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7章
48話「地獄絵図とはまさにこの事を示す」
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ルシスはフェランドとガイアにある物を差し出す、それは2人にはよく見知っているものではあった。それは騎士として忠誠を誓った騎士から捧げられる誓いの証として有名な髪の毛の少量の束。
それをルシスが持っていると言う事はアガルダにも騎士がいるのだろうと分かる。だが、ルシスはその髪の毛の束を胸元に抱き締めて切なそうに呟く。
「彼は決して闇に染まるべき人では無かったのです……彼こそアガルダではなく貴方達の味方として生きるべきだった……でも、彼は騎士故に主を求めてしまう……」
「その騎士を止めて貴方に会わせればいいいいのかい?」
「だが、騎士は一度主と決めた者に忠誠を誓うからな。簡単に主を変えたりは出来ないだろうぜ」
「彼は……イシュは私を見てくれれば、主として認めてくれれば、光の場所に連れて行けるのですが……運命の者達である貴方方にお願いします。イシュをどうか私の元にお連れ下さい。アガルダではなく、私の元に」
「イシュさんは何処にいるの? 居場所も分からない?」
「でもアガルダの元にいるのは違いないだろうと思うよ。だってアガルダの力に染まろうとしているんでしょ?」
ルプスとジェイドの言葉にルシスも小さく頷く。それはそれでガイアには少し考えてみる作戦もあった。
フェランドとヴォルグはルシスがその騎士に何を求めているのか気になっていたが、フェランドはルシスの耳に付いているイヤリングを見て何かを思い出そうとしていた。ルシスが付けているのは水色の宝石を雫石の様にカッティングされたトップが揺れている。
「うーん……」
「どうしたんだフェランド?」
「ルシスさんが付けているイヤリング見ていると何かを思い出そうとしているんだよね……」
「何かを思い出す? なんだろうなそれ」
「分からない。分からないんだけれど、何かが引っ掛かっているんだ」
「どうかされましたか……?」
「あ、貴方のイヤリングが何か俺の記憶に引っ掛かっていて」
フェランドはルシスにそのまま静かに伝える。ルシスもフェランドの言葉を聞いて首を小さく傾げてしまう、心当たりは無い様であった。フェランドは揺れるイヤリングに何を思い出そうとしているのか。
ガイアがルシスに1つの質問をしてみる。それにルシスも真剣な表情で答える。
「ルシス、城内の何処に何があるか教えてもらう事は出来るか?」
「はい、構いません。こちらが城内の地図になります。まずはここに……」
「アルフォード様とエヴァ様の導きのお陰……あ、思い出した」
「思い出したのかフェランド?」
「イヤリングはエヴァ様が付けていたのを見た記憶があったから引っ掛かっていたんだよ」
「フェランドはエヴァ様の事を思い出していた。それはとても意味のある事だと思う」
ルプスの瞳には優しい色が宿っているのをフェランドは見てた。そして、同時にどうしてエヴァの事を思い出そうとしていたのか? そこに疑問を感じてしまう。
エヴァとアルフォードの魂がこの教会にあったから? 違う様な気がしているが答えが見出せる条件には中々揃わない。ガイアとルシスが話し合いを終えているとルシスはガイアに鍵を手渡していた。
城内に入り込む為の鍵であろうとフェランドは見ていたし、ガイアもそのつもりだったのだろう。そして、ルシスは静かに教会を出て行った。
いよいよオジナル城へ向かう事になる。それは決して明るい光は考えられないだろうが諦める事は出来ない。
「ルシスがタイミングを見て状況に合わせた支援を行うらしい。その支援を受ける前に城内へと入り込む事を考えないといけない」
「城内も闇の領域だろうね。光を受け入れるには城内でアガルダに反抗心を持っている者達を味方にしなくちゃいけない……」
「殆どいないと思う。俺が捕まっていた時も殆ど闇の力に染まっている魔族達で支配されていたから」
「だからこそ、ルシスの様な存在が隠れている可能性もある。城内の事を把握しているのは結構強い」
ガイアとフェランドを先頭に教会を出た5人は城下が地獄絵図状態になっているのを見てしまう。アンデットになっている元市民達がお互いを殺し合っているのであった。
見た目はお互いの身体を武器で刺し合っている状態に近いが、遠目からしても異様な光景ではあった。これは正直あまりいいとは言えない、と全員が眉根を寄せる。
アンデットであってもお互いを殺し合うのは嫌なのであろう、血の涙が骨の顔である頬骨を伝い流れていく。ルプスが辛そうに瞳を細めていた。
全員が気配を消してオジナル城に向かう。ガイアの手に握られている地図によるとこの先に兵士達専用の出入口があるという。
「この入口か?」
「地図によれば……ここだな。鍵はこれだ」
ルシスから渡されていた鍵を使って扉を開けると城内へと忍び込んでいく。意外と城内には敵の姿は見えなかった。
ガイアの先導で警戒をしながら進んでいくのはまずはイシュがいるだろう部屋の場所。今回イシュをルシスに会わせるのが目的でもある。
イシュの部屋だと思われる部屋にルシスから聞いていた回数のノックをすると、イシュだろう人物が静かにドアを開けて室内にガイア達を招き入れてくれた。そして明るい室内の中でイシュと対面するガイア達。
「あんたがイシュさんかい?」
「えぇ、私がイシュです。貴方方は運命の方々ですね?」
「俺達は貴方をルシスさんに会わせる為に来たんです。お話を聞かせてはもらえませんか? どうして貴方がアガルダに仕えようとしているのかを」
イシュは白銀の髪の毛を耳までの長さで維持し、顔立ちはとても綺麗系な顔立ちをして、瞳はゴールドアイであった。一見黙っていれば女性の様な美しい男性である。
ガイアがイシュの瞳を見て思ったのは、この男性は迷っているのが伺える。それだけイシュという人物は騎士としてもだが、人物的にも優秀故に迷うのだと思われた。
イシュはフェランドの瞳を真っ直ぐに見つめて話し始める。自分がアガルダに仕えようとしている理由を。
「私は家族をアガルダに殺されました。このオジナルが支配された時に覚悟はしておりました……頭ではこの行為が許されない事である事は充分に理解はしているのです。でも……私は1人の人間としてアガルダの命を奪いたい。家族の仇を討つ為に……」
「復讐の為にアガルダの騎士になる、と言う事ですか?」
「騎士としての誇りよりも1人の人間としての心に従うって事か……」
「それが間違っているとは充分に理解しているんだし、いいんじゃない?」
「でも、アガルダはそんな気持ちを利用すると思う」
ヴォルグがイシュの前に手を差し出す。その手にはルシスが持っていたイシュの髪の毛を受け取っていた髪の束が握り締められていた。
イシュはその束を見て苦々しい表情を浮かべてしまう。イシュにはそんな醜い感情に染まって欲しくないとガイア達は思ってしまう。
フェランドがそんなイシュの心を救う為に言葉を紡ぐ。それはきっとフェランドだから言える言葉でもある。
「イシュさん、騎士でありたいのであればアガルダではなくルシスさんに力を貸せばよろしいんですよ。アガルダの半身でありながら俺達光ある者達に力を貸すルシスさんにならイシュさんの剣は必要だと思うから」
「ルシス様に……でも、私の様な復讐に染まろうとしている騎士を受け入れてもらえるのかは……」
「そこは平気だと思うぞ。ルシスはあんたの事をかなり心配している様でもあったしな。なぁガイア?」
「あぁ。ルシスはイシュの事を止めて欲しい、そう願って俺達に頼んできたんだ。復讐は出来ないとしても、騎士として守るべき主を得れるのは復讐より大事な事だと俺は思う」
フェランドとガイアとヴォルグの言葉にイシュは心が揺れる。イシュの剣が必要なのはアガルダではない、ルシスである事に全員は気付いている。
イシュは少しだけ瞳を伏せて考え込んでいた。それをガイアとフェランドを始めとする運命の者達は静かに見守る。
そして、イシュの瞳が開かれると静かにイシュは言葉を紡ぐ。それはイシュの瞳が決意を秘めている色を宿しているので本気だと分かった。
「私はルシス様にお仕えします。主としてあの方を守れる騎士として、復讐ではなく、1人の騎士として剣を握ります」
「うん、イシュさんの剣ならきっとルシスさんを守れると思います。だって、こんなにも優しくて強い力を持つイシュさんならアガルダには負けないと思うから」
「それとは別にイシュならルシスの事を理解出来ると思う。主を理解して、守るのはそう簡単な事じゃないからな」
フェランドとガイアの言葉にルプス達も深く頷く。そして、それは同時にイシュの事を信じた事に繋がった。
イシュはルシスの元に行くと告げて部屋から出て行く。ここからアガルダとの全面戦闘が始まる。
城内に入り込んだのは当然知られているだろうし、ルシスの元にだって何かしらの手が差し向けられている可能性だってある。それを考えた上でガイアとフェランドを始めとする運命の者達は動かなくてはならない。
そして、アガルダの力を削ぐ為にも行わないといけない事もある。それはこの城の最深部にあるとされている「マナの聖樹」の解放である。
この聖樹を解放する事で多少ではあるが、アガルダの闇の力が削れるとルシスが告げている。その言葉もあるが、何よりフェランドがそのマナの聖樹を解放するべきだと思っている。
「まずは城の最深部に向かうぞ。何もしないよりかはした方がいいだろうからな」
「アガルダの手の者達もいるだろうし、油断は出来ない。気を引き締めていこう」
ルプスとヴォルグ、ジェイドも2人の言葉に同意する。そしてイシュの部屋から出た5人は静かに城の最深部に続く階段を探す為に城内を歩き回る。
それを水晶で眺めているアガルダは無表情で見つめている。そんなアガルダを心配そうにヴェレネットが見守るが、アガルダの力は揺るぎない力になりつつある。
「人間など、所詮は小虫程度の存在……鬱陶しいな」
アガルダの瞳には闇の力が溢れ始めている。直に決戦の時が近いだろう――――。
それをルシスが持っていると言う事はアガルダにも騎士がいるのだろうと分かる。だが、ルシスはその髪の毛の束を胸元に抱き締めて切なそうに呟く。
「彼は決して闇に染まるべき人では無かったのです……彼こそアガルダではなく貴方達の味方として生きるべきだった……でも、彼は騎士故に主を求めてしまう……」
「その騎士を止めて貴方に会わせればいいいいのかい?」
「だが、騎士は一度主と決めた者に忠誠を誓うからな。簡単に主を変えたりは出来ないだろうぜ」
「彼は……イシュは私を見てくれれば、主として認めてくれれば、光の場所に連れて行けるのですが……運命の者達である貴方方にお願いします。イシュをどうか私の元にお連れ下さい。アガルダではなく、私の元に」
「イシュさんは何処にいるの? 居場所も分からない?」
「でもアガルダの元にいるのは違いないだろうと思うよ。だってアガルダの力に染まろうとしているんでしょ?」
ルプスとジェイドの言葉にルシスも小さく頷く。それはそれでガイアには少し考えてみる作戦もあった。
フェランドとヴォルグはルシスがその騎士に何を求めているのか気になっていたが、フェランドはルシスの耳に付いているイヤリングを見て何かを思い出そうとしていた。ルシスが付けているのは水色の宝石を雫石の様にカッティングされたトップが揺れている。
「うーん……」
「どうしたんだフェランド?」
「ルシスさんが付けているイヤリング見ていると何かを思い出そうとしているんだよね……」
「何かを思い出す? なんだろうなそれ」
「分からない。分からないんだけれど、何かが引っ掛かっているんだ」
「どうかされましたか……?」
「あ、貴方のイヤリングが何か俺の記憶に引っ掛かっていて」
フェランドはルシスにそのまま静かに伝える。ルシスもフェランドの言葉を聞いて首を小さく傾げてしまう、心当たりは無い様であった。フェランドは揺れるイヤリングに何を思い出そうとしているのか。
ガイアがルシスに1つの質問をしてみる。それにルシスも真剣な表情で答える。
「ルシス、城内の何処に何があるか教えてもらう事は出来るか?」
「はい、構いません。こちらが城内の地図になります。まずはここに……」
「アルフォード様とエヴァ様の導きのお陰……あ、思い出した」
「思い出したのかフェランド?」
「イヤリングはエヴァ様が付けていたのを見た記憶があったから引っ掛かっていたんだよ」
「フェランドはエヴァ様の事を思い出していた。それはとても意味のある事だと思う」
ルプスの瞳には優しい色が宿っているのをフェランドは見てた。そして、同時にどうしてエヴァの事を思い出そうとしていたのか? そこに疑問を感じてしまう。
エヴァとアルフォードの魂がこの教会にあったから? 違う様な気がしているが答えが見出せる条件には中々揃わない。ガイアとルシスが話し合いを終えているとルシスはガイアに鍵を手渡していた。
城内に入り込む為の鍵であろうとフェランドは見ていたし、ガイアもそのつもりだったのだろう。そして、ルシスは静かに教会を出て行った。
いよいよオジナル城へ向かう事になる。それは決して明るい光は考えられないだろうが諦める事は出来ない。
「ルシスがタイミングを見て状況に合わせた支援を行うらしい。その支援を受ける前に城内へと入り込む事を考えないといけない」
「城内も闇の領域だろうね。光を受け入れるには城内でアガルダに反抗心を持っている者達を味方にしなくちゃいけない……」
「殆どいないと思う。俺が捕まっていた時も殆ど闇の力に染まっている魔族達で支配されていたから」
「だからこそ、ルシスの様な存在が隠れている可能性もある。城内の事を把握しているのは結構強い」
ガイアとフェランドを先頭に教会を出た5人は城下が地獄絵図状態になっているのを見てしまう。アンデットになっている元市民達がお互いを殺し合っているのであった。
見た目はお互いの身体を武器で刺し合っている状態に近いが、遠目からしても異様な光景ではあった。これは正直あまりいいとは言えない、と全員が眉根を寄せる。
アンデットであってもお互いを殺し合うのは嫌なのであろう、血の涙が骨の顔である頬骨を伝い流れていく。ルプスが辛そうに瞳を細めていた。
全員が気配を消してオジナル城に向かう。ガイアの手に握られている地図によるとこの先に兵士達専用の出入口があるという。
「この入口か?」
「地図によれば……ここだな。鍵はこれだ」
ルシスから渡されていた鍵を使って扉を開けると城内へと忍び込んでいく。意外と城内には敵の姿は見えなかった。
ガイアの先導で警戒をしながら進んでいくのはまずはイシュがいるだろう部屋の場所。今回イシュをルシスに会わせるのが目的でもある。
イシュの部屋だと思われる部屋にルシスから聞いていた回数のノックをすると、イシュだろう人物が静かにドアを開けて室内にガイア達を招き入れてくれた。そして明るい室内の中でイシュと対面するガイア達。
「あんたがイシュさんかい?」
「えぇ、私がイシュです。貴方方は運命の方々ですね?」
「俺達は貴方をルシスさんに会わせる為に来たんです。お話を聞かせてはもらえませんか? どうして貴方がアガルダに仕えようとしているのかを」
イシュは白銀の髪の毛を耳までの長さで維持し、顔立ちはとても綺麗系な顔立ちをして、瞳はゴールドアイであった。一見黙っていれば女性の様な美しい男性である。
ガイアがイシュの瞳を見て思ったのは、この男性は迷っているのが伺える。それだけイシュという人物は騎士としてもだが、人物的にも優秀故に迷うのだと思われた。
イシュはフェランドの瞳を真っ直ぐに見つめて話し始める。自分がアガルダに仕えようとしている理由を。
「私は家族をアガルダに殺されました。このオジナルが支配された時に覚悟はしておりました……頭ではこの行為が許されない事である事は充分に理解はしているのです。でも……私は1人の人間としてアガルダの命を奪いたい。家族の仇を討つ為に……」
「復讐の為にアガルダの騎士になる、と言う事ですか?」
「騎士としての誇りよりも1人の人間としての心に従うって事か……」
「それが間違っているとは充分に理解しているんだし、いいんじゃない?」
「でも、アガルダはそんな気持ちを利用すると思う」
ヴォルグがイシュの前に手を差し出す。その手にはルシスが持っていたイシュの髪の毛を受け取っていた髪の束が握り締められていた。
イシュはその束を見て苦々しい表情を浮かべてしまう。イシュにはそんな醜い感情に染まって欲しくないとガイア達は思ってしまう。
フェランドがそんなイシュの心を救う為に言葉を紡ぐ。それはきっとフェランドだから言える言葉でもある。
「イシュさん、騎士でありたいのであればアガルダではなくルシスさんに力を貸せばよろしいんですよ。アガルダの半身でありながら俺達光ある者達に力を貸すルシスさんにならイシュさんの剣は必要だと思うから」
「ルシス様に……でも、私の様な復讐に染まろうとしている騎士を受け入れてもらえるのかは……」
「そこは平気だと思うぞ。ルシスはあんたの事をかなり心配している様でもあったしな。なぁガイア?」
「あぁ。ルシスはイシュの事を止めて欲しい、そう願って俺達に頼んできたんだ。復讐は出来ないとしても、騎士として守るべき主を得れるのは復讐より大事な事だと俺は思う」
フェランドとガイアとヴォルグの言葉にイシュは心が揺れる。イシュの剣が必要なのはアガルダではない、ルシスである事に全員は気付いている。
イシュは少しだけ瞳を伏せて考え込んでいた。それをガイアとフェランドを始めとする運命の者達は静かに見守る。
そして、イシュの瞳が開かれると静かにイシュは言葉を紡ぐ。それはイシュの瞳が決意を秘めている色を宿しているので本気だと分かった。
「私はルシス様にお仕えします。主としてあの方を守れる騎士として、復讐ではなく、1人の騎士として剣を握ります」
「うん、イシュさんの剣ならきっとルシスさんを守れると思います。だって、こんなにも優しくて強い力を持つイシュさんならアガルダには負けないと思うから」
「それとは別にイシュならルシスの事を理解出来ると思う。主を理解して、守るのはそう簡単な事じゃないからな」
フェランドとガイアの言葉にルプス達も深く頷く。そして、それは同時にイシュの事を信じた事に繋がった。
イシュはルシスの元に行くと告げて部屋から出て行く。ここからアガルダとの全面戦闘が始まる。
城内に入り込んだのは当然知られているだろうし、ルシスの元にだって何かしらの手が差し向けられている可能性だってある。それを考えた上でガイアとフェランドを始めとする運命の者達は動かなくてはならない。
そして、アガルダの力を削ぐ為にも行わないといけない事もある。それはこの城の最深部にあるとされている「マナの聖樹」の解放である。
この聖樹を解放する事で多少ではあるが、アガルダの闇の力が削れるとルシスが告げている。その言葉もあるが、何よりフェランドがそのマナの聖樹を解放するべきだと思っている。
「まずは城の最深部に向かうぞ。何もしないよりかはした方がいいだろうからな」
「アガルダの手の者達もいるだろうし、油断は出来ない。気を引き締めていこう」
ルプスとヴォルグ、ジェイドも2人の言葉に同意する。そしてイシュの部屋から出た5人は静かに城の最深部に続く階段を探す為に城内を歩き回る。
それを水晶で眺めているアガルダは無表情で見つめている。そんなアガルダを心配そうにヴェレネットが見守るが、アガルダの力は揺るぎない力になりつつある。
「人間など、所詮は小虫程度の存在……鬱陶しいな」
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