最強竜騎士と狩人の物語

影葉 柚樹

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東の大陸へ編

33話「夫婦の時間」(R18)

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 アルスが体調を崩して数日、熱は下がって後は体力の回復を待つだけの状態になって少し時間が流れた頃。ルーピンにご飯を食べに行く様に言い聞かせて見送った後にテントへ入ったハルトは息を飲んだ。
 アルスが上半身を熱いせいかインナーを脱いで出ている汗をタオルで拭いていたからだ。夫婦になって身体を重ねたのが初夜以外ないので頃合い的に溜まっている状態ではあるが、病人を抱く精神はハルトには持ち合わせてない。
 ハルトが深呼吸をしてアルスに近寄るとハルトの葛藤を笑うかの様にアルスは上半身裸のままハルトに抱き着く。まだ熱が残っているのかほんのり熱い身体にハルトは眉を寄せて背中を撫でる。

「スルか?」
「病人を抱く程飢えてない」
「の割にはここは素直だけれど?」
「あ、アルス!」
「ほら、素直に俺を抱けよ……正直、俺も限界なんだけれど?」
「だからって……ルーピンが戻って来たら聞かれるじゃないか」
「ハルトは抱く側なんだから恥ずかしくないだろ。俺がルーピンに冷やかされるだけだ」
「でも……」
「問答無用」
「うわっ!」

 ハルトを押し倒したアルスはハルトの息子が主張し始めている下半身をサワサワ撫で回して硬くしていく様に愛撫し始め、アルスの息子も既に天を向いているのだろう、ズボンを押し上げているのが分かる。愛するアルスがそこまで我慢していたのを考えれば抱いてあげたいが病み上がりに近いアルスに無理はさせたくないのがハルトの本音ではあるが、身体は素直にアルスを求めて先走りを滲ませてズボンにシミを生み出している。
 ハルトは1回だけなら、と自分に何故かいい訳を考えてアルスの身体を自分と入れ替えて地面に押し倒す。そして同時に裸の上半身に唇を寄せて吸い付き赤いキスマークを散らしていくと主張し始める胸の飾りに舌先を這わせた。

「はっ、んんっ、は、ると……あっ」
「甘い、アルスの身体がデザート並みに甘い感じがする」
「俺はケーキじゃないぞっ、ひゃ」
「アルス全体が僕にはケーキと同じだよ。こっちも弄ってあげないとね?」
「あっあっ、もっと、もっと触れてくれっ!」

 ハルトの右手がアルスのズボンを下げて下着の中に刺し込まれると、既にパンパンに張り詰めている息子を握り込みシュシュと音を立てながら上下に扱き始める。先走りがハルトの右手を汚し滑りを良くしながらも次第に限界へと導こうとハルトの右手が確実にアルスを追い上げていく。
 アルスの頭を左手で抱え込み肩口に噛み付ける様に促すと、アルスは絶頂を迎えそうになった瞬間にハルトの左肩付近に歯を立てて噛み付く。それと同時に右手の中に生暖かい温もりが広がったのを感じたハルトは落ち着くのを待って右手を抜いた。
 べっとりと白濁した体液が右手を白く染め上げていた。それをペロリとアルスの目の前で舐め上げて羞恥心を煽ると、アルスは案の定真っ赤になって下半身をモジモジさせながらハルトの行為から目が離せないでいる。

「そんなに見てどうしたの?」
「っ、言わせんなバカ!」
「言わないと分からないじゃないか。何処に何をしてほしいの?」
「うっ、そんなに言わせたいのかよ……変態」
「こんなに下半身を僕に押し当ててくるアルスのが隠れた変態だと思うけれど? ほら言ってよ。じゃないとこれ以上は進まないよ?」
「……ハルトの手で俺の尻を好きにしてくれ……」
「手だけでいいんだ?」
「っ~!! あーもう! ハルトので俺をめちゃめちゃに抱いてくれよ! もう我慢させるな!」
「ふふっ、今回はこれ位で許してあげる。お尻、こっちに向けて突き出して」

 白濁の体液を舐め過ぎない様にして突き出してくれる尻を左手で割ると、穴へと右手を添えて体液を塗り込む様にして解しに掛かる。その刺激すらもアルスにはたまらないのか枕代わりの荷物に額を押し当ててフルフルと身体を震わせて解されるだけなのに感じる自分の身体を持て余す様だった。
 グチュグチュと音が響く中で右手の人差し指と中指を揃えて挿入しているハルトは、充分に穴が広がり解れたのを確認して指たちを引き抜くと自分のズボンと下着を下げて、血管が浮き出ている息子をそっと挿入していく。待ち侘びた熱さの塊を受け入れていくアルスの中は思った以上に締りもいいが熱が残っている証拠として熱かった。
 早めに行為を切り上げる必要があるな、そう考えて正常位で挿入する方がいいのかとか考えたがアルスの好みがバックからなのを思い出して、勢いを付けて腰を打ち付ける。それだけでアルスの腰は跳ね上がりビクンビクンと身体を反応させては凄まじく締め付けてくる。

「あぁ! あっん! はっあん! 熱い、ハルトのが熱いっ!」
「くっ、アルス……もっと力抜いて? キツ過ぎて動くのが辛い」
「そんな事言われてもっ! はぁん! あっあっ、奥に、奥に当たっているっ! 入れただけなのに! たまんねぇ……!」
「(このままだとアルスがイク前に僕がイッてしまう……少し嫌がるのは承知でこっちの態勢でさせてねアルス)っ……こっちで気持ち良くしてあげる」
「あっ? 嫌だ! これは奥に当たり過ぎて壊れるっ! あんっ! ひゃうん! 深い! 深過ぎるっ!」

 バックからアルスを横にして接続を深めてアルスが一番に感じる前立腺を重点的に攻めれる横攻めをしながら、ハルトは遠慮もしないでガンガンと腰を打ち付けていく。前立腺にハルトの息子が当たる度にアルスの穴はキュウキュウと切なげに締め付けて、ハルトの白濁した体液を求めているのを感じ取れる。
 動きの早さを変えながら的確にアルスを追い詰めていくハルトは次第にアルスの穴が最終的に絶頂へと向かう為に、大きな締め付けをし始めているのを感じて腰の動きを勢いを増して突き上げていく。それに合わせてアルスの喉からも喘ぎ声しか出なくなり、段々と声が高くなるとハルトの方に瞳を向けたアルスが快感からの涙を流しながら小さな声で告げる。

「イカせろっ……!」
「アルスっ……うっ!」
「あっ、あぁぁぁぁ!!」

 ドピュっとアルスの息子から白濁の体液がまた射精され、ハルトも穴からギリギリ引き抜いた息子から大量の濃い体液をアルスの上半身にぶちまけた。息を整えているハルトとアルスは暫く快感の余韻に浸り会話は無かったがアルスが上半身に掛けられた体液を右手で掬い取ると口に運んでペロリと舐め始める。
 それがあまりにも欲情的でハルトの息子がまた硬度を持ち始めたのに気付きアルスはニンマリと微笑んで、第2ラウンドが始まったのはいうまでもない。ルーピンに聞かれたかな? と心配するハルトは右腕に頭を預けているアルスの寝顔を眺めて小さく微笑む。
 本当なら無茶苦茶になる位まで抱き潰したい欲望も無くはない。だが、流石に野宿には変わりないしアルスもまだ本調子ではないから我慢しているのだが。
 ハルトは完全に寝入っているアルスの右頬に唇を押し当てて小さな声で囁く。いつかは自分の欲望をぶちまけても受け入れてくれるだろう最愛のアルスへの願いでもあった。

「いつか君の身体を壊す勢いで抱かせてね……僕無しじゃ生きれない位にまで堕としてあげるから。期待してて……最愛なる妻のアルス」

 それだけ告げてアルスの髪の毛を撫でて外の様子を伺い始めているハルトは気付かなかった。アルスの頬がリンゴの様に真っ赤に染まり微かに開いた唇からは「ハルトのバカ……」と漏れていた事に。
 アルスが完全回復したのは体調を崩して1週間が経過した頃。途中で身体を重ねた事が功を奏したのか熱も完全に下がり、体力も回復したアルスはアーマーを着用して飛んだりして身体の調子を確認していた。
 アルスが調子を確認している間にテントの撤収と片付けを済ませていたハルトは、ルーピンに小さな声で囁きながらルーピンの背を撫でている。ルーピンもハルトの言葉に応じる様に身体を寄せて言葉を聞いている。

「ルーピン、またアルスが無理していたら教えてくれる?」
『キュオ♪』
「ありがとう。アルスいつだって無理しているの見せないから気付くの遅れるんだよ。それで毎回時間取られるの学習しないのかな?」
『キュオ~』
「ルーピン、君も大変な主を持ってご苦労様」
「さっきから何を話し込んでんだ?」
「アルスの愚痴をルーピンに話していただけ~」
「俺様の愚痴だって? 言ってみろよ。聞いてやるから」
「言っても意味がないから言わない。君の場合自分の不都合になる事は聞かなかった事にするだろ」
「分かんないだろ? ほら、言えよ」
「やーだー。ほら行くよ! 足止めされて時間勿体ないんだから」
「あ、逃げんなこらー!」

 ハルトがルーピンを連れて森の出口に向かい始めると遅れてアルスも駆け足で追い掛けてくる。ルーピンは静かにハルトの背後を歩きながらチラッとアルスを見つめるとアルスはそんなルーピンに気付き、そっと右手を伸ばして頭を撫でてからハルトの右側に並んで歩く。
 ルーピンはこんな2人でも大好きだ。だからこそ、2人が仲違いなどする場合は自分がなんとか仲直りさせれる様にルーピンなりに心を砕いていくつもりである。
 それだけこの竜は人間達を愛しているし信頼しているのだ。ルーピンの気持ちに気付く日が2人に訪れる日は来るのだろうか? そう考えるルーピンの眼差しは先を歩く人間達へと注がれているのだった――――。
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