6 / 25
第一章 始まりの板橋宿
第五話 暴動騒動
しおりを挟む
「なんじゃこりゃー!!」というきぬの絶叫で屋敷の男性陣4人は朝がやって来たことを知った。
きぬは早めに酔ってしまったらしく、早々に自室へと戻り眠っていたのだ。その後まさか男たちが大広間を盛大に汚すだなんて誰が思っただろうか。
具の入った味噌汁が畳の上へ流れ出ていて、茶碗、皿などもひっくり返り、しっかり置かれているもののほうが少ないと来た。
荒らした者どもは未だ夢見心地である。きぬは呆れて言葉もなかった。
その後、俺達4人はきぬにこっぴどく叱られてしまった。
「だいたいですよ。いくら無礼講だったとはいえ何時まで飲んでたんですか!?お椀はひっくり返すし、せっかく作った料理も食べないで絵の具にされる。全く、どうなったら………」
それに対して我々は「返す言葉も御座いません」以外を言えるわけもなく、それぞれ罰を受ける事になった。
七之助は屋根のホコリを払う仕事。末吉は庭掃除。四郎は厠の掃除。そして俺はきぬの買い物の荷物持ちをする事になった。
きぬが支度を終えるまでに少し時間があるというので、俺は廃寺に向かって大量の金塊を持って帰ってきた。彼らは俺に部屋の押し入れの中に隠されている。
「それじゃあ旦那様。参りましょうか。」
そう言って迎えに来たきぬの腕には3つのかごがかかっていた。これは随分重労働になるだろう……
俺の予想道理に八百屋をはしごし魚屋をはしごし、肉屋ははしごしたが何も買わなかった。それから、雑貨屋によって色々買って店を出ようとした時だった。きぬの肩が人相の悪い侍の肩とぶつかったのだ。
「おい。何すんだよ。」
「す、すみません!」
きぬは必死に謝ったが侍に許す気は内容だった。鬼の形相を崩さないままきぬを道の真ん中へと引きずり出す。このままではきぬが危ない。
俺は持っていたものを全て放り投げて侍の背中めがけて踵落としをした。
この技は俺の十八番で、仲間内では地獄への扉とも呼ばれていた。地獄への扉を食らった侍は受け身をとって振り返った。
「何をする。」
「それはこちらのセリフだ。家の者に手を出すということをわかっているのか?」
「お前もただの浪人だろう。ただの町娘相手にカッコつけてんじゃねぇよ。」
侍のターゲットが俺に移してからきぬを離れたところに逃がす。侍が刀を抜き俺の方へと向けてくる。棒を持つ相手に戦うのは鉄パイプで修練済みだ。
侍がまっすぐ振り上げた刀を俺めがけて振り下ろしてくる。俺は刀の道筋を右に滑って外れると、後ろから両足を払った。地面との接点がなくなった侍は素頓狂に背骨を打ち付けた。
苦しむ侍の右手を踏みつける。悪党の手から刀が落ちる。顔を近づけて警告する。
「いいな?これで分かったらもっと優しく生きることだな。」
掴んでいた胸ぐらを離して俺は口を開けて驚いているきぬの手を取り、人が集まり始めたここを足早に去っていった。
「旦那様、お強いんですね。」
「まあ、地元では頭張ってたからなぁ。」
「頭?張る?」
「ごめんごめん。なんでもないよ。」
ちょっとやりすぎたかな?なんて思いつつ二人でゆっくりと屋敷へと帰っていった。
きぬは早めに酔ってしまったらしく、早々に自室へと戻り眠っていたのだ。その後まさか男たちが大広間を盛大に汚すだなんて誰が思っただろうか。
具の入った味噌汁が畳の上へ流れ出ていて、茶碗、皿などもひっくり返り、しっかり置かれているもののほうが少ないと来た。
荒らした者どもは未だ夢見心地である。きぬは呆れて言葉もなかった。
その後、俺達4人はきぬにこっぴどく叱られてしまった。
「だいたいですよ。いくら無礼講だったとはいえ何時まで飲んでたんですか!?お椀はひっくり返すし、せっかく作った料理も食べないで絵の具にされる。全く、どうなったら………」
それに対して我々は「返す言葉も御座いません」以外を言えるわけもなく、それぞれ罰を受ける事になった。
七之助は屋根のホコリを払う仕事。末吉は庭掃除。四郎は厠の掃除。そして俺はきぬの買い物の荷物持ちをする事になった。
きぬが支度を終えるまでに少し時間があるというので、俺は廃寺に向かって大量の金塊を持って帰ってきた。彼らは俺に部屋の押し入れの中に隠されている。
「それじゃあ旦那様。参りましょうか。」
そう言って迎えに来たきぬの腕には3つのかごがかかっていた。これは随分重労働になるだろう……
俺の予想道理に八百屋をはしごし魚屋をはしごし、肉屋ははしごしたが何も買わなかった。それから、雑貨屋によって色々買って店を出ようとした時だった。きぬの肩が人相の悪い侍の肩とぶつかったのだ。
「おい。何すんだよ。」
「す、すみません!」
きぬは必死に謝ったが侍に許す気は内容だった。鬼の形相を崩さないままきぬを道の真ん中へと引きずり出す。このままではきぬが危ない。
俺は持っていたものを全て放り投げて侍の背中めがけて踵落としをした。
この技は俺の十八番で、仲間内では地獄への扉とも呼ばれていた。地獄への扉を食らった侍は受け身をとって振り返った。
「何をする。」
「それはこちらのセリフだ。家の者に手を出すということをわかっているのか?」
「お前もただの浪人だろう。ただの町娘相手にカッコつけてんじゃねぇよ。」
侍のターゲットが俺に移してからきぬを離れたところに逃がす。侍が刀を抜き俺の方へと向けてくる。棒を持つ相手に戦うのは鉄パイプで修練済みだ。
侍がまっすぐ振り上げた刀を俺めがけて振り下ろしてくる。俺は刀の道筋を右に滑って外れると、後ろから両足を払った。地面との接点がなくなった侍は素頓狂に背骨を打ち付けた。
苦しむ侍の右手を踏みつける。悪党の手から刀が落ちる。顔を近づけて警告する。
「いいな?これで分かったらもっと優しく生きることだな。」
掴んでいた胸ぐらを離して俺は口を開けて驚いているきぬの手を取り、人が集まり始めたここを足早に去っていった。
「旦那様、お強いんですね。」
「まあ、地元では頭張ってたからなぁ。」
「頭?張る?」
「ごめんごめん。なんでもないよ。」
ちょっとやりすぎたかな?なんて思いつつ二人でゆっくりと屋敷へと帰っていった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる