最強竜騎士と狩人の物語

影葉 柚樹

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前兆編

12話「重なる心音の強さ」(R18)

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 ギシッとベッドが音を立ててアルスが体重を乗せたと同時にハルトの首筋に吸い付くと、ビクリとハルトの身体は素直に反応を示す、それはどう見ても感じているのだと見えて小さく笑っているアルスもそんなに余裕がある訳じゃない。ハルトの服を脱がして自分のアーマーを脱いで床に投げてガシャンと音が立つ度にハルトの肌にキスマークを残していく。

「あっ、んんっ、くすぐったい……っ」
「段々とそれが快感に変わる、それまで我慢しろ……白いから映えるな……んっ」

 唇が身体を這う度に言い知れない感覚に襲われてハルトは初めての感覚にどう対処したらいいのか分からない、生きてきて自慰行為はした事はあるけれども誰かにこうして抱かれるなんて考えた事はない。いつも村からはお荷物扱いされてきて性的相手にされる事すら無かったからだ。
 アーマーを脱いだアルスの右手がハルトの胸の飾りを撫で始める、最初はくすぐったいだけだった飾りが徐々に熟れた果実の様にぷっくりと膨れて、それが触らなくても分かる……触れたら感じるまでに成長している事を。アルスの右手が優しく摘まんでコリッと刺激を与えて来るとハルトは胸を突き出す様に身体を反らして快感に思考が弾ける。

「あっあ、はっ、んあっ、ち、くび、だめっ」
「初めてだろ、こんなに感じるの。もっと良くしてやるから力抜いてろ」
「はっんは、ひゃ、あっんぁ、あぁん」

 ハルトの胸の飾りを右手で愛撫しながら左手でハルトの下着を脱がして全裸にさせていたアルス、見た目にそぐわない立派な息子を持っているハルトにニヤリと笑って舌なめずりするとパクッと口に招き入れた。ジュルジュルと音を立ててフェラを始めるアルスの舌遣いや口内の温かさにハルトはすぐにでも射精したくなるが、意地でも出さないと決めているかの様に力んで我慢しているのがアルスは面白かった。
 胸の飾りだけでこのそそり立つ息子を持て余していたのだと思うと、アルスの心に悪戯心がムクムクと芽生えてくる、こうなってしまえば射精させてみたくなるのがアルスという人間の性格だ。吸い付いたりしていきながら左手を息子に添えて根元から扱き、鈴口を舌先で突いて刺激を与えていく、それだけでハルトの息子は血管を浮き出す程までに膨張し、美味しそうにアルスの唾液と先走りでテラテラに輝いている。

「はぁ、我慢も何処まで出来るかな?」
「はぁ、はぁ、なに、を……えっ?」
「初めてでここまで耐えたんだ、ご褒美はあげねぇとな? 少し慣らすから待ってろ。んっ……はぁ、っん」
「っ」

 竜騎士のアルスが自分の穴を解している、それもハルトの目の前で堂々とした動きを見せているのでハルトも目が離せない、こんなにも淫らな光景を見て下半身の息子にダメージが行かない訳がない。ズクンと脈打つ息子を解し終わったのだろう、穴に宛がうアルスは躊躇いも見せないでズブズブと飲み込んでいく、強い刺激に包まれていく息子からの刺激にハルトは本能的に腰を突き上げてしまってアルスが気持ち良さそうな声を上げて根元まで飲み込んだ。

「あぁっ、んぐっ、ふっ、んふっ、食べちまったな……そんなに俺の中は気持ちいいか?」
「あっ、あったかい……出そうっ、くっ」
「まぁだ頑張って堪えてくれ、最高に気持ちいい場所に導いてやるから……あんっ、んんっ、深い所に当たって、気持ちいいぜっ……はっん」

 ハルトの腹部に両手をついてグチュグチュと音を立てながら尻を上下に上げ下げしながら、穴にハルトの息子を出し入れする光景にハルトは息を飲みながらも、されるがままに穴の中を味わっていた。でも、途中からアルスの息子が先走りを流しているのが見えて無意識だった、触れて扱き始めていたのであるハルトの右手でジュコジュコと音をさせて。
 アルスは尻の中に出入りするハルトの息子からの刺激だけでも充分なのに、ハルトが無意識とはいえ前の息子を扱き始めた事で段々と快感の思考に染まり始めていた。より強い快感を、より気持ちいい快感を、本能的に求めていく身体と心は激しく行動をしていく、アルスの穴が締め付けを強めて搾り取る様にすると同時に、息子からはピュピュと白濁した液体が継続的に吐き出される。

「あっあっ、いいっ、もっと、もっとっ! 奥まで犯してくれ!」
「っ、はぁ、こうしたらいいかい? 僕も、気持ち良くなりそう……!」
「ひゃあ! あっん! 奥に! 奥に当たっている! 太くて硬いのが、俺の中を犯しているっ! ゴリゴリしてるぅ!」
「はぁ、んっ、出そうっ……」
「あっ! 出していいから! 出せってば! あぁぁぁ!」
「くっ!」

 ハルトの息子から白濁した液体が、アルスの息子からも白濁した液体が勢い良く吐き出されてお互いの腹部を汚すが、それよりもアルスの中がまだ気持ち良くてハルトはアルスを抱き締めたまま下にアルスをする為に体勢を変えると正常位でバコバコと突き上げ始める。待ち侘びていた激しい快感を与えてくるハルトにアルスは足を腰に絡ませて喘ぎながらセックスの快感に溺れていく、2人が落ち着いたのはセックスを初めて数時間後。
 ハルトは初めてのセックスと病み上がりの体力で挑んだせいでまだ意識は飛んでいた。アルスは元々体力がある方なのでアルスとハルトの身体を清める事をしてから髪の毛を結び直す、そして、ハルトの心臓部分にアルスは右手を添えて何かを唱え始めると心臓部分に薄い光を纏った模様が浮かび上がる。
 それを心臓に癒着する様に優しく肌を撫でながら刻み込むと、心臓部分に黒くてハッキリとした模様が刻まれる、それはハルトのみじゃないアルスの心臓部分にも同じ模様が浮かび上がっている。ハルトが目を覚ましてアルスの方に手を伸ばすとアルスはそれに応じて腕に包まれてやった。

「いい香りがする……」
「気のせいだろ。汗掻いているんだぞ俺達」
「アナタの優しい香りですよ……」
「名前、聞かせろよ。俺はアルス」
「ハルトって言います……あれ、こんな痣ありましたっけ?」
「俺とお前の心臓にある呪いを掛けた。これがある以上俺達は離れる事は出来ない。その分通常の人間よりかは強くなって生きて行ける」
「……」
「怖いか?」
「いえ、いいんですか? そんな僕なんかが相手で」
「俺が良いと思ったんだ。それに……」
「?」
「ハルトとなら俺の旅も楽しくなりそうだ」
「アルスさん……」
「アルスでいい。もう俺達は公私ともにパートナーなんだから」
「ん……アルス、ありがとう」
「どう致しまして」

 アクア色の長い髪をハルトが撫でる度にアルスは微笑みを強める、落ち着いてから話をした方がいいだろうこの呪いの事をと考えていたアルスの身体をハルトは優しくも力強く抱き締めて存在を刻み込んでいた。そして、身体を離して呪いの事を話す前にアルスが気付いた、ハルトに刻まれているもう1つの呪い。
 ハルトはそれが呪いだとは気付いていなかった、ハッキリ言って厄介な呪いではあったと思う。竜騎士との呪いより高難度の呪いである事はアルスが一番に理解している。
 ハルトの命を脅かす類ではない、ただ、呼び寄せる力を持つ呪いだと分かったがそれがどんな意味を持つのか当時のハルトもアルスも分からない。ただ、アルスは気に入らなかった、自分のパートナーとして認めた男が既に他の誰かのモノだという現実が。

「アルス?」
「絶対解呪してやる。ハルトは俺のだ」
「うん、そうだね」
「そんな気の入らない返事するな」
「だって、僕は誰の呪いかも知らないんだよ? それがどんな意味を持つのかなんて考えたところで発動したら発動したで僕が死ぬだけの話じゃないか」
「サッパリし過ぎなんだよハルトは」
「アルスの愛情が少ないからだろ」
「言ってろ」
「アルス、約束して?」
「約束?」
「その時が来たら僕を……殺して」
「ハルト」
「僕の命を握っているのはアルスだ。だから僕の命を自由に出来るのもアルス。でも、この命が君を脅かす時は切り捨てて欲しい。それが僕の最後の願い」
「……分かった」
「ありがとう」

 ハルトの最後の願いを叶えない様にアルスは全力で解呪するつもりでいた。だが、旅を続けていく内に静かにその呪いが人ならざる者の呪いだと気付く頃にはお互いに離れられなくなっていた。
 お互いを愛し、お互いを求め、お互いを支えた、それがハルトとアルスの2人の関係。だが諦めた訳ではない、必ず呪いを解呪するというアルスの強い願いをハルトも知っているから傍にいる。
 自分の事をこんなにも愛してくれる存在を悲しませたい訳じゃない、だからこの旅の果てに解呪出来る事が出来るのであればきっと……。2人の旅を知る者はいないだろうが、理解を求める訳でもない。
 けれど、原始の竜が目覚めた今、それが難しい事も分かりつつあった。お互いの愛した者への愛情を捧げる為に、未来を生きる為に、目の前の出来事を突破していくしか出来ない。
 大丈夫、2人ならきっと突破出来る、そう信じて繋いだ手を絡ませて離さない。愛した者達は何をもって未来を生きるのだろうか――――?
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