118 / 187
第三章
報告
しおりを挟む
「あ、アルスさま、マリアさん。帰って来てたんですね」
階段の上からちょうどディーナとコレットが顔を出したところだった。
「ただいま、ふたりとも今日は楽しめたみたいだね」
「はい!色々と楽しめました」
にっこりと笑顔でディーナが答えた。
「ディーナちゃんと一緒に色んなお店でスイーツ食べ歩き出来たから今日は大満足!アルスさま、また新しいアイデアが浮かんだので材料の調達よろしくお願いします!」
「コレットはうちの料理長だから、断れないね」
「ヘヘヘ」
まんざらでもない笑顔でコレットが笑う。コレットとしては、王都のスイーツを実際に試すことでさまざまなアイデアが浮かんだようだった。コレットの料理の腕が上がれば、王都の料理人にも負けない料理がエルンでも提供出来るようになるかもしれない。
そんなやり取りをしていると、アルスたちの話し声に気付いて、ジュリとヴェルナーが二階の階段から降りて来た。
「アルスさま、ちょっといいですか?」
「どうしたの?」
「今日一日街を歩いて気付いたのですが、つけられてました」
ジュリがそう言うとヴェルナーも頷いた。
「「え?そうなの?」」
ディーナとコレットがビックリして異口同音にジュリに聞き返した。
「すみませんディーナさま。驚かせてはいけないと思い、敢えて私のほうで伏せておりました」
ジュリとディーナのやり取りにアルスも気になって尋ねる。
「大丈夫だったの?」
「はい。幸い殺意はなかったので無視していたのですが、一応報告をと思って」
アルスが他の仲間にも確認してみると、同じように尾行されていた。もっともエルンストたちは、尾行されていることに気付いていたが撒いてしまったらしい。
パトスは既に寝てしまっており、確認は出来なかったが恐らく彼にも監視の目はついていたのだろう。
「パトスからは明日話を聞くとして。明日の自由時間はメンバーを少し考えておかないといけないね。特にディーナやコレット、リサは戦闘に長けてはいないだろうから、万が一のことを考えて護衛が出来る者と必ず一緒に行動して欲しい」
「そうですね。今日はたまたまジュリさんが一緒に行ってくれたからディーナやコレットが無事だったって可能性もありますしね。明日は特に予定もないので私がディーナの護衛につきます」
エルンストがディーナの方を見て心配そうに言った。
「アルスさま、何か心当たりがありますか?」
マリアが心配そうにアルスに尋ねた。
「うーん、特に心当たりはないんだよな。もうひとつおかしいのは、僕たちには特に監視はついてなかったということも気になる」
「そうですね、私も監視の気配は感じませんでした」
「まぁ、ひょっとしたら監視をつけるまでもないってことだったのかもしれないけどね」
「どうしてですか?」
「ほら、僕らは戦勝パーティーに出席することが先方もわかっていた、とか?」
「なるほど、言われてみればそうですね。行き先がはっきりしてるのは私たちだけでしたもんね」
「うん、そうだね。それも含めてもしかしたらジェルモなら何か知ってるかもしれない。明日聞いてみよう」
それ以外は特におかしなこともなかったので、アルスたちはそれぞれお互いの報告をしあってその日は就寝。
そして次の日の朝、アルスは全員が起きた後に部屋の一室に仲間を集めた。そこで、アルスとマリアは結婚することを報告する。
「みんな、朝から集まってもらってすまない。昨日は遅かったので報告が後回しになっちゃったんだけど。僕とマリアは結婚することになりました」
アルスがそう言ってから全員、沈黙。それぞれまだ寝起きで朝食も取ってない状態だったので、コレットは欠伸をしていた。
フランツやアイネに至っては半分寝ている始末。そのためか、全員がその衝撃を理解するのにしばらくかかった。そして・・・・・・。
「「「「「ええええええええええええええええええーーーっっっっっっ!?」」」」」
最初のみんなの反応がこれである。
ふたりでハイタッチして喜んだり、余りの驚きに口がパクパクして声になってない者や、反射的に手を叩きながらなんで拍手してるのか良く理解してない者、含んでいたコーヒーを口から噴き出す者で大混乱だった。
しばらくして落ち着くと、全員が拍手しながらアルスとマリアの結婚を口々に祝福してくれたのだった。
階段の上からちょうどディーナとコレットが顔を出したところだった。
「ただいま、ふたりとも今日は楽しめたみたいだね」
「はい!色々と楽しめました」
にっこりと笑顔でディーナが答えた。
「ディーナちゃんと一緒に色んなお店でスイーツ食べ歩き出来たから今日は大満足!アルスさま、また新しいアイデアが浮かんだので材料の調達よろしくお願いします!」
「コレットはうちの料理長だから、断れないね」
「ヘヘヘ」
まんざらでもない笑顔でコレットが笑う。コレットとしては、王都のスイーツを実際に試すことでさまざまなアイデアが浮かんだようだった。コレットの料理の腕が上がれば、王都の料理人にも負けない料理がエルンでも提供出来るようになるかもしれない。
そんなやり取りをしていると、アルスたちの話し声に気付いて、ジュリとヴェルナーが二階の階段から降りて来た。
「アルスさま、ちょっといいですか?」
「どうしたの?」
「今日一日街を歩いて気付いたのですが、つけられてました」
ジュリがそう言うとヴェルナーも頷いた。
「「え?そうなの?」」
ディーナとコレットがビックリして異口同音にジュリに聞き返した。
「すみませんディーナさま。驚かせてはいけないと思い、敢えて私のほうで伏せておりました」
ジュリとディーナのやり取りにアルスも気になって尋ねる。
「大丈夫だったの?」
「はい。幸い殺意はなかったので無視していたのですが、一応報告をと思って」
アルスが他の仲間にも確認してみると、同じように尾行されていた。もっともエルンストたちは、尾行されていることに気付いていたが撒いてしまったらしい。
パトスは既に寝てしまっており、確認は出来なかったが恐らく彼にも監視の目はついていたのだろう。
「パトスからは明日話を聞くとして。明日の自由時間はメンバーを少し考えておかないといけないね。特にディーナやコレット、リサは戦闘に長けてはいないだろうから、万が一のことを考えて護衛が出来る者と必ず一緒に行動して欲しい」
「そうですね。今日はたまたまジュリさんが一緒に行ってくれたからディーナやコレットが無事だったって可能性もありますしね。明日は特に予定もないので私がディーナの護衛につきます」
エルンストがディーナの方を見て心配そうに言った。
「アルスさま、何か心当たりがありますか?」
マリアが心配そうにアルスに尋ねた。
「うーん、特に心当たりはないんだよな。もうひとつおかしいのは、僕たちには特に監視はついてなかったということも気になる」
「そうですね、私も監視の気配は感じませんでした」
「まぁ、ひょっとしたら監視をつけるまでもないってことだったのかもしれないけどね」
「どうしてですか?」
「ほら、僕らは戦勝パーティーに出席することが先方もわかっていた、とか?」
「なるほど、言われてみればそうですね。行き先がはっきりしてるのは私たちだけでしたもんね」
「うん、そうだね。それも含めてもしかしたらジェルモなら何か知ってるかもしれない。明日聞いてみよう」
それ以外は特におかしなこともなかったので、アルスたちはそれぞれお互いの報告をしあってその日は就寝。
そして次の日の朝、アルスは全員が起きた後に部屋の一室に仲間を集めた。そこで、アルスとマリアは結婚することを報告する。
「みんな、朝から集まってもらってすまない。昨日は遅かったので報告が後回しになっちゃったんだけど。僕とマリアは結婚することになりました」
アルスがそう言ってから全員、沈黙。それぞれまだ寝起きで朝食も取ってない状態だったので、コレットは欠伸をしていた。
フランツやアイネに至っては半分寝ている始末。そのためか、全員がその衝撃を理解するのにしばらくかかった。そして・・・・・・。
「「「「「ええええええええええええええええええーーーっっっっっっ!?」」」」」
最初のみんなの反応がこれである。
ふたりでハイタッチして喜んだり、余りの驚きに口がパクパクして声になってない者や、反射的に手を叩きながらなんで拍手してるのか良く理解してない者、含んでいたコーヒーを口から噴き出す者で大混乱だった。
しばらくして落ち着くと、全員が拍手しながらアルスとマリアの結婚を口々に祝福してくれたのだった。
10
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~
夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。
雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。
女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。
異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。
調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。
そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。
※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。
※サブタイトル追加しました。
男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる
暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。
授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる