大国に囲まれた小国の「魔素無し第四王子」戦記(最強部隊を率いて新王国樹立へ)

たぬころまんじゅう

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第三章

報告

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「あ、アルスさま、マリアさん。帰って来てたんですね」

 階段の上からちょうどディーナとコレットが顔を出したところだった。

「ただいま、ふたりとも今日は楽しめたみたいだね」

「はい!色々と楽しめました」

 にっこりと笑顔でディーナが答えた。

「ディーナちゃんと一緒に色んなお店でスイーツ食べ歩き出来たから今日は大満足!アルスさま、また新しいアイデアが浮かんだので材料の調達よろしくお願いします!」

「コレットはうちの料理長だから、断れないね」

「ヘヘヘ」

 まんざらでもない笑顔でコレットが笑う。コレットとしては、王都のスイーツを実際に試すことでさまざまなアイデアが浮かんだようだった。コレットの料理の腕が上がれば、王都の料理人にも負けない料理がエルンでも提供出来るようになるかもしれない。

 そんなやり取りをしていると、アルスたちの話し声に気付いて、ジュリとヴェルナーが二階の階段から降りて来た。

「アルスさま、ちょっといいですか?」

「どうしたの?」

「今日一日街を歩いて気付いたのですが、つけられてました」

 ジュリがそう言うとヴェルナーも頷いた。

「「え?そうなの?」」

 ディーナとコレットがビックリして異口同音にジュリに聞き返した。

「すみませんディーナさま。驚かせてはいけないと思い、敢えて私のほうで伏せておりました」

 ジュリとディーナのやり取りにアルスも気になって尋ねる。

「大丈夫だったの?」

「はい。幸い殺意はなかったので無視していたのですが、一応報告をと思って」

 アルスが他の仲間にも確認してみると、同じように尾行されていた。もっともエルンストたちは、尾行されていることに気付いていたが撒いてしまったらしい。

 パトスは既に寝てしまっており、確認は出来なかったが恐らく彼にも監視の目はついていたのだろう。

「パトスからは明日話を聞くとして。明日の自由時間はメンバーを少し考えておかないといけないね。特にディーナやコレット、リサは戦闘に長けてはいないだろうから、万が一のことを考えて護衛が出来る者と必ず一緒に行動して欲しい」

「そうですね。今日はたまたまジュリさんが一緒に行ってくれたからディーナやコレットが無事だったって可能性もありますしね。明日は特に予定もないので私がディーナの護衛につきます」

 エルンストがディーナの方を見て心配そうに言った。

「アルスさま、何か心当たりがありますか?」

 マリアが心配そうにアルスに尋ねた。

「うーん、特に心当たりはないんだよな。もうひとつおかしいのは、僕たちには特に監視はついてなかったということも気になる」

「そうですね、私も監視の気配は感じませんでした」

「まぁ、ひょっとしたら監視をつけるまでもないってことだったのかもしれないけどね」

「どうしてですか?」

「ほら、僕らは戦勝パーティーに出席することが先方もわかっていた、とか?」

「なるほど、言われてみればそうですね。行き先がはっきりしてるのは私たちだけでしたもんね」

「うん、そうだね。それも含めてもしかしたらジェルモなら何か知ってるかもしれない。明日聞いてみよう」

 それ以外は特におかしなこともなかったので、アルスたちはそれぞれお互いの報告をしあってその日は就寝。

 そして次の日の朝、アルスは全員が起きた後に部屋の一室に仲間を集めた。そこで、アルスとマリアは結婚することを報告する。

「みんな、朝から集まってもらってすまない。昨日は遅かったので報告が後回しになっちゃったんだけど。僕とマリアは結婚することになりました」

 アルスがそう言ってから全員、沈黙。それぞれまだ寝起きで朝食も取ってない状態だったので、コレットは欠伸をしていた。

 フランツやアイネに至っては半分寝ている始末。そのためか、全員がその衝撃を理解するのにしばらくかかった。そして・・・・・・。

「「「「「ええええええええええええええええええーーーっっっっっっ!?」」」」」

 最初のみんなの反応がこれである。

 ふたりでハイタッチして喜んだり、余りの驚きに口がパクパクして声になってない者や、反射的に手を叩きながらなんで拍手してるのか良く理解してない者、含んでいたコーヒーを口から噴き出す者で大混乱だった。

 しばらくして落ち着くと、全員が拍手しながらアルスとマリアの結婚を口々に祝福してくれたのだった。
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