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第20話 不安
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「はぁはぁ……早いですって」
息を切らしていた。
どうやら走って来たらしい。
俺は4人組の方に焦点を当てつつ、言う。
「大丈夫か」
「大丈夫か、じゃないですよ。私を置いていこうとするなんて……酷いです!」
「仕方ないだろ。ダンジョン内で探すなんてことほぼほぼ不可能に近いんだからここで見失うわけには行かない」
「それはそうですけど……会計まで私に任せておいて……この仕打ちって……」
「うぅ……まあ、それはそうだな。悪かった」
「素直に謝られるとなんだか不思議な気持ちがします」
「じゃあ、なんていえばいいんだ……」
「って、それより早く行かないと!」
「…………リンの情緒はどうなってるんだ」
「いいから行きましょう。尾行できなくなりますよ」
「言わなくてもわかっている。行くぞ」
そんな会話をしている間に奴らはダンジョンのすぐ近くまで来ていた。
4人に見つからないようにある程度距離を取りつつ、監視する。
そのままダンジョン内に入って行った。
「よし、俺たちもダンジョン内に入るぞ。気をつけろ」
「はい、わかってます!」
俺たちもそれに続く。
ここからが難しい。
大きな音が立てれない上に隠れる場所がほとんどない。
だから、最悪俺の瞬間移動《テレポーテーション》を頼るくらいしかできない。
「なんか楽しくなってきました。こういうの冒険って感じがしてワクワクします!」
「……あんまり声出すなよ。バレるだろ」
いきなり声を出してくる。
距離が離れているとは言え、相手はギルドのベテラン。油断はできない。
「これくらいならバレませんよ」
「いや、バレなくても声が聞こえたらモンスターだと警戒されるから止めておけ」
「…………なんかつまんないです」
「クエストなんてつまんないものだ。採取クエストとかの方が面白くない」
「それを何年も出来るのは普通に尊敬です……」
「尊敬してるなら、これに集中してくれ」
「わかってますよ」
少し退屈そうだ。
まあ、それもそうか。
2回目のクエストのようなものがこれなんて。
退屈で仕方がないはずだ。
だが、そんなことお構いなしに危険がある。
隙だけは見せないでほしいと願うばかりだ。
結構歩いた所でリンが言う。
「あ、進みましたよ。もう17階層ですか。早いですね……」
歩きつつ、小声で言う。
「場所の構造を理解しているんだ。俺も9階層くらいならわかる」
「!? レンさんってやっぱり凄い人なんですね……」
「御託はいい。とりあえず進むんだ」
奴らについて行くと、開けた場所にでる。
このまま進んでいくと17階層に続く場所だ。
当然俺たちと4人以外誰もいない。
だから4人の会話が響いて、聞こえて来た。
「そういえば、最近新しい能力持ちが見つかったの知ってるか?」
「当たり前でしょ。あのまさかギルド最弱って言われてた人だったなんて、驚いたわ」
「ほんとだよな。あんなの隠して生きていたなんてびっくりだぜ。俺ならすぐ店ら貸しちまう」
「それはあんただけでしょ……」
「それだけではない。俺たちのチームとの力の差が凄い。俺たちとは全く次元が違う。あの強さはバケモノだ」
「ほんとですよね。私たちのパーティーで討伐クエストとか手伝ってほしいくらいですよ!」
丸聞こえだった。
4人それぞれが気楽そうに話している。
本人ここにいるぞと言いたいところだが、バレてしまってはすべて水の泡だ。
なんだか聞いているだけで恥ずかしい。
「あれ、レンさんの話ですよね」
「まあ、そうだろうな」
「結構話題になっているみたいですね。あの事件」
「そうだな」
ギアルを俺の力で倒した。
あれのおかげで俺の名誉は守られた。
でも、俺の力がすべてというわけではない。
リンがいなかったら俺はきっとなにもしないままでずっと未来永劫、馬鹿にされ続ける人生だっただろう。
あれはリンに守られたといっても過言ではない。
だからリンには感謝だ。
「照れてるんですか、可愛いですね」
「……別に照れてない。こんな未来が来るなんて……想像していなかっただけだ」
こんな風に笑いあえる未来。
そんなのがあっていいのだろうか。
そう思えるくらいに良すぎるのだ。
「って、あの人たちいつの間にか先進んでますよ!」
遠くに4人が見える。
話していたせいだ。
ここから走ればバレるかもしれない。
だから俺はリンの手を握り、力を使う。
瞬間移動。
遠かった距離が一瞬にして近づいた。
でも相手には気づかれていない。
「前までピンチの時しか使わなかったのに……」
「慣れた。もう、あの時のような怖さはない」
「そうですか。レンさん……変わったんですね……」
「あと、リン。いつまで俺の手を握っているつもりなんだ。離してくれ」
「わ! ご、ごめんなさい。ずっと手を握ってたままでした」
手を素早く離す。
「…………声がデカいぞ」
「すみません……」
ギリギリバレなかった。
会話に夢中だったからだろう。
少しだけひやっとしたが、なんとかなった。
そんな時だった。
ガサガサと足音が聞こえて来る。
「…………モンスターか」
前から聞こえた。
つまり標的は俺たちでなくあの4人組。
様子を見守ることにする。
「来ました! モンスター前方方向からです」
「みんな構えろ!」
4人もすぐに気づき、武器を構えだす。
盾と片手剣を持った2人は前線。残り2人はサポート役にまわる。
流石ベテラン。動きが早い。
構えていると敵が姿を現す。
【ウルフガンド】と色が違い、犬型モンスターのなかでもずば抜けて戦闘力の高い【ウルフ】の群れだった。
「ウルフか。いいな、準備運動には持ってこいだ!」
「うりゃああああああああ!」
4人が戦闘を開始する。
余裕そうに見えた。
攻撃がわかっているようで、群れを次々と倒していく。
けれど。
「……ちょっと待てリン。モンスターの量が…………多すぎないか。倒しても倒しても出てくるぞ」
しかも、【ウルフ】だけでなく、虫型のモンスターも出てきた。
名前すら知らないモンスターだった。
量が倍以上になり、4人は少し大変そうな顔をしながら戦い始める。
「たしかに……なんでしょうね。やっぱりここが17階層だからなんですか?」
「それもあると思うが……それだけじゃ、話がつかない。これだけの量……なにかが…………あると俺は思う」
なにかあった場合、アイツらを助けよう。
そう胸に誓う。
しかし、少しばかり不安があった。
息を切らしていた。
どうやら走って来たらしい。
俺は4人組の方に焦点を当てつつ、言う。
「大丈夫か」
「大丈夫か、じゃないですよ。私を置いていこうとするなんて……酷いです!」
「仕方ないだろ。ダンジョン内で探すなんてことほぼほぼ不可能に近いんだからここで見失うわけには行かない」
「それはそうですけど……会計まで私に任せておいて……この仕打ちって……」
「うぅ……まあ、それはそうだな。悪かった」
「素直に謝られるとなんだか不思議な気持ちがします」
「じゃあ、なんていえばいいんだ……」
「って、それより早く行かないと!」
「…………リンの情緒はどうなってるんだ」
「いいから行きましょう。尾行できなくなりますよ」
「言わなくてもわかっている。行くぞ」
そんな会話をしている間に奴らはダンジョンのすぐ近くまで来ていた。
4人に見つからないようにある程度距離を取りつつ、監視する。
そのままダンジョン内に入って行った。
「よし、俺たちもダンジョン内に入るぞ。気をつけろ」
「はい、わかってます!」
俺たちもそれに続く。
ここからが難しい。
大きな音が立てれない上に隠れる場所がほとんどない。
だから、最悪俺の瞬間移動《テレポーテーション》を頼るくらいしかできない。
「なんか楽しくなってきました。こういうの冒険って感じがしてワクワクします!」
「……あんまり声出すなよ。バレるだろ」
いきなり声を出してくる。
距離が離れているとは言え、相手はギルドのベテラン。油断はできない。
「これくらいならバレませんよ」
「いや、バレなくても声が聞こえたらモンスターだと警戒されるから止めておけ」
「…………なんかつまんないです」
「クエストなんてつまんないものだ。採取クエストとかの方が面白くない」
「それを何年も出来るのは普通に尊敬です……」
「尊敬してるなら、これに集中してくれ」
「わかってますよ」
少し退屈そうだ。
まあ、それもそうか。
2回目のクエストのようなものがこれなんて。
退屈で仕方がないはずだ。
だが、そんなことお構いなしに危険がある。
隙だけは見せないでほしいと願うばかりだ。
結構歩いた所でリンが言う。
「あ、進みましたよ。もう17階層ですか。早いですね……」
歩きつつ、小声で言う。
「場所の構造を理解しているんだ。俺も9階層くらいならわかる」
「!? レンさんってやっぱり凄い人なんですね……」
「御託はいい。とりあえず進むんだ」
奴らについて行くと、開けた場所にでる。
このまま進んでいくと17階層に続く場所だ。
当然俺たちと4人以外誰もいない。
だから4人の会話が響いて、聞こえて来た。
「そういえば、最近新しい能力持ちが見つかったの知ってるか?」
「当たり前でしょ。あのまさかギルド最弱って言われてた人だったなんて、驚いたわ」
「ほんとだよな。あんなの隠して生きていたなんてびっくりだぜ。俺ならすぐ店ら貸しちまう」
「それはあんただけでしょ……」
「それだけではない。俺たちのチームとの力の差が凄い。俺たちとは全く次元が違う。あの強さはバケモノだ」
「ほんとですよね。私たちのパーティーで討伐クエストとか手伝ってほしいくらいですよ!」
丸聞こえだった。
4人それぞれが気楽そうに話している。
本人ここにいるぞと言いたいところだが、バレてしまってはすべて水の泡だ。
なんだか聞いているだけで恥ずかしい。
「あれ、レンさんの話ですよね」
「まあ、そうだろうな」
「結構話題になっているみたいですね。あの事件」
「そうだな」
ギアルを俺の力で倒した。
あれのおかげで俺の名誉は守られた。
でも、俺の力がすべてというわけではない。
リンがいなかったら俺はきっとなにもしないままでずっと未来永劫、馬鹿にされ続ける人生だっただろう。
あれはリンに守られたといっても過言ではない。
だからリンには感謝だ。
「照れてるんですか、可愛いですね」
「……別に照れてない。こんな未来が来るなんて……想像していなかっただけだ」
こんな風に笑いあえる未来。
そんなのがあっていいのだろうか。
そう思えるくらいに良すぎるのだ。
「って、あの人たちいつの間にか先進んでますよ!」
遠くに4人が見える。
話していたせいだ。
ここから走ればバレるかもしれない。
だから俺はリンの手を握り、力を使う。
瞬間移動。
遠かった距離が一瞬にして近づいた。
でも相手には気づかれていない。
「前までピンチの時しか使わなかったのに……」
「慣れた。もう、あの時のような怖さはない」
「そうですか。レンさん……変わったんですね……」
「あと、リン。いつまで俺の手を握っているつもりなんだ。離してくれ」
「わ! ご、ごめんなさい。ずっと手を握ってたままでした」
手を素早く離す。
「…………声がデカいぞ」
「すみません……」
ギリギリバレなかった。
会話に夢中だったからだろう。
少しだけひやっとしたが、なんとかなった。
そんな時だった。
ガサガサと足音が聞こえて来る。
「…………モンスターか」
前から聞こえた。
つまり標的は俺たちでなくあの4人組。
様子を見守ることにする。
「来ました! モンスター前方方向からです」
「みんな構えろ!」
4人もすぐに気づき、武器を構えだす。
盾と片手剣を持った2人は前線。残り2人はサポート役にまわる。
流石ベテラン。動きが早い。
構えていると敵が姿を現す。
【ウルフガンド】と色が違い、犬型モンスターのなかでもずば抜けて戦闘力の高い【ウルフ】の群れだった。
「ウルフか。いいな、準備運動には持ってこいだ!」
「うりゃああああああああ!」
4人が戦闘を開始する。
余裕そうに見えた。
攻撃がわかっているようで、群れを次々と倒していく。
けれど。
「……ちょっと待てリン。モンスターの量が…………多すぎないか。倒しても倒しても出てくるぞ」
しかも、【ウルフ】だけでなく、虫型のモンスターも出てきた。
名前すら知らないモンスターだった。
量が倍以上になり、4人は少し大変そうな顔をしながら戦い始める。
「たしかに……なんでしょうね。やっぱりここが17階層だからなんですか?」
「それもあると思うが……それだけじゃ、話がつかない。これだけの量……なにかが…………あると俺は思う」
なにかあった場合、アイツらを助けよう。
そう胸に誓う。
しかし、少しばかり不安があった。
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