72 / 73
第2章『悪夢の王国と孤独な魔法使い』編
第55話『コーディネート/Coordination』Part.2
しおりを挟む
ミサの不格好な装いに我慢ならなくなったモニカに連れられるがまま、どこに行くのかも知らされずエレリアたちは街を歩かされていた。
「ねぇ、モニちゃん、どこに行くつもりなの?」
「ミーちゃんがもっと可愛くなれる場所」
「で、でも、私このままでいいんだけど……」
「それはダメよッ!」
すると、いきなり迫ってくるような勢いでモニカが振り返った。
「何が何でも、あんたをあたしの力で可愛くしてあげるんだから! そうでもしないと、あたしまで田舎臭くなっちゃう!」
どうやら、ミサの服装を自分好みに正してやることは、同時にモニカ自身の名誉のためにもなるらしい。しかも、そこに当人の拒否権はないようだ。
ただ、そんな彼女に一人、不満を感じている者がいた。
「おい、モニカ! おまえ、さっきからミサばっかりひいきしてるけどよ、俺のことわざと無視してんじゃねぇか!」
「……あんたは、勝手にボロ布でも何でも着てなさいよ。ふふっ、お似合いじゃない」
「こ、こいつッ……!!」
何の予兆もなく、またもや、いきなりモニカとソウヤの激しい睨み合いが始まってしまった。ここまでくると、呆れて物も言えない。
いつか、2人とも仲良くなってくれればいいが、もはや犬猿の仲になってしまった彼らにそんなことを求めるのは愚行だろうか。
そして、そのままエレリアたちは歩き続け、ついにモニカの言う目的地に到着した。
「さぁ、着いたわ!」
そこは、大通りに面している、きらびやかな外装が印象的な服屋だった。
ガラス張りのショーウィンドウには人形がずらりと並び、皆誰もがいかにも王国らしい派手な装いを身にまといポーズをキメていた。
「こ、ここ……?」
しかし、肝心のミサの表情は曇っていた。
「そう! ここでミーちゃんはもっと可愛くなるの! 楽しみでしょ?」
「う~ん……。けど、私こういうキラキラしたのはちょっと苦手かも……」
「何言ってんの! 絶対あたしがいいカンジにしてあげるから安心して! ほら、行こ!」
そして、決して乗り気ではなさそうなミサを半ば強引に連れ去るように、モニカと共にエレリアたちは店に入った。
まるで、そこは衣服という名の木々が生い茂る森のようだった。
所狭しと色とりどりの装飾品が並べられ、あまりの量にどこか息苦しさすら感じてしまった。
「何ぼっーとしてんのよ、あんたたち! こっちよ、こっち!」
気づくとモニカは慣れた様子で店の奥の方へ一人進んでおり、戸惑っているエレリアたちに向かって手招きをしていた。
仕方なく、彼女のもとに向かう。
「ミーちゃんには、どんなコーデが似合うかなぁ?」
すると、モニカは自身の顎に手を当てて、今回コーディネートするミサの一挙手一投足を眺め始めた。どこか照れ恥ずかしそうにミサは視線をそらす。
先程からやけに偉そうに物を言っているモニカだか、確かに彼女の装いに関してはエレリアたちと比べてだいぶお洒落に洗練されている。
紫色を基調としたブレザーのような服に、膝上まで伸びたスカート。よく見ると、肩の部分にはわざとらしく肌を見せるための穴が空いており、まだ幼なげな身体つきに反して、大人の女としての色気が漂っているように感じる。
「よしっ! 決まったわ!」
そう叫ぶと、颯爽とモニカは店のどこかへ駆け出し、しばらくすると、ミサを華麗に彩るための衣服を手に戻ってきた。
「さっ、早速着替えるわよ!」
すると、モニカは店の隅にある、とある縦に細長い箱を指さした。ちょうど人が1人、よくてギリギリ2人が入れるぐらいの大きさの箱が壁に沿って何個か並んでいる。
「こ、これは……?」
「これは、って……。試着室に決まってんじゃない! ここで着替えればいいの。ほら、あたしも手伝ってあげるから」
「い、いいよ! 着替えなんか私一人でできるよ!」
「なに遠慮なんかしてんの! あたしの言う通りにしないと、可愛くなれないのよ? ほら!」
そして、モニカはミサを無理やり押し込むようにして試着室と呼ばれる箱の中に入ると、さっとカーテンを閉めた。
残された2人と1匹。
果たして、ミサは大丈夫なのだろうか。この時エレリアは、どこか掴みどころのない不安のようなものをすでに感じていた。
「ちょっと、どこ触ってるの!? やめてよ、モニちゃん!!」
「ほら! 動かずに、ジッとしてて!」
試着室の中から、2人の声だけが漏れて聞こえてくる。
「……ソウヤ。鼻の下伸びてるよ……」
「……っ!?」
エレリアと猫のモフミから冷たい視線を浴び、ソウヤはごまかすように咳き込んで、慌てて体裁を整えた。
そして、しばらくして箱の中からモニカがひょいと現れた。
「は~い、2人とも! ミーちゃんの新コーデ、やっと完成したわよ!」
「おっ、ついに来たか!」
どうやらあの箱の中ですでにミサは着換え終えているようだ。
はて、どんな装いに仕上がったのだろうか。
待ちきれない様子で、なぜかソワソワしているソウヤ。しかし、同時に試着室の中からミサの叫び声も聞こえてきた。
「えぇ、嘘でしょ!? 無理、無理、待って! こんなの見せられないっ!」
しかし、閉められたカーテンの向こうから聞こえてくるミサの声は切羽詰まっており、いかに彼女が焦っているか様子が容易に想像できてしまった。
ここは一旦、彼女の声を聞いてあげるべきではないだろうか。
ただ、当のモニカは少しも気にも止めていないようで、むしろとても愉快そうだった。
「ではでは、ミーちゃんの新衣装、初披露まで~、3、2、1……」
「ダメ、ダメ!! 待って!」
ミサの意向などお構いなしに、モニカは一方的に事を進めていく。
そして、唱え始めたカウントがゼロになった瞬間、彼女はカーテンを勢いよく引いた。
「どうぞ~!」
バッと、他人からの視線を遮るための白い布が引かれる。
すると、箱の中には新衣装に身を包んだミサの姿があった。
「おぉ……!!」
「いやぁ!! ちょっ、2人とも見ないでぇ!!」
熱い感嘆の意を漏らすソウヤに対し、ミサは悲鳴に近い金切り声を上げ自身の身体を隠すようにうずくまった。
モニカのセンスによって選ばれた、ミサの新たな衣装。
だが、そんな彼女の姿は、エレリアにとって思わず目を覆いたくなるような、なんとも奇抜なものだった。
ほぼ、全裸同然の装い。かろうじて人として隠すべき部位は隠し、それ以外を鮮やかな装飾で施されたまるで下着姿のようなコーディネート。
少なくとも、この衣装が王国の最新コーデでないことぐらいはすぐ分かった。もしそうでないとすると、スカースレット王国がハレンチな変態王国になってしまう。
これは、ただのモニカ個人の悪ノリだ。
「もぉ! モニちゃん、フザケてんの!? こんなの変態がする格好じゃん!」
「えぇー、かわいいのに」
「ダメだよ! 恥ずかしいよ!」
確信犯的にとぼけるモニカに、思わず声を荒げるミサ。
なんだか、今のミサの姿を見ていると、自分まで恥ずかしくなってしまい、正直なところエレリアはずっと直視することができなかった。
無意識のうちに彼女の感情を共感してしまっているのだろうか。とにかく、一刻も早く普段のあの服装に戻ってほしいところだ。
ただ、そんなエレリアとは対照的に、隣にいるソウヤは興奮気味に目を見開き、ひたすらに熱い視線をミサに向けていた。
「なかなか、いいじゃねぇか、ミサ! てか、むしろ今日からその格好で過ごしてくれ!」
「ぜっっっっっっったい、やだっ!!」
少なくともエレリアにはモニカの言う『可愛い』という基準が分からなかったが、相変わらずソウヤは、露出気味なミサの衣装に完璧に魅了されてしまっている様子だった。
「……ねぇ、もういいでしょ?」
ミサは寒さで細かく震える自身の身体を抱えながら、顔を真っ赤にしながら呟いた。
「2人とも、ミーちゃんの新コーデ可愛どう? 可愛よね?」
「いやぁ、私はちょっと、これは……」
「そうだな……。ただ、一つ辛口コメントを言うとするなら、まな板のミサにとっては、ちと豚に真珠ってとこかもしれないな」
しかし、このソウヤの何気ない一言を、ミサは聞き逃さなかった。
「なに、まな板って……。何が言いたいの……?」
「あっ、いや……。悪い、や、やっぱ、何でもねぇ……」
先ほどまでの弱気な態度から一変、ミサは冷酷な鬼のような表情でソウヤに詰め寄る。
思わず慌てふためくソウヤ。
あのたったの一言で、彼女が気を損ねてしまったことはもはや明らかだった。
「私が何だって!? 言いたいことがあるならはっきり言ってよ!!」
「いやいや、ほんとに何でもないって! 今のは聞き流してくれ! な?」
「つまるところ、あんたはミーちゃんが貧乳とでも言いたいわけね」
「バカ! おまえッ……!」
鼻で笑い飛ばすように言い放つモニカ。
そして、その瞬間、ミサの怒りは頂点に達した。
「違う! 誤解だ! 別に、俺はそういうつもりで言ったんじゃ……」
しかし、時すでに遅しだった。
「もう、最低ッ!!」
ミサは渾身の平手打ちをソウヤの頬に怒りのまま喰らわせ、試着室の中からカーテンを勢いよく締めた。
「ありゃりゃ、お気に召さなかったか」とモニカ。
当のソウヤはと言うと、目を回すようにして、完全に撃沈してしまっていた。
結局、各自好きな服を選び、エレリアたちは服屋を出たのだった。
(第55話『コーディネート/Coordinate』終わり)
「ねぇ、モニちゃん、どこに行くつもりなの?」
「ミーちゃんがもっと可愛くなれる場所」
「で、でも、私このままでいいんだけど……」
「それはダメよッ!」
すると、いきなり迫ってくるような勢いでモニカが振り返った。
「何が何でも、あんたをあたしの力で可愛くしてあげるんだから! そうでもしないと、あたしまで田舎臭くなっちゃう!」
どうやら、ミサの服装を自分好みに正してやることは、同時にモニカ自身の名誉のためにもなるらしい。しかも、そこに当人の拒否権はないようだ。
ただ、そんな彼女に一人、不満を感じている者がいた。
「おい、モニカ! おまえ、さっきからミサばっかりひいきしてるけどよ、俺のことわざと無視してんじゃねぇか!」
「……あんたは、勝手にボロ布でも何でも着てなさいよ。ふふっ、お似合いじゃない」
「こ、こいつッ……!!」
何の予兆もなく、またもや、いきなりモニカとソウヤの激しい睨み合いが始まってしまった。ここまでくると、呆れて物も言えない。
いつか、2人とも仲良くなってくれればいいが、もはや犬猿の仲になってしまった彼らにそんなことを求めるのは愚行だろうか。
そして、そのままエレリアたちは歩き続け、ついにモニカの言う目的地に到着した。
「さぁ、着いたわ!」
そこは、大通りに面している、きらびやかな外装が印象的な服屋だった。
ガラス張りのショーウィンドウには人形がずらりと並び、皆誰もがいかにも王国らしい派手な装いを身にまといポーズをキメていた。
「こ、ここ……?」
しかし、肝心のミサの表情は曇っていた。
「そう! ここでミーちゃんはもっと可愛くなるの! 楽しみでしょ?」
「う~ん……。けど、私こういうキラキラしたのはちょっと苦手かも……」
「何言ってんの! 絶対あたしがいいカンジにしてあげるから安心して! ほら、行こ!」
そして、決して乗り気ではなさそうなミサを半ば強引に連れ去るように、モニカと共にエレリアたちは店に入った。
まるで、そこは衣服という名の木々が生い茂る森のようだった。
所狭しと色とりどりの装飾品が並べられ、あまりの量にどこか息苦しさすら感じてしまった。
「何ぼっーとしてんのよ、あんたたち! こっちよ、こっち!」
気づくとモニカは慣れた様子で店の奥の方へ一人進んでおり、戸惑っているエレリアたちに向かって手招きをしていた。
仕方なく、彼女のもとに向かう。
「ミーちゃんには、どんなコーデが似合うかなぁ?」
すると、モニカは自身の顎に手を当てて、今回コーディネートするミサの一挙手一投足を眺め始めた。どこか照れ恥ずかしそうにミサは視線をそらす。
先程からやけに偉そうに物を言っているモニカだか、確かに彼女の装いに関してはエレリアたちと比べてだいぶお洒落に洗練されている。
紫色を基調としたブレザーのような服に、膝上まで伸びたスカート。よく見ると、肩の部分にはわざとらしく肌を見せるための穴が空いており、まだ幼なげな身体つきに反して、大人の女としての色気が漂っているように感じる。
「よしっ! 決まったわ!」
そう叫ぶと、颯爽とモニカは店のどこかへ駆け出し、しばらくすると、ミサを華麗に彩るための衣服を手に戻ってきた。
「さっ、早速着替えるわよ!」
すると、モニカは店の隅にある、とある縦に細長い箱を指さした。ちょうど人が1人、よくてギリギリ2人が入れるぐらいの大きさの箱が壁に沿って何個か並んでいる。
「こ、これは……?」
「これは、って……。試着室に決まってんじゃない! ここで着替えればいいの。ほら、あたしも手伝ってあげるから」
「い、いいよ! 着替えなんか私一人でできるよ!」
「なに遠慮なんかしてんの! あたしの言う通りにしないと、可愛くなれないのよ? ほら!」
そして、モニカはミサを無理やり押し込むようにして試着室と呼ばれる箱の中に入ると、さっとカーテンを閉めた。
残された2人と1匹。
果たして、ミサは大丈夫なのだろうか。この時エレリアは、どこか掴みどころのない不安のようなものをすでに感じていた。
「ちょっと、どこ触ってるの!? やめてよ、モニちゃん!!」
「ほら! 動かずに、ジッとしてて!」
試着室の中から、2人の声だけが漏れて聞こえてくる。
「……ソウヤ。鼻の下伸びてるよ……」
「……っ!?」
エレリアと猫のモフミから冷たい視線を浴び、ソウヤはごまかすように咳き込んで、慌てて体裁を整えた。
そして、しばらくして箱の中からモニカがひょいと現れた。
「は~い、2人とも! ミーちゃんの新コーデ、やっと完成したわよ!」
「おっ、ついに来たか!」
どうやらあの箱の中ですでにミサは着換え終えているようだ。
はて、どんな装いに仕上がったのだろうか。
待ちきれない様子で、なぜかソワソワしているソウヤ。しかし、同時に試着室の中からミサの叫び声も聞こえてきた。
「えぇ、嘘でしょ!? 無理、無理、待って! こんなの見せられないっ!」
しかし、閉められたカーテンの向こうから聞こえてくるミサの声は切羽詰まっており、いかに彼女が焦っているか様子が容易に想像できてしまった。
ここは一旦、彼女の声を聞いてあげるべきではないだろうか。
ただ、当のモニカは少しも気にも止めていないようで、むしろとても愉快そうだった。
「ではでは、ミーちゃんの新衣装、初披露まで~、3、2、1……」
「ダメ、ダメ!! 待って!」
ミサの意向などお構いなしに、モニカは一方的に事を進めていく。
そして、唱え始めたカウントがゼロになった瞬間、彼女はカーテンを勢いよく引いた。
「どうぞ~!」
バッと、他人からの視線を遮るための白い布が引かれる。
すると、箱の中には新衣装に身を包んだミサの姿があった。
「おぉ……!!」
「いやぁ!! ちょっ、2人とも見ないでぇ!!」
熱い感嘆の意を漏らすソウヤに対し、ミサは悲鳴に近い金切り声を上げ自身の身体を隠すようにうずくまった。
モニカのセンスによって選ばれた、ミサの新たな衣装。
だが、そんな彼女の姿は、エレリアにとって思わず目を覆いたくなるような、なんとも奇抜なものだった。
ほぼ、全裸同然の装い。かろうじて人として隠すべき部位は隠し、それ以外を鮮やかな装飾で施されたまるで下着姿のようなコーディネート。
少なくとも、この衣装が王国の最新コーデでないことぐらいはすぐ分かった。もしそうでないとすると、スカースレット王国がハレンチな変態王国になってしまう。
これは、ただのモニカ個人の悪ノリだ。
「もぉ! モニちゃん、フザケてんの!? こんなの変態がする格好じゃん!」
「えぇー、かわいいのに」
「ダメだよ! 恥ずかしいよ!」
確信犯的にとぼけるモニカに、思わず声を荒げるミサ。
なんだか、今のミサの姿を見ていると、自分まで恥ずかしくなってしまい、正直なところエレリアはずっと直視することができなかった。
無意識のうちに彼女の感情を共感してしまっているのだろうか。とにかく、一刻も早く普段のあの服装に戻ってほしいところだ。
ただ、そんなエレリアとは対照的に、隣にいるソウヤは興奮気味に目を見開き、ひたすらに熱い視線をミサに向けていた。
「なかなか、いいじゃねぇか、ミサ! てか、むしろ今日からその格好で過ごしてくれ!」
「ぜっっっっっっったい、やだっ!!」
少なくともエレリアにはモニカの言う『可愛い』という基準が分からなかったが、相変わらずソウヤは、露出気味なミサの衣装に完璧に魅了されてしまっている様子だった。
「……ねぇ、もういいでしょ?」
ミサは寒さで細かく震える自身の身体を抱えながら、顔を真っ赤にしながら呟いた。
「2人とも、ミーちゃんの新コーデ可愛どう? 可愛よね?」
「いやぁ、私はちょっと、これは……」
「そうだな……。ただ、一つ辛口コメントを言うとするなら、まな板のミサにとっては、ちと豚に真珠ってとこかもしれないな」
しかし、このソウヤの何気ない一言を、ミサは聞き逃さなかった。
「なに、まな板って……。何が言いたいの……?」
「あっ、いや……。悪い、や、やっぱ、何でもねぇ……」
先ほどまでの弱気な態度から一変、ミサは冷酷な鬼のような表情でソウヤに詰め寄る。
思わず慌てふためくソウヤ。
あのたったの一言で、彼女が気を損ねてしまったことはもはや明らかだった。
「私が何だって!? 言いたいことがあるならはっきり言ってよ!!」
「いやいや、ほんとに何でもないって! 今のは聞き流してくれ! な?」
「つまるところ、あんたはミーちゃんが貧乳とでも言いたいわけね」
「バカ! おまえッ……!」
鼻で笑い飛ばすように言い放つモニカ。
そして、その瞬間、ミサの怒りは頂点に達した。
「違う! 誤解だ! 別に、俺はそういうつもりで言ったんじゃ……」
しかし、時すでに遅しだった。
「もう、最低ッ!!」
ミサは渾身の平手打ちをソウヤの頬に怒りのまま喰らわせ、試着室の中からカーテンを勢いよく締めた。
「ありゃりゃ、お気に召さなかったか」とモニカ。
当のソウヤはと言うと、目を回すようにして、完全に撃沈してしまっていた。
結局、各自好きな服を選び、エレリアたちは服屋を出たのだった。
(第55話『コーディネート/Coordinate』終わり)
0
あなたにおすすめの小説
アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身
にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。
姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。
【完結】花咲く手には、秘密がある 〜エルバの手と森の記憶〜
ソニエッタ
ファンタジー
森のはずれで花屋を営むオルガ。
草花を咲かせる不思議な力《エルバの手》を使い、今日ものんびり畑をたがやす。
そんな彼女のもとに、ある日突然やってきた帝国騎士団。
「皇子が呪いにかけられた。魔法が効かない」
は? それ、なんでウチに言いに来る?
天然で楽天的、敬語が使えない花屋の娘が、“咲かせる力”で事件を解決していく
―異世界・草花ファンタジー
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
王女様は聖女様?おてんば姫の大冒険~ペットのドラゴンが迷子なので冒険者になって探しに行きます!~
しましまにゃんこ
ファンタジー
アリシア王国の第3王女ティアラ姫には誰にも言えない秘密があった。
それは自分が全属性の魔力を持ち、最強のチート能力を持っていた「建国の賢者アリシア」の生まれ変わりであること!
8才の誕生日を境に前世の記憶を取り戻したものの、500年後に転生したことを知って慌てる。なぜなら死の直前、パートナーのドラゴンに必ず生まれ変わって会いにいくと約束したから。
どこにいてもきっとわかる!と豪語したものの、肝心のドラゴンの気配を感じることができない。全属性の魔力は受け継いだものの、かつての力に比べて圧倒的に弱くなっていたのだ!
「500年……長い。いや、でも、ドラゴンだし。きっと生きてる、よね?待ってて。約束通りきっと会いにいくから!」
かつての力を取り戻しつつ、チートな魔法で大活躍!愛する家族と優しい婚約者候補、可愛い獣人たちに囲まれた穏やかで平和な日々。
しかし、かつての母国が各国に向けて宣戦布告したことにより、少しずつ世界の平和が脅かされていく。
「今度こそ、私が世界を救って見せる!」
失われたドラゴンと世界の破滅を防ぐため、ティアラ姫の冒険の旅が今、始まる!
剣と魔法が織りなすファンタジーの世界で、アリシア王国第3王女として生まれ変わったかつての賢者が巻き起こす、愛と成長と冒険の物語です。
イケメン王子たちとの甘い恋の行方もお見逃しなく。
小説家になろう、カクヨムさま他サイトでも投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
Emerald
藍沢咲良
恋愛
教師という仕事に嫌気が差した結城美咲(ゆうき みさき)は、叔母の住む自然豊かな郊外で時々アルバイトをして生活していた。
叔母の勧めで再び教員業に戻ってみようと人材バンクに登録すると、すぐに話が来る。
自分にとっては完全に新しい場所。
しかし仕事は一度投げ出した教員業。嫌だと言っても他に出来る仕事は無い。
仕方無しに仕事復帰をする美咲。仕事帰りにカフェに寄るとそこには…。
〜main cast〜
結城美咲(Yuki Misaki)
黒瀬 悠(Kurose Haruka)
※作中の地名、団体名は架空のものです。
※この作品はエブリスタ、小説家になろうでも連載されています。
※素敵な表紙をポリン先生に描いて頂きました。
ポリン先生の作品はこちら↓
https://manga.line.me/indies/product/detail?id=8911
https://www.comico.jp/challenge/comic/33031
半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜
侑子
恋愛
小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。
父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。
まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。
クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。
その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……?
※二章からは、十四歳になった皇女キアラのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる