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「ええっ!?これって、A級モンスターじゃないですか!!」


どうやら俺は強いモンスターを仕留めたらしく、受付の猫目青年ことラウルが、感動したように俺が床に降ろしたモンスターを、ウロウロと眺めている。


「…高く買い取って貰えそうか?」

「いやいやっ、高くなんてもんじゃないですよ!普通はパーティーとか組んで倒すモンスターですから!報酬を山分けする必要もないから相当貰えますよ!これ!」


へぇ、じゃあ遠分お金には困らなそうだな。


「ほんと凄いですっ!尊敬しますっ!」


ラウルは俺の手を握って目をキラキラさせている。

…あぁ、いやほんと、可愛いな…。

お持ち帰りしていいよね?いいよな?


「なぁ、この後、用事あるか?ないなら何かご飯奢りたいんだが。」

「えっ、いいんですか!」


余程お金に困っていたのか、断る気配が微塵も感じられないな…。

最悪、断られたら催眠でもかけて無理矢理にでも連れて行く予定だったが…手間が省けたな。


「わぁっ、マオさんのおかげで仕事終わりが楽しみですよ!」

「そうか、それは良かった。」


俺はモンスターを換金した後、食事に行く店を下見し、そして食事の後の予定を確認して、暗くなった頃に俺はまたギルドへと戻ってきた。

受付を見るとラウルの姿がない。

近くまで寄り、中を覗き込むと、もぞもぞと奥の方でラウルが動いている。


「ラウルは一体何をしてるんだ…?」

「…あっ、マオさん!」


俺の声に気づいたのか振り返ったラウルが、目を合わせた途端笑顔になり、小走りで俺のところに走ってくる。


「すいません着替えに手間取っちゃって…!」


俺と出掛けるのに、制服から私服に着替えていたらしい。


「いや、全然大丈夫だ。じゃあ行くか。」

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