キョンシーさんとともに異世界へ!

anemone

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チョココロネを昔尻で潰したときの絶望感はそれはもう……

ニヤニヤしながら書きました by主

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「キョンシーさん?ど、どうしてここに?それにそのお札…」

「?…あぁ、もしかしてそこのお二人から聞いたんですか
私が呪解師の所に行ってこの呪いを解く…と」

「うん、その通りだけど…」

改めてキョンシーさんの姿を見る

お札あり
服装変わらず、青白い肌

……死隷の姿のまんまな気がするんですが…

「呪い…解いたんだよね?」

「いえ?解いてません」

「「「「はぁ!?」」」」

「というか、解けないそうです」

「どういう事よ?」

解けない?何故に?

「呪いの力が強いそうです。なのでここよりももっと高位の呪解師の所へ行かなければ解けないそうです」

「……」

「それより、ギルド登録はしないんですか?マスター」

「っ、それよりって…キョンシーさん!呪いを解きたくないの?」

淡々といつも通りの態度に困惑する

「解きたく…は少しありますが…そこまで解きたいとは思いません」 

顎に指を当てながら少し考える素振りを見せてキョンシーさんは呟く

「それに、この呪いのお陰でマスターに会えたのでそんなに重くは考えていません」

「っ!!??」

「「「………は?」」」

いきなり何を言ってるの!?この人!
あ、人じゃなかったね。ってそうじゃなぁい!!

「…もしかして私は邪魔ですか?」

「それはない!けど…」

「それなら良いんです」

な、何だか恥ずかしい
頬に手を当てると熱い…これは真っ赤になってるよ絶対

対してキョンシーさんの顔はお札に隠れて全く見えない
良いよね!私は丸見えだよ!

「えーと、もしかして二人は恋仲だったり…」

「ランさん何言ってるんですか!?」

「私はマスターの死隷です」

確かにそうだけどキョンシーさんも真面目に答えないで!

──・──・──

「はぁ、取り敢えずは…四人とも出ようか?」

「「「「え(ふぁ)?」」」」

ランさんは溜め息を吐くと手際よく四人を部屋から出した

漫画だったらペッて効果音がつきそうな瞬間だ

「話がややこしくなるからね…さてと、まずは君達の事を話してくれないかな?」

「あ、はい」

「………」

……長くなりそうだなぁ

──・──・──

「──それで、今の状況になったんです」

「…なるほどね、だからフードを被ってたんだ」

「はい」

「…それで死隷君は…いや、名前で呼んでもいいかな?」

キョンシーさんの方を向くとじっとキョンシーさんも私を見ていた

な、何で見てるんだろ…?
何を言えばいいのか分からず、私も見つめてるいると前から

「あまり、僕の前でいちゃつかないでくれるかな?」

「っ!い、いちゃついて何か…」

ただ、止め時が分からなかったから…

「私は好きに呼んでもらって構いません。…マスター、血が出ています」

「…え?」

不思議そうにキョンシーさんを見ると私の手を指す

「手?…あ…」

強く握っていたせいかいつの間にか血が滲んでいた

…気付かなかった…

「私の事を言う度に強く握っていたので、心配だったんです」

「そ、そうなの?」

うわぁ、くっきり爪の跡がついてる

「…イチャイチャは終わったかい?」

「あ!ち、違います!て言うかもう聞きたいことはありませんよね!?
ギルド登録しても良いですよね?」

「あー、ちょっと待ってね……」

ランさんは自分の机に行くと2枚の金属カードを持ってきて私とキョンシーさんに渡した

「はい、ギルドカード」

「え?でも私達ギルド登録してませんよ?」

「うん、だけどこれは特別なカードだよ
登録は不用でどんな魔法も効かないから複製不可能!超ハイスペック!」

「……えっと、どうしてこれを私達に?」

カードには黒色で私の名前が彫られていてその下には『ミカルメリ』と彫られている
キョンシーさんのを見ると私と同じように名前が彫られている

「いつの間にこんなの作ったんですか?」

「ふふ、企業秘密だよ。
それでこのミカルメリってのはね…僕が今作ったんだ☆」

「……へ?」

作ったって…もしかしてこのミカルメリを?

「ほらスズちゃんもさっき絡まれたでしょ?」

「え?あぁ、さっきの…」

それがどうしたんだろう?
でも、怖かったなぁ…あの人

「最近増えてるんだよね。ああいう輩が…
そこで話は変わるんだけどミカルメリは組織名何だ
だけどその活動内容は至って簡単!
このギルド雷帝の鉄槌の中で怪しい動きをする奴を調査又は捕まえて欲しいんだ」

それは、つまり…

「…スパイ、ですか?」

「そう!僕はこう見えても多忙なんだ
だから、中々ギルド内にまで手が回らないんだよ
……どうかな?勿論、謝礼は相応のものを出すし普通にギルドの者としても登録するけど…」

うーん、ちゃんとお金を出すそうだし多分隠れ蓑の役割だろうけど普通のギルド員にもなれる
だけどこれは私じゃなく私達に言ってる

「キョンシーさんはどう思う?」

「私はマスターについていくので」

それは答えになってない!

私がじっと見続けるとキョンシーさんは少し考えて頷く

「…良いんじゃないんでしょうか?どっちみちお金は必要になると思うので」

「本当にそう思ってる?」

「はい」

嘘っぽい…
だけど、キョンシーさんの言うとおりお金は必要だからなぁ

「あの、明日でも良いですか?返事は」

「うん。良いよ。あ、でもこの事は他言無用でね」

「はい」

──・──・──

「では、失礼しました」

「うん、良い返事を待ってるよ~」

扉を閉めると少しだけホッと一息つく

つ、疲れた…て言うかもう夕方だ…

「マスター、先に宿に行きますか?この時間帯なら浴場も空いていると思いますが」

「お風呂!」

お風呂に入れる!もうこれだけで疲れが吹っ飛ぶ!

人に道を聞きながら行くと、モクモクと煙が立つ浴場が見えてきた

…あれ、もう旅館みたいな外観何だけど

「入らないんですか?マスター」

「あ、入る入る!」

呆然としてた…

受付でお金を払うとふとキョンシーさんはどうするのか聞いてみた(お金はギルマスの懐から)

「私は入りません。外で待ってます」

「え!?勿体ないよ!入ろう?」

「で、ですが…」

「?、どうしたの?」

珍しく歯切れの悪いキョンシーさんを引っ張って浴場に入ると着替えるために別れる

「絶対に入ってよ!キョンシーさん」

「…はい…」

うーん、もしかしてお風呂嫌いなのかな?

「人は…いないね」

これなら髪を隠さなくていいから楽!
フードを被ってたからちょっと蒸れてるんだよね…

パパッと服を脱いでタオルを巻くと先に入ってる人がいないか確認、軽く体の汗を流すといざ浴槽!

熱いかな?と、思ったけど意外に温かい
一気に肩までつかると自然と溜め息が出る

「ん~、幸せ~」

ボーッと煙を見ていると…

ガララ─

「っ!?」

え!?今何処から扉が開いたの!?
私が入ってきた所からじゃないよね!?今の音

ま、まさかここって…

「……やっぱり知らなかったんですね、スズ様…」

「…キョンシーさん…」

ゆっくりと後ろを見ると腰にタオルを巻いて帽子を被っているキョンシーさんが立っている

あぁ、やっぱり混浴…

──・──・──

「スズ様はゆっくりして下さい。私は入らなくても大丈夫なので」

「待って!キョンシーさん!」

出ていこうとするキョンシーさんを思わず条件反射で呼び止めてしまった

あ、どうしよう。何言えばいいのか分かんない

「せ、せっかく入ったんだからせめて湯船に浸からないと勿体ないにゃ?」

か、噛んだ…もうこれだけで恥ずかしい…

「……それは、一緒に入ろうという事ですか?」

噛んだ事はスルーですか…いや、ありがたいけど
って!一緒に入る!?

「…………コクン」

あー!もう勢いにのせちゃえ!!

「……大丈夫ですか?スズ様、顔真っ赤ですよ?まさか逆上せたんじゃ…」

「ひぁっ」

いつの間にかキョンシーさんが近くにいて、私の頬に軽く指が触れる
だけど、その指は冷たくて変な声が出てしまった

「すいませんスズ様。冷たかったですね」

「ううん、大丈夫。ビックリしただけだから…」

慌てて手を引っ込めるキョンシーさんの手を水で濡れた手で掴む

おお、冷たい
少しだけ逆上せていたからちょうどいい

「…あの、スズ様?」

分かってる、現実逃避してた

キョンシーさんの腕を離すと少しだけ横にずれる

「……よ、横…良いよ…」

「…失礼します」

あぁ、どうしよう!?今までで一番緊張するよ!!

──・──・──

キョンシーside

何となく、予想はしていたがやはりスズ様はここが混浴だということを知らなかった
まぁ、それは良い私が出ればいいのだから
問題は…

「……よ、横…良いよ…」

そんな真っ赤な顔で言われると逆に遠慮したくなる
だが、あまりスズ様の悲しそうな顔は見たくない
……しょうがない

「…失礼します」

「……ん」

スズ様の横に座ると何とも言えない感覚が体を包む

元々死んだ身体、温度を感じないからからまるで感触のある空気に包まれている感覚だ

「…キョンシーさん、さっきはごめんなさい」

…本当にこの人はよく謝る

「スズ様、気にしないで下さい、私はそこまで気にしていないので…」

「…でも」

「それと…」

「?」

赤い顔で頭を傾けてこちらを見上げる
…私でなかったら襲われてますね

「今度その事で謝ったら…そうですね、罰ゲームにしましょう」

「ば、罰ゲーム!?」

「はい」

気のせいだろうか、スズ様の顔がまた赤くなった気がする

「罰ゲームってな、何を…?」

「そうですね…」

何が良いだろうか…もう私に謝るのは止めて欲しいんだが…

「…あ、一回謝る度に私がスズ様を抱き締める、というのは?」

「っっ!!??だ、!?ええ!?」

「……冗談だったんですが」

まさかここまで動揺されるとは…

「冗談…?…」

「はい…本気にしましたか?」

「し、してない!!してない!!!」

…したようです

ふむ…これは良いかもしれない

「まぁ、罰ゲームの内容はその時に考えます」

それより…

「スズ様、本当に大丈夫ですか?」

「…ふえ…?…」

「…出ましょうか」

スズ様の顔が驚くほど赤い

私が頬に触れても気付かずに気持ち良さそうに目を閉じている

「スズ様…ここで寝ると危ないですよ」

「……んー、う…」

「ほら、スズ様出ましょう」

少し目を擦りながらスズ様は立ち上がる

「外で、待っててね?」

そう言うと私をギュッと抱き締めて浴場から出ていった

……寝惚けてる…?

──・──・──

「あ、キョンシーs…キョンシー」

「…良いですよ。今の時間帯は人が中々いないので」

「本当に!?やった!」

どうやらさっきの事は覚えてない様だ

…これはある意味半殺しですね

──・──・──

「ここがランさんが言ってた宿?」

「はい…二部屋ありますか?」

「ちょっと待ってくれる?」

宿屋のなかは質素な作りで何処にでもある、という感じだ
だが、視線は痛々しい
大部分は私だろうがスズ様も注目されている
本人は気付いてない様だか…

そしてまた問題

「…マスター」

「何?」

チラッとスズ様の手を見るとまた強く握っている

これも、罰ゲームにしようか…

「部屋が一つしか空いてないそうです」

「そう、じゃあ貴方は外ね」

……スズ様の手から血が垂れてる

「分かりました」

「……」

外に行くと少ししてからスズ様が転移してきた

「スズ様、手」

「え?…うわ!」

やっぱり気付いてない…結構真剣に罰ゲーム、考えた方がいいかもしれません

──・──・──

「スズ様、私は外でも大丈夫なので…」

「絶対だめ!!」

言うと思いました

「ですが、ベッドは一つしかありません」

「わ、私は床で寝るから!」

どうして主人が床で寝て奴隷がベッドで寝るんですか

「それこそ駄目です」

「……じゃあ……一緒に寝る…?」

服の裾を軽く引いてさっきの浴場の様に赤い顔でこんなこと言われたら誰だって断れない

「良いですが、スズ様はいいのですか?」

「私が聞いたのに駄目なんて言うわけないじゃん」

ムッと頬を膨らませるスズ様を見て、改めて転生者が不思議な存在に感じた

──・──・──

スズ様の魔法で部屋に入ると着ているフードを脱ぐ

「暑かった~」

スズ様も脱ぐとベッドに座る

「お風呂にも入ったし、もう寝よう?キョンシーさん」

「はい」

実を言うと、死隷に睡眠は必要ない。だからベッドに入らなくてもいい…
だが、それを言ってもスズ様は私と一緒に寝ようと言う

……正直、スズ様と一緒に居れば夜が寂しくない、という気持ちもあるから嬉しかった

──・──・──

スズ様がベッドに入ると私も横に入る

「…ねぇ、キョンシーさんはミカルメリの事どう思う?」

「良いと思いますが?」

「……それ私に合わせて言ってるよね?」

「いえ」

図星です。
本音を言うとあまりスズ様には危ないことをしてほしくない
でも、スズ様のあんなにキラキラした瞳は初めて見た

そう言えば今までこんなに主人に感情移入したことは無い

ふと、そう思うと自然と口が動いていた

「……スズ様、私のお願いを聞いてくれませんか?」

「?、何?」

「もしお札が何かの拍子に取れて私が正気を失ったら…」

こんなお願いを人に…しかも主人に言うのは初めてだ

そう思いながら天井を見つめる

「スズ様の手で私を…」

──殺して下さい

「止めてっ!!」

「……」

横で起き上がる音と共に水滴が私の手に落ちる
私も無言で起きると固まって目の前の光景に視線が奪われた

「…スズ様」 

───か細い月明かりの中私のために泣いている彼女は───

「そんなっそんな事…言わないで…」

───触れることを躊躇する程儚く───

「キョンシー、さん…」

───とても、美しかった───


──・──・──

「ん…キョンシー…さん…」

「……」

あの後、何とかスズ様を寝かせてローブを被る
これから少しやらなければならないことがある

「…少しの間だけ、待っていて下さい」

そう一言呟くと、私は宿屋から消えた


~〇~〇~〇~〇~

読者様に謝らなければならないことが2つあります

1つはステータスの件です、(主にとっては)いっぱい書いたので次回にしようと思います

2つ目は完全にどうでも良いですがもうここまで来たら書き直すのは大変だし正直言ってめんどうなので無理にギャグを入れるのを止めます
真面目です。真面目anemoneです。

自分でもここ可笑しいな、という所は結構あるのですがどういう感じに訂正すればいいのか分かりません
誰かhelp!!
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