キョンシーさんとともに異世界へ!

anemone

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チョココロネを昔尻で潰したときの絶望感はそれはもう……

秘密裏の作業

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キョンシーさん視点続きます

~〇~〇~〇~〇~

ギルド『雷帝の鉄槌』

「…ふー、終わった終わった~。さて…そろそろ出てきたらどうだい?」

「…気付いてましたか」

「そりゃあ、一応ギルドマスターだからね」

「…夜分に突然押し掛けたことを謝ります、ラン様」

私が今居るのは昼にいたギルドマスター、ラン様の部屋

「あー、いいよ別に。それで…死隷の君が主人から離れてここに来たのはどうしてかな?察しは付いてるけど」

「…聞きたいことがあります」

今日の昼、少し気になる事があった
そしてもう1つ

「何かな?」

「どうしてマスターを選んだのですか?」

ミカルメリ…組織の活動内容を聞いたときこれはぽっと出の私達に任せる事ではない、そう思った

「あ、やっぱり気になる?」

「はい、ミカルメリは信頼した人物でなければ逆に情報を持ち逃げされる可能性がある…
ラン様程の実力者ならそれくらい少し考えるだけで分かるはずです」

「買い被りすぎだよ」

……少なくとも私が知っている人の力を大きく上回っているのだが…

「理由はいくつかあるけどやっぱり君達が相当の実力者だからかな
このギルドには下手したら僕よりも強い奴がいるからね
他には…スズちゃんかな?」

「マスター…ですか?」

スズ様が理由?

「ほら、相手が女だったら男の君の出番だろうけどこのギルドの7割は男だからね
女の子のスズちゃんがいると色々便利だと思うよ?」

「…それはつまりマスターに色仕掛けをさせる、という事ですか」

「場合によっては」

「……」

何だろうか、この感情は
いつもはどんなことがあっても乱れない魔力が大きく乱れている

「……もう1つ…危険な仕事は私に回すことは可能ですか」

スズ様からそういうことを遠ざけるためには私が一人でやったほうがいい
汚いことは私の方が似合っている

死隷の名前の由来は勿論死んでも奴隷、という意味だ
だが、もう1つある
それは寿…これは昔、まだこの札が作られていなかったとき
主人に命令されて多くの人を殺した死隷は中々精神を壊さなかった事からこの由来が生まれた
死神奴隷、と

勿論、それは偶然だったが

「可能だけど…一人でかい?」

「はい」

「…きついよ?もしかしたら死ぬよりも酷い事があるかもしれない
二人でも辛いのに一人で出来るのかい?」

…この人は一体私に何をさせようとしているのだろうか

「既に死んでいます、私は」

「はぁ、何を言っても無理みたいだね…」

ラン様はそういうと私に1枚の紙を差し出した

「これは?」

「契約書だよ、これにサインしたら僕の許可無しにミカルメリのことはどんなことがあっても話せないよ」

「つまり、拷問されても人質を取られても何も言えない…という事ですか」

「そうゆうこと!流石だね」

ニコニコしながらペンを渡されるとざっと契約書を見て記入すしラン様に渡す

「よし!契約完了!これからよろしくね、キョンシー君」

「はい」

「それと、契約したばっかりで悪いけど仕事を1つ…いいかな?」

「はい、構いません」

ラン様は何が楽しいのかニコッと笑うとまた1枚の紙を差し出した
受け取って見ると


[グリア・ソウロイ]

年齢 38  
ギルドランク D   属性 水   スキル無し

戦闘スタイルは拳で闘う武道家
横暴な性格に女好き

罪状
・仲間にセクハラ又は暴行
・他のギルド員と喧嘩


「そこに書いてある人に近付いて欲しいんだ」

「…殺しではなく?」

「いきなりぶっ飛ぶね」

悪くないけど、と笑うラン様はどう見ても昼に見たギルドマスターそのもの
……人はこんなに自分を隠せるのか

「まぁ、それは置いとこう。
実を言うとそいつ犯罪を隠すのだけは上手くてね中々証拠が取れないんだよ」

「証拠を取ってこい、という事ですか?」

「そゆこと!あ、もし君か君の目の前で暴行又はセクハラをしたら即連れてきてくれないかな?
殺しちゃ駄目だよ?気絶ぐらいならいいけど…」

「私を何だと思ってるんですか」

無差別殺人鬼じゃないのだから

「あ、それともう1つ
スズちゃんと一緒に行動しないなら姿は隠した方が良いよ
なんなら、別の名前を作って名乗るのもいいと思うよ?スズちゃんには内緒にするんでしょ?」

「…名前……」

「僕がつけようか?」

チラッとラン様の手元の紙を見ると首を振る

「いえ、結構です」

「あれ?今僕の名前リストを見た?」

「いえそれでは行ってきます」

これ以上ここにいると変な名前をつけられそうだ

私は窓に飛び乗るとさっさと降りて行った

──・──・──

ランside

「え!?ちょ、現在地分かるの!?」

………もう行ったのか、速いなぁ

「さて…出ておいで、マヤ」

「…何?ラン」

暗闇に声をかけると音もなく一人の少女が現れる

この子は僕の従獣、マヤ
少女みたいな見た目だけどれっきとしたドラゴン

「私寝てたんだけど…」

「実はお願いがあるんだ」

ニコッと笑う僕を軽く睨んで額に手をおく

マヤは従獣の中でも高位の方だ、そして高位の従獣は特別なスキルがある

『主繋』…契約者とリンクして考えや一部の力を共有できる

便利だよねー

「ちょっと待って…あぁそういう事ね
そのキョンシーって奴を一晩だけ監視すれば良いのね」

「うん、お願いね」

「帰ってくるまでにお酒持ってきなさいよ!」

「はいはい」

キョンシー君と同じように窓に飛び乗ると一度振り向いて

「…変な動きをしたら…殺す?」

「………」

どうして君達はそんなにぶっ飛ぶんだい?

──・──・──

キョンシーside

「…いた」

何となく勘で行くとそれらしい男を見つける
ラン様から別に貰ったターゲットの情報と見比べる

…間違いない、彼がグリア・ソウロイですね

「げぇぇぇ…」

…どうやら酒で酔っているようで路地裏で吐いている
少し待つとフラフラとした足取りで大通りを歩く。見失わない様に気を付けながら私も歩いていくと

「…おぉい!お前ぇ、当たっただろぉがぁ!」

「あ?何言ってんだおっさん、少し当たっただけだろ!!」

…確かに少し当たっただけに私には見えたが

「謝れぇよぉ!ああぁ!!?」

「お?やんのか?お?お?」

「死ねぇぇ!!」

{もし君か君の目の前で暴行又はセクハラをしたら即連れてきてくれないかな}

…これはもう大丈夫だろうか

「…『青火魔法を展開する 嘘画』」

「な、何だこれ!?」

私の属性の青火は攻撃するわけではなく幻覚を見せる
私の姿を見せるのは極力避けたい
だから、幻覚で惑わさせてる内に背後から頭を殴り気絶させる

「だ、誰かいるのか!?」

「……」

運悪く絡まれたこの人には真っ暗な暗闇にいる幻覚を見せている

…この人にも眠っておいてもらおう

「っ、おい!そこにいるんだろ!?…ぐはっ!」

素早く気絶させると路上に座らせ、私はターゲットを重力魔法で浮かしギルドに戻った

──・──・──

「…ラン様、この男性で会ってますか?」

「おー、早かったね…うん、こいつで間違いないよ、ありがとう」

「いえ」

ラン様はさっきと同じ様に椅子に座って目を閉じていた
私が連れてきた男を見ると満足そうに頷く

「こいつは一体何したのかな?セクハラ?暴行?」

「暴行です」

「あー、酒飲んでるね。うん、分かったそれじゃあ、報酬はどうしようか?」

「……疑わないんですか?もしかしたら私が虚言を言っているかもしれないのに」

「え?別に…キョンシー君は嘘つかないだろうって信じてるから
……逆に僕が信じなかったらどうしたんだい?」

「…一部始終を見ている方がいたのでその方に言って貰おうかと」

「……え?見ていた?誰が?」

…もしかしてラン様は気付いていないのだろうか

。ずっと私をつけていた」

「「っ!」」

…あぁ、気付いていなかったんですね

「…気付いてたんだ」

「はい」

それはもう、ばっちりと

「マヤ、おいで」

ラン様が呟くと一人の少女がラン様の横に立つ

この方は…もしかして…

「…もしかして貴女の父親は精霊竜ノミアですか?」

「っ父を知ってるの!?」

「はい」

私の言葉に少女…いえ、マヤ様は困惑の視線を向ける

「どうして、死隷のあなたが私の父を知ってるの?
父は精霊竜のトップ、私でも会ったことがないのに…」

どうやらマヤ様は軽くショックを受けているようだ
対してラン様はそれを見て困ったように

「…君がいると色々ややこしくなるねぇ」

と、苦笑いした

…私のせいなのだろうか?

──・──・──

「…とりあえず、マヤの父親の話はまた今度だ
ややこしくなる」

「っ、ラン!」

「マヤ」

「……分かったわよ」

「………」

話は終わったのだろうか?
もうそろそろスズ様の所へ戻りたい

「もう帰って良いでしょうか?ラン様」

「うん?あー良いよ、報酬はまた後日ね」

「はい」

一礼して扉を閉めると中から怒号が聞こえる

「ちょっと!話終わったじゃない!あいつと話させてよ!」

「落ち着いてよマヤ」

「馬鹿ラン!あいつくそ足速いのよ!?」

……早くスズ様の元に戻ろう

~〇~〇~〇~〇~

もう、諦めました
ステータスは時間があったら書きます

新キャラがいるのでこの子の紹介を(^_^)

【マヤ・クリアネ】
精霊竜レノミアの娘
金髪ツインテールに金色の瞳
言葉使いが荒いが心根は優しい
「今、ツンデレって思った奴殺す」

おお、怖い(>_<)
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