第二王子の僕は総受けってやつらしい

もずく

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クロック帝国編

美味しいものがいっぱい

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クロック帝国の門前に到着したけどユースとアルくんが僕を隠すようにして立っている。

せっかく門についたのに何故か二人は前に進もうとしない。


「この格好のネムちゃん見せるわけにはいかないでしょ…!」

「…じゃあどうやって中に入るんだよ。」

「んー、服を買ってくるとか…。」

「…なるほどな。」


僕の服装がまずかったかな。

確かにグレンから貰ったやつ、男なのに女の子みたいな格好だし、ほぼ下着姿みたいなものだしなぁ…。


「…とりあえず俺がネムちゃんの洋服買ってくるからユースとネムちゃんはここにいてね!」

「ああ、わかった。」

「う、うん。」


ダッシュで門番の方に向かい、アルくんは僕達にウインクして、門番さんに声を掛けて中に入っていった。


「アルベルトから聞いたが、その服…銀髪の騎士とやらに貰ったらしいな。」

「う、うん」


咄嗟についた嘘とはいえ、何だか申し訳なくなってきた。

ユースは呆れた顔でこっちを見る。


「お前は知らない人にはついて行かないが、自分に優しくしてくれる人には会ったばかりの人でも信用してついて行くからな…、どうせそいつもそうだったんだろ。」


よ、よくご存知で…。

グレンは盗賊だけど商品のはずの僕にも優しくしてくれたから、こんなところで見殺しになんてできない…。

そう思っちゃったんだよね。


「本当にくれたのは銀髪の騎士か?…服に関しては慈愛に満ちた顔をするくせに、騎士の話のときは嫌悪感が滲み出てるぞ。」


うぇ!?…顔に出てた!?


「う、うそ…。」

「何年一緒にいると思ってんだよ。そんぐらい分かる。」


ユースの言葉に僕は驚く。

僕はユースが話さなくても何を考えているかなんとなく分かる…。

逆にユースも僕とずっと一緒にいたから分かるのかな…。

僕は少し考えたあと恐る恐る口を開く。


「…そうだよ。騎士さんとこれをくれたのは別の人だよ。」

「ふん、やっぱりか。」

「…くれた人をアルくんが怒りにいくのかと思って、咄嗟に嘘ついちゃった。…ごめんね。」

「…別にいい。…てか、そんなことはどうでもいい。それよりお前に嫌悪感を抱かせるやつのほうが気になる。…お前が潰してほしいなら潰しに行くぞ?」


ユースの瞳孔が開いてる…!

こ、これは相当怒ってるときのだ…!


「つ、潰さなくていいよ!」


だ、だってクロック帝国の騎士とか言ってたしローズ帝国の僕達が喧嘩なんてしたら国同士の規模に発展して兄様に迷惑かけちゃうよ!


「…そうか?」

「うんうん!」


僕たちがそんな会話をしているとアルくんが戻ってきたみたいだ。

僕達を視界に入れるとアルくんは嬉しそうに走ってくる。


「ネムちゃん!買ってきたよ!」


そういってアルくんが持ってきたのは真っ黒でタイトなズボンと白の大きめのワイシャツ、そして濃いブルーのボクサータイプのパンツだった。

彼らしいオシャレでシンプルなチョイスだ。


「ありがとう!やっぱりアルくんはオシャレだね!」

「ネムちゃんのためなら何でも買うよ。」


なんでもって冗談だとしても嬉しいな。


「…おい。それよりどこで着替えるんだよ。」

「…あ。」


ユースの言葉にアルくんはポッカリと口を開けている。

どこで…ってここで?

僕はユースたちが壁になってるのをいいことに上を脱ぐ。

ユース達がこっちを見て固まった。

そしてパンツも膝ぐらいまで脱いだところで固まってたアルくんとユースが動き出す。


「お、おい!」

「ちょっと!ネムちゃん何脱いでるのさ!!」

「う、動かないで!…見えちゃうからぁ…!」


見つかったら不審者で通報されちゃうよ!

僕が門番の方を指差すとユース達はピタッと固まる。

よし、これで着替えられるね。








「たく…ネムちゃんも大胆だよね、あんなところで脱ぐなんて。」

「でも、着替えるとこなかったじゃん!」

「にしたって急に脱ぐんじゃねぇよ。」


僕達は門をくぐりクロック帝国の城下町を歩いていた。

建物が密集していて、屋台やらお店などで大きく賑わっている。

ローズ帝国は土地が広いからか、建物と建物の間隔が広くこんなにお店が密集してるのはないかも。

街によって全然雰囲気変わるよね。

わぁ…美味しそうなのがたくさんあるなぁ…!


「ねえねえ、ユースあれ食べたい!」


僕はユースの服の裾を引っ張りユースを見上げる。


「買ってきてやるから待ってろ。」


ユースをアルくんと手をつなぎながら待つ。


「ネムちゃんキラキラ目が輝いてるねえ。」


アルくんが微笑ましそうに僕を見てきて思わず頬が赤くなる。


「お城にいる時はこんなに食べ物買って食べるなんてことなかったから…!」


僕はアルくんから目を逸らし、地面を見てうつむく。


「…そうだね。今回の冒険はネムちゃんにとって、初めてばっかりの冒険になるかもね!」


ワシャワシャと頭を撫でられると、パシッとアルくんの手がはたき落とされる。


「…買ってきたぞ。」


ユースがアルくんを睨みながら僕にソフトクリームを渡してくれる。


「ありがとう!」


僕はユースから貰ってすぐ、バニラ味のソフトクリームをペロペロと舐める。

暑いからかすぐ溶けそうなソフトクリームを急いで舐める。

垂れてきて手に滴るやつも勿体ないからペロッと舐めていると、ユースとアルくんが唾を飲み込みながら見ているのに気づいた。

二人とも食べたかったのかな?

僕が見つめ返すと、二人も目を逸らすことはなく、しばらく二人と見つめ合う。

やっぱり食べたいんだね?

なんだ、そうなら最初から言ってくれればいいのに。


「…ん、ほらあげるよ?舐めていいよ?」


僕が二人にソフトクリームを持った手を出すと何故か二人は僕の手を舐めてきた。


「ん、え…なに…!」


ベロベロと舐められ驚いた僕は顔を真っ赤にして固まってしまう。

アイスが垂れてくるのを見て、我に帰った僕は慌てて手を引っ込める。


「ふ、二人ともなんで手を舐めるの…!?」


僕がプルプルしながら二人を見上げると、二人とも首を傾げている。


「え?…ネムちゃんがいいよって言ったんだよ?」

「お前が言ったんだろ。」


……え?


「え、え?言ってないよ!僕はアイスが食べたいのかと思って…!」


僕の手を舐めるって思ってるなんてわからないよ!


「あ、ごめんね勘違いしちゃった。それよりネムちゃん、アイス溶けちゃうよ?」


アルくんに指さされたアイスを見ると今にもコーンからこぼれ落ちそうだ。


「うわぁっ…!」


慌てて僕はアイスを食べて、食べ終わってアルくんに口を拭かれている頃には手を舐められたことなんてすっかり忘れているのだった。

僕はアルくんとユースに食べ物を買ってもらいニコニコと歩きながら食べる。













「あの、髪と目…まさかな。」


騎士団の一人が僕をつけていると知らずに。
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