22 / 26
チョココロネを昔尻で潰したときの絶望感はそれはもう……
最初の仕事
しおりを挟む「そう言えばドタドタで忘れてたけど朝ごはん食べてない…」
「これから食べますか?ですが今の時間帯だともう昼食になりますが」
「え!?そんなに時間経ってるの!?」
「はい」
空を見ると太陽が真上にある
本当だ、もうお昼かぁ
んーでも何かもう昼食って気分じゃないんだよね
「じゃあ、このままギルドに行こう」
「はい」
「…ところでキョンシーさん」
「はい、何ですか?」
「ここどこか分かる?」
「…迷子だったんですね」
うっ、何も言えない…
「ここは裏道です。使う人はほとんどおりませんが、色々な場所に繋がっているので隠れた近道の様な所です」
そう言われてみれば四方八方に道があってここが十字路の中心みたいになっている
「じゃあ、この道のどれかはギルドに繋がっているの?」
「はい」
キョンシーさんが頷くのを確認すると私は近くにあった枝を手に取る
「何をするんですか?」
「私の世界では道が別れてたらこうやって…」
枝を十字路の中央に立てると素早く支えていた手を引く
すると右に倒れる
よしっ!
「枝の倒れた方向に行くと目的地につくって言われてるの!
という事で、右がギルドに続く道!」
青色の猫型ロボット風に言うのなら…
たず○人ステッ○~
あ、人じゃなくて建物だった
「スズ様、左です」
「……」
もう、何も信じない
──・──・──
「すいません、ギルドマスターに会いたいのですが…」
「無理です」
「いえ、あのスズが来たって伝えてくれたら…」
「ギルドマスターは忙しいのです。そういう事でしたらお引き取り下さい」
「………」
ギルドについたは良いけど今度は受付の人に捕まった
いや、受付の人からしたらギルドマスターの部屋に勝手に入ろうとするフードを被った二人組が許可無しに入ろうとしたんだから止めるのは当たり前何だけどね?
どうやらランさんは私達の事を受付の人に言ってないようだ
どうしようか…卑怯な手は使いたくないし…
「あれ?あなたたちは昨日の…」
「…ルミさん」
後ろから聞き覚えがある声がして振り向くとルミさんとリントさんが立っていた
「死隷さんもご無沙汰です」
「……」
キョンシーさんが一礼すると私は二人に小声で
「お願いがあるんです。ランさんに会いにきたのですが受付の人が行かせてくれなくて…」
「あぁ、そういう事ね…カリンさんこの二人フードを被ってて怪しいけど身元は私が保証するわ」
「…分かりました」
「あ、ありがとうございます」
受付を抜けて廊下に出るとルミさんに頭を下げる
「ありがとうございます、ルミさん」
「良いわよ、別に。それより昨日の話の続きを聞かせてよね」
「て言うかそのために僕らは学園を抜けて来たんだから」
それってサボりじゃあ…
そう思う私の視線に気付いたのかルミさんは目を反らす
「ランさーん、入るよ」
「ルミ、ノックも無しに…」
「失礼します」
「………」
ランさんは机に座って本当に仕事をしていた
「おー、何かいっぱい来たね」
「ランさん私達が来ることをどうして受付の人に教えてなかったんですか?」
「え?教えてたはずだけど…」
「それよりも!!ランさん!この二人に何の様なの?私達もこの二人に聞きたいことがあるんだけど…」
…そう言えばランさんはミカルメリの事どう言うんだろ
「大した用事じゃないよ」
はぐらかした
「じゃあ、何?」
突っ込むなぁルミさん
まるで、浮気した夫を尋問してるみたいだ
「二人は遠くの村から来たらしくてね
年齢を聞いたらルミ達と同い年らしいからどうせなら二人共学園に編入させようと思って」
「私達が通っている学園に?」
「うん」
……これは、嘘なのだろうか?本気なのだろうか?
「…でもランさん、入学費とかどうするんですか?この二人…お金とか持ってなさそうだけど」
ぐさっ
本当の事だから何も言い返せない…
「あぁ、お金の面なら大丈夫
こう見えてもこの二人かなりの実力者だからあっという間に入学費だけじゃなく
学園に通えるだけのお金を稼げるよ」
貶されながら誉められた…
あんまり嬉しくない
「まぁ、確かに空間属性は凄いけど…」
「ほらほら二人は受付で待ってて、僕はこの二人に色々説明しなきゃいけないから」
「帰らなくて良いんですか?ランさん」
「うん、説明が終わったらこの二人を学園に連れていって欲しいんだ
その間に聞きたいことを聞いてみるのもいいんじゃないかな?」
「…まぁそれなら」
そう言うとルミさんとリントさんは部屋を出ていった
「さて、いきなりあんなこと言ってごめんね
まずは返事を聞かせて貰って良いかな?」
「はい」
キョンシーさんの方を見て頷くとランらんに頭を下げる
「受けさせて貰います」
「…それは良かった。正直、断れるかと思ったよ」
……余裕の笑み何ですが
「それじゃあ、契約書にサインしてくれるかな?」
「あ、はい」
ランさんから紙を受け取ると名前を書く
初めて契約書を見たけど色々な条件が書かれてる
キョンシーさんも受け取ってざっと内容を確認するとサインした
「うん!これで君たち二人はミカルメリに入った事になったこれからよろしくね」
「はい!」
「……」
──・──・──
「無事に二人共入った事にを祝いたい所なんだけど…いきなり頼んでも良いかな?」
「?、はい」
「………」
初めての仕事…失敗しないようにしなきゃ
「大丈夫だよ、そんなに構えなくても
それで仕事の内容だけど…ある人物を調べて欲しいんだ」
そう言うとランさんはまた1枚の紙を渡した
【ユキミヤ・カイト】
年齢 16 身長 160 体重 45
ギルドランク A 属性 全属性 スキル有り
戦闘スタイルは剣と魔法を使い来ないし最前線で戦う
男女平等に優しく平和主義
勇者の可能性
「…雪宮…海斗…」
「何となく分かったと思うけどその紙に書かれてるのは転生者だよ」
あぁ、忘れてた…そう言えば学園と言えば勇者と会うフラグが立つよね…
それも知り合いが…
「マスター?」
キョンシーさんに呼ばれてハッとする
「……スズちゃん?どうしたの?」
「この人私の知り合いです」
「…まじ?」
「まじです」
出来れば一生会いたくなかった
て言うかこいつと知り合いなのも嫌だ
「ちなみにどんな関係なんだい?」
ニコニコと興味深そうに笑うランさんはキョンシーさんにも訊ねる
「キョンシー君も気になるよね?」
「…いえ、マスターの交友関係に私が口出しできる立場ではないので」
「へぇ、そっかぁ」
「??」
何の話?
──・──・──
「私と海斗は小さい頃から家がお隣同士でいわゆる…幼なじみです」
不本意だけど、親同士が仲良いからしょうがなかった
「じゃあ、仲良かったんだ?」
「それは絶対にないです!」
絶対の絶対!!
あんなやつと幼なじみの関係って考えただけで鳥肌が立つ
「凄い否定するね」
「当たり前です、私とあいつが幼なじみと言うだけで苛められてたんですから」
「え?幼なじみだけで?」
「はい」
「……彼は何も言わなかったのかい?」
「言う訳ないじゃないですか!あの偽善者が!
私が何とかしてって相談したら心優しい彼女達がそんなことするわけないって…
私を苛めて楽しんでたあの笑顔を見せてみようかと思いましたよ」
「何て言うか…凄いね」
「…あ、すいません」
うわ、何か恥ずかしい…
おもいっきり愚痴みたいになっちゃった
「あぁいいよ、僕達も彼との関係を知れて安心したから」
「えっと…はい、それは良かったです…?」
「…それで、マスターと私はこの人の何を調べれば良いんですか?ラン様」
「(うわぁ凄い殺気…)うん、その紙にも書いていると思うけど勇者の可能性があるんだよね
別にそれはどうでも良いんだけど情報によると魔国にはまだ魔王がいないんだ
…これがどういう意味か分かるかい?」
確か魔王は人間と魔族が争うときに作られた地位で勇者もその地位になるんだよね
だから、勇者も魔王も同時に出来る訳で…あれ?
勇者はいるのに魔国に魔王は現在居ないって事は…
「…海斗が勇者じゃないから、まだ魔王がいない…?」
「その可能性が一番高いかな」
「でも、魔国はどうやって勇者がいるって分かるんですか?」
まさか、強国が自分から教えるわけないし
「魔国には色無し石という物があってこの世界に勇者の力を持つものが現れたら魔族全員に知らせるんだよ」
凄い石があるんだなぁ
「だから、彼が本当に勇者の力を持っているのか調べてきて欲しいんだ」
「なるほど…分かりました」
「あ、ちなみに彼は今日から学園に入学してるから二人も一緒に入学出来るよう手続きをしておいたから」
「はい…え!?」
「?、さっきルミ達に話したでしょ?」
確かに話してたけど…でも
「私達がミカルメリに入るとは限らないのに…」
「そこはギルドマスターとしての勘だよ」
…このギルド大丈夫なのかな
──・──・──
「という事で!じゃーん!」
何処から取り出したのかランさんは机の上に紙袋を2つ置く
「何ですか?これ」
「中身取り出して見てみなよ」
言われた通り取り出して見ると懐かしい物が…
「これ…制服ですか?可愛い…」
「うん、キョンシー君のもあるよ」
「………」
赤いチェックのスカートにシンプルな白シャツリボンは黒色でブレザーも同じ黒
「どうせなら着替えてから行ったら?隣の部屋が開いてるから」
「良いんですか?」
「うん」
やった!
「キョンシーさんも着替えてよ!」
「……はい」
キョンシーさん似合いそうだなぁ
──・──・──
ランside
スズちゃんが隣の部屋に行くと部屋の温度が少し下がる
うわー、後ろ向きたくない
「…ラン様、あまりマスターをからかわないで下さい」
「からかってないけど?」
どっちかって言うとキョンシー君の方をからかってると思うけど
「………」
また、一度下がった気がする
「そう言えばキョンシー君、昨日はありがとうね
マヤは怒ってたけど…」
「いえ、仕事をしただけです」
謙虚だなー
あの後、機嫌を直したマヤに聞いたら驚いた
魔法も体術も、遥かに死隷の域を越えておりもしかしたら竜と互角に闘えるかもしれない、あれが死隷で良かった…と
さて、いきなり後ろを向いたらキョンシー君は驚くかな?
「…いつの間に着替えたの?」
「ラン様と話している最中です」
……おかしいな
僕とキョンシー君が話していたのはたった数秒だったんだけど…
制服の乱れどころか髪一本シワひとつない…
あ、最後のは新しい制服だから当たり前か
「わ…かっこいい…」
「あ、スズちゃんも着替え終わった?」
「え?あ、は、はい!ありがとうございます!」
今、スズちゃん僕の存在無視してキョンシー君に見とれてたよね?
こんなに近くにいたのに
「あれ、フードは被らなくて良いの?」
転生者の証でもある黒髪
黒いブレザーと相まってとても似合っている
「はい、被ったら余計怪しいかと思ったので」
「…それ今更じゃ…」
「ですよね」
苦笑いだけどはにかんだ笑みは、さっきの空気が嘘のように暖かくなった
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
思いを込めてあなたに贈る
あんど もあ
ファンタジー
ファナの母が亡くなった二ヶ月後に、父は新しい妻とその妻との間に生まれた赤ん坊を家に連れて来た。義母は、お前はもうこの家の後継者では無いと母から受け継いだ家宝のネックレスを奪うが、そのネックレスは……。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる