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「マオ、屋敷の前に変なヤツが居たから捕まえたぞ。」


変なヤツ…?

リュコスが家の前にいた人間を捕まえたようで、その人間は毛布で丸め込まれて紐で縛られたせいで、芋虫のような姿で俺の目の前に落とされた。


「んー!んぅー!」


あれ、この声…。

俺はしゃがんで、きつく縛られた紐を解いていく。

あぁ、やっぱり…


「マオッ…!」


涙でグショグショの顔のマサキが俺に抱きついてきた。


「うわっ!何だこいつ!急にマオに抱きつきやがって…!」


俺から引き剥がそうとするリュコスを手で遮る。


「大丈夫だよ、リュコス。マサキは俺の友達で、この家に一緒に住む人だから。」

「うわぁあああんっ…恐かったですぅううっ…!」


びゃーびゃー泣いているマサキを泣きやますように背中をトントンと叩いてやる。


「なんだ、マオの友達か…。」


リュコスは呆れたように溜息をついてマサキを見ている。


「この人怖いですぅううっ…!」


リュコスってばマサキにどんなことしたんだ…?

こんなに怖がられるって相当だぞ…。

マサキもマサキで前の世界に戻ったみたいだ。


「マサキ、大丈夫だよ。リュコスは良いやつだから…。マサキのことを悪いやつと勘違いしちゃったんだ。」

「勘違い…ですか?」

「あぁ、だから…もうマサキに酷いことしないから大丈夫。ね、リュコス。」


俺がリュコスに微笑むとリュコスはムスッとした顔をして渋々といった顔で頷いた。


「…?」


なんでちょっと不機嫌になったんだ?


「そうだ、マサキ。もう一人住人がいるんだ。レオって言うんだけど…」


マサキに説明している間、リュコスが俺をじっと見ていたことに俺は気づけなかった。
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