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4章
28話「女性騎士の存在」
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ティクス国の騎士団にはまだそんなに多くは無いが女性の騎士の姿も見掛ける事が出来る。その1人であるリディルは茶色のセミロングヘアーと印象が強く残るレッドアイの持ち主である。
そんなリディルは毎日あるルーティンを行っているがそれは騎士としての彼女を知る者は口を揃えてこう告げる。『女性と言うだけの立場を利用しない彼女は人間的にも出来た存在だと思う』と。
「おはようございます。今日の分を下さい!」
「リディルさん、今日も来てくれたんですね。ありがとう、本当にいつも助かっていますよ」
「いえいえ。これも騎士としては当たり前の事ですから。それにここの空気が私には懐かしいので」
「あぁ、故郷の図書館を思い出すでしたか。いい事だと思いますよ。はい、これが本日の分です。しっかり頑張って下さいね」
「はい、ありがとうございます。それじゃ行ってきます!」
リディルが毎朝行っているのは、ティクス城の中にある図書室の返却本を回収する行為であった。これはリディルが自発的に行っているがこれにはリディルの深い理由が伴っている事を友人達は知っている。
返却のリストを持って本日の本回収を行うリディルは騎士団の毎朝の光景にもなっていた。それだけの事を毎日しているリディルはこのリストに毎日の様に載っているある人物の元に行く事を目的にしているのだ。
回収リストの最後に載っている人物、その名を「カセル」という。騎士団の上位に君臨している凄腕の騎士でもあるが、人格者でもあり、その外見からランスロットの後継者に相応しいとも言われている人物。
そのカセルは頭も回転が早く、このティクス城の図書室の本を全部読み終えていると噂されている程の知能を持っている人物でもある。だが、リディルはこのカセルがとことん苦手な存在であり、会いたいとは思ってない存在でもあった。
「はぁ……これで最後。またあの人か……。気が滅入るけれど普段通り平常心平常心っと……失礼します。本の回収に来ました。本を貰いますよー?」
「あぁ、今日も回収作業ご苦労様。それで考えてくれた? 俺と社交界に出てくれる話」
「あの、だから私にはどうして一緒に出ないといけないかの理由を説明してもらわないとお言葉をお返しする事も出来ない、そう前々から申し上げています。それが出来ないのであればご一緒に参加する気はございません。それじゃ失礼します」
「あ~ぁ、行っちゃった……んー今日も可愛かったなリディルは。本当……閉じ込めてしまいたい位に愛おしい」
カセルの言葉を聞く者がいなかったのが幸いしているが、カセルから何かと理由を付けてリディルは社交界への参加を申し込まれていた。だが、理由を話さないカセルへリディルは言葉のないのであれば行けない、そう毎回返事をしているのだ。
だがカセルの言葉を聞けばカセルがリディルの事を好ましく思っているのを知る者も多くなるが、リディル本人に届かないのは流石のカセルが口止めをしているからでもある。軍師騎士としても名高いカセルはどうにか自分の腕の中に収まってくれる事を願いながら、毎日回収作業に来てもらう為に本を定期的に未返却で借りているのであった。
この様な事が茶飯事になるのも女性が騎士として在籍するから。そう比喩する者達も少なくはないが、女性騎士の存在は騎士団だけの問題ではなかったのである。
「リディル」
「あ、はい。なんでしょうか?」
「また君にお願いするが……、貴族のご令嬢の護衛を頼む」
「はい、承知しました。今回はどちらのご貴族のご令嬢ですか?」
「アッサルド家のご令嬢だ。至って君の事を高く評価している貴族のご指名だ」
「分かりました。それでは行って参ります」
「あぁ、頼む」
リディルの指揮する部隊は主に女性騎士が多く在籍しているのでこうして貴族のご令嬢からご指名をもらって護衛する事も多い。だが、それにはきちんとした理由があるから女性騎士の存在が大事にされるのもある。
貴族のご令嬢達は純血を通す事で嫁いだ際の家での保身を約束される事が多い。その為に親や親戚から近くに男性を置く事は結婚する以外ではタブーと見られている事が多いのである。
だから女性の騎士が護衛に着く事があればその騎士達から暴行を受けても純血を守り通せると考えている貴族も少なくない。だからこそ、リディルの部隊は主にご令嬢達の護衛をする事が主たる任務となっていた。
そのリディルの事を慕う貴族の娘達も多く、アレスとリディルは騎士団の中でも女性騎士の立場を確立させていける存在にもなっていた。ランスロットの妹でありながら自力で騎士になったアレスはシンデレラ騎士とも呼ばれているし、リディルは騎士団の中でもご令嬢達の純血を守る白騎士と呼ばれている。
「あ、リディル!」
「あぁ、アレス。今から任務?」
「……えぇ、少し荷が重い任務だけれど」
「そうなの? でも、それは貴女にしか出来ない事でもあるんだから気をしっかりね」
「ありがとう。リディルはご令嬢様の護衛?」
「えぇ。いつもの貴族のご令嬢を護衛するの。でも、彼女の笑顔を見ていると守れて良かったとも思うわ」
「そうなんだね。リディルの剣術と魔法があれば本当に心強いからご令嬢様達も安心なんだと思う。でも、リディルの身体も大事だから無理はしないで」
「うん。アレスも無理だけはダメよ?」
「えぇ、それじゃ行くわ。また夜にでも」
「また夜に」
アレスと別れてリディルの護衛の任務を始める為に指定場所へ赴くとご令嬢は既に待ってくれていた。リディルの到着を知ったご令嬢は微笑みながら頭を下げて馬車に乗り込んで移動を始める。
リディルの任務は今回も無事に成功して報告を済ませたリディルは1人アレスと待ち合わせている食堂に向かっていた。だが、リディルの右腕を掴む存在があった。
「きゃっ……! だ、誰!?」
「やぁリディル。こんばんは」
「か、カセル様!? 一体何の真似ですか?」
「少しお話があってね。真面目な話だ」
「真面目なって……貴方が私にする話はいつも真面目じゃないんですか?」
「今回はいつも以上にからかっている事は出来ない。君のご友人のアレス騎士に関わる事だ」
「アレスの……?」
カセルがリディルの腕から手を離して正面に向かい合ってある書類を取り出す。それの書類に書かれている内容に目を通したリディルの表情が一気に曇る。
アレスの受けている極秘任務の内容が書かれていた事も驚きではあるが、そのアレスが担当している貴族調査は昼間リディルの護衛を頼んでいたアッサルド家のご令嬢の友人に当たる貴族である。もし、調査結果が思わしくなければ恐らくこの貴族は消される……聡明な知識を持つリディルの脳裏にその答えが出たのは仕方ない事でもある。
リディルの表情から内心を悟ったカセルは真剣な声でリディルの心に剣を刺す。それはランスロットがアレスに伝えるだろう言葉に近いだろうとカセルは考えていた。
「この結果が思わしくなかった場合……君が担当している貴族のご令嬢達に矛先が向けられるのは明白だ。そして、今日の昼間に護衛をしてきただろうアッサルド家のご令嬢もこれに該当するだろう。君はその事実を受け入れる事は出来るかい?」
「そ、れは……任務ですし……、受け入れろって言われたら受け入れるしか……」
「それが君の本音だと思えないな。君はこの事実を受け入れるだけの心を持っていない」
「……」
「だから……俺がその心を守ろう」
「……えっ……」
「俺の妻になれリディル」
「……えぇ!?」
急な話の展開とカセルの言葉にリディルの心と脳は大パニックを引き起こす。今自分に向けられたであろう言葉の意味を理解する前にカセルが動き出す。
カセルの右腕がリディルの腰に回り、左腕がリディルの肩に回されて抱き締めらる。腕の中に物質的に閉じ込めたカセルはしっかりと逃がさないと伝える様に力を適度に入れたままで耳元で囁く。
「君の様な女性騎士はこの騎士団の希望なんだ。こんな事で君の心が壊れてしまったら俺は君の事を諦めたり出来ない。俺は君の存在に救われた騎士だ……君をこの手で守りたい」
「か、カセル様……あの、救われたって……? 私はまだ貴方になにもしていない筈ですが……?」
「君達の試験内容を国王に進言したのは俺だ。だからあの最終試験で君達が生き残ったのが俺の心を救った……マザーベルベルの存在を確認しなかった俺の落ち度で君達を危ない目に遭わせた事が一番の心に傷を作っていたんだ……。君達が合格した時から俺の心を救ったのは言うまでもない」
カセルの声に真剣な声音が聞こえて腕に閉じ込めているリディルの身体が震える。怒らせただろうかと身体を離すカセルが見たのは大粒の涙を流すリディルの顔だった。
リディルのレッドアイから大粒の涙が流れて頬を濡らしているのを見て、ここまで嫌な思い出になっていたのかとカセルは内心で思ってしまった。だが、予想外の言葉にカセルは動きを止めてリディルの表情を伺う事になる。
「貴方が……貴方が私達の絆を生んでくれた人だった……」
「……リディル?」
「あの試験がなかったら私はアレスやオルベ、アルフォッドの友人達とは出逢えなかった……その試験を与えてくれた人に妻になれとか、夢としてしか思えなくて……」
「本当に……リディルは純粋過ぎるよ」
「カセル様……こんな私でも貴方の傍にいてもいいですか……?」
「君じゃないとダメなんだよ、君っていうリディルじゃないとダメだ!」
カセルがそう言ってリディルの顎を掴んで上を向かせるとリディルの瞳が伏せられる。それを合図にカセルは顔を近付けてそっと自分の唇をリディルの唇に重ねた。
ここに一組の恋人達が誕生する。後にアレスにカセルとの交際を伝えたリディルの表情は優しくもどこか慈愛に満ちた聖母の様な微笑みだったと友人のアレスは心からの言葉を口にする。
アレスの事を大事に思うランスロットの様に、カセルもまた愛おしい存在のリディルの事を大事に思って騎士としての生活を送るのだろう――――。
そんなリディルは毎日あるルーティンを行っているがそれは騎士としての彼女を知る者は口を揃えてこう告げる。『女性と言うだけの立場を利用しない彼女は人間的にも出来た存在だと思う』と。
「おはようございます。今日の分を下さい!」
「リディルさん、今日も来てくれたんですね。ありがとう、本当にいつも助かっていますよ」
「いえいえ。これも騎士としては当たり前の事ですから。それにここの空気が私には懐かしいので」
「あぁ、故郷の図書館を思い出すでしたか。いい事だと思いますよ。はい、これが本日の分です。しっかり頑張って下さいね」
「はい、ありがとうございます。それじゃ行ってきます!」
リディルが毎朝行っているのは、ティクス城の中にある図書室の返却本を回収する行為であった。これはリディルが自発的に行っているがこれにはリディルの深い理由が伴っている事を友人達は知っている。
返却のリストを持って本日の本回収を行うリディルは騎士団の毎朝の光景にもなっていた。それだけの事を毎日しているリディルはこのリストに毎日の様に載っているある人物の元に行く事を目的にしているのだ。
回収リストの最後に載っている人物、その名を「カセル」という。騎士団の上位に君臨している凄腕の騎士でもあるが、人格者でもあり、その外見からランスロットの後継者に相応しいとも言われている人物。
そのカセルは頭も回転が早く、このティクス城の図書室の本を全部読み終えていると噂されている程の知能を持っている人物でもある。だが、リディルはこのカセルがとことん苦手な存在であり、会いたいとは思ってない存在でもあった。
「はぁ……これで最後。またあの人か……。気が滅入るけれど普段通り平常心平常心っと……失礼します。本の回収に来ました。本を貰いますよー?」
「あぁ、今日も回収作業ご苦労様。それで考えてくれた? 俺と社交界に出てくれる話」
「あの、だから私にはどうして一緒に出ないといけないかの理由を説明してもらわないとお言葉をお返しする事も出来ない、そう前々から申し上げています。それが出来ないのであればご一緒に参加する気はございません。それじゃ失礼します」
「あ~ぁ、行っちゃった……んー今日も可愛かったなリディルは。本当……閉じ込めてしまいたい位に愛おしい」
カセルの言葉を聞く者がいなかったのが幸いしているが、カセルから何かと理由を付けてリディルは社交界への参加を申し込まれていた。だが、理由を話さないカセルへリディルは言葉のないのであれば行けない、そう毎回返事をしているのだ。
だがカセルの言葉を聞けばカセルがリディルの事を好ましく思っているのを知る者も多くなるが、リディル本人に届かないのは流石のカセルが口止めをしているからでもある。軍師騎士としても名高いカセルはどうにか自分の腕の中に収まってくれる事を願いながら、毎日回収作業に来てもらう為に本を定期的に未返却で借りているのであった。
この様な事が茶飯事になるのも女性が騎士として在籍するから。そう比喩する者達も少なくはないが、女性騎士の存在は騎士団だけの問題ではなかったのである。
「リディル」
「あ、はい。なんでしょうか?」
「また君にお願いするが……、貴族のご令嬢の護衛を頼む」
「はい、承知しました。今回はどちらのご貴族のご令嬢ですか?」
「アッサルド家のご令嬢だ。至って君の事を高く評価している貴族のご指名だ」
「分かりました。それでは行って参ります」
「あぁ、頼む」
リディルの指揮する部隊は主に女性騎士が多く在籍しているのでこうして貴族のご令嬢からご指名をもらって護衛する事も多い。だが、それにはきちんとした理由があるから女性騎士の存在が大事にされるのもある。
貴族のご令嬢達は純血を通す事で嫁いだ際の家での保身を約束される事が多い。その為に親や親戚から近くに男性を置く事は結婚する以外ではタブーと見られている事が多いのである。
だから女性の騎士が護衛に着く事があればその騎士達から暴行を受けても純血を守り通せると考えている貴族も少なくない。だからこそ、リディルの部隊は主にご令嬢達の護衛をする事が主たる任務となっていた。
そのリディルの事を慕う貴族の娘達も多く、アレスとリディルは騎士団の中でも女性騎士の立場を確立させていける存在にもなっていた。ランスロットの妹でありながら自力で騎士になったアレスはシンデレラ騎士とも呼ばれているし、リディルは騎士団の中でもご令嬢達の純血を守る白騎士と呼ばれている。
「あ、リディル!」
「あぁ、アレス。今から任務?」
「……えぇ、少し荷が重い任務だけれど」
「そうなの? でも、それは貴女にしか出来ない事でもあるんだから気をしっかりね」
「ありがとう。リディルはご令嬢様の護衛?」
「えぇ。いつもの貴族のご令嬢を護衛するの。でも、彼女の笑顔を見ていると守れて良かったとも思うわ」
「そうなんだね。リディルの剣術と魔法があれば本当に心強いからご令嬢様達も安心なんだと思う。でも、リディルの身体も大事だから無理はしないで」
「うん。アレスも無理だけはダメよ?」
「えぇ、それじゃ行くわ。また夜にでも」
「また夜に」
アレスと別れてリディルの護衛の任務を始める為に指定場所へ赴くとご令嬢は既に待ってくれていた。リディルの到着を知ったご令嬢は微笑みながら頭を下げて馬車に乗り込んで移動を始める。
リディルの任務は今回も無事に成功して報告を済ませたリディルは1人アレスと待ち合わせている食堂に向かっていた。だが、リディルの右腕を掴む存在があった。
「きゃっ……! だ、誰!?」
「やぁリディル。こんばんは」
「か、カセル様!? 一体何の真似ですか?」
「少しお話があってね。真面目な話だ」
「真面目なって……貴方が私にする話はいつも真面目じゃないんですか?」
「今回はいつも以上にからかっている事は出来ない。君のご友人のアレス騎士に関わる事だ」
「アレスの……?」
カセルがリディルの腕から手を離して正面に向かい合ってある書類を取り出す。それの書類に書かれている内容に目を通したリディルの表情が一気に曇る。
アレスの受けている極秘任務の内容が書かれていた事も驚きではあるが、そのアレスが担当している貴族調査は昼間リディルの護衛を頼んでいたアッサルド家のご令嬢の友人に当たる貴族である。もし、調査結果が思わしくなければ恐らくこの貴族は消される……聡明な知識を持つリディルの脳裏にその答えが出たのは仕方ない事でもある。
リディルの表情から内心を悟ったカセルは真剣な声でリディルの心に剣を刺す。それはランスロットがアレスに伝えるだろう言葉に近いだろうとカセルは考えていた。
「この結果が思わしくなかった場合……君が担当している貴族のご令嬢達に矛先が向けられるのは明白だ。そして、今日の昼間に護衛をしてきただろうアッサルド家のご令嬢もこれに該当するだろう。君はその事実を受け入れる事は出来るかい?」
「そ、れは……任務ですし……、受け入れろって言われたら受け入れるしか……」
「それが君の本音だと思えないな。君はこの事実を受け入れるだけの心を持っていない」
「……」
「だから……俺がその心を守ろう」
「……えっ……」
「俺の妻になれリディル」
「……えぇ!?」
急な話の展開とカセルの言葉にリディルの心と脳は大パニックを引き起こす。今自分に向けられたであろう言葉の意味を理解する前にカセルが動き出す。
カセルの右腕がリディルの腰に回り、左腕がリディルの肩に回されて抱き締めらる。腕の中に物質的に閉じ込めたカセルはしっかりと逃がさないと伝える様に力を適度に入れたままで耳元で囁く。
「君の様な女性騎士はこの騎士団の希望なんだ。こんな事で君の心が壊れてしまったら俺は君の事を諦めたり出来ない。俺は君の存在に救われた騎士だ……君をこの手で守りたい」
「か、カセル様……あの、救われたって……? 私はまだ貴方になにもしていない筈ですが……?」
「君達の試験内容を国王に進言したのは俺だ。だからあの最終試験で君達が生き残ったのが俺の心を救った……マザーベルベルの存在を確認しなかった俺の落ち度で君達を危ない目に遭わせた事が一番の心に傷を作っていたんだ……。君達が合格した時から俺の心を救ったのは言うまでもない」
カセルの声に真剣な声音が聞こえて腕に閉じ込めているリディルの身体が震える。怒らせただろうかと身体を離すカセルが見たのは大粒の涙を流すリディルの顔だった。
リディルのレッドアイから大粒の涙が流れて頬を濡らしているのを見て、ここまで嫌な思い出になっていたのかとカセルは内心で思ってしまった。だが、予想外の言葉にカセルは動きを止めてリディルの表情を伺う事になる。
「貴方が……貴方が私達の絆を生んでくれた人だった……」
「……リディル?」
「あの試験がなかったら私はアレスやオルベ、アルフォッドの友人達とは出逢えなかった……その試験を与えてくれた人に妻になれとか、夢としてしか思えなくて……」
「本当に……リディルは純粋過ぎるよ」
「カセル様……こんな私でも貴方の傍にいてもいいですか……?」
「君じゃないとダメなんだよ、君っていうリディルじゃないとダメだ!」
カセルがそう言ってリディルの顎を掴んで上を向かせるとリディルの瞳が伏せられる。それを合図にカセルは顔を近付けてそっと自分の唇をリディルの唇に重ねた。
ここに一組の恋人達が誕生する。後にアレスにカセルとの交際を伝えたリディルの表情は優しくもどこか慈愛に満ちた聖母の様な微笑みだったと友人のアレスは心からの言葉を口にする。
アレスの事を大事に思うランスロットの様に、カセルもまた愛おしい存在のリディルの事を大事に思って騎士としての生活を送るのだろう――――。
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