ギルド最弱と呼ばれているけれど、実は数年前、大厄災を起こした最強の能力者でした。最高のヒロインと一緒に隠していたチートの力を使って無双します

シア07

文字の大きさ
24 / 38

第23話 帰還

しおりを挟む
「それよりもさっきのちょっとだけちらっと見たけどよ、お前凄いな。クソ強い相手に戦ってたしよ、俺がやってたら即死だったぜ」

「あ、ああ。ありがとう」

「ふ~ん、よし! とりあえずせっかくだし自己紹介でもしとくか」

「は、自己紹介?」

「そうだ。俺たち会ったんだからもう友達みたいなもんなんだからな。じゃあ俺から。……俺の名前はシンヤ。よろしくな!」

「ああ…………俺はレンだ。……よろしく」

 赤髪がいきなり自己紹介をしてくる。
 勢いでよろしくと言ってしまった。
 肩をバンバンと叩かれる。

 すぐ内側に入ってこようとしてきて鬱陶しい。
 俺が苦手なタイプだ。

 リンの方を見ていると、ちゃんと挨拶できるんですね!みたいな目で見つめてきた。
 リンも俺と同じように自己紹介をする。

「あ、私はリンです。最近こっちに引っ越してきました。仲良くしてください!」

「リンちゃんか。可愛い名前だな! いい子だ」

「この馬鹿! あんた会って早々いう事じゃないでしょ」

「いってぇ……なんだよ……別にそれくらいいいだろうが……」

 シンヤは青髪のツインテールに殴られる。
 俺は小さくため息をついた。
 他のメンバーは3人いて、それぞれが自己紹介していく。

「次は私ですね。私の名前はフェリルです。私の隣にいるのが…………」

「ランよ。よろしくね」

「……よろしく」

 ピンク色の優しそうな女の子がフェリル。
 青髪のツインテールはランだった。

「…………」

 女の子2人は名前を言ってくるが、最後の一人、メガネをかけた男だけは無言でその場に立っていた。
 俺は無心でそれを見つめていると、女の子の一人、フェリルが注意をかける。

「ねぇ、なんで自己紹介しないの!この人あんたの自己紹介を待ってるのよ」

「何故そうも簡単に自己紹介をする。これは俺のプライバシーだぞ。会ったばかりの奴にそんな事をバラスわけないだろ」

「いや……別にそんなつもりは……」

「はぁ……またこのパターンか。もういいや。私は言うよ。この人はライオネル。見ての通り、面倒くさい男です。ライとも呼ばれてます」

「おい、俺の情報をぺらぺらとしゃべりやがって! もしこいつらに俺の名前を悪用なんかされたら……」

「見ていたらわかるでしょ。あの仮面の女の子を追い払ってくれたのよ。そんなことする人じゃないでしょ!」

「いいや、俺は悪いが信用できない。力は凄いのは認めているが……」

「しかも上から目線だし……もう面倒くさい!」

「君たちもしかして……いつもこうなのか?」

 見かねた俺が聞く。

「はい……ライオネルって前向きで強そうな名前をしているくせにこんな性格なんですよね……」

「名前で判断だって……そんなので人の事をはかるなんて最低の人間がすることだ。取り消してもらおう」

「…………大変そうだな」

「あはは……わかってもらえて光栄ですよ」

 見るからに面倒くさそうだ。
 リンよりも扱いが難しそう。
 
 でも、少しだけこの性格が全く違う感じのこのパーティーになじんでいるような気がする。
 見るからに喧嘩しかしていなさそうだが、それが逆にそれが合っている。

「まあ、とにかくこれで俺たちの自己紹介は終わりだな。よし、さっきのことは切り替えてクエストに戻るか!」

「そんなことするわけないじゃない。今の奴ら完全にヤバいし、普通にクエストなんかしている場合じゃないわ。一旦、帰ってギルドに報告するのが先よ。レンさんたちも一緒に帰りましょう。なにが起こるかわかりませんし」

「ギルド……そのことだが、ギルドの受付にではなく、ギルド長直々に報告しに行く」

「ギルド長に? ……俺たちがか?」

「ああ、少し調査を頼まれているんだ。仮面の少女との因果性もあるかもしれない。だから、6人全員で話に行こう」

「……わかりました。私は構いませんけど……シンヤはどう思う?」

「俺も問題ないな。ランもライも問題ないだろ?」

「大丈夫よ」

「問題ない」

「じゃあ、そういうわけで頼む」

 そして、6人で行動を共にする。
 最初に来た道を戻っていく。
 モンスターは異常にいなくて、ほぼほぼ会わない。
 いつの間にか7階層まで上がっていた。

「ちょっと待て……」

「どうしたの? なにか思いつめた顔して……」

 歩いていると急にシンヤが言いだす。
 俺はなにか思い出したりしたのかと思って気を張る。
 しかし。

「ってことは今日の給料はなしかよ。最悪だ。飯も……食う金がねぇ!」

「……上げないわよ。聞いてて損した」

「なあ頼むよ、ラン! もしくはフェリルでもライオネルでもいいからさ!」

「シンヤがいつも酒飲んでばっかだからですよね。あなたにあげる人なんか誰もいませんよ」

「そ、そんな…………」

 残念そうにしながら俯くシンヤ。
 俺はそんな奴らを見てみるとふと頭に浮かんだ。

 まるであの、幼馴染と一緒にいた日々。
 このパーティーの雰囲気が少しだけ子供の頃のようだった。

「そろそろ、地上ですね」

「だな! ふぅ……やっと帰ったきたあ」

 そんなことを思っていると、光が見えてくる。
 もう1階層らしい。モンスターにも襲われず、話していたらあっという間だった。

「ほんとね。あのモンスターに襲われたときは死んだかと思ったわ」

「リンがこなかったら俺たちは死んでいたかもな。君には感謝を送るよ」

「あ、ありがとうございます……」

「もう、ライってそういうところがダメだよね。女の子に対して失礼とかないの?」

「ないな」

「そう、ここまでくるとすがすがしいわね。リンちゃん……大丈夫?」

「別にそれくらいなら大丈夫ですよ。どっちかといえばレンさんの方が酷いこと言ってきますし」

「おい、急にヘイトを俺に向けるな」

「ふふ、つい。ごめんなさい!」

「こら、2人ともいちゃついてないでさっさと行きますよ。早く報告しないと、大変なことになるかもですから!」

「そうだな。行くぞ、リン」

「はい!」

 そうして俺たち6人はようやく絶望的だったダンジョンから帰還した。
 少し歩き、ギルドに到着する。

 仮面の少女とあのモンスター。
 この事実をいますぐにでもギルド長に報告しなければならない。
 俺たち6人はギルド長の部屋の前まで行く。

 部屋のドアノブを握り、ドアを開けるとギルド長の姿があった。
 いつも通りのなんでも知っていそうな感じに少したじろぐ。
 緊張感がただよった。
 しかし、ちゃんと向き合った。

「ギルド長、報告があります」

「なんだ? そんな大勢なんかで押しかけて来て……進展はあったか?」

 そして、俺は報告を開始する。
 
 その時はまだ、俺……いいや、俺たちは気づいていなかった。
 これから起こる最悪な事件に。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

追放された荷物持ち、【分解】と【再構築】で万物創造師になる~今更戻ってこいと言われてももう遅い~

黒崎隼人
ファンタジー
勇者パーティーから「足手まとい」と捨てられた荷物持ちのベルク。しかし、彼が持つ外れスキル【分解】と【再構築】は、万物を意のままに創り変える「神の御業」だった! 覚醒した彼は、虐げられていた聖女ルナを救い、辺境で悠々自適なスローライフを開始する。壊れた伝説の剣を直し、ゴミから最強装備を量産し、やがて彼は世界を救う英雄へ。 一方、彼を捨てた勇者たちは没落の一途を辿り……。 最強の職人が送る、痛快な大逆転&ざまぁファンタジー!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~

みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった! 無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。 追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

処理中です...