おっさんが異世界で無双したりしなかったり

一条 治

文字の大きさ
30 / 32
第二章

27. おっさん、これからの方針を決める

しおりを挟む
 
 ノイタルジーヌ王国国境の街メーニアを出発した俺たちは、キャンピングカーで南に向かっている。

 俺は運転席に、カグヤさんとシラユキさんは後部座席にいる。
 以前、移動中に退屈しないよう子供向けのDVDと少女漫画を購入したところ、ふたりともハマってしまったみたいだ。購入した後にふたりは日本語がわからないことに気づいたが、カグヤさんいわく「DVDは絵が動くし、漫画はキレイな絵を見て想像するだけでも十分楽しめる」との事。
 シラユキさんは「で○るかな」に夢中だ。あまりにも気に入ったようなので、ゴ○太くんのぬいぐるみを買ってあげたところ大喜びしていた。最近は常にだっこしていて、寝る時も離さない。おっさんちょっと嫉妬しちゃう。
 カグヤさんは「高○ゆん」先生の作品に傾倒している模様。画集を買ってあげたら涙を流して喜んでいた。おっさん、少女漫画のことはよく分からんが喜んでもらえたなら何よりである。ただ、ときどき画集をニヤニヤ眺めながら「尊い・・」と呟くのはやめて欲しいかも。最近は日本語の勉強まで始めた。そんなにか。

 街道から少し離れた所に車を停めて、後部座席に移動するおっさん。

「はい、ちゅうもーく」

 日本語のひらがなドリルで勉強中のカグヤさんと、DVDを見ているシラユキさんに声をかける。

「どうしました?」

「う?」

 集まるふたり。

「これからの方針を説明したいと思います。まず第一にみんなのレベルアップを考えています!」

「レベルアップですか?」

「はい、そうです。いつ何が起こるか分からないので、身を守れるようある程度の強さは必要だと思うのです」

 口には出さないが、もし万が一おっさんがいなくなっても生きていけるようにはしてあげたい。

「・・たしかにご主人様の言う通りです。いつまでもご主人様に甘えている訳にはいきません。むしろ我々がご主人様を守らなければ」

「あい!」

 やる気満々のふたり。

「第二に魔石の確保です」

「そういえば、ご主人様の能力には魔石が必要なんですよね」

 ふたりには、ネットショップで買い物するのに魔石が必要になることは説明してある。

「その2点をふまえて、迷宮都市ソーワに向かい冒険者として活動しようと思います」

 迷宮でレベルアップ出来て魔石も手に入り、一石二鳥だ。

「私はご主人様が向かわれるならどこへでもお供します」

「あい!」

 カグヤさんもシラユキさんも異存はないようだ。

「そして第三に、ふたりを奴隷から解放しようと思います」

 人族至上主義のエマージス神聖国ではトラブルを避けるため奴隷身分のままだったが、ノイタルジーヌ王国に入った今となってはその必要も無いだろう。

「え・・?」

 とたんに不安そうな顔になるふたり。

「・・至らない部分がありましたら直します。何でもしますので、どうか捨てないでくださぃぃ」

 最後の方は涙で声がかすれていた。シラユキさんも目に涙を溜めて俺の脚にしがみついている。

「ちょ、ちょっと待って!?」

 てっきり喜んでもらえると思っていたのに、予想外の反応だったので慌てた。
 とりあえず、ふたりを落ち着かせる。

「奴隷から解放するといっても急に放り出すわけじゃないよ。ふたりがきちんと独り立ち出来るようになるまで、ちゃんと面倒みるから」

「私は終生ご主人様にお仕えしたいのです」

 涙ながらに訴えるカグヤとシラユキ。

「・・あー、わかったよ。それじゃとりあえず、使用人として仕えてもらおうかな。」

「ありがとうございます・・」

 ホッとした表情のふたり。
 おっさんの説明が足らなかったばかりに不安にさせてしまった。マジすまん。

 こうしてふたりは、奴隷あらため使用人となった。


 ====================

 購入品リスト

 ・[完全保存版 でき○かな ベスト30選 DVD-BOX] 1万5,000円
 ・[ひつじの○ョーン DVD-BOX] 4,000円
 ・[となりのトト○DVD] 5,000円
 ・[ゴ○太くん ぬいぐるみ] 5,000円
 ・[アー○アン 完結版 文庫版 コミック 全5巻完結セット] 3,000円
 ・[LOVE○ESS コミック 1-13巻セット] 6,500円
 ・[源○ コミック 全8巻完結セット]   4,000円
 ・[高河○んイラスト集]   2,500円
 ・[谷○史子傑作選] 700円
 ・[○閑倶楽部 文庫版 コミック 1-11巻セット] 8,000円
 ・[はじ○の一歩 コミック 1-123巻セット] 5万7,000円
 ・[バ○道 完全版 コミック 1-17巻セット] 1万9,000円
 ・[はじめてのひらがなドリル] 1,000円
 ・[たのしいカタカナドリル] 1,000円


 合計 13万1,700円


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

男が英雄でなければならない世界 〜男女比1:20の世界に来たけど簡単にはちやほやしてくれません〜

タナん
ファンタジー
 オタク気質な15歳の少年、原田湊は突然異世界に足を踏み入れる。  その世界は魔法があり、強大な獣が跋扈する男女比が1:20の男が少ないファンタジー世界。  モテない自分にもハーレムが作れると喜ぶ湊だが、弱肉強食のこの世界において、力で女に勝る男は大事にされる側などではなく、女を守り闘うものであった。  温室育ちの普通の日本人である湊がいきなり戦えるはずもなく、この世界の女に失望される。 それでも戦わなければならない。  それがこの世界における男だからだ。  湊は自らの考えの甘さに何度も傷つきながらも成長していく。  そしていつか湊は責任とは何かを知り、多くの命を背負う事になっていくのだった。 挿絵:夢路ぽに様 https://www.pixiv.net/users/14840570 ※注 「」「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。

水定ゆう
ファンタジー
 村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。  異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。  そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。  生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!  ※とりあえず、一時完結いたしました。  今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。  その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花
ファンタジー
 神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。  神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。 書籍8巻11月24日発売します。 漫画版2巻まで発売中。

処理中です...