ペトリの夢と猫の塔

雨乃さかな

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第1章『始まりの村と魔法の薬』編

第1話 朝/Morning

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 ある日、窓の外の小鳥の声に誘われて、一人の少女が眠りから目を覚ました。
 その少女は天使のような白い髪に、ルビーのような深紅の瞳をしていた。
 肌は白銀の雪の如く白く染まっており、触れれば溶けて無くなってしまいそうな儚い空気に包まれていた不思議な少女だった。

「うっ…」
 
 少女はゆっくりと身体をおこし、辺りを見回す。
 しかし、ぼんやりと霞む視界と頭を満たす激しい頭痛で、まともに体を動かすことはおろか、思考することすらもままならない。手足は痺れて、吐き気も少しする。

「はぁ…、何だこれ…?」
 
 意識は朦朧とし、うまく思考の焦点が定まらない。
 しばらく、くらくらと漂う漠然とした思考の波に揺られ、少女は重い頭を押さえて考える。

「…私は、今まで…」

 とりあえず今、自分がどこかのベッドの上にいるということだけは確かなようだ。丁寧に、布団と毛布までかけてくれている。
 ただ、少女はそれ以前…、自分が眠っていた以前の出来事を思い出すことができなかった。ここに至った経緯も、自分が何者かということも何もかも。
 それでも、少女は無理矢理にでも何か思い返そうと努めるが、頭の中に霧のようなフィルターが張られたように、それが少女の回想を妨害し、やはり何も思い出せない。むしろ、過去の記憶を辿ろうとすればするほど、頭痛はますます激しくなる一方だ。

「…わ、私は、誰?」

 少女は過去のことは何も思い出せなくても、自分が何か永い夢を見ていたような感覚があることは分かった。だがそれは、決して良い夢ではないような気がした。

「…ここは、どこなんだ?」

 少女にとって、今の状況はすべてが分からないことだらけだった。自分の過去、自分のいる場所、自分という名の存在、そのすべてが何も分からない。それは、まるで目隠しをされたまま無責任にこの世界に放り出されたような、ただひたすらに少女に目に見えない恐怖と不安の念を植え付けたのであった。

 しばらく少女は混濁した意識のまま、ベッドの上で知らない天井を見つめ続けていた。
 そして、その冷えきっていた小さな身体に熱い血潮が注がれきった頃、少女はふと自分の寝ているベッドのすぐ側に窓があることに気づく。それは小さなガラスの窓で、薄いカーテンが閉めてある。
 そして、そこから透き通った透明な陽が、布団の上にしかくい光の池を作っているのを見て、少女は今が朝か昼の明るい時眼帯で、自分がどこかの建物の中にいるのだということを悟った。
 まず少女はここがどこなのかを知るためにも、窓の外の景色を確認することにした。
 しばらく眠っていたせいか、いざ体を動かそうとしてもうまく筋肉に力が入らず、クラっとめまいもした。
 それでも、少女はなんとか意識を繋ぎ合わせ、足を布団の中から部屋の床へ着地させる。
 床は木製のようで、足を着けるとミシミシと木がきしむ音がした。
 そして足元を見るとそこには、かつて少女が履いていたと思われる茶色の靴が綺麗に揃えられて置いてあった。もちろん、それすらも思い当たる節は何も無いのだが。
 少女はベッドの外へゆっくりと立ち上がる。
 そしてそのまま、窓の外の景色を見ようと、薄いカーテンの隙間に手を入れ、恐る恐るそのカーテンを引いた。
「えっ…」
 そうして、目を丸くした少女の視界に飛び込んできたのはまったく見覚えの無い光景だった。
 そう、窓の向こうにのどかな村の風景が広がっていいたのだ。いくつもの木造の民家や建物が存在し、村人であろう人々が田を耕し、子供たちの無邪気にはしゃぐ笑い声も聞こえてくる。遠くの景色の方を見ると、大きな岩の山脈が連なっており、目が覚めきってしまうほどの青い空がどこまでも澄み渡っていた。
「はぁ…」
 もっと村の風景を眺めていたかったのだが、寝起きで病み上がりの少女にとって、外のまぶしい光は長時間耐え得るようなものではなかった。
 そのまま息が苦しくなってきて、一端ベッドの上に腰を降ろす。
 ここがどこの村で、何という村なのか、やはり少女には何一つ身に覚えが無かった。
 しかし、何も分からない少女にとって、唯一これまで見てきたことに関して一つ分かったことがあった。
 それは、この場所が「安全」だということ。
 確信した訳ではないが、自分が寝ていたベッドの状態や村の雰囲気を感じて、漠然とながらも少女はそう判断することにした。そう考えるだけで、少女の高鳴っていた鼓動は落ち着き、少女もほっと胸を撫で下ろすことができた。
 もちろん逆に、ここが危険な場所だと認知できる余地もまだあるが、目の前の状況を考えて、まずその可能性は低いだろう。
「とにかく、悪い場所じゃなさそう…」

 窓の外を確認した少女は、次に部屋の中を見回した。
 漆喰で塗られた白い壁の小さな部屋。
 この目で確認できるのは、自分が寝ていたベッドと小さなタンスだけで、それ以外の家具などは見当たらない。
 そして、よく見ると部屋の床には、足の踏み場も無いほど服やズボンがなぜか散乱してあった。これは自分がやったものなのだろうか。
 過去の手がかりを知る術が無い少女は、この部屋の小汚なさには何の心当たりもない。ただこの部屋には、自分以外の別の誰かが存在していたような気配もした。
 もしそうだとしたら、その誰かは今どこにいるのだろうか。
 悪い人物でなかったらいいのだが。

 少女は一通り部屋の内装を確認した後、この部屋にドアが付いているのを目にした。
 それは少し歩を進めれば手がとどく位置にあり、丸い取っ手も付いてある。
 少女はこの時、この小さな部屋で大人しくじっとしているか、さらに状況を確認するためにも部屋の外に出るか、どちらにするか迷った。
 しかし、部屋にこもっていても何も変わらないと判断した少女は、ささやかな興味と探求心に背中を押され、思い切って部屋の外へ出てみることを決断した。

 そして意を決した少女は、再び足を床に着けて、ベッドから身を出す。
 まだ完全に回復しきっていない少女は、思うように歩けることはできなかったが、部屋の壁に体重を寄せ、一歩ずつ着実にドアの方へ足を進めて行った。
 ドアへ向かって行っている途中、部屋の壁に何かの写真がたくさん貼ってあるのに気付き、少女は歩みを止める。
 この写真から、何か手がかりが掴めるかもしれない。
 そう思った少女は、無数に貼ってある写真の中から一つを選び、じっくり眺めてみた。その写真の中には、何か人のようなものが二人写り込んでいた。
 しかし、それは昔撮られたもののようで、今ではすっかり黄色く色褪せてしまっており、はっきりとは何が写っているのかは分からない。
 それでも、じっくり目を凝らして眺めていると、その二人は大人の女性とおかっぱ頭の幼い女の子であることが分かった。
 他の写真にも目をやると、どの写真にもさきほどと同じような幼女が写りこんでおり、どれも全部、楽しそうに笑っている。
 しかし、改めて最初に眺めた一枚に目をやると、それに写っている女の子の顔だけはなぜか悲しそうな表情をしていた。それは、どこか寂しげな顔をしているようにも見える。
 これらの写真に写っている女の子は、もしかしたら自分なのだろうか。あるいは自分の姉が妹か。
 何度も少女は心の中でそう思った。
 だが、それを確認する術もない以上、やはりなんとしても少女は部屋の外に出なければならなかった。

 少女はもう一度、部屋を見回す。
 この小さな部屋には、写真とベッド以外に特に目を引くものは無く、随分と質素な部屋だった。
 すると、突然少女をめまいが襲ってきた。
 視界がグニャリと歪む。
 病み上がりのような重い身体でずっと立ち続けていたものだから、少女の身体は一時的に限界を向かえたのだろう、そのまま少女は床に膝から崩れ落ちた。
「はぁ…はぁ…、ちょっと歩いただけなのに…」
 服の上から胸に手を当てると、絶え間なく心臓がうねりをあげて鼓動しているのが確認できた。汗が額からこぼれ落ち、息が長く続かず苦しい。少女は、どうしてこんなに身体が重くて疲労しているのか、皆目見当もつかなかった。
 だからこそ少女は、自分がここに至るまでの経緯を知りたかった。
 それを知らない限り、何も始まらないから。
「がんばれ、私…」
 自分が何なのか分からない限り、少女は自分が自分でないような気分になっていた。そして、そんな独りぼっちでみじめな自分がどこか可哀想にも思えてきた。
 だから、この世界で誰にも頼れない今、独りぼっちの少女は自らを奮いたたせた。そうでもしないと、なぜ自分がここまでもがいてているのか見失ってしまいそうな気がしたから。
 少女は両手を床につき、なんとか体を起こして、よろよろと立ち上がる。
 そしてそのまま、おぼつかない足取りでやっと部屋のドアの前にたどり着いた。
「出ても、大丈夫だよね…」
 少女は小声で自分に言い聞かせて、勇気を振り絞ってドアノブに手を掛け、扉を静かに開いた。
 そして、顔をゆっくり部屋の外へ出し、辺りを見回す。そこには窓のついた狭い廊下が続いていて、視線を左に向けると、下へ向かう階段が存在しているのを確認できた。
 窓から見えた村の景色や下へ続く階段から推測して、ここはどうやらどこかの建物の二階のようだ。
 
 状況が安全なのを確認して、少女はその階段を下りることに決めた。
 今のところ自分にまつわる手がかりは何も掴めていないが、その階段の先にきっと何かあることを信じたい。
 ささやかな希望を胸に、少女はまた歩き出した。

 少女は病み上がりの身体で、階段を下りる一歩手前まで進んだ。
 そして、下へ続く階段を見下ろす。その階段はさほど長くはなく、踊り場を交えてそのまま下へ続いているようだ。
 そして、階段の向かう先…その下の階の方から、なにやら人の話し声のようなものが聞こえてきた。
 男女の入り交じったその話し声は、どこか楽しげに笑い合っているようにも聞こえる。
「やっぱり、誰かいるんだ…」
 そんな談笑し合う声を耳にした少女は少し安堵の念を覚えたが、向こうが誰なのかまだ分かっていない以上、相手への警戒の糸だけは張り続けた。
「よし、下りるぞ…」
 意を決し深呼吸をした少女は、臆することもなく階段に足を着け、一段一段踏みしめて進んで行った。



「でも、やっぱり準備だけでもしておいた方がいいのかな」
 食卓の上に並べられた食器を片付けながら、金髪の少女が黒髪の少年へ話しかける。その少女は生まれつきの金色の髪を首もとあたりで短く切り揃えており、せっせと家事に取り組む一方、どこか浮かない表情をしていた。反対に、言葉を投げ掛けられた少年は、自分たちには何も関係がないような言い分で少女へ言葉を返した。
「いやいや、『準備』なんて、そんな大それたことする必要なんかないと思うよ。そもそもの話、あの大王国スカースレットがこんな小さな村に兵を招集すると思う?俺たちには何も関係ないよ」
 座っているイスの背もたれにもたれかかったまま両手を頭の後ろにまわし、少年は呆れたような顔をしている。
「うーん…、そうかなぁ…」
 しかし、依然として金髪の少女の顔は不安の色で染まっていた。
「だけど、最近あの国は『寝たきりの病』が流行ってるって聞いたよ。王国のこれからの行く末も考えて、この村に何か悪い影響が及ぶのもきっと時間の問題だと、私は思うんだけど」
 どこか楽観的な少年の態度に対して、少女は真剣な顔をしている。
 そんな少女の真摯な眼差しで見つめられた少年は、寝癖がついたままの黒い髪をくしゃくしゃと掻き乱し、少し困った表情で言葉を漏らした。
「うーん…、んなこと言われてもなぁ。俺には難しい話は分かんねぇし…」
 半分笑い気味にそう言った少年は、そのままコーヒーの入ったカップに口をつけた。そして、しばらく沈黙した後、
「まぁ、とにかく!」
 と両手でテーブルの上を強く叩いてこう言った。
「俺たちは今の生活をこのまま続けて行けばいい。見えない未来を不安がってたところで、何も変わらない。そうだろ?ミサ」
 そう言うと、今度は少年が至極真面目な顔で少女を見つめ返した。少女からしたら今の少年の言い方だと、ただ話題から逃れるために無理矢理に話を結論づけた風にしか聞こえなかったのだが、そんな開き直った少年の態度に少女は半分呆れつつ、「それも、そうだよね」と自分を納得させて、この話題は終結した。




 白い少女が下ってきた階段の壁は、一階にたどり着く手前で途中で途切れており、その間から一階の様子が伺えるようになっていた。階段の奥から聞こえてくる声はだんだん近くなってくる。
 少女は向こうからバレないように、そっと壁の陰から声のする方へ顔を出し、一階の中を覗いてみた。
 するとそこには台所と食卓が存在しており、二人の男女が仲睦まじげに話し合っていた。その二人の少年と少女は、どこか自分と同じような年頃にも見える。特にあの金髪の少女と、先ほど見たあの古い写真に写っていた幼女とは、果たして同一人物なのだろうか。
 白い服の少女は、そのまましばらく二人の話を聞いていた。その二人はどうやら隣国の政治情勢について話し合っているようだった。




「あっ、そういえば」
 少年はふと思い出したように少女に話しかけた。
「ん?どうしたの?」
「いや、別に大した話じゃないんだけど。おまえさあの時、海岸で倒れてた白い女の子を保護したじゃん。その事について、何か村長さんに話しつけてあるのか?」
 その言葉に少女はうつむいて、少し気弱な表情で言葉を吐いた。
「一応、ざっくりと説明だけはしたよ。でも、まだ詳しくは話してないし、村への正式な報告はあのコが目覚めてからすればいいかなって…」
 そして続けて、ため息をついた少年は言った。
「おまえなぁ、スカースレットの成り行きが不安だとか言ってたけどよ、まずはこの村での生活のことを心配しろよな。この村によそものを連れてくることが何を意味してるのか、それはおまえもよく分かってるんじゃないのか?」
 そんな正確に的を射たような少年の言葉に、少女はしばし言葉を詰まらせる。
 しかし、慌てて言葉を探した後、負けじと少女は反論した。
「じゃ、じゃあ聞くけど、あなたはあのまま、あのコを見殺しにしてたおいた方が良かったって言いたいの?」
「いやいや、別に俺はそういうことを言いたいんじゃない。それに前にも言ったと思うけど、俺自身はあのコがこの村に、そんでこの家に来ることに関しては大賛成だ」
 少年にとって、隣国の事情はともかく、むしろあの白い少女がやってきたことが村の掟に触れないかどうかということが一番の気がかりだった。それは同じ村に住んでいる少女にとっても自明の理であった。しかし、だからと言って今さら追い出すことなどできない。
「大丈夫だよ、きっと。話せば絶対分かってもらえるって」
 少女は自信なさげに、しかし目だけは変わらず輝かせながら眉を下げている少年を説得させた。
「…んだと良いけどよ」
 しかし、説得させられた少年はまだ浮かない表情のままだった。




 白い服の少女は階段の壁の陰から、しばらく静かに二人の会話の様子を覗いていた。
 そして、持ち上げていた腰をいったん階段に下ろし、少女は二人の会話から得た情報を自分なりに整理してみた。
 まず、ここがどこかの村の民家だということ。これに関しては、少女は以前までの状況でなんとなく察しはついていた。
 そして、会話をしている二人は、どちらも自分と同じような年頃で、片方の黄色い髪の少女は少年から「ミサ」と呼ばれているようにも聞こえた。二人の人となりについては、特に問題なさそうだ。
 更に新たに得た情報としては、自分はどうやら彼らに拾われたらしいということ。それまで、あの二人とはもしかしたら自分の兄妹あるいは友達か何かだと推測していたのだが、二人の会話で真実がはっきりした。自分はもともと、この村の住民ではなかったのだ。
 ここまでの話から、少女にある2つの疑問が浮かんできた。
 まず1つ目は、自分がいったいどこからこの村へやって来たのかということ。自分がこの村の住民で無いのは明らかになったのだが、だったら自分はもともとどこにいたのだろうか。記憶が頼りにならない迷子の少女にとって、それが一番知りたい情報でもあった。
 そして2つ目の疑問は、自分がここへやって来たということを、この村はおそらく歓迎していないということ。これは、さきほどの少年が口にした言葉から得た情報だったのだが、なぜこの村はよそものを快く出迎えないのか。まだ村人に遭遇していないので、あの少年の言葉の真意がどれほど正しいのかはこの時点では分からないが、おそらく彼の言ったことは間違ってないだろう。このことが少女に寄りどころのない不安を与えたのは言うまでもない。
 しかし少女にとっての一番の謎は、なぜこんなことになってしまったのかということだった。
 本当に昔のことを思い出せない。いくら頭をひねっても、記憶の波をもがいても、何一つとして昨日自分が何をしたのかという事すらも思い出せない。
 もどかしくて、苦しい。
 何よりこんなことになってしまうほど、一体過去の自分に何があったのだろうか。少女は目を閉じて考えるが、やはり現実は何も変わらなかった。




「それじゃ、そろそろ行くとするか」
 朝の食事を終えて席を立った少年は、台所で食器を洗っている金髪の少女に向けて言葉を投げた。
 すると、台所の流し台に向かったまま少女が何か思い付いたように、少年に要件を伝えた。
「そうだ、先に行くついでに2階のあのコの部屋の窓開けてきてくれない?昨晩雨続きで、きっと部屋湿ってると思うから」
「いやいや、そんなことぐらい自分で行けよ!」
 大げさに身体をのけ反らせ、少年はツッコミのようなしぐさを入れた。
「いいじゃん、ついでにちょっと行ってくれたって。もし嫌なら、この皿洗いと洗濯と朝昼晩の食事と掃除と買い物とゴミ出しと…、全部あなたがやってくれてもいいんだよ?」
 少女は出していた蛇口の水を止め、不気味な笑みを浮かべてゆっくり振り返った。その狂気と脅迫に満ちた笑顔に、少年は肩を震わせ、
「ははぁ、ミサ様!!とんだ凡夫の無礼をどうかお許しを!」
 と言うと、素早く腰を折り、額を地につけて、いかにもな『ザ・土下座』のポーズをとった。
「絶対思ってないでしょ…」
 少女は少年を見下ろし、腰に手をあてて呆れたようにため息を吐いた。少年としては、明らかに重労働すぎる彼女の日頃の営為に対して、自分ができる精一杯の敬意を払ったつもりではあったのだが。どうやら、その意志は伝わってないみたいだった。
「いいから、早く行ってきてっ!!」
「はい!!」
 茶番に呆れた少女が改めて用を伝えると、少年はわざとらしく背筋を伸ばして今度は大人しく命令を受けた。
「言っとくけど、あのコに変なことしたらダメだからね」
 言い忘れたような少女の注意に、
「んな変なこと、この紳士で誠実で純粋で天使のような優しい心を持った俺がするわけねぇだろ」
と、そこだけは訂正するように少年は声を大きくして言った。
「『紳士で誠実で純粋で天使のような優しい心』を持ってるなら、最初からつべこべ言わずに、さっさと私の言う通りにしろよ」と少女は喉まで来た声を飲み込んで、そのまま2階へ向かおうとする少年を静かに見送った。




 白い服の少女は向こうからバレないように階段に座ったまま右手を顎にあてて、ある葛藤に頭を悩ましていた。
「二人の前へ出るか、このまま引き返してベッドで大人しくしておくか…」
 もうすっかり目は覚めたので、このまま二人の前へ姿を現しても問題はないだろう。
 しかし急に出ていったら、二人が驚いてしまう可能性もある。だったら、今の体調がよくなるまでベッドで安静にしておくのも1つの手だ。けど、それだといつまで経っても事の進展はない。
 どちらにせよ、あの二人を避けてこれから生きていくことはできそうもない。
 二人に聞きたいことは山ほどある。あの二人から逃げて、このまま一人で生きていくことも可能性の一部としては上げられるが、明らかにそれは自殺行為だろう。記憶喪失で迷子の自分がたった一人でこれから生き抜いていけるわけがない。だったら、二人に頼ってこれから生活していくしかない。
 しかし、いざ二人の前へ出ようとしても、臆病な自分の性分なのだろうか、緊張でなかなか足を前へ出すことができない。昔の記憶は忘れてしまっても、内気な性格だけは消えずに身体に残っているようだ。
 逆だったらよかったのに。そんなじれったい現実に少女は歯ぎしりをした。
 そして、
「よし…!」
 と短く意気込み、二人のもとへ向かうことを決意したのであった。







「うお!?」

「何!?」
 
 階段の陰に隠れて、こっそり決意を固めた白い少女に突然驚きの叫びがかけられ、同時に驚いた白い少女は慌てて伏せていた顔を上げた。すると、いつの間にか食卓で会話をしていたあの少年が顔を真っ青にしてなんと少女の目の前に立っていた。

「どうしたの!?大声なんか出して」
 金髪の方の少女も、なんとか少年を送り出し、食器洗いを再開しようと台所へ歩を進めるや否やいきなり彼の短い悲鳴が聞こえたので、急いで声のする方へ駆け出した。
 するとそこには、驚愕に口をパクパクしている少年と、確かにベッドで寝ていたはずの白い服の少女が同じように驚きに腰を抜かして、へたり込んでいた。

「お、お、おまえ…、なんでここに…」
 少年はまだ驚きに腰を抜かしたまま、青白い顔で恐る恐る尋ねた。
 しかし、白い少女が返答するよりも先に金髪の方の少女が、何も気にしてないような明るい声で声高らかに口を開いた。
「なーんだ、起きてたんなら早く来てくれればよかったのに!!」


「なるほどね、つまり自分に何があったのか何も思い出せないんだ」
 金髪の少女は改めて白い少女のために朝食を作ってあげることにした。その間、白い少女は食卓のイスに、少し緊張気味に背筋を伸ばして座っていた。
「でも、思い出せないってどういうことなんだろうな。いつの出来事から覚えてないんだ?」
 少年が縮こまっている少女の顔を覗きこむように尋ねる。
「…ぜ、全部、かな…?」
 無遠慮にぐいぐい距離を埋めてくる少年の態度に、少女は少し頬を赤く染めて呟いた。
「ガキの頃のも全部か?」
その言葉に、少女は何も言わずにコクリとうなずく。
「そっかそっか、なるほどな」
 少年は腕を組み、思慮深く首を縦にふっていた。
「まぁ世の中には不思議なことがたくさんあるんだな」
 少女は自分の記憶喪失の件を『不思議なこと』とひとくくりにされたことに不満を持ち、少し口を尖らせた。
 しかし、彼に物申す勇気も信頼も無いと考えた少女はそのまま無言を続けることにした。
「とにかくよ、おまえを最初見つけた時はびっくりしたぜ」
 次に何を言い出すかと思ったら、少年はいきなり回想をし始めた。彼の口から自分の中にある謎が明らかになるかもしれないと少し明るい希望を胸に抱いた少女は、余計なことは言わずに大人しく彼の話を聞くことにした。
「いつだったかな?あの大嵐があった次の朝だったっけ?」
 どうやら、金髪の少女の方も事情を知っているらしい。少年は数回うなずき、白い少女の方へ向き直って話を続けた。
「そうそう。実はな、おまえを見つける前日の夜、ここらへんで大嵐があったんだ。そこで次の朝、海岸の様子が気になった俺たちは近くの海に向かったわけよ。そしたら、おまえが浜辺にびしょ濡れになって打ち上げられてたってわけさ。それも死んだようにな」
「死んだように…」
 少年の最後の言葉に少女は少しゾッとしたが、ここまでの話で自分がこの村の住人でないことの確信が得れた。
 だが、そうなるとますます自分のここへ来る経緯が知りたくなってくる。
「それでね、ほんとに死んでいないか恐る恐る近づいて見てみたら、その時のあなたはまだ少し息はしていたの。見てみぬフリをすることもできないし、きっと他の人も見てくれないだろうと思ったから、とりあえずってことで、この家にあなたを連れてきたってわけだよ」
 代わって今度は金髪の少女が話してくれた。話し方からして、やはり自分は村人に歓迎されていないような感じだ。
「けどよ、全然起きてこないから、もう死んじまったんじゃないかとずっと思っててよ。したら、さっき階段に急におまえが現れて…。あん時は、とうとうおまえの幽霊が出ちまったのかと思って、一瞬心臓止まりかけたぜ…、まったく」
「なんか、ゴメン…」
 冷や汗を浮かべて額を拭う少年に、少女は申し訳程度に頭を下げる。そんな二人のやりとりを、金髪の少女は後ろから口に手をあてて微笑んでいた。
 そして、少年が大きく息を吐いて言う。
「まぁ、俺たちが知ってることって言ったらこんなもんだ。そっから前のことは俺たちも知らないし、おまえも覚えてないだろ」
「うん…」
 少女は期待以上の報酬が手に入らず、残念そうに肩を落とした。
 彼らの言葉からだいたいの状況は把握できたが、より詳しい自分にまつわる情報は何も聞き出せなかった。
「にしてもだけど、おまえは結局のところ何者なんだろうな」
 イスに座り直した少年は不思議そうにまじまじと白い少女を見つめる。そんな少年の視線に耐えきれなくなった少女は顔を赤らめ、視線をそらした。
「あれか?ひょっとしたら、おまえは金持ちの親の娘だったんじゃねぇのか?」
「なんで?」
 少年の提案に、白い少女に代わって先に金髪の少女が尋ねた。
「まず、着てる服が俺たちと違う」
 少女は自分の中の着ている服を指摘され、視線を下に落としみた。
 白を基調としたゆったりとした服。所々に金色の装飾が施されており、袖口は手が隠せるぐらいに大きく広がっている。
「こいつの着てる服と俺たちの着てる服をよく見比べてみろよ。一目瞭然だろ?」
「言われてみれば、確かにそうだね…」
 ミサは自分の着ている服をつまんで納得するようにうなずく。少年の言うとおり、二人が着ている麻布でできた簡易的な服と比べて、白い少女が着ている服はこの辺では見かけないような不思議な素材でできていた。
「そうだ、こんなのはどうだ?」
 いきなり少年が指を立てて、少女がここへ至った一つの仮説を提案する。
「例えば、豪華客船のクルーズ中にとつぜん大嵐がやって来て、おまえは運悪くその船に乗っていたとする。そんでおまえはそのままポイっと海に放り出されて、しばらく海の上を漂流した後、偶然この村に流れ着いたとか?これだと嵐が起きた事とも辻褄が合う」
 話し終えた少年はどこか自慢げな表情をしているようにも見える。
 確かにその可能性もあるかもしれないが、それはあくまで彼の推測であって、証拠も何もないのでまだ確信には至らない。
「飛行船に乗ってて海に落ちちゃったとかは?」
 少年の提案と呼応するように、金髪の少女も案を口にした。
「『飛行船』なんか、今どき飛んでんのか?」
「きっとまだ飛んでると思う。私も子供の時にお母さんに連れられて一回だけ乗ったことあるよ」
 彼らは口々にまだ名前も知らない少女の身を案じて話し合ってくれている。
 その時、少女は心の中に何か暖かいもので満たされるのを感じた。おかげで、さっきまで緊張でこわばっていた全身も少し和らいだ気がする。
「まぁ何よりだな、おまえがこうして無事でいてくれて良かったぜ」
 最後に少年が場の空気をくくって一端話題は収束した。事態の核心に触れるような進展はなかったものの、この世界で独りぼっちの少女にとって、この二人はとても信頼できる人たちだということが分かった。

「あっ、そういえば自己紹介がまだだったね」
 突然思い起こしたように、金髪の少女が手をたたいた。
「私の名前は『ミサ』。それで、こっちが『ソウヤ』。よろしくね」
 金髪の少女ミサに指を向けられた少年ソウヤは気さくに親指を立てて反応する。こうしてやっと二人の名前が明らかになった。
「あなたの名前は?」
 ミサからいきなり自身の名前を聞かれた少女は、あわてて姿勢を正す。
「な、名前?」
「昔のことも覚えてないのに、名前なんて言えんのか?」
 テーブルに頬杖をついてソウヤが疑問を吐く。「確かにそれもそうか」とミサは気づいたように斜め上を見上げた。
「私の名前は…」
 途中まで言って少女は言いかける。二人は黙って少女を見つめて少女の次の発言を固唾を飲んで待つ。ソウヤの言ったように、昔のことも何も覚えていないのに、自分の名前なんて言えるわけがない。


「…エレリア」


「へぇー、『エレリア』って言うんだ。いい名前だね」
 ミサは少女の名を称賛するように明るい口調で声を出した。
「えっ…?」
 それはまるで、誰かがその一瞬その名前を言うためだけに自分に憑依したのではないかと疑うぐらい自然と口から出てきた言葉だった。
 今、自分はなんと言ったのだろうか。
 確か『エレリア』と聞こえたような気もした。
 しかし、そんな名前あたりまえだが聞き覚えもないし、今考えてもそんな名前は思い付かない。だけど、現実に口から出た言葉だ。一体何がどうなっているのか。
「『エレリア』だから、じゃあ…、『リアちゃん』って呼んでいい?」
 無意識に出た自分の名前に動揺している少女を差し置いて、ミサは少女のニックネームを提案した。少女からしたら、それどころではないのだが。
「何も覚えてないのに名前だけは言えるって、変わったやつだなおまえ」
 頬杖をついたまま、ソウヤは少女に物珍しそうな視線を送った。
 そして、少女はわけの分からない自分に困惑して、短くため息を吐く。
 その日から、白い服の迷子の少女の名は『エレリア』となった。

 お互いの自己紹介も終え、ミサは先ほどから温めていたスープをようやく完成させた。
「よし、リアちゃんできたよ」
 ミサが台所からエレリアのために作ったスープを食卓へ持ってくる。それは乳白色の温かいスープで、見ると野菜と肉が入っていた。湯気の立っているスープのいい匂いはあっという間に部屋中に広がり、ずっと空腹だったエレリアの胃袋を鳴らした。
「あっ、ミサ。おまえ、肉は高いから買っちゃいけないって、あれほど俺に言ってたのに…」
 スープの中に肉が入っているのを確認して、ソウヤが一言物申した。
「いいじゃん、別に。こういう特別な日じゃないとなかなか食べれないでしょ?」
「だったら今日の晩メシの時にもちゃんと肉入れておけよ、いいな?」
 ソウヤは半分脅すように念を押して、指を指してミサに要請した。
「覚えてたらね」
 鼻を鳴らして、ミサは軽く少年の懇願を受け流す。
「おまえが覚えてなくとも、俺が覚えておく!」
 そんなミサとソウヤの何気ないやり取りに、エレリアは一つ思っていたことを口にしてみた。
「ねぇ、あなたたちって兄妹なの?」
 急にエレリアに話しかけられた二人はお互い目を合わして黙り込んだ。
 何かいけないことでも聞いてしまったのだろうか。エレリアは取り返しのつかないような事をしてしまった気になった。
 すると突然、二人は笑い声を吹き出し、腹を抱えて笑い始めた。二人がなぜ笑っているのかエレリアには理解できない。なんだか、自分だけ置いてけぼりにされた気分だ。
 そんな呆気にとられているエレリアを気づかって、先にミサが口を開いた。
「ごめんごめん、気にしないで。別にリアちゃんが悪いわけじゃないから」
 ミサは笑いで目に涙を浮かべ、手をあわせてエレリアに謝る。
「私たちが兄妹に見えるっていうのがびっくりしただけで。それで、そんなの今まで誰にも言われたことなかったから、ちょっとおかしくて」
 ミサが一通り、二人の笑った理由を教えてくれた。「なんだ、そんなことか」と、二人のしょうもない理由にエレリアはほっと胸を撫で下ろした。
「あのね、リアちゃん。私とソウくんは同じ屋根の下で暮らすただの同居人で、兄妹でもなんでもないんだよ」
 ミサはひとしきり笑い終えた後、一から丁寧にエレリアの質問に返答してくれた。
「まぁずっと二人で住んでるからな、兄妹に見えるのも仕方ないか。なんならこの際、俺とおまえの関係を『同居人』から『兄妹』にグレードアップしたって…」
「あなたと兄妹なんて、それは私が嫌だ」
 温度の冷たい口調でミサが無表情で言葉を吐き捨てる。
「そんなことより、そのスープ食べてみて。早くしないと冷めちゃうよ」
 ミサは作ったスープの存在を思い返して、エレリアに話しかけた。エレリアも改めてスープに視線を落とす。
 そして置いてあった銀色のスプーンを手にとって、目の前のスープをすくってみる。
 銀色のスプーンの上で揺れる白いスープは、部屋に入ってきた朝の光を含みゆらゆら光っているようだった。
 そして、エレリアは目を閉じてゆっくり口の中に一口スープを運んだ。その様子を、羨ましそうにソウヤが黙って腕を組んで眺めている。
「どう?」
 ミサはエレリアに味の感想を待ち望み、じっとエレリアを見つめている。
そして、
「おいしい…」
 とエレリアは口を開いた。
 口の中で柔らかい肉がホロホロ溶けて、次に野菜とダシの甘みがゆっくり広がる。
 なにより、スープに混じった不思議な温かさで、エレリアは自分の病み上がりのような重かった身体が次第に軽くなっていくのを感じ、頭に充満していた鈍い頭痛もすっかり良くなっていくのが分かった。

 初めて口にしたスープのはずなのに、なぜかとても懐かしい味がした。
 頭はすべて忘れてしまっても、身体はまだその身に何かを覚えているのだろう。先ほど自分の名前が無意識に口から出てきたのもそのせいなのかもしれない。
 しばらくエレリアはその覚えのない懐かしさに浸りながら、二人に見守られてスープを飲み続けた。

(続く)
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