誰も寄せつけない彼が、なぜかユリアンを庇護し、結界に守られた森の家で共に過ごすことになるが、王都の陰謀は止まらず、幾度も追っ手が迫る。
棄てられた少年と、孤独な賢者。
陰謀に覆われた王国の中で二人が選ぶ道は――。
虐げられている魔術師少年、悪魔召喚に成功したところ国家転覆にも成功する
あかのゆりこ
BL
主人公のグレン・クランストンは天才魔術師だ。ある日、失われた魔術の復活に成功し、悪魔を召喚する。その悪魔は愛と性の悪魔「ドーヴィ」と名乗り、グレンに契約の代償としてまさかの「口づけ」を提示してきた。
領民を守るため、王家に囚われた姉を救うため、グレンは致し方なく自分の唇(もちろん未使用)を差し出すことになる。
***
王家に虐げられて不遇な立場のトラウマ持ち不幸属性主人公がスパダリ系悪魔に溺愛されて幸せになるコメディの皮を被ったそこそこシリアスなお話です。
・ハピエン
・CP左右固定(リバありません)
・三角関係及び当て馬キャラなし(相手違いありません)
です。
べろちゅーすらないキスだけの健全ピュアピュアなお付き合いをお楽しみください。
***
2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。
溺愛の加速が尋常じゃない!?~味方作りに全振りしたら兄たちに溺愛されました~
液体猫(299)
BL
毎日AM2:10分に予約投稿。
*執着脳筋ヤンデレイケメン×儚げ美人受け
【《血の繋がりは"絶対"ではない。》この言葉を胸に、クリスがひたすら生きる物語】
大陸の全土を治めるアルバディア王国の第五皇子クリスは謂れのない罪を背負わされ、処刑されてしまう。
けれど次に目を覚ましたとき、彼は子供の姿になっていた。
これ幸いにと、クリスは過去の自分と同じ過ちを繰り返さないようにと自ら行動を起こす。巻き戻す前の世界とは異なるけれど同じ場所で、クリスは生き残るために知恵を振り絞っていく。
かわいい末っ子が兄たちに可愛がられ、溺愛されていくほのぼの物語。やり直しもほどほどに。罪を着せた者への復讐はついで。そんな気持ちで、新たな人生を謳歌するマイペースで、コミカル&シリアスなクリスの物語です。
主人公は後に18歳へと成長します(*・ω・)*_ _)ペコリ
⚠️濡れ場のサブタイトルに*のマークがついてます。冒頭のみ重い展開あり。それ以降はコミカルでほのぼの✌
⚠️本格的な塗れ場シーンは三章(18歳になって)からとなります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる