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4章
29話「少しずつ変わって行く」
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先日、アレスは貴族の友人であるティナに協力を頼まれていた。ティナの心を寄せる相手である騎士との架け橋を。
しかし、ティナの心が玉砕を望んでいる事をアレスはあまり嬉しいとは思わなかった。出来れば叶って欲しいと思うのが友人としては当たり前の事ではないだろうかと考えていたからだ。
そして、そのティナから明かされた相手の騎士の名を聞いてアレスは固まる。アレスの知っている騎士でもあり、なんならよく知っている上にかなり親しい間からの騎士でもあったからだ。
「アレス、この方の事はご存知ですわよね?」
「う、うん。かなり知っている……」
「なら私と会わせてはもらえませんか? この想いを伝えるだけの事ですから」
「ティナ……本当に伝えるだけでいいの? それで本当にいいの?」
「アレス、私には自由はあまりないのはご存知でございましょう? 結婚も恋愛も家の決めた相手にしか出来ないのですよ? 友人である貴女の力を借りなくてはこの積もった想いを消化させる事もままならないのですから……」
ティナの憂いを含んだ横顔にアレスはそれ以上の言葉を紡ぐ事は出来なかった。だが、ティナの友人としてこの恋を叶えてあげたい気持ちは強くて。
屋敷に帰ったアレスは執事の男性にランスロットが帰宅しているか問うと、執事の男性は先程ランスロットが帰宅して着替えている途中であると教えてくれた。アレスは執事の男性にお礼を伝えて急いでランスロットの部屋に向かう。
コンコンとノックをして中のランスロットに自分が来た事を伝えると、着替えを終えていたランスロットに出迎えられた。抱き締めてくるランスロットを宥めて協力を求めている事を正直に話す。
「それでティナの心を寄せている相手の騎士なんだけれど……」
「アレスの知っているとなると俺も知っているって事になるな。誰だ?」
「……ハルウッド様」
「……」
ハルウッドがティナの想い人である事を知ってからアレスは自分だけでは何も出来ない事は悟っていた。だから兄であるランスロットに協力を仰いだのである。
そして、ランスロットに話をした結果ランスロットにある提案をされた。それはランスロットにとっては日常的な相談のいつもの返答でもあったのだが。
「ハルウッドの元にティナ嬢をお連れしてお時間を過ごしてもらっている間に、アルフォッドの力を借りて家同士の関係を良好にするべきだろう」
「そんな事出来るの?」
「勿論ハルウッドの心にティナ嬢の想いが届かなければ意味はない。だが、前にハルウッドの相談を受けた事があってな。もしかしたら1枚噛めば上手く行くかも知れないんだ」
「それじゃランスロットも何かしらの協力はしてくれる?」
「アレスの友人の事だからな。俺としても大々的に協力はしたいが、俺が動くとハルウッドの心証が悪くなってしまう。影からサポートしてみよう」
「ありがとう! 大好きランスロット!」
アレスが抱き着くとランスロットは微笑みながらアレスを抱き留めて背中を撫でる。こうしてティナの恋愛成就の作戦が実行に移される。
まず、ハルウッドの休日をランスロットに組んでもらいハルウッドの予定を確認したアレスがティナを連れて出先で偶然を装ってハルウッドとティナを会わせる。そして、2人で話を楽しんでもらっている間にランスロットがアルフォッドの事を呼び出して兄のハルウッドの恋人としてティナの事を家の者にそれとなしに話をしてもらう事を頼む。
そして、ティナの告白を受けたハルウッドの返事を聞いてティナが諦めようとした所にアルフォッドが家の決定を知らせに現れて、ハルウッドの前でティナとの交際を認めると知らせれば告白は成功する事に繋がる。これがランスロットとアレスが考えた計画の全貌であった。
「よし、ハルウッドには明日1日休みを与える。久々に身体を休めるといい」
「本当にいいのですか? 最近の執務を考えればお休みを貰えるなんて申し訳ないのですが」
「ガルドにも出すから安心してくれ。それで久々の休みだ、何処かに行くとか決めていないのか?」
「そうですね。ビリバッド(オペラ)でも観に行こうかと思います。最近のはまだ観れてないので」
「そうか。そう言えば明日はビリバッドの最新のが出る日でもあるだろう? 感想を聞かせてくれ」
「分かりました。それじゃ失礼します」
ハルウッドの姿が消えてアレスが入ってくる。アレスにハルウッドの予定を伝えるとアレスはすぐにティナに明日の予定を伝える為に手紙を書いて早馬で届けてもらった。
ティナはゴールドカラーの髪の毛を揺らして手紙に書かれている内容に喜びを見せる。明日、一時でもいい……想いを寄せるハルウッドの傍にいれる事が何より嬉しかった。
叶わないと思っているから伝えるだけでいい、それだけで充分であるとティナは思っている。だが、アレスはそうは考えていない。
ティナは貴族の友人として初めて出来た大事な友人。その友人の恋が叶うかは不明でもどうか納得いく恋を応援してあげたいと心から思っていた。
ランスロットと下城して屋敷に戻ったアレスは明日のビリバッドの公演種目を確認してから着て行く服を考える。この7年間の間にアレスは色々なデザインの服をランスロットに贈られて物は増えていたので着て行く服を選ぶのも少し苦労しているが。
「よし、主役はティナだもの。この程度の地味のでいいかな」
アレスが選んだのは淡いグリーンの夏用の生地で作られたサマーワンピース。あとは馬車での移動もあるだろうから軽くて着心地の言いカーディガンを羽織ればいいだろうと考えていた。
老女のメイドに見てもらって小物の選択を手伝ってもらって全ての準備が終わる頃に、部屋にランスロットが訪ねてきた。メイドがドアを開けて中にランスロットが入るとの同時にメイドは下がる。
「決まったか?」
「うん。これとこれの組み合わせにしてみたの。どうかな?」
「ん、いいと思う。明日はティナ嬢とハルウッドが主役だから控え目でいいな」
「ありがとう。明日は成功するといいんだけれど……」
「きっと神々が見守って下さる。ハルウッドは神々への祈りを欠かさない男だからな」
「そんな方の相手にティナがなれれば本当にいいのだけれど……。なんだか心配で寝れそうにないかも知れない……」
「今夜は添い寝してやろう。最近触れ合いも出来なかったしな」
「ん、ランスロット……」
アレスを抱き締めるランスロットの腕に包まれてアレスは明日の不安を打ち消す。そして迎えたティナの告白の朝。
アレスは食事を終えて事前に伝えていた時間にティナを迎えに行く。ティナの屋敷に到着するとティナは普通の女性と同じ控え目なクリーム色のブラウスに水色のフレアスカートを着ていた。
ティナと共に馬車に乗って移動している間にアレスが今回のハルウッドの予定を伝える。ビリバッドの公演が終わる頃に到着する馬車からハルウッドの姿を探して、アレスが偶然を装いハルウッドと一緒に食事を摂るのだと告げるとティナは頬を赤く染める。
「ティナ、頑張りましょう?」
「ご一緒出来るだけで充分ですわ。仮に想いを伝えなくてもその時間さえ頂ければ私は望まぬ結婚生活でも耐えれます」
「大丈夫、ハルウッド様を信じて」
アレスはこの時はまだ知らなかったがランスロットの方でハルウッドにはアレスとティナ嬢がビリバッドの終わり後に偶然を装って会いに来る事を知らせていた。それには深い理由があった。
団長室でガルド・ローレンス・ロルゾ・アルフォッドが今日のティナとの時間について色々と話し込んでいた。本来の予定ならばアルフォッドが家に走ってティナとの関係を知らせる筈であったが、何故かアルフォッドは団長室でのんびりしている。
「本当に奇跡ってあるんですね」
「君が知っているとは思わなかったが。ハルウッドの想いにはいつから?」
「騎士になって5年目の春に。家に招かれた時に母から聞かされたんです。兄貴に想い人の貴族の娘がいるって」
「その相手がティナ嬢だったとはな。いつの頃に面識があったかは俺は知らないんだが……」
「恐らくティナ嬢の社交界デビュー時だと思います。兄貴がその時に護衛をしていたのは義父から聞いたんで。でも、義父も母も兄貴があの性格だから諦めてしまうだろうと懸念していたので、今回の事はかなり両手を上げて喜んでいるそうです」
ランスロットの前でアルフォッドは自分の知っている事実を話していく。そうアルフォッドが言う通りハルウッドはある時期からティナの事を想っていたのである。
それは騎士と貴族と言う身分で叶わないと思われていたが、今回アレスのお願いを聞いたランスロットが調べた結果、その事を知って更に手を回してティナとハルウッドの恋が上手く行く事を確信してアレスには伝えないで事を進めていたのである。今の時間にはハルウッドの元に2人が到着している頃だろうとランスロットが懐中時計を見て微笑みを浮かべていた。
「あ、ハルウッド様!」
「おや、アレス嬢。偶然ですね?」
「はい、ハルウッド様はビリバッドの鑑賞に?」
「えぇ、……そちらのご令嬢は?」
「あ、友人のティナと言います。ティナ、こちらは兄さんの仲間で親衛騎士をして下さっているハルウッド様と言う騎士です。良かったらご挨拶してみない?」
「あ、は、初めまして。ティナ・ローガルスと申します。急にお邪魔してしまい申し訳ございません」
「初めまして……私はティクス国騎士団の騎士、ハルウッド・ガレルと申し上げます。あのお2人さえ良ければご一緒にこの後お食事でも如何でしょうか?」
「私は構いません。ティナは?」
「あ、はい。私も構いません。私もご一緒にいてもいいのであればハルウッド様とお話してみたいです」
「いえいえ、それではこの近くに美味しいケーキを出すショップを知っていますのでご案内させて下さい。アレス嬢のご友人ならきっと気に入ってもらえるかと思います」
ハルウッドの右手がティナの左手に触れてそっとエスコートする様に握り締める。それだけでティナは真っ赤になりながらも嬉しそうにその手に身を委ねる。
アレスもそんな2人に微笑みを浮かべてショップに移動する為に空を見上げて、この叶う事の決まっているデートを成功させようと心に決意をしていたティクス国の午後のひと時――――。
しかし、ティナの心が玉砕を望んでいる事をアレスはあまり嬉しいとは思わなかった。出来れば叶って欲しいと思うのが友人としては当たり前の事ではないだろうかと考えていたからだ。
そして、そのティナから明かされた相手の騎士の名を聞いてアレスは固まる。アレスの知っている騎士でもあり、なんならよく知っている上にかなり親しい間からの騎士でもあったからだ。
「アレス、この方の事はご存知ですわよね?」
「う、うん。かなり知っている……」
「なら私と会わせてはもらえませんか? この想いを伝えるだけの事ですから」
「ティナ……本当に伝えるだけでいいの? それで本当にいいの?」
「アレス、私には自由はあまりないのはご存知でございましょう? 結婚も恋愛も家の決めた相手にしか出来ないのですよ? 友人である貴女の力を借りなくてはこの積もった想いを消化させる事もままならないのですから……」
ティナの憂いを含んだ横顔にアレスはそれ以上の言葉を紡ぐ事は出来なかった。だが、ティナの友人としてこの恋を叶えてあげたい気持ちは強くて。
屋敷に帰ったアレスは執事の男性にランスロットが帰宅しているか問うと、執事の男性は先程ランスロットが帰宅して着替えている途中であると教えてくれた。アレスは執事の男性にお礼を伝えて急いでランスロットの部屋に向かう。
コンコンとノックをして中のランスロットに自分が来た事を伝えると、着替えを終えていたランスロットに出迎えられた。抱き締めてくるランスロットを宥めて協力を求めている事を正直に話す。
「それでティナの心を寄せている相手の騎士なんだけれど……」
「アレスの知っているとなると俺も知っているって事になるな。誰だ?」
「……ハルウッド様」
「……」
ハルウッドがティナの想い人である事を知ってからアレスは自分だけでは何も出来ない事は悟っていた。だから兄であるランスロットに協力を仰いだのである。
そして、ランスロットに話をした結果ランスロットにある提案をされた。それはランスロットにとっては日常的な相談のいつもの返答でもあったのだが。
「ハルウッドの元にティナ嬢をお連れしてお時間を過ごしてもらっている間に、アルフォッドの力を借りて家同士の関係を良好にするべきだろう」
「そんな事出来るの?」
「勿論ハルウッドの心にティナ嬢の想いが届かなければ意味はない。だが、前にハルウッドの相談を受けた事があってな。もしかしたら1枚噛めば上手く行くかも知れないんだ」
「それじゃランスロットも何かしらの協力はしてくれる?」
「アレスの友人の事だからな。俺としても大々的に協力はしたいが、俺が動くとハルウッドの心証が悪くなってしまう。影からサポートしてみよう」
「ありがとう! 大好きランスロット!」
アレスが抱き着くとランスロットは微笑みながらアレスを抱き留めて背中を撫でる。こうしてティナの恋愛成就の作戦が実行に移される。
まず、ハルウッドの休日をランスロットに組んでもらいハルウッドの予定を確認したアレスがティナを連れて出先で偶然を装ってハルウッドとティナを会わせる。そして、2人で話を楽しんでもらっている間にランスロットがアルフォッドの事を呼び出して兄のハルウッドの恋人としてティナの事を家の者にそれとなしに話をしてもらう事を頼む。
そして、ティナの告白を受けたハルウッドの返事を聞いてティナが諦めようとした所にアルフォッドが家の決定を知らせに現れて、ハルウッドの前でティナとの交際を認めると知らせれば告白は成功する事に繋がる。これがランスロットとアレスが考えた計画の全貌であった。
「よし、ハルウッドには明日1日休みを与える。久々に身体を休めるといい」
「本当にいいのですか? 最近の執務を考えればお休みを貰えるなんて申し訳ないのですが」
「ガルドにも出すから安心してくれ。それで久々の休みだ、何処かに行くとか決めていないのか?」
「そうですね。ビリバッド(オペラ)でも観に行こうかと思います。最近のはまだ観れてないので」
「そうか。そう言えば明日はビリバッドの最新のが出る日でもあるだろう? 感想を聞かせてくれ」
「分かりました。それじゃ失礼します」
ハルウッドの姿が消えてアレスが入ってくる。アレスにハルウッドの予定を伝えるとアレスはすぐにティナに明日の予定を伝える為に手紙を書いて早馬で届けてもらった。
ティナはゴールドカラーの髪の毛を揺らして手紙に書かれている内容に喜びを見せる。明日、一時でもいい……想いを寄せるハルウッドの傍にいれる事が何より嬉しかった。
叶わないと思っているから伝えるだけでいい、それだけで充分であるとティナは思っている。だが、アレスはそうは考えていない。
ティナは貴族の友人として初めて出来た大事な友人。その友人の恋が叶うかは不明でもどうか納得いく恋を応援してあげたいと心から思っていた。
ランスロットと下城して屋敷に戻ったアレスは明日のビリバッドの公演種目を確認してから着て行く服を考える。この7年間の間にアレスは色々なデザインの服をランスロットに贈られて物は増えていたので着て行く服を選ぶのも少し苦労しているが。
「よし、主役はティナだもの。この程度の地味のでいいかな」
アレスが選んだのは淡いグリーンの夏用の生地で作られたサマーワンピース。あとは馬車での移動もあるだろうから軽くて着心地の言いカーディガンを羽織ればいいだろうと考えていた。
老女のメイドに見てもらって小物の選択を手伝ってもらって全ての準備が終わる頃に、部屋にランスロットが訪ねてきた。メイドがドアを開けて中にランスロットが入るとの同時にメイドは下がる。
「決まったか?」
「うん。これとこれの組み合わせにしてみたの。どうかな?」
「ん、いいと思う。明日はティナ嬢とハルウッドが主役だから控え目でいいな」
「ありがとう。明日は成功するといいんだけれど……」
「きっと神々が見守って下さる。ハルウッドは神々への祈りを欠かさない男だからな」
「そんな方の相手にティナがなれれば本当にいいのだけれど……。なんだか心配で寝れそうにないかも知れない……」
「今夜は添い寝してやろう。最近触れ合いも出来なかったしな」
「ん、ランスロット……」
アレスを抱き締めるランスロットの腕に包まれてアレスは明日の不安を打ち消す。そして迎えたティナの告白の朝。
アレスは食事を終えて事前に伝えていた時間にティナを迎えに行く。ティナの屋敷に到着するとティナは普通の女性と同じ控え目なクリーム色のブラウスに水色のフレアスカートを着ていた。
ティナと共に馬車に乗って移動している間にアレスが今回のハルウッドの予定を伝える。ビリバッドの公演が終わる頃に到着する馬車からハルウッドの姿を探して、アレスが偶然を装いハルウッドと一緒に食事を摂るのだと告げるとティナは頬を赤く染める。
「ティナ、頑張りましょう?」
「ご一緒出来るだけで充分ですわ。仮に想いを伝えなくてもその時間さえ頂ければ私は望まぬ結婚生活でも耐えれます」
「大丈夫、ハルウッド様を信じて」
アレスはこの時はまだ知らなかったがランスロットの方でハルウッドにはアレスとティナ嬢がビリバッドの終わり後に偶然を装って会いに来る事を知らせていた。それには深い理由があった。
団長室でガルド・ローレンス・ロルゾ・アルフォッドが今日のティナとの時間について色々と話し込んでいた。本来の予定ならばアルフォッドが家に走ってティナとの関係を知らせる筈であったが、何故かアルフォッドは団長室でのんびりしている。
「本当に奇跡ってあるんですね」
「君が知っているとは思わなかったが。ハルウッドの想いにはいつから?」
「騎士になって5年目の春に。家に招かれた時に母から聞かされたんです。兄貴に想い人の貴族の娘がいるって」
「その相手がティナ嬢だったとはな。いつの頃に面識があったかは俺は知らないんだが……」
「恐らくティナ嬢の社交界デビュー時だと思います。兄貴がその時に護衛をしていたのは義父から聞いたんで。でも、義父も母も兄貴があの性格だから諦めてしまうだろうと懸念していたので、今回の事はかなり両手を上げて喜んでいるそうです」
ランスロットの前でアルフォッドは自分の知っている事実を話していく。そうアルフォッドが言う通りハルウッドはある時期からティナの事を想っていたのである。
それは騎士と貴族と言う身分で叶わないと思われていたが、今回アレスのお願いを聞いたランスロットが調べた結果、その事を知って更に手を回してティナとハルウッドの恋が上手く行く事を確信してアレスには伝えないで事を進めていたのである。今の時間にはハルウッドの元に2人が到着している頃だろうとランスロットが懐中時計を見て微笑みを浮かべていた。
「あ、ハルウッド様!」
「おや、アレス嬢。偶然ですね?」
「はい、ハルウッド様はビリバッドの鑑賞に?」
「えぇ、……そちらのご令嬢は?」
「あ、友人のティナと言います。ティナ、こちらは兄さんの仲間で親衛騎士をして下さっているハルウッド様と言う騎士です。良かったらご挨拶してみない?」
「あ、は、初めまして。ティナ・ローガルスと申します。急にお邪魔してしまい申し訳ございません」
「初めまして……私はティクス国騎士団の騎士、ハルウッド・ガレルと申し上げます。あのお2人さえ良ければご一緒にこの後お食事でも如何でしょうか?」
「私は構いません。ティナは?」
「あ、はい。私も構いません。私もご一緒にいてもいいのであればハルウッド様とお話してみたいです」
「いえいえ、それではこの近くに美味しいケーキを出すショップを知っていますのでご案内させて下さい。アレス嬢のご友人ならきっと気に入ってもらえるかと思います」
ハルウッドの右手がティナの左手に触れてそっとエスコートする様に握り締める。それだけでティナは真っ赤になりながらも嬉しそうにその手に身を委ねる。
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