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第1章『始まりの村と魔法の薬』編
第31話 朝日/His Assistant Sword ~前編~
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「も、もしかして、その声は……?」
涙で真っ赤になってしまった目を丸くして、ミサは驚きと微かな期待の感情を胸に恐る恐る声のする方へ振り返った。
まず、決まりが悪そうに視線をそらすエレリアが視界に入ってくる。そして、彼女の隣にとある人物がいるのが分かった。
「あっ……!」
ついに、その人物を視界に捉える。
そして、懸念していた事実とは真逆の現実を前にして、ミサは気づくとまた新たに泣きべそをかこうとしていた。
「何勝手に俺のこと死んだと思ってんだよ。バカはおまえだっつうの」
「ソウくん!!」
なんと、ミサの視線の先、そこには死んだと思っていたはずのソウヤが自慢の剣を片手に勇ましく立っている姿があった。よく見ると全身キズだらけで、いかに敵と激戦を繰り広げていたか容易に想像できる。
ミサは生きているソウヤを確認すると、涙ながらにその喜びを語り出した。
「やっぱり、生きてたんだ! 良かったぁ……」
「やっぱり生きてたんだ……、っておい! さっきまでおまえ、勝てるんけなかったんだ、って散々独り言言ってただろ! 全部聞いてたんだからな!」
「いやいや、本当に私信じてたんだから。ソウくんが生きて帰ってきてくれるって!」
「ほんとかぁ? 俺からしたら、そんなこと考えてる余裕無いように見えたけどなぁ?」
「ちょっと! ほんとなんだから、信じてよ!」
ソウヤからの疑いの視線を受けながら、ミサは必死に弁明の数々を口にする。しかし、それでもソウヤは納得しない。
「じゃあそれこそ、さっきエレリアがすげぇおまえに気遣ってくれてたの、気づいてたか?」
「えっ? 気遣ってくれてたって、リアちゃんが?」
ミサが唖然とした様子でエレリアを見つめる。
「泣きじゃくってるおまえに、後ろから必死に声かけてたろ」
「確かに、やけに私の名前呼んでくるなぁとは思ってたけど……。まさか、本当にソウくんが私の後ろにいるなんて思わないじゃん」
「ほおら、やっぱし! 俺のこと死んだと思ってたんじゃねえか!」
「ち、違う! 別にそういうわけじゃないから!」
ソウヤの巧妙な話術の罠にハマったミサは身振り手振りで全力の否定を表現した。
ただ、それでもソウヤは目を細めて呆れた表情をかたくなに崩さなかったので、
「あぁ!! ほんとにソウくんが生きてて良かった!」
「って、おい、ミサ!」
ミサは思いっきりソウヤに飛びつき、そのまま彼の身体を強く抱き締めた。
「とにかく! 次から勝手に離れたりしないでよ!! 私、すっごく悲しかったんだからね!」
「お、おぉ、そうか……。それは……、なんか、悪かった……」
対してソウヤは、一回り背丈の小さいミサからいきなり純真の眼差しで彼を見上げるように見つめられ、顔を赤くすると同時に急いで視線をそらした。
彼女とは長い間村での生活を共にしてきた。だが、いくらずっと同じ屋根の下で暮らしてきた同居人と言えど、ミサは紛れもなく異性、つまりは女の子なのだ。今まではなんとも思ってなかったが、こうして詰め寄られ近くで見てみると意外と可憐で端正な顔立ちをしていることに気づき、初めて彼女のことを可愛いいと思ってしまった。
「……ふふ。ソウヤ、照れてる」
「て、照れてねぇわっ!!」
傍で二人のやりとりを静かに眺めていたエレリアからソウヤの不純な心の内を見透かされ、ソウヤは慌てて言葉で濁した。
「てか、おまえもいつまでやってるんだよ! はよ、離れんかい!」
「ちょっと……!」
次第に決まりが悪くなってきたソウヤはさすがにこれ以上はエレリアからの冷ややかな視線に耐えきれないと悟り、執拗に抱きついているミサを仕方なく突き飛ばした。本音としては、こちらも彼女を強く抱きしめその甘美な熱にいつまでも酔いしれていたかったが、それは彼自身の男としてのプライドが許さなかったようだ。
「まぁ、とにかくだな。今ので、おまえのその胸にある丘が意外と平べったかったことだけはよく分かったぞ……」
「ちょっ、ソウくん、最低! 私が今一番気にしてること、なんでそんなふうに言うの!? ねぇ謝ってよ!!」
わざとらしく咳き込み、してやったり顔のソウヤの失言に、ミサがたまらず激しい怒りをあらわにした。
そして、そんな二人のやりとりを眺めていたエレリアは、彼の発言から触発されたように静かに自身の胸に両手で触れ、ふと自分の胸元を確かめてみた。
「……って、何やってんだ私は……」
そして、すぐに柄にもない愚行にバカバカしくなったエレリアは自分自身に呆れて、思わず小さく冷ややかな笑いを漏らしてしまった。
そんな完全に気が緩んだ、何気ないその瞬間だった。
いきなり背後から背中を激しく震わせるほどの強い殺気をエレリアは感じた。
「はっ?!」
突如現れた襲撃者の気配にエレリアが脇目も振らず慌てて身を翻すと、そこには今まさにエレリアの背中を切り刻まんと短剣の刃を振りかざしている白い影の姿があった。
「……なっ!?」
エレリアは静寂の奇襲攻撃に今の状況を理解する暇もなく、意識よりも先に本能によって全身の肉体を掻き立て、そのまま急いで後方へ飛び退いた。そして、数秒遅れて白い影が目に止まらぬ速さで短剣を振り切った。
すぐ目の前まで迫った敵の攻撃に一瞬エレリアの額を冷や汗が流れたが、エレリアが敵より先に行動したことが功を奏し、幸いにも敵の華麗なる不意打ちを回避することができた。
しかし、安堵したのも束の間、振り切られた太い刃の先端が紙一重の差で分厚い服の上からエレリアの二の腕の皮膚を鮮やかに切り裂き、最悪なことに彼女は腕を負傷してしまった。
「うぅっ……!!」
深く鋭く腕を突き刺すような激痛に、エレリアはたまらず表情を歪める。その時、切られた傷口から自身の赤い鮮血が宙を舞い散る光景が視界に飛び込んできた。
「リアちゃん!?」
ソウヤの胸ぐらを掴み荒々しく彼を追い詰めていたミサは、数秒遅れてエレリアの短い悲鳴を聞きつけ、そこで初めて彼女が襲われていたことに気がついた。
「あいつら! まだ、生きてやがったのか!?」
ミサとソウヤがとっさの出来事に動転している間にも、白い影は地面に倒れ込むエレリアめがけて、沈黙を貫いたまま無慈悲にも二度目の攻撃を繰り出そうとしていた。敵が血のついた赤い短剣を振り上げると同時に、エレリアはこの身を切られる覚悟を決め、意識を現実から遮断するように強く目を閉じた。
「そうはさせない!」
すると、まぶたに広がる闇の向こう側から、ミサの勇ましい叫び声が突如聞こえてきた。
そして、瓶が割れるような乾いた破壊音が聞こえ エレリアがそっとまぶたを開くと、そこには悲痛な断末魔と共に青い業火に激しく包まれもだえ苦しんでいる白い影の姿があった。
どうやら、ミサがあの腰に提げていた回復用のポーションで最悪の危機から間一髪エレリアを守ったようだった。
「リアちゃん! 大丈夫!?」
ミサとソウヤが急いで負傷したエレリアのもとへ駆け寄る。
「うぅ……、け、結構痛い、かも……」
ここはミサたちを安心させるためにも「自分は大丈夫だ」と無理をしてでも言ってやりたいところだが、思ったより敵から受けた傷口は深く、その痛みも今まで味わったことがないほど想像を絶するものだった。よく見ると、大量の血が流れ出てくる傷口には不気味な紋様らしき跡がいつの間にか浮かび上がっていた。これも、あの白い影によるものなのだろうか。
「うわ、こりゃおそらく呪い攻撃を喰らったみたいだな。ミサ、聖水みたいなポーションは持ってきてるか? そうだな、あの『月のしずく』ってやつでもいい」
「ダメ。さっきリアちゃんをおんぶする時にあの霧の中にほとんど捨ててきちゃった!……ていうか、やけに詳しいね」
「あぁ、いつの日かおやっさんに呪い攻撃について聞いたことがあってな、その受け売りだ。どこかに神由来の治療薬でもあればいいんだが……。そうでもしねぇと、この傷は自然には治らねえぞ」
先ほどまでのおちゃらけた雰囲気とは違い、ソウヤが神妙な面構えでエレリアの傷を分析する。
完全に油断してしまっていた。この時のエレリアはあまりの激痛に目から溢れる涙をこらえ、激しい後悔の念に沈んでいた。
ここは呪われた悲劇の廃村カロポタス村。何より、ここへ来る前に、実際にあの鍛冶屋の男からこの村について警告を受けたではないか。
敵のあまりにも見事な奇襲に反応が遅れたということもあるが、ミサとソウヤの微笑ましいやりとりに気を奪われていたこともまた事実。やはり、今自分は危険な場所にいるのだという自覚を持って、慎重に行動すべきだったのだ。
「げっ、やべぇ!!」
エレリアが真っ赤に染まった袖の上から傷口を手で抑え、必死に痛みに耐えていると、ソウヤが目を見開き驚きの叫び声を上げた。
慌てて振り返ると、そこにはなんとまたしてもシロイ影の大群がこちらに向かってゾロゾロと近づいてきていた。
「おい、逃げるぞ、おまえら!」
彼に促されるがまま、ミサとエレリアは立ち上がり、静かに休息をとる暇もないまま、急いでその場を立ち去った。
『第31話 朝日/His Assistant Sword ~後編~』へ続く
(長くなったので2つに分けることにしました)
涙で真っ赤になってしまった目を丸くして、ミサは驚きと微かな期待の感情を胸に恐る恐る声のする方へ振り返った。
まず、決まりが悪そうに視線をそらすエレリアが視界に入ってくる。そして、彼女の隣にとある人物がいるのが分かった。
「あっ……!」
ついに、その人物を視界に捉える。
そして、懸念していた事実とは真逆の現実を前にして、ミサは気づくとまた新たに泣きべそをかこうとしていた。
「何勝手に俺のこと死んだと思ってんだよ。バカはおまえだっつうの」
「ソウくん!!」
なんと、ミサの視線の先、そこには死んだと思っていたはずのソウヤが自慢の剣を片手に勇ましく立っている姿があった。よく見ると全身キズだらけで、いかに敵と激戦を繰り広げていたか容易に想像できる。
ミサは生きているソウヤを確認すると、涙ながらにその喜びを語り出した。
「やっぱり、生きてたんだ! 良かったぁ……」
「やっぱり生きてたんだ……、っておい! さっきまでおまえ、勝てるんけなかったんだ、って散々独り言言ってただろ! 全部聞いてたんだからな!」
「いやいや、本当に私信じてたんだから。ソウくんが生きて帰ってきてくれるって!」
「ほんとかぁ? 俺からしたら、そんなこと考えてる余裕無いように見えたけどなぁ?」
「ちょっと! ほんとなんだから、信じてよ!」
ソウヤからの疑いの視線を受けながら、ミサは必死に弁明の数々を口にする。しかし、それでもソウヤは納得しない。
「じゃあそれこそ、さっきエレリアがすげぇおまえに気遣ってくれてたの、気づいてたか?」
「えっ? 気遣ってくれてたって、リアちゃんが?」
ミサが唖然とした様子でエレリアを見つめる。
「泣きじゃくってるおまえに、後ろから必死に声かけてたろ」
「確かに、やけに私の名前呼んでくるなぁとは思ってたけど……。まさか、本当にソウくんが私の後ろにいるなんて思わないじゃん」
「ほおら、やっぱし! 俺のこと死んだと思ってたんじゃねえか!」
「ち、違う! 別にそういうわけじゃないから!」
ソウヤの巧妙な話術の罠にハマったミサは身振り手振りで全力の否定を表現した。
ただ、それでもソウヤは目を細めて呆れた表情をかたくなに崩さなかったので、
「あぁ!! ほんとにソウくんが生きてて良かった!」
「って、おい、ミサ!」
ミサは思いっきりソウヤに飛びつき、そのまま彼の身体を強く抱き締めた。
「とにかく! 次から勝手に離れたりしないでよ!! 私、すっごく悲しかったんだからね!」
「お、おぉ、そうか……。それは……、なんか、悪かった……」
対してソウヤは、一回り背丈の小さいミサからいきなり純真の眼差しで彼を見上げるように見つめられ、顔を赤くすると同時に急いで視線をそらした。
彼女とは長い間村での生活を共にしてきた。だが、いくらずっと同じ屋根の下で暮らしてきた同居人と言えど、ミサは紛れもなく異性、つまりは女の子なのだ。今まではなんとも思ってなかったが、こうして詰め寄られ近くで見てみると意外と可憐で端正な顔立ちをしていることに気づき、初めて彼女のことを可愛いいと思ってしまった。
「……ふふ。ソウヤ、照れてる」
「て、照れてねぇわっ!!」
傍で二人のやりとりを静かに眺めていたエレリアからソウヤの不純な心の内を見透かされ、ソウヤは慌てて言葉で濁した。
「てか、おまえもいつまでやってるんだよ! はよ、離れんかい!」
「ちょっと……!」
次第に決まりが悪くなってきたソウヤはさすがにこれ以上はエレリアからの冷ややかな視線に耐えきれないと悟り、執拗に抱きついているミサを仕方なく突き飛ばした。本音としては、こちらも彼女を強く抱きしめその甘美な熱にいつまでも酔いしれていたかったが、それは彼自身の男としてのプライドが許さなかったようだ。
「まぁ、とにかくだな。今ので、おまえのその胸にある丘が意外と平べったかったことだけはよく分かったぞ……」
「ちょっ、ソウくん、最低! 私が今一番気にしてること、なんでそんなふうに言うの!? ねぇ謝ってよ!!」
わざとらしく咳き込み、してやったり顔のソウヤの失言に、ミサがたまらず激しい怒りをあらわにした。
そして、そんな二人のやりとりを眺めていたエレリアは、彼の発言から触発されたように静かに自身の胸に両手で触れ、ふと自分の胸元を確かめてみた。
「……って、何やってんだ私は……」
そして、すぐに柄にもない愚行にバカバカしくなったエレリアは自分自身に呆れて、思わず小さく冷ややかな笑いを漏らしてしまった。
そんな完全に気が緩んだ、何気ないその瞬間だった。
いきなり背後から背中を激しく震わせるほどの強い殺気をエレリアは感じた。
「はっ?!」
突如現れた襲撃者の気配にエレリアが脇目も振らず慌てて身を翻すと、そこには今まさにエレリアの背中を切り刻まんと短剣の刃を振りかざしている白い影の姿があった。
「……なっ!?」
エレリアは静寂の奇襲攻撃に今の状況を理解する暇もなく、意識よりも先に本能によって全身の肉体を掻き立て、そのまま急いで後方へ飛び退いた。そして、数秒遅れて白い影が目に止まらぬ速さで短剣を振り切った。
すぐ目の前まで迫った敵の攻撃に一瞬エレリアの額を冷や汗が流れたが、エレリアが敵より先に行動したことが功を奏し、幸いにも敵の華麗なる不意打ちを回避することができた。
しかし、安堵したのも束の間、振り切られた太い刃の先端が紙一重の差で分厚い服の上からエレリアの二の腕の皮膚を鮮やかに切り裂き、最悪なことに彼女は腕を負傷してしまった。
「うぅっ……!!」
深く鋭く腕を突き刺すような激痛に、エレリアはたまらず表情を歪める。その時、切られた傷口から自身の赤い鮮血が宙を舞い散る光景が視界に飛び込んできた。
「リアちゃん!?」
ソウヤの胸ぐらを掴み荒々しく彼を追い詰めていたミサは、数秒遅れてエレリアの短い悲鳴を聞きつけ、そこで初めて彼女が襲われていたことに気がついた。
「あいつら! まだ、生きてやがったのか!?」
ミサとソウヤがとっさの出来事に動転している間にも、白い影は地面に倒れ込むエレリアめがけて、沈黙を貫いたまま無慈悲にも二度目の攻撃を繰り出そうとしていた。敵が血のついた赤い短剣を振り上げると同時に、エレリアはこの身を切られる覚悟を決め、意識を現実から遮断するように強く目を閉じた。
「そうはさせない!」
すると、まぶたに広がる闇の向こう側から、ミサの勇ましい叫び声が突如聞こえてきた。
そして、瓶が割れるような乾いた破壊音が聞こえ エレリアがそっとまぶたを開くと、そこには悲痛な断末魔と共に青い業火に激しく包まれもだえ苦しんでいる白い影の姿があった。
どうやら、ミサがあの腰に提げていた回復用のポーションで最悪の危機から間一髪エレリアを守ったようだった。
「リアちゃん! 大丈夫!?」
ミサとソウヤが急いで負傷したエレリアのもとへ駆け寄る。
「うぅ……、け、結構痛い、かも……」
ここはミサたちを安心させるためにも「自分は大丈夫だ」と無理をしてでも言ってやりたいところだが、思ったより敵から受けた傷口は深く、その痛みも今まで味わったことがないほど想像を絶するものだった。よく見ると、大量の血が流れ出てくる傷口には不気味な紋様らしき跡がいつの間にか浮かび上がっていた。これも、あの白い影によるものなのだろうか。
「うわ、こりゃおそらく呪い攻撃を喰らったみたいだな。ミサ、聖水みたいなポーションは持ってきてるか? そうだな、あの『月のしずく』ってやつでもいい」
「ダメ。さっきリアちゃんをおんぶする時にあの霧の中にほとんど捨ててきちゃった!……ていうか、やけに詳しいね」
「あぁ、いつの日かおやっさんに呪い攻撃について聞いたことがあってな、その受け売りだ。どこかに神由来の治療薬でもあればいいんだが……。そうでもしねぇと、この傷は自然には治らねえぞ」
先ほどまでのおちゃらけた雰囲気とは違い、ソウヤが神妙な面構えでエレリアの傷を分析する。
完全に油断してしまっていた。この時のエレリアはあまりの激痛に目から溢れる涙をこらえ、激しい後悔の念に沈んでいた。
ここは呪われた悲劇の廃村カロポタス村。何より、ここへ来る前に、実際にあの鍛冶屋の男からこの村について警告を受けたではないか。
敵のあまりにも見事な奇襲に反応が遅れたということもあるが、ミサとソウヤの微笑ましいやりとりに気を奪われていたこともまた事実。やはり、今自分は危険な場所にいるのだという自覚を持って、慎重に行動すべきだったのだ。
「げっ、やべぇ!!」
エレリアが真っ赤に染まった袖の上から傷口を手で抑え、必死に痛みに耐えていると、ソウヤが目を見開き驚きの叫び声を上げた。
慌てて振り返ると、そこにはなんとまたしてもシロイ影の大群がこちらに向かってゾロゾロと近づいてきていた。
「おい、逃げるぞ、おまえら!」
彼に促されるがまま、ミサとエレリアは立ち上がり、静かに休息をとる暇もないまま、急いでその場を立ち去った。
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