孤児院で育った俺、ある日目覚めたスキル、万物を見通す目と共に最強へと成りあがる

シア07

文字の大きさ
21 / 37

第20話 ゴブリンとの再戦

しおりを挟む
「早く行くわよ。もう準備は整っているわよね?」

「ああ、大体整えたから問題ない。お前の方こそ大丈夫なのか? 昨日どっかに言ってたみたいだけど」

 宿舎の中で会話をする。
 今日稼げなかったらこの家ともおさらばだ。頑張らなくてはいけない。やるしかないのだ。

「もちろんよ。ほらみなさい、これを!」

「おぉ……ってなにこれ……」

 嬉しそうに鞄の中を見せて来た。
 変なものがいっぱい入っているようだった。

「まずは、あの中で小腹が空いた時のお菓子とご飯。それとこのタオルね。買うときに言われたんだけど、これを持っているとなにかしらいいことがあるらしいのよ。凄いでしょ!?」

「なにが凄いでしょだよ! それ騙されてるよ!? 完全に怪しいでしょ、そんなタオル!」

「なに言ってるのよ。ちゃんと占い師のジュピタさんがいってたんだから本当なのよ!」

「名前からして胡散臭いな……」

 いまのこいつに何言っても無駄だろう。将来、絶対変な宗教とか壺とか買わされたりする系だよな。危なくなったら助けてやろう。
 なんか可哀そうだし……

「……あとはこの松明ね。前に行った時全然見えなくてうまく戦えなかったからこれでいいかなって。どうかしら?」

「松明か……俺が魔法を使えるようになったから意味ないんだけどな」

 あっさりという。

「え!? 魔法!?」

 本気で驚いた声をだした。めちゃくちゃいい反応じゃないか! よしよし、計画通り。
 俺は詠唱を読み始める。そして、詠唱を読み終え、手にファイアーボールを出した。
 今回も普通に成功した。

「ほら、少しあったかいし、松明代わりにはなるでしょ」

「あ、あんたの割には凄いわね……どこでこんなの覚えたのよ……」

「お、おう。レインさんに教えてもらったんだ」

 う、嘘だろ……まさか、こんな簡単に褒められるとは思わなかった。
 いつもの通り貶されると思っていたのに……あれ、なんだか涙が出てきそうだ。
 流石に泣かないけど! 我慢するけど! それほどまでに嬉しかった。

「……レインね。私も教えてもらおうかしら」

「結構あの人適当だから覚えるなら……頑張れよ」

「ふん、言われなくてもわかってるわ。馬鹿にしないで!」

 で、ですよね。やっぱり根本的な部分は直りませんよね~。
 まあこれがミクだし。こっちの方が彼女らしい。

「……後はこの剣ね。もうこれ以上はお金がなくて買えなかったわ。これもいい奴じゃないし、でもナイフよりはマシだから買ったのよ」

「へぇ……剣……」

 俺もそういうのには憧れる。
 剣を振るい、敵を薙ぎ払う。めちゃカッコイイ。
 まあ、でも俺には素早さも攻撃力も高くないからあんまり使えないんだけどね。

「……ってもう、いいでしょ。これで準備は整ったみたいね。いきましょう! 洞窟へ!」

「おう!」

 元気いっぱいに出発を開始した。
 こないだと変わらず、町から出てすぐのところにある洞窟へと入っていく。
 入ってすぐのところで前がなにも見えなくなったので、すぐさま詠唱を読み、ファイアーボールを手に出した。

 これなら安心。しかも敵が迫ってきても最悪攻撃としても使える。非常に優秀な魔法だ。これでも初級なのだからもっと上の段階の魔法がどれほど強いものなのか凄く気になるな。
 男ならみんな憧れるでしょ! 

 そんなことを思いながらどんどんと奥へと歩いていく。
 
「あんまりでてこないな。どこに居るんだ?」

「そんなの決まっているわ。きっとどこかに隠れているのよ。でも私が怖くて出てこれないのよ!」

「それは……うん、違うと思うけど……まだ出てこないってことは極端に固まっているか、もしくはほとんど数がいなくなっちゃったかもしれないな。一日あいていたし他の冒険者たちが倒しに来ちゃったのかも……」

「「…………」」
 
 ちょっと空気が悪くなる。
 仕方ないだろう。これだけの用意をして逆に今度はいなくなったのかもしれないんだから。

 でもあれだな。敵が一気に攻めてこないだけマシだな。
 もしかしてこの間逃がした奴が次来る相手のために俺たち同様準備して……っていうのは流石に考えすぎか。悪い癖だな、変な方向にもっていくのは。
 
「…………ちょっと待って。来る」

「え?」

 その瞬間、後ろから気味悪いゴブリンの声が聞こえて来た。
 数は2匹。ちょうどいいくらいの感じだった。
 だが、どこから出て来たのかわからなかったが、いつの間にか俺たちとの距離は近かった。

「うがあああああ!」

 ミクがゴブリンに向かって剣を振るう。
 あっけなくゴブリンに刺さり、ぶっ倒れる。
 長さが長い分、楽そうに倒しているようだった。普通でも強かったのにさらに強くなってやがる。

「まだまだあああ!」

 もう一体の方も切りかかり、うねり声をあげながら倒れた。
 
「ふぅ……余裕だったわ」

「す、凄い…………」

「でしょ。もっと褒めてもいいのよ」

「……あんま、調子に乗るな」

 ぽんと頭を叩くと、すぐにぶん殴られた。痛いです。

「まあいいわ。さっさと皮を回収していきましょう……」

「どうかしたのか? 急に喋らなくなったけど」

「っし! ヤバいわ。なにかヤバいオーラを感じるのよ」

「ヤバいオーラ?」

「そう、なにかがこっちに向かってきているのよ。逃げたほうが……」

 刹那、俺の体が吹っ飛んだ。
 まるでラグナロクと戦ったときのように吹っ飛んだ。壁に激突する。
 ファイアーボールは消えた。

「ぐはぁ……な、なんだ……なにが起こったんだ……」

 わからない。
 いきなり体が吹っ飛んだんだ。誰に飛ばされたのかもわからない……
 目を見開いて、前を見る。

「マジかよ……」

 こんなのは想定していなかった。良くて数体だろうと。でも目の前にはゴブリンが数十体いた。
 ミクは俺と同じく攻撃されたみたいだが、かれんに避けた。

「ファクト!」

「大丈夫だ。まだ立てる……いてて……結構痛いな、おい。……でもやるしかないか」

「なにごちゃごちゃ言ってるのよ。逃げるわよ!」

 ミクが俺の手を取り、走りだす。
 緊急回避だ。俺はこの間に詠唱してファイアーボールをもう一度出した。

「……無理だ。この数相手に逃げるのは流石に骨が折れる。倒してしまった方が早い」

「でも、私じゃこんだけの相手をするのは無理よ! 逃げるわよ!」

「違う。俺に考えがあるんだ。ミク、水は持ってるか」

「飲み水ように持ってきたけど……それがなに?」

「本当なら一体に使う魔法だけど。水さえあれば、こいつらにも使える……」

「だ、だからなにをするのか言いなさいよ!」

「まあ見てろって」

 走りながらミクから水をもらい、それをゴブリンに向かって投げつけた。
 ゴブリンたちの足がいったん止まる。前の奴が止まれば自然と後ろも止まる。
 よし、大丈夫そうだ。

「ちょ……なにするのよ! 水だってお金するのに!」

「し、仕方ないだろ。一気にこいつらを足止めするにはこれしかなかったんだよ!」

 相当強い力でぶん殴られた。さっき怪我した部分に当たって痛い……
 なんてことするんだ!

「……絶対倒しなさいよ」

「……言われなくてもわかってるよ」

 準備は整った。
 あとは集中するだけだ。

 走るのをやめ、足を止める。
 これをミスったらこいつらにやられる。なにがなんでも成功させなくてはならない。
 ふぅ……行くぞ。覚悟を決めた。

「……我が清廉なる神秘の雷よ。この手に力を与えたまえ。エレクトロ!」

 俺は初級魔法、エレクトロの詠唱を唱え、発動した。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

無能認定され王宮から追放された俺、実は竜の言葉が話せたのでSSS級最凶竜種に懐かれ、気がついたら【竜人王】になってました。

霞杏檎
ファンタジー
田舎の村から上京して王宮兵士となって1年半…… まだまだ新人だったレイクは自身がスキルもろくに発動できない『無能力者』だと周りから虐げられる日々を送っていた。 そんなある日、『スキルが発動しない無能はこの王宮から出て行け』と自身が働いていたイブニクル王国の王宮から解雇・追放されてしまった。 そして挙げ句の果てには、道中の森でゴブリンに襲われる程の不遇様。 だが、レイクの不運はまだ続く……なんと世界を破壊する力を持つ最強の竜種"破滅古竜"と出会ってしまったのである!! しかし、絶体絶命の状況下で不意に出た言葉がレイクの運命を大きく変えた。 ーーそれは《竜族語》 レイクが竜族語を話せると知った破滅古竜はレイクと友達になりたいと諭され、友達の印としてレイクに自身の持つ魔力とスキルを与える代わりにレイクの心臓を奪ってしまう。 こうしてレイクは"ヴィルヘリア"と名乗り美少女の姿へと変えた破滅古竜の眷属となったが、与えられた膨大なスキルの量に力を使いこなせずにいた。 それを見たヴィルヘリアは格好がつかないと自身が師匠代わりとなり、旅をしながらレイクを鍛え上げること決める。 一方で、破滅古竜の悪知恵に引っかかったイブニクル王国では国存続の危機が迫り始めていた…… これは"無能"と虐げられた主人公レイクと最強竜種ヴィルヘリアの師弟コンビによる竜種を統べ、レイクが『竜人王』になるまでを描いた物語である。 ※30話程で完結します。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

チートスキルより女神様に告白したら、僕のステータスは最弱Fランクだけど、女神様の無限の祝福で最強になりました

Gaku
ファンタジー
平凡なフリーター、佐藤悠樹。その人生は、ソシャゲのガチャに夢中になった末の、あまりにも情けない感電死で幕を閉じた。……はずだった! 死後の世界で彼を待っていたのは、絶世の美女、女神ソフィア。「どんなチート能力でも与えましょう」という甘い誘惑に、彼が願ったのは、たった一つ。「貴方と一緒に、旅がしたい!」。これは、最強の能力の代わりに、女神様本人をパートナーに選んだ男の、前代未聞の異世界冒険譚である! 主人公ユウキに、剣や魔法の才能はない。ステータスは、どこをどう見ても一般人以下。だが、彼には、誰にも負けない最強の力があった。それは、女神ソフィアが側にいるだけで、あらゆる奇跡が彼の味方をする『女神の祝福』という名の究極チート! 彼の原動力はただ一つ、ソフィアへの一途すぎる愛。そんな彼の真っ直ぐな想いに、最初は呆れ、戸惑っていたソフィアも、次第に心を動かされていく。完璧で、常に品行方正だった女神が、初めて見せるヤキモチ、戸惑い、そして恋する乙女の顔。二人の甘く、もどかしい関係性の変化から、目が離せない! 旅の仲間になるのは、いずれも大陸屈指の実力者、そして、揃いも揃って絶世の美女たち。しかし、彼女たちは全員、致命的な欠点を抱えていた! 方向音痴すぎて地図が読めない女剣士、肝心なところで必ず魔法が暴発する天才魔導士、女神への信仰が熱心すぎて根本的にズレているクルセイダー、優しすぎてアンデッドをパワーアップさせてしまう神官僧侶……。凄腕なのに、全員がどこかポンコツ! 彼女たちが集まれば、簡単なスライム退治も、国を揺るがす大騒動へと発展する。息つく暇もないドタバタ劇が、あなたを爆笑の渦に巻き込む! 基本は腹を抱えて笑えるコメディだが、物語は時に、世界の運命を賭けた、手に汗握るシリアスな戦いへと突入する。絶体絶命の状況の中、試されるのは仲間たちとの絆。そして、主人公が示すのは、愛する人を、仲間を守りたいという想いこそが、どんなチート能力にも勝る「最強の力」であるという、熱い魂の輝きだ。笑いと涙、その緩急が、物語をさらに深く、感動的に彩っていく。 王道の異世界転生、ハーレム、そして最高のドタバタコメディが、ここにある。最強の力は、一途な愛! 個性豊かすぎる仲間たちと共に、あなたも、最高に賑やかで、心温まる異世界を旅してみませんか? 笑って、泣けて、最後には必ず幸せな気持ちになれることを、お約束します。

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

処理中です...