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8章
60話「必ずこの腕に取り戻す」
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『この記録を読んだ者に願う。どうかこの事実を本人に伝える時は慎重に頼む。この事実が本人、ランスロット・エルンシアに届けられる時に彼が苦しまない事を願っている』
そうメモに残された文章を読んだランスロットは手の中にある資料に目を通す。ロゼットが城内の中でも厳重な区画にケンベルトの名で保管されていたランスロットの血筋について調べ上げた内容が書かれている資料。
ロゼットも当然中身を読んで知っているが、ランスロットの血筋には天上界に住むとされている天使の血を引いている事が明らかになったのはロゼットも意外ではあった。だが、何よりも祖父母の死の原因が衝撃であるとロゼットは言葉を選んでいたが。
「……」
『ランスロット・エルンシアの父、フルーム・エルンシアの父であるリーングルスは妻であり天使のフィンと結婚しフルームを生んだフィンを連れて一時期ティクス国が出来上がる前にあった国「オータム」に立ち寄る。その時にフィンはフルームを連れて宿屋でリーングルスと共に休んでいた時に天使だと気付いた賊に襲撃されてしまう』
資料にはフルームの生まれた頃の詳細が書かれている。それを読みながらランスロットは初めて祖父母の事を情報として脳内に叩き込んでいく事になる。
『賊に襲撃された際にリーングルスは致命傷を負い、フィンも抵抗したが賊に連れ去られてしまいフルームは父の死を赤ん坊で看取る事となる。そして、宿の生存者がフルームを拾い神々のご慈悲がある様にと修道院に預ける。そして、フィンは賊に売り飛ばされてしまい行方が知れなくなり。フルームは修道院で元気に育っていく』
「祖父は賊により殺害、祖母は今も生きているか分からないのか……」
『フルームにその力が覚醒したのは10歳の頃。神々の声を聞き、自身の生まれと母であるフィンの事を神託で聞かされてフィンはガハランド大陸を歩き回り母のフィンを探す。しかし、フィンの行方は掴めず後にオータムからティクスと名を変えた国に向かい、その地に定住する事に。そして、妻であるローザンナと共に家庭を築き、息子ランスロットを授かる』
ランスロットはここまで読んでから一呼吸置いた。恐らくここからは父フルームの事になるだろう事は予想出来る。
そして、父であるフルームが何故ティクスを出たのか、そして、何故父はローザンヌ以外の女性に子供であるアレスを生ませたのか、それが分かると思うと正直怖いと思ってしまう。自分の知らない父を知る事がこんなにも怖いと思うのはランスロットには初めてであった。
『フルームはローザンナが元々身体が強くない、そして、出産を機に衰弱していくのを最期の時まで傍にいようとする。だが、ローザンナがフルームに外部の女性を1人愛して子を成してほしい、と願った。愛するランスロットには1人にしたくないと願ったのである。そして、フルームは当時の女性関係の中からローザンナを刺激しない、財力と地位に惹かれたある女性、メイアンヌとの間に子を成す。それがアレス・エルンシアである。フルームは自分の血を受けた子供達に自分の母、フィンの力が目覚めた時に備えて模様を刻む』
「……模様はお婆様の力が目覚めた時の保険だという事か」
『模様が力を帯びた時は子供達に危機的なる状況である事が前提とフルームは考えていた。そして、自身の不注意で聖なる武器アルボリスが行方知れずになる前に正妻ローザンナが死去。結果メイアンヌとも別れ、嫡子ランスロットを連れてティクスを出る。これがランスロット・エルンシアの血筋について分かる詳細である』
ケンベルトがここまで調べてくれていたとは正直ランスロットは思わなかった。だが、これでハッキリと自分の事を知る事が出来たと感謝している。
アレスとランスロットは天使の祖母の血を継いでいる。そして、それはランスロットやアレスが危機的状況下になった時に力を解放してくれるかもしれない。
アレスが生まれた理由も実母であるローザンナが願ってくれた事。だが、アレスの母親に関しては正直母親としては目先の事を見過ぎているだけで子育てには向かなかったのだろうとアレスからも聞いている。
「ケンベルト、お前は本当に優しいな……。ありがとう。これで俺の父が俺に、俺達に何を残したかったのか分かった。そして、やっぱり改めて思う。アレスは俺の傍にいるべきだ。愛される為に生れて来たあの子を俺は愛したい。そして、生きているか分からないがお婆様の事も探してみよう」
ランスロットはフィンの事もまだ生きていると考えていた。当時のガハランド大陸なら人身売買も平然と行われていた時代。
奴隷として売られたか、愛玩人形として売られたか、それはもう分からないが何故かフィンはまだ生きていると思っているランスロットがいる。不思議な感覚をランスロットは感じていたのである。
「これがお婆様の血なら、父さんが探せなかったのを息子で孫の俺が見付けれる可能性もあるって事だ。アレスの事も取り戻す、そして、お婆様の事も探し出す」
強い決意を改めて胸に秘めたランスロットは屋敷の椅子から立ち上がり窓辺に寄り、外に流れている雲を見つめていた。アレスがこの事実を知ったらどんなに悲しむかは想像出来なくもない。
もしかしたら自分は生れて来たのは間違いだった! と泣き叫ぶかもしれない。だが、これだけは言える。
「アレスは俺に、俺だけに愛されるべくして生れて来た……だから、俺以外の男に愛される運命は俺は受け入れない」
ランスロットの独占欲がメラメラと燃え上がる。アレスを取り戻したら徹底的に愛している事を身体と心に刻んでやろうと、ランスロットは強く心に決める。
一方のロゼットはローレンスと話し込んでいた。ランスロットはダメージを負う事はないだろうと踏んで今後のランスロットの為に出来る立ち回りや手配についての事についての話し合いをしているのである。
ローレンスはランスロットが正式にアレスの救出を勅命で受けて、成功すれば身分も立場も今よりかなり好待遇されるだろうと読んでいる。そして、そうあるべきであるとロゼットも考えているのであった。
「ランスロット様の立場を今よりも高くするのであれば、陛下直属の親衛隊隊長を兼任されてもよろしいかと思います」
「あぁ、それはいいアイディアだな。兼任すれば陛下のご信頼も厚く、他の大臣達への牽制も兼ねる事が出来るだろうし」
「それもありますが、ランスロット様の実力があれば政治にも関与は可能かと思います。それこそ、アレス嬢を正式に妻に迎えた際には後世の騎士団長育成に取り掛かってもらわないといけないかとは思いますが」
「騎士団長育成か。お前的に誰が適任だと思う?」
「今の所はハルウッドが適任かとは思います。彼の実績や実力、人柄などを考慮すれば時期騎士団団長の座も与えていいかと思う程です」
「ランスロットの考えも聞きたいが、ハルウッドが素直に引き受けるかは分からないな」
「それこそ、騎士団団長命令として出せばよろしいのですよ。それぐらいの強引さもランスロット様にはありますから」
ロゼットもローレンスも長年ティクスに仕えているから分かる。今新しい風が入ってきているのは全てロゼットもローレンスもランスロットという新しい風が吹いた結果だと。
そして、いつかはその風も止んでしまう。その止んでしまう前に新しい風を吹かせないといけない事は目先だけの問題ではないのである。
死者の塔攻略でランスロットが死なない、という保証がある訳ではない。戦いになれば誰かしらが死ぬのは当たり前の事でもある。
騎士団に身を置いていたロゼットもそれは充分に理解してはいる。そして、自分も今回の攻略に出る側の人間としては自分の後継者の事を考えている訳で。
「ロゼット様の後継者はお決まりですかな?」
「ガーベルを後継者に据える予定だ。俺も安全に帰って来れる保証はない、ガーベルにも既にその意思の通達はしている」
「こうなってくると私も後継者の育成を始めないといけませんね。星読みの者達に定年はありませんが、育成者を出すのは渋りますから」
「ローレンスの後継者なら知に長けた者が優秀だろう? それとそれなりの武術」
「そうでございますね。適任者は今の所心当たりはありませんが」
「オルベはどうだ?」
「アレス嬢の同期のオルベ卿でございますか?」
「あぁ、あいつの才能なら星読みも出来る騎士に成長してくれるとは思わないか?」
「面白い騎士になりますね」
ロゼットの提案にローレンスの眉が下がる。オルベは騎士としてはまだまだ未熟ではあるが、知に関しては同期組の中でリディル継ぐ知のレベルを持っている。
そのオルベについてロゼットも色々と心を配っている事もある。オルベの事についてはランスロットの許可も必要な事もあり、保留にはなったがローレンスの心の中にオルベが候補者として刻まれたのは言うまでもない。
同期組はアルフォッドとオルベだけが攻略部隊に派遣される。リディルはお腹に子供がいる為に産休中で既にティクスの中にはいない。
アルフォッドは新人時代よりも身体が逞しい肉付きをしており、一撃が大ダメージを与えられるだけの筋力を維持している。オルベはハルウッドの部隊である魔法騎士の部隊でまだまだ雑用騎士としてではあるが、先輩達の剣術や立ち回りを間近で見て色々と試行錯誤している将来有望な騎士として成長中であった。
「アルフォッド~!」
「オルベ! 終わったか?」
「うん。アルの方は終わったのかい?」
「あぁ、俺は進軍に必要な少量の油の在庫確認だったよ」
「僕は前線に出る騎士達の防御魔法をこれに詰め込んでいた」
オルベが取り出したのは魔法騎士の中でも防御魔法を仕込んだ木の札である。その札に魔法を込めると割れない限りは効果が継続するという魔法の木の札である。
魔法騎士の雑用騎士でもあるオルベは、この防御魔法に関してはベテランの魔法騎士よりも効果が強く、尚且つ時間も長いのでこうした魔法を込める作業では頼られる事が多い。だからオルベを星読みの騎士に推薦したロゼットもこの能力を高く評価しているからだ。
アルフォッドと共に食堂に向かうオルベは強い意思を秘めていた。それは同期の中でも自分達の希望でもあるアレスを正式に救出出来ると聞いたからだ。
「僕達の力でアレスを助けてあげようね」
「そうだな。俺達がこうして騎士として過ごせているのもアレスの存在があったからだもんな。また今回もアレスを助けに行くのが少し大変だけれど、仲間を助けれないで陛下や国を守れるか! って話だ」
「僕達の力は小さくても、協力し合えれば大きな力にも対抗出来ると思う。ううん、出来るんだよ。だから負けない! 僕達は負けれない!」
「絶対に皆で生きて帰ろうな。そして、アレスとランスロット団長の結婚式で皆でフラワーシャワーをするんだ!」
同期組の2人は強い決意を持ってアレスの事を助けに行く。この小さな力をも飲み込まないとしている闇の力は日々ガハランド大陸を覆わんとしていた。
アレスとランスロットの再会を願う者達の願いと光はこの闇の力にどれだけ対抗出来るのだろうか――――?
そうメモに残された文章を読んだランスロットは手の中にある資料に目を通す。ロゼットが城内の中でも厳重な区画にケンベルトの名で保管されていたランスロットの血筋について調べ上げた内容が書かれている資料。
ロゼットも当然中身を読んで知っているが、ランスロットの血筋には天上界に住むとされている天使の血を引いている事が明らかになったのはロゼットも意外ではあった。だが、何よりも祖父母の死の原因が衝撃であるとロゼットは言葉を選んでいたが。
「……」
『ランスロット・エルンシアの父、フルーム・エルンシアの父であるリーングルスは妻であり天使のフィンと結婚しフルームを生んだフィンを連れて一時期ティクス国が出来上がる前にあった国「オータム」に立ち寄る。その時にフィンはフルームを連れて宿屋でリーングルスと共に休んでいた時に天使だと気付いた賊に襲撃されてしまう』
資料にはフルームの生まれた頃の詳細が書かれている。それを読みながらランスロットは初めて祖父母の事を情報として脳内に叩き込んでいく事になる。
『賊に襲撃された際にリーングルスは致命傷を負い、フィンも抵抗したが賊に連れ去られてしまいフルームは父の死を赤ん坊で看取る事となる。そして、宿の生存者がフルームを拾い神々のご慈悲がある様にと修道院に預ける。そして、フィンは賊に売り飛ばされてしまい行方が知れなくなり。フルームは修道院で元気に育っていく』
「祖父は賊により殺害、祖母は今も生きているか分からないのか……」
『フルームにその力が覚醒したのは10歳の頃。神々の声を聞き、自身の生まれと母であるフィンの事を神託で聞かされてフィンはガハランド大陸を歩き回り母のフィンを探す。しかし、フィンの行方は掴めず後にオータムからティクスと名を変えた国に向かい、その地に定住する事に。そして、妻であるローザンナと共に家庭を築き、息子ランスロットを授かる』
ランスロットはここまで読んでから一呼吸置いた。恐らくここからは父フルームの事になるだろう事は予想出来る。
そして、父であるフルームが何故ティクスを出たのか、そして、何故父はローザンヌ以外の女性に子供であるアレスを生ませたのか、それが分かると思うと正直怖いと思ってしまう。自分の知らない父を知る事がこんなにも怖いと思うのはランスロットには初めてであった。
『フルームはローザンナが元々身体が強くない、そして、出産を機に衰弱していくのを最期の時まで傍にいようとする。だが、ローザンナがフルームに外部の女性を1人愛して子を成してほしい、と願った。愛するランスロットには1人にしたくないと願ったのである。そして、フルームは当時の女性関係の中からローザンナを刺激しない、財力と地位に惹かれたある女性、メイアンヌとの間に子を成す。それがアレス・エルンシアである。フルームは自分の血を受けた子供達に自分の母、フィンの力が目覚めた時に備えて模様を刻む』
「……模様はお婆様の力が目覚めた時の保険だという事か」
『模様が力を帯びた時は子供達に危機的なる状況である事が前提とフルームは考えていた。そして、自身の不注意で聖なる武器アルボリスが行方知れずになる前に正妻ローザンナが死去。結果メイアンヌとも別れ、嫡子ランスロットを連れてティクスを出る。これがランスロット・エルンシアの血筋について分かる詳細である』
ケンベルトがここまで調べてくれていたとは正直ランスロットは思わなかった。だが、これでハッキリと自分の事を知る事が出来たと感謝している。
アレスとランスロットは天使の祖母の血を継いでいる。そして、それはランスロットやアレスが危機的状況下になった時に力を解放してくれるかもしれない。
アレスが生まれた理由も実母であるローザンナが願ってくれた事。だが、アレスの母親に関しては正直母親としては目先の事を見過ぎているだけで子育てには向かなかったのだろうとアレスからも聞いている。
「ケンベルト、お前は本当に優しいな……。ありがとう。これで俺の父が俺に、俺達に何を残したかったのか分かった。そして、やっぱり改めて思う。アレスは俺の傍にいるべきだ。愛される為に生れて来たあの子を俺は愛したい。そして、生きているか分からないがお婆様の事も探してみよう」
ランスロットはフィンの事もまだ生きていると考えていた。当時のガハランド大陸なら人身売買も平然と行われていた時代。
奴隷として売られたか、愛玩人形として売られたか、それはもう分からないが何故かフィンはまだ生きていると思っているランスロットがいる。不思議な感覚をランスロットは感じていたのである。
「これがお婆様の血なら、父さんが探せなかったのを息子で孫の俺が見付けれる可能性もあるって事だ。アレスの事も取り戻す、そして、お婆様の事も探し出す」
強い決意を改めて胸に秘めたランスロットは屋敷の椅子から立ち上がり窓辺に寄り、外に流れている雲を見つめていた。アレスがこの事実を知ったらどんなに悲しむかは想像出来なくもない。
もしかしたら自分は生れて来たのは間違いだった! と泣き叫ぶかもしれない。だが、これだけは言える。
「アレスは俺に、俺だけに愛されるべくして生れて来た……だから、俺以外の男に愛される運命は俺は受け入れない」
ランスロットの独占欲がメラメラと燃え上がる。アレスを取り戻したら徹底的に愛している事を身体と心に刻んでやろうと、ランスロットは強く心に決める。
一方のロゼットはローレンスと話し込んでいた。ランスロットはダメージを負う事はないだろうと踏んで今後のランスロットの為に出来る立ち回りや手配についての事についての話し合いをしているのである。
ローレンスはランスロットが正式にアレスの救出を勅命で受けて、成功すれば身分も立場も今よりかなり好待遇されるだろうと読んでいる。そして、そうあるべきであるとロゼットも考えているのであった。
「ランスロット様の立場を今よりも高くするのであれば、陛下直属の親衛隊隊長を兼任されてもよろしいかと思います」
「あぁ、それはいいアイディアだな。兼任すれば陛下のご信頼も厚く、他の大臣達への牽制も兼ねる事が出来るだろうし」
「それもありますが、ランスロット様の実力があれば政治にも関与は可能かと思います。それこそ、アレス嬢を正式に妻に迎えた際には後世の騎士団長育成に取り掛かってもらわないといけないかとは思いますが」
「騎士団長育成か。お前的に誰が適任だと思う?」
「今の所はハルウッドが適任かとは思います。彼の実績や実力、人柄などを考慮すれば時期騎士団団長の座も与えていいかと思う程です」
「ランスロットの考えも聞きたいが、ハルウッドが素直に引き受けるかは分からないな」
「それこそ、騎士団団長命令として出せばよろしいのですよ。それぐらいの強引さもランスロット様にはありますから」
ロゼットもローレンスも長年ティクスに仕えているから分かる。今新しい風が入ってきているのは全てロゼットもローレンスもランスロットという新しい風が吹いた結果だと。
そして、いつかはその風も止んでしまう。その止んでしまう前に新しい風を吹かせないといけない事は目先だけの問題ではないのである。
死者の塔攻略でランスロットが死なない、という保証がある訳ではない。戦いになれば誰かしらが死ぬのは当たり前の事でもある。
騎士団に身を置いていたロゼットもそれは充分に理解してはいる。そして、自分も今回の攻略に出る側の人間としては自分の後継者の事を考えている訳で。
「ロゼット様の後継者はお決まりですかな?」
「ガーベルを後継者に据える予定だ。俺も安全に帰って来れる保証はない、ガーベルにも既にその意思の通達はしている」
「こうなってくると私も後継者の育成を始めないといけませんね。星読みの者達に定年はありませんが、育成者を出すのは渋りますから」
「ローレンスの後継者なら知に長けた者が優秀だろう? それとそれなりの武術」
「そうでございますね。適任者は今の所心当たりはありませんが」
「オルベはどうだ?」
「アレス嬢の同期のオルベ卿でございますか?」
「あぁ、あいつの才能なら星読みも出来る騎士に成長してくれるとは思わないか?」
「面白い騎士になりますね」
ロゼットの提案にローレンスの眉が下がる。オルベは騎士としてはまだまだ未熟ではあるが、知に関しては同期組の中でリディル継ぐ知のレベルを持っている。
そのオルベについてロゼットも色々と心を配っている事もある。オルベの事についてはランスロットの許可も必要な事もあり、保留にはなったがローレンスの心の中にオルベが候補者として刻まれたのは言うまでもない。
同期組はアルフォッドとオルベだけが攻略部隊に派遣される。リディルはお腹に子供がいる為に産休中で既にティクスの中にはいない。
アルフォッドは新人時代よりも身体が逞しい肉付きをしており、一撃が大ダメージを与えられるだけの筋力を維持している。オルベはハルウッドの部隊である魔法騎士の部隊でまだまだ雑用騎士としてではあるが、先輩達の剣術や立ち回りを間近で見て色々と試行錯誤している将来有望な騎士として成長中であった。
「アルフォッド~!」
「オルベ! 終わったか?」
「うん。アルの方は終わったのかい?」
「あぁ、俺は進軍に必要な少量の油の在庫確認だったよ」
「僕は前線に出る騎士達の防御魔法をこれに詰め込んでいた」
オルベが取り出したのは魔法騎士の中でも防御魔法を仕込んだ木の札である。その札に魔法を込めると割れない限りは効果が継続するという魔法の木の札である。
魔法騎士の雑用騎士でもあるオルベは、この防御魔法に関してはベテランの魔法騎士よりも効果が強く、尚且つ時間も長いのでこうした魔法を込める作業では頼られる事が多い。だからオルベを星読みの騎士に推薦したロゼットもこの能力を高く評価しているからだ。
アルフォッドと共に食堂に向かうオルベは強い意思を秘めていた。それは同期の中でも自分達の希望でもあるアレスを正式に救出出来ると聞いたからだ。
「僕達の力でアレスを助けてあげようね」
「そうだな。俺達がこうして騎士として過ごせているのもアレスの存在があったからだもんな。また今回もアレスを助けに行くのが少し大変だけれど、仲間を助けれないで陛下や国を守れるか! って話だ」
「僕達の力は小さくても、協力し合えれば大きな力にも対抗出来ると思う。ううん、出来るんだよ。だから負けない! 僕達は負けれない!」
「絶対に皆で生きて帰ろうな。そして、アレスとランスロット団長の結婚式で皆でフラワーシャワーをするんだ!」
同期組の2人は強い決意を持ってアレスの事を助けに行く。この小さな力をも飲み込まないとしている闇の力は日々ガハランド大陸を覆わんとしていた。
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